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seseさんとの英語談義(1)



 映画のリスニングをめざして、さまざまな学習方法を試し続けるseseさんと交わしたメールによる英語談義の抜粋です。


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From: 根石吉久
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Mon, 10 Apr 2000
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メールありがとうございます。

sese> 国弘正雄氏の素読も、500回、1000回必要と書いてありますが、実践した人はすくないとおもいます。

 国弘さんという人は、素読を提唱されているのでしょうか。その本などご存じでしたらお教え下さい。

sese> 質問は下記1点です。
    Q。アメリカ映画の聞き取りがどれだけ向上するか?

 そうですね。アメリカ映画が字幕なしで面白がれるレベルに達すれば、リスニングは日本在住英語では最高レベルといっていいと思います。
 私はできません。ときどき試してみますが、とてもわかりやすい映画と、とてもわかりにくい映画があります。わかりにくい映画はわからないので、アメリカ映画の聞き取りができるのかと言われると、できないと答えています。

 人様からお金をいただいて、英語を扱っているやつが、平気で「できない」と答えるので、ぽかんと口をあける方もいらっしゃいます。

 でも、練習方法はわかっているんです。

 例えば、私は数学ができないんですが、数学はこうやって訓練しろというのはわかるんです。数学ができないくせに、それを言うから、人は不信を表情に浮かべます。でも、私の塾には、私の言うとおりに数学をやって、数学の高得点で東大に入っちゃったようなやつもいます。

 映画英語に関しても、「回転読み」は有効だと思っています。英語のシナリオ付きのビデオなどが売られていますから、聞き取れないところで、映画を一時停止して、シナリオにマーカーで印をつけてください。印のついたものがある程度たまったら、それらの文を「回転読み」に叩き込んで、「回転読みの完成形」を作って下さい。

 そうやって、ビデオ一本まるごと「聴き取れないところを回転読み」してしまえば、確実にリスニングのレベルは高くなっているはずです。

sese> 私としては、発信の英語は、日本英語でいいとして、受信の英語は、アメリカ映画英語がターゲットにしたい。そうでなければ、喧嘩ができない。

 その路線を激しくやっていただくのがいいと思います。つまり、自分の作りたいタイプの英語を作ればいいわけです。
 ええと、喧嘩は、また別で、いわゆるディベート能力とは全然違うもんだと思います。喧嘩に本当に必要なのは、怒りです。ディベートは、私は嫌いでやりませんが、喧嘩なら何度もやりました。
 ディベートは、あれは、やはり語学の一種というか、シミレーションの一種というか、仮のものです。
 喧嘩は全然語学ではありません。これは、私の言い方では「生活」です。
 私は本当に拙い英語でも喧嘩をします。その場で言い回しを発明しながらでもやります。

sese> そして、このアメリカ映画英語の刺客のひとつが、ご存じとおもいますが、クローズドキャプションデコーダーです。長野駅前の平安堂で販売しています。

 どうやら長野の地理もご存じのようですね。長野に来られることがよくあるのでしょうか。
 クローズドキャプションデコーダは知りませんでした。世の中はほとんど私の知らないことばかりで出来ています。いつまでたってもそうです。
 今度、平安堂で聞いてみます。

sese> 平安堂の平野会長は、英語教育に関心があり、組めるとおもいます。

 平野会長が平安堂の会長であることも始めて知りました。「組める」というのは?

 そうでした。
http://www.awa.or.jp/home/uda/
 を教えていただいて、その後再度見に行き、掲示板に書き込みましたら、すぐに鵜田さんからメールをいただき、相互リンクを張ることになり、張りました。
 ありがとうございました。
 なんだか、私のHPのアクセス数も増えているような気がします。

 sese さんという表記で、メールを引用させていただきたいと考えています。これまで、kaoki さんという方と、英語に関してずいぶんとメールで意見交換してきていますが、まだ私のHPには掲載されていません。

