月額1661円
(2000年11月)
千葉県市川市 ←→ 長野県更埴市
夜間(7時〜11時)
千葉県市川市のCさんから電話をいただいた。
「電話でレッスン」の電話料金を自分で試算してみたら月額2万円以上になるとのこと。びっくりぎょうてんだった。以前、山口県のOさんに、山口・長野間の料金を試算していただいたことがあるが、そのときは月額で1500円だったか1600円だったか、そんなものだった。あまりにも差がありすぎる。それに長野からだったら、山口よりも千葉の方が近い。何がどうなっているのか。
Cさんは、電話代は覚悟している、「電話でレッスン」は是非受けたいと言われたが、「しゃべりっち」というサービスを併用しても月額1万5千円もかかるのでは私が納得できない。冗談じゃない。私が生徒さんからいただくレッスンの料金よりも多い額をNTTがふんだくるなんてことがあってたまるものか。税金で作った電話回線を使って、法外な料金をぼったくるとはNTTにはやくざも顔負けである。月額1万5千円以上なら、Oさんに調べてもらった料金の約10倍である。
何がどうなっているのか、ようやく自分でも調べてみた。めんどうくさがっている場合ではない。まず、Cさんが調べた「ハローページ」の「料金のご案内」を開いてみた。市川は長野から160q以上あるという。「160q〜240q」という欄を見ると以下のように印刷されている。
昼間(午前8時〜午後7時) 20秒 90円
夜間(午後7時〜午後11時) 22.5秒 80円
深夜(午後11時〜翌午前8時) 30秒 60円
Cさんは夜の10時頃からレッスンを受ける予定だった。レッスンは1回30分である。一回の料金の計算式は以下の通りだろう。
60秒×30=1800秒(一回のレッスンの秒数)
80円×(1800割る22.5)=6400円
6400円! 1回のレッスンにかかる電話代が6400円! だったら、月に4回やれば、
6400×4=25600円
月額で25600円!
「しゃべりっち」で、私の電話番号を登録してもらっても15360円もかかる。これじゃ「電話でレッスン」はできない。頭の中に大友さんや古川さん、Bさんの顔が浮かぶ。もしかして、これまでの生徒さんは、こんな法外な額をNTTにふんだくられているのだったか?
すぐにNTTに電話する。0120−026519。市川の人と電話料金のことを話してびっくりしているところだと話す。以前、山口の人に試算してもらったところ、一回30分、月に4回で1500円程度の額だったが、どこがどうなってるのかわからないと言う。
わかったことは、料金が2000年4月1日から改訂されているということだった。私が調べていた「ハローページ」は2000年3月の発行である。資料が古かったらしい。
電話料金の案内の人によると、現在の料金は、
昼 20秒 10円
夜間 26秒 10円
深夜 36秒 10円 (2000年11月現在)
電話を切り、Cさんのケースで再度試算する。NTTへの問い合わせで、160キロ以上、240キロ以上、320キロ以上と細分されているそれぞれについて聞かなかったが、手元の料金表では公衆電話や100番通話以外の普通のダイヤル通話では、100キロ以上は同一料金になっている。「100キロ以上は同一料金」という枠組み自体が変わっていなければ、Cさんのケースは、全国のどの地域の人にもあてはまる。
新たにわかった料金で再度試算する。
Cさんの夜10時台のレッスンでは、
(1800割る26)×10=692円
これがCさんが一回のレッスンに必要な電話料金だが、「しゃべりっち」に申し込み、私の電話番号を登録してもらうと、4割引になる。
692×0.6=415円
電話代415円のレッスンが月に4回あるとして、
415×4=1661円
1661円が電話代の月額である。
以上の計算は、小数点以下を表記してないが、計算機では小数点以下を持ったまま計算した。だから、結果にわずかな誤差が生じているが、これでなんとか「電話でレッスン」をやっていくのに、現実的な額が出た。
長い間、NTTが法外な電話料金をぼったくり続けてきたおかげで、今でも、長距離電話は高いと思っている人がたくさんいるかもしれない。2000年4月から約10分の1にまで料金が下がっていることを多くの人が知らないでいるかもしれない。このページを作成する必要があると判断したのはそのためだ。
月額1600円強の電話代で北海道の人にも沖縄の人にもレッスンができる。これでようやく私の「電話でレッスン」が現実的なものになる。
これまでの私の頭の中では、全国どこから「電話でレッスン」を受けても、1500円強と覚えていた。それに近い線が出た。
ほっとした。
念のために、Cさんからも地元のNTTに問い合わせてもらうことを依頼する。
NTTはアメリカの圧力がなければ電話代を下げなかった。
NTT、泥棒根性の会社だ。
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Cさんは、機械の部品を販売する会社にお勤めの30代の男性である。私が書いた『英語どんでんがえしのやっつけ方』(小学館文庫)を買って読んでくださり、2000年春頃、不明点を電話で質問してくださった。秋になって再度電話をいただき、会社から休みがとれたので、実際に素読舎で練習をしてみたいとのことだった。
素読舎の近くにあるルートイン更埴というビジネスホテルに一週間部屋を確保し、月曜素読舎、「やじろべえ」インプット教室、「ゆいまある」ひげもじゃ英語塾、土日の素読舎を使って、私の「技法グラウンド」による練習をされた。途中で、温泉に行きましょうとか、蕎麦を食べに行きましょうと、何度か誘惑したが、「回転読み」のコツをつかみかけているところなので行けませんとか、「電圧装置」を作ってやってみているので行けませんと断られた。一週間、本当にホテルで勉強だけしておられた。
夜は、私が山口県、奈良県、滋賀県等の方を相手に「電話でレッスン」をしているのを、同じちゃぶ台でお茶をのみながら見ておられた。
市川に帰られてから再度電話をいただき、「電話でレッスン」を始めたいとのことだった。大学生以上の年齢の方には、ほとんどの場合、映画のシナリオをおすすめしているが、Cさんは英字新聞を読めるようになりたいとのことで、テキストは『ボキャブラリー 楽 暗記』(創育)を自分で決められた。『電話でレッスン』は、中学生向けの「教科書べらべら読み」と高校生・大学生以後向けの「映画でリスニング」が二本の柱になっているが、Cさんのように市販の語学教材の中から自分の作りたい英語のタイプに従って教材を選んでいただくこともできる。ボキャブラリー増強本としては『DUO』も有名だが、これを選んで「電話でレッスン」の「技法グラウンド」と組み合わせれば、本に収録されたボキャブラリーはひとつ残らず身に付く。今後、そういう申し込みがあれば、教科書やシナリオだけにとらわれずに応じていく予定である。
これに応じられれば、非常に大量に出回っている英語学習書がすべて対象になる。問題は、教材ではない。その教材をどう扱うかなのだ。
「電話でレッスン」
「映画でリスニング」
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