 もし、お時間がおありでしたら、メールによる対話という形で英語談義をしていただけませんでしょうか。

 私のHPに、「kaoki さんとの対話」「sese さんとの対話」というページをいずれ作りたいと考えています。

 大手出版社から本を出してもらうことの最大の意味は、未知の人と対話が始まることかもしれません。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 国弘さんは、只管朗読 ひたすら朗読(ひたすら、座禅からの連想語)で、英語の話し方 の再版がいま、書店で並んでいます。

> 私はできません。ときどき試してみますが、とてもわかりやすい映画と、とてもわかりにくい映画があります。

 具体的には、どの映画のタイトルの役者の名前がわかりやすいのでしょうか? 事例を5つぐらいあげてください。またどうようにわかりにくいのかも。
 わかる英語とわからない英語があれば、これは極めて問題解決が早いとおもいます。多くは、すべてわからないので、問題解決の糸口がみつからないのです。突破口ができたことになるので、あとは、因子分析をすれば、解答はすぐでるとおもいます。
 日本人でも、わかりにくい日本映画はあるとおもいます。たとえば、子供が大人の映画を見てもわかりません。

> 映画を一時停止して、シナリオにマーカーで印をつけてください。

 これは、下記文章と矛盾しますので解説してください。

>> この種の解説本は、多くの人が使い間違えるだろう。映画を見ながら、本を開き、映像を一時停止して本を調べたりする人がいるだろと思う。それでは駄目だ。

 映像停止はどうしてもしたくなります。

> そうやって、ビデオ一本まるごと「聴き取れないところを回転読み」してしまえば、確実にリスニングのレベルは高くなっているはずです。

 これをやり遂げた実例はありますか?なければ、この1号を実際に作り上げることに戦略が行きます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Wed, 12 Apr 2000
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 多分、国弘さんという方が言っているのも、私が「音のあふれ」と言っていることと同じではないかと見当をつけていますが、本をみつけて買ってみようと思います。

sese> 具体的には、どの映画の・・・

 先日、書き落としましたが、私は映画が好きではなくて、役者の名前はまるでいつまでたっても覚えません。映画のタイトルも覚えません。うちの女房は、映画がとても好きで、うちに来る映画好きの人たちと、いつも話がはずんでいますが、私は蚊帳の外です。ときどき、ストーリーを言っているので、「ああ、あれは面白かった。あれ何ていう映画?」とか訊いて、話を邪魔するくらいしかできません。それでタイトルを教わっても、「ふうん」と言うだけで、またすぐに忘れるのです。

sese> わかる英語とわからない英語があれば、これは極めて問題解決が早いとおもいます。多くは、すべてわからないので、問題解決の糸口がみつからないのです。

 問題はいくつかあると思います。

・役者のしゃべり方に癖がある場合。
・低年齢層にしばしば生じる「はやり言葉」を多用している場合。
・オーストラリア英語、インド英語など、イギリス・アメリカ英語の方から見たら派生形である場合。
・語法的に未知なものを含む場合。
・単語を知らない場合。
・早口すぎる場合。
・英文のシンタックスが自分の体に根付いていない場合。
 などなど。

 何が原因になっているかは、学習者の現状とそれぞれの映画の相関関係になると思います。

sese> 因子分析をすれば、解答はすぐでるとおもいます。

 解答は私の場合は、「回転読み」という動態に持ち込めというものです。ただ、私はもうじいさんで、体力が追いつかない。若ければ、テキスト付きの映画のビデオを買ってきて、激しく「回転読み」をやるでしょう。私の若かった頃には、まだビデオというものがありませんでした。

sese> これは、下記文章と矛盾しますので・・・

 ええと、矛盾してないんです。マーカーで印をつけるのは、勉強するんじゃなくて、単に印をつけて、苦手箇所をピックアップするためだけなんです。ピックアップされたら、それを激しく動的な「回転読み」に持ち込みます。マーク付けの直後に「回転読み」が行われるのです。

 問題は、「回転読み」の有無です。また、「回転読み」の激しさの有無です。

 へたくそでもなんでもいいから、激しい動きに持ち込むかどうか、そこがポイントだと思います。

 「多くの人が使い間違える」というのは、本を調べて「勉強」のようなものを始めてしまうことと、その「勉強」が動的でないことを言っています。「勉強」を始めてしまう人は、耳で聞いて、目で見て調べるでしょうが、これでは、これまでの日本人の読み書き中心の英語と方法的に大差はないと思います。「目で見たもの(テキスト)を、目で見て(辞書を見て)調べる」というのが、これまでの英語のやり方だったと思うのですが、ここに決定的に欠けているのが、「自分の口の動き」であり、それを「鍛え込む過程」です。

 ビデオを止めて、本で調べるという一連の過程には、「自分の口の動き」、それを「鍛え込む過程」というものがありません。

 本を出して以後、考えついた言い方で言えば、「口の筋肉の動きからぜい肉をとる」ことをやるかどうかが、大きなポイントになると思います。

sese>  そうやって、ビデオ一本まるごと「聴き取れない ところを回転読み」・・・
sese> これをやり遂げた実例はありますか?

 やり遂げた実例は、私の回りにもいませんし、私もやっていません。sese さんやってみませんか。

 私のHPで、現在はちょっとデータ蓄積を中断していますが、「語数別分類」というのがあるのです。ある語数に達すると、急に言いにくくなったり、「回転読み」が途切れやすくなったりしますが、だったら、その語数だけで英文を集めて、それを「回転読み」すればいい。そして、その語数のレベルに習熟したら、語数をひとつずつ増やしていけばいい。

 「英語リスニング速習ゼミ」のようなものをやるとすれば、初日は、それぞれの生徒の苦手語数を見つけだすことでしょう。後の三日は、その語数のものを使って、「回転読み」のやり方をつかんでもらうことでしょう。実際は、それがリスニングに効果があっても、まるで「リスニング速習ゼミ」に見えないことが問題です。

sese> ところで、わたしは、現場主義なので、もしよろしければ、1泊2日で更埴市に行きたいです。花見はまだ大丈夫でしょうか?

 私は貧乏しており、家も汚いです。女房が掃除が好きでなく、私も掃除が好きではありません。それでもよければ、おいで下さい。塾は、土日の午後から夜まで(1時半〜9時半)やっています。普段の日も、「英会話用インプット教室」などぼちぼちやっております。完全にあけられるのは木曜日のみです。
 塾や喫茶店でやっている教室を見ていただくのは、いつでもOKです。

 花はちょうど咲き始めました。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 更埴市には、子供(高校1年生)を連れて行きたいとおもいます。
 お勧めの宿をおしえてください。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Wed, 12 Apr 2000
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sese> 国弘さんは、素読を提案しています。

 「音読」とか「朗読」という言葉でなく、「素読」という言葉をお使いなのでしょうか。

sese> しかし、この本は、30年前、サイマルから出版し、70万部でた。

 すごいですね、70万部!

sese> ただ、わたしは、4日間でできるようなものをつくってもらいたい。達磨さんのような、面壁8年では生産性が低いとおもいます。

 4日間では何をどうしても無理です。
 生産性が低くて駄目だと考える人はやらない方がいいというだけのことです。私は著書で、「英語はコスト高」だと言ってあります。必要な時間も含めて、コスト高な言語です。

 テープは送付する準備ができています。明日、送ります。

sese> 更埴市には、子供(高校1年生)を連れて・・・

 すぐ近くに、ビジネスホテルがありますが、そこでは駄目でしょうか。

sese> 回転読みの実技をやっていただきたくおもいます。

 塾で行われているのは、「回転読み」ではなく、「技法グラウンド」というものです。「回転読み」の実際は、お送りするテープでおわかりいただけると思いますが、まあやってみろと言われればやります。

 マーカーで印をつけるためにビデオを一時停止することと、目で見て「勉強」を始めるためにビデオを止めることとは違うということは納得していただけましたでしょうか。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 英語の素読で、私が一番心配なのは、カタカナ英語発音で練習する事の成否です。

 カタカナ英語発音が素読や回転読みで矯正されるのでしょうか?

 カタカナ英語発音であっても、素読をして、それが固定しまったら、つまり、英文が口をついて出れば、一つの効果を生むと考える=外人につたわるから、とみなすのか?ということです。

 私は、著書を読んでいて、「あふれ」が一つのキーポイントではないかとおもいました。効率からいえば、非効率です。死んでいるのに、もう一度、弾を打つ。
 しかし、しかし、ここに落とし穴があったようにおもうのです。

 映画でいえば、カサブランカはご存知でしょうか?戦前のアメリカ映画ですが、まぁ、聞き取りやすい部類です。ヨーロッパ人の英語だからでしょうか?あと、スタンドバイミー、オズの魔法使い。こういうので、ひとつの回転読みができれば、面白いとおもいます。

 映画に、回転読みをかける=これは新しい刺客であるとおもいます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Wed, 12 Apr 2000
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sese> カタカナ英語発音が素読や回転読みで矯正されるのでしょうか?

 ええとですね、私の実際の方法は、「技法グラウンド」と「回転読み」です。「技法グラウンド」は塾の中で使われている方法であり、「回転読み」は独習法であることはすでに書きましたが、この二つの元に原理として素読があります。

 「技法グラウンド」は比較的おだやかな方法であり、これは素読舎の土・日の練習以外でも、「電話でレッスン」の「教科書べらべら読み」などで使われます。「英会話用インプット教室」も「技法グラウンド」で行われています。また今後、公開しつづける予定の「英語語数別分類」の「sensei自動発生装置」でも、「技法グラウンド」が使われます。つまり、音声指導が伴う場合の使い方です。

 これに対して、「回転読み」は口の筋肉が非常に痛くなるような激しい練習です。まったく独習用です。

 「技法グラウンド」の練習が終わった文は、「回転読み」にただちに持ち込むことのできる質が備わると考えています。

 やるとやらぬでは大違いですが、「技法グラウンド」で扱って「回転読み」にただちに持ち込むことのできる質をせっかく確保しても、私の生徒たちはなかなか「回転読み」そのものをやってくれません。「回転読み」は、そこに一種の狂気が宿るからだと思うのですが・・・。

 カタカナ英語発音が固定するのは困ります。
 しかし、素読はともかく、「回転読み」というのは、口の筋肉を鍛え込むための方法ですから、途中でCDなどの音声教材を媒介にすれば、あるいは、「電話でレッスン」などの音声指導を伴うレッスンを受けていただけば、カタカナ英語発音ではなくなっていきます。
 
 日本語の音の一つ一つには母音がついてまわります。

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 sta´tic【stae´tik】
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 これを、カタカナ表記すれば、「スタティク」となります。実際にも、【sutattiku】 と発音する人は多いと思います。

 s は su ではないし、k は ku ではありません。つまり母音が余計なのです。

 tae は ta ではないという母音の区別以前に、日本人はあらゆる子音に母音をつけて発音してしまう傾向があります。これは、日本語の生理そのものに基づく傾向です。

ka ki ku ke ko
sa si su se so

 のように、「ん」を例外として、日本語のどの音にも母音がついてまわるのですから、日本人が英語を発音した時に、子音に余計な母音をつけて発音してしまうのは、当然と言えば当然の傾向なのですが、しかし、これこそがまさにカタカナ英語発音です。

 英語の音のように子音の連続が当たり前のような音の世界からは、日本語の子音についてくる母音は余計な脂肪のようなものです。

 あくまで英語の音の方から日本語の音を見た場合ですが、余計な脂肪をとるためのエクササイズは不可欠です。

 母音がついてまわる音から、母音のぜい肉をとることが「回転読み」で可能です。その場合でも、「技法グラウンド」で発音指導を受けた文を「回転読み」に持ち込むのが効率的です。

 「矯正される」と考えるより、日本語とは別に新しく口の筋肉の動きを作ると考えていただく方がいいと思います。

 日本語の音は壊して欲しくないです。英語をやって日本語の音を壊してしまった人は惨めな人だと思っています。

 以上の話は、素読舎という塾を使って、あるいは、市販のCD教材などを媒介にして、音づくりをすることを想定して書いています。しかし、私の大学受験の頃は、まだカセットテープというものが世の中に出てきたばかりの頃でした。

 その頃は、今から思えば相当でたらめな音で私は「回転読み」をやっていたはずです。しかし、そうしているうちに、どこでどうわかったのか、子音の連続も身につきましたし、r 音などもいつの間にか出るようになっていました。l,t,d,n などはみんな上の歯の裏側に舌の先をつければいいのだと、いつどんなふうにわかったのかは覚えていません。ae 音や、э ( e の逆さの発音記号の代用です)音などが出せるようになったのは、大学卒業後です。

 sese さんの懸念は、CD教材などを媒介にすればまったく心配ないと思います。

sese> カタカナ英語発音であっても、素読をして、それが固定しまったら、つまり、英文が口をついて出れば、一つの効果を生むと考える=外人につたわるから、とみなすのか?ということです。

 私はカタカナ発音でいいと言っている者ではありません。カタカナ発音では通じません。

 ただ、発音にやたらやかましくなるのは賛成しません。「通じればいい」。それが唯一の基準だと考えています。

 本当に生粋のカタカナ英語発音だったら、英文がまるごと口をついて出てきても通じません。

 例えば、煙草屋に行って、「ヘイライト」と言っても「ハイライト」が買えてしまうとか、 That's right.  の最初の th 音を z 音で発音しても、right の r音がちゃんと出ていれば、通じてしまうということはあります。イントネーションさえしっかりしていれば、見事に通じます。

 発音をおろそかにしていいと言っているのではありませんが、発音ばかり気にするようになるのは賛成できないと言っているのです。

 私はあくまで「通じればいい」主義者です。

 「通じればいい」主義者ですから、カタカナ発音は賛成できないのです。カタカナ発音は通じませんから。

 しかし、イギリス、アメリカを本家と考える本家本元主義者たちを、私は冷たい目で見ています。あの人たちは、英語の音を盆栽か何かのように考えるらしく、ときどき、とても枝振りのいい発音をするくせに、英語で言いたいことが言えないことがよくあります。この人たちは、イメージが弱く、シンタックスが身体化されていないことが多い。発音が「きれい」であるかどうかばかり気にする人は、「肉を斬らせて骨を斬る」のではなく、「骨を斬らせて肉を斬る」をやっているのだと思います。

sese> 私は、著書を読んでいて、あふれが一つのキーポイントではないかとおもいました。効率からいえば、非効率です。

 まさに、「あふれ」こそがポイントです。
 これを非効率だと言われると、他にどんな効率的な方法があるのかと考えてしまいます。「自己開発セミナー」のような牢獄型訓練法か、日本になど住んでいないでさっさとアメリカに行ってしまうか、その程度のものしかないと思います。

 日本英語そのものが、非効率といえば非効率を身上とするものかもしれません。日本在住のままにやる英語ですから、効率を先だてたら馬鹿らしくてやっていられません。しかし、私はこの馬鹿らしいところが好きなのです。日本の腐ったところを正確に切除する力は、ある種の「馬鹿らしい」行為を信じること以外から生じてはこないと考えています。

 日本で英語が帯びる孤立性、英語の「在日性」の問題を除外して、日本の英語の問題は語れません。英語の「在日性」のことがあまりにも長い間放置されてきたと思います。

sese> 映画でいえば、カサブランカはご存知でしょうか?

 申し訳ありません。妻に聞いてみましたが、妻は知っており、うちにビデオあるよ、ということでした。私はその「カサブランカ」という有名な名前だけを知っています。あとのことはわかりません。

sese> 映画に、回転読みをかける=これは新しい刺客

 sese さん、再度お誘いしますが、第一号になってみるのはいかがですか。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 とにかく、そちらに行って見ます。22日の午後には、そちらにつくと おもいますので、技法グラウンドを見学させてください。
 高校1年の息子を連れて行きます。これを1号候補にしたいとおもいます。私もやりたいのですが、3年前から喉を悪くしており、声があまりでません。
 (じつは、3年前に「音読だ」とおもい、1日30分ぐらいやっていたのですが、2週間ぐらいつづけていました。それで、喉がやられ、飲んだ薬アステロイドで後遺症までできた次第です)

 非効率というのは、非効率の効率です。
 無用の用というものです。

> カタカナ読みでも、回転読みをしていれば英語の音に近づいていく。

 これは、まさに、直感的演繹とは逆ですが、ひとつの真理かもしれません。回転読みの躊躇の理由に、カタカナ英語発音の固定化というのがあれば、これは理由にならないことになります。

 国弘さんの本には、素読という用語がないみたいです。朗読ですね。これは、まだ確認中です。ただ、涙なしの言語修得はないという立場にたっておられます。


あと質問2点。

1)英語の音つくりと筋肉

 腹式呼吸法を教えるところが結構、多いのです。具体的には、腹筋練習をさせています。とにかく、従来の英語の発音練習とは無機質で面白くなく、練習しても英語の音をつくれない。

 これに対して、鵜田さんの30音は、1日もあれば、英語の音つくりの基礎をおしえ、それもつらくなく修得させるものです。短時間かつ楽ということで画期的です。このため、4日間で可能性が開けるとおもったものです。


2)映画のシナリオと実際に聞こえてくるギャップ感

 漢字の字体に、楷書体と草書体があるごとく英語の場合は、スピードモードが多様化している。シナリオ本をみて、マーカーをつけても、回転読みをやると、その場(1時間以内)でわかるようになるでしょうか?

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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 今、テープを送るために以前に吹き込んだものを聞き返していましたら、当時、非常なヘビースモーカーだったせいで、しょっちゅう息切れしていて、非常に聞き難い。

 体力のある人なら10回程度の回転は軽くきかせることができるだろうと思いますが、この当時の私は3,4回で息切れしています。年寄りはどうしようもありません。

 ただいまは禁煙しています。

 まあしかし、「回転読み」というものがどんなものかはわかっていただけると思います。

 もう一本の「技法グラウンド」というやつが、ご注文いただいたものですが、これは、塾をやっている日に炬燵の上にテープレコーダーを置いて録音しました。(炬燵で塾をやっているわけです)。子供のそばにテープレコーダーを置いたので、私の声が弱くなっています。

 「技法グラウンド」というのは、こちらが1回言ったら、子供(塾生)が、同じものを5回繰り返すというものです。その間、途切れたり、言い間違えたりしなければ、次の文に進みます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Fri, 14 Apr 2000
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sese> 素読という用語をつかって、ビデオで無料で発音を表示しているサイトがあります。

 お教えいただき、ありがとうございます。
 見てきました。
 口蓋図のページだけです。
 ビデオはダウンロードにやたら時間がかかるため見ませんでした。
 本当はビデオを見なければしょうがないページなんでしょうけども、1GBしかないハードディスクを圧迫しそうなのでやめました。

 私が構想している「電話でレッスン」は「英文語数別分類」を元にしようと思っています。
 ある商社の社員の方が、私のHPに目をつけてくれ、大規模な商売にならんかと考えています。ねずみ講ではないのですが、「sensei自動発生装置」というのがねずみ講と見られるおそれがあると言われました。それはいやなので、「『回転読み』道場」という名前に変更することを考えています。

sese> また、屋代駅に昼過ぎについて22日、そのまま、貴塾に直接おうかがいしますが、地図をおねがいできますか?


 至長野 ++++++++++++++++ 至上田
       交番  屋代駅
ーーーーーーーーーーーー○
  ○ |○  ○印刷屋|
飲み屋 |土蔵     |屋
    |(自転車   |代
    |預かり所)  |駅
    |       |前
    |◎      |通
    |根石     |り
    |       |
 薬局 |       |
  ○ |○民家    |○八百屋(もちづき)
ーーーーーーーーーーーー○ーーーーーー
    ○     信号|○進学塾(信学会)
 ルートイン更埴    |
   (駅から見える) |
            |

 ルートイン更埴と信濃鉄道の線路とのちょうど中間あたり。屋代駅から徒歩一分。この路地では、一番のボロ家。平屋。直接おいでいただいてもいいが、
 272−4330を屋代駅からかけていただくのが確実。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 ビジネスについてですが、英語産業は日本で年間2兆円で世界最大規模です。先進国で英語ができないのは日本ぐらいですから、家庭に英和辞典が2冊あるほどの市場規模(聖書より大きい)です。こうした、金儲け主義が、じつは、英語学習の方法論を歪め、真実の方法を葬ったか、殺したと見ていいでしょう。金儲けが目的では、創造性が生まれません。真実の方法とは、金がかからず、その場でできるようになり、再発(元に病気が戻る)しないことです。
 これは、腰痛の場合がそうです。ある先生のところに行くと、15分でなおり、一生再発しません。その先生は、金をとっていないのです。私は、英語もこうありたいとおもうのです。文献をみるかぎり、一日でできるようになったという人が結構います。わたしは、その方法は、万人に効くとおもいます。しかし、資本側がそういう方法の露出を妨害したとおもいます。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
In-Reply-To: Your message of "Mon, 17 Apr 2000
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sese> そうすると、碓井峠の連絡バスが数本しかないので、・・・

 何時でも結構です。塾を開いているのは、午後1時半から夜9時半までです。夜になると、塾ががらがらで練習を見ていただくことができない場合もありえますので、明るいうちにおいでいただくのがいいかと思います。

sese> 息子と二人で授業見学ということでいいでしょうか?

 結構です。

sese> これ(「技法グラウンド」のテープ)を聴く限りにおいては、類似のことを塾でもやっているようです。

 塾というのは、息子さんが現在使われている塾のことですか?

sese> ビジネスについてですが、英語産業は日本で年間2兆円で世界最大規模・・・・

 こういう具体的な数字はまるで知らずにおりました。

sese> こうした、金儲け主義が、じつは、英語学習の方法論を歪め、真実の方法を葬ったか、殺したと見ていいでしょう。

 既存のほとんどの英会話教室に当てはまることだと思います。しかし、もっとも問題なのは、シンタックスの違いに対処する方法をまるで無視し、英語を知識としてのみ扱ってきた文部省です。学校の英語が駄目だから、これほどの産業規模になるのです。しかも、これほどの産業規模になりながら、まともな方法は砂の中に落としたゴマ粒を拾うようなものです。

 英語の語学産業の規模は世界最大。
 実際の英語の運用能力は世界最低。
 これがまぎれもない日本の英語の現実です。

 日本語というものが、どれほど英語と相性が合わない言語であるかを如実に示していると思います。

 まず根底にそれがあります。

 文部省は、英語という言語が日本人にとってどれほどの難事であるかをとらえることができないままにきたのです。その欠陥に寄生してきた多くの英語産業も同様です。とりわけ、受験用の進学塾がそうであり、英会話学校というものがそうです。


sese> ある先生のところに行くと、15分でなおり・・・

 私は腰痛が持病です。この先生はどこにいらっしゃるのでしょうか。

sese> 私は、英語もこうありたいとおもうのです。文献をみるかぎり、一日でできるようになったという人が結構います。

 もしかして、腰痛なら一度直ったら再発しないということはあるかもしれません。

 英語が一日でできるようになる方法というものがあるとは、私にはどうしても考えられません。それまでの練習で形成されていたインプットの回路に逆向きの電流を流し、アウトプットの回路として使う「きっかけを与える」ことなら、あるいは一日でもできるでしょう。

 回路自体を作ることは、どう逆立ちしても一日でできることはあり得ません。それが本当にあるならば、私は塾をやるという仕事をやる必要はなく、その本当の方法だけを知ればいいことになります。しかし、その方法を探す気は私にはありません。自分で英語をやってきたことの中にどれだけのことがあったかを考えて、それが一日で成果として実現することは、何をどうやってもありえないとわかっているからです。

 日本に住み、日本語で生活しながら、英語で思考できる回路を作るのは、実に実に時間のかかることです。したがって、英語は日本ではどうしてもコスト高な言語になります。このこと自体は、学校が悪いのでもなく、資本が何かを隠蔽してきたからでもありません。英語と日本語という言語どうしの問題です。日本語と英語という言語が、まったく構造を別にする異質な言語どうしであるためです。

 一日でできるようになる方法など探していれば、探しているうちに一生が終わります。それは間違いありません。

 しかも、いったん英語で思考する回路を作っても、英語は日本語で生活しているかぎり、すぐに錆びつくしろものです。メンテナンスが実に大変なのです。

 むしろ、英語はそれほどに難事だということをこそ、既存の英会話学校は隠蔽してきたと考えています。また、それほどの難事を、単に知識として扱うことでごまかしてきたのが文部省であり、学校英語だったということです。

 日本語が滅びるのでないかぎり、日本人にとっての英語が楽なものに変わることは考えられません。これは言語どうしの宿命のようなものなのです。どんな手品も無効です。

 私の「どんでんがえしのやっつけ方」でも、練習を激しい動態に持ち込めと言っているだけです。日本に住んだまま、英語をものにするのなら、練習を知識を扱うことにとどめないで、激しい動態に持ち込まなければなりません。その場合の方法として、「回転読み」その他を提示したのです。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> アウトプットの回路として使う「きっかけを与える」ことなら、あるいは一日でもできるでしょう。

 きっかけでいいのではないでしょうか?
 いまは、きっかけすらないのです。
 私は、富士山の高さを知っていますが、
 覚えかたを一度ならっただけです。

> 英語は日本ではどうしてもコスト高な言語になります。

 では、韓国語なら修得は早まるでしょうか?早まるはずだということは言えても、実際面は同じとおもいます。韓国人や台湾人は、高齢であれば、日本語がうまい。しかし、日本人は、アジア言語でもそうはうまくない。

 私の考える呪術としての英語=4日で聞き分け・言い分けができる。

 これは、一見不可能に見えます。しかし、これに近いところもあります。有名なところでは、ヒッポファミリークラブというものがあります。テープを聴きながら、歌い、踊っているうちにできるようになる人が現実にいます。一週間ぐらいです。しかし、多くの人は、短時間でできませんし、継続しません。途中でやめます。

 会社にオランダ人が来ています。日本語を昨年の9月から習い出していますが、言い分け・聞き分けができます。日本語から、英語を見た場合、その距離が大きければ、英語から、日本語を見た場合、その距離も同じです。しかし、外国語修得速度は、明瞭に違います。

 ポイントは、SVOを瞬間体得させて、固定する方法が、4日間で十分であると私はおもいます。英語の音に関しても、何年もかかっても駄目とおもっていたのが鵜田方式だと1日もかからない。要は、学習生産性の問題だとおもうのです。SVOは、その突破口であり、回転読みは、その定着化であるならば、この構造の生産性をあげればいいのではないかとおもいます。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> きっかけでいいのではないでしょうか?

 きっかけとは、実際はガイジンと話のやりとりが続くということだろうと思いますが、そんなきっかけがあっても、日本在住のままではアウトプットの回路に一度電流が流れただけのことであり、またすぐに流れなくなります。

sese> 私は、富士山の高さを知っていますが、覚えかたを一度ならっただけです。

 富士山の高さは知識であり、イメージではありません。知識を定着させるためのきっかけはいわゆる受験テクニックで用が足ります。語学でアウトプットの回路が動き出すきっかけというものは、受験テクニックでどうにもなりません。

sese> では、韓国語なら修得は早まるでしょうか?

 日本人が英語をやるのと同じだけの熱意を本当に韓国語に対して持つならば、英語よりはるかに簡単に韓国語は身に付くはずです。シンタックスが同型であり、先祖をたどっていけば同じ先祖にたどりつくことが想定できます。英語よりはるかに楽です。

sese> 韓国人や台湾人は、高齢であれば、日本語がうまい。しかし、日本人は、アジア言語でもそうはうまくない。

 韓国人や台湾人は、日本の政治的な暴力によって、日本語を強制されました。優秀でありながら根性が奴隷であるか、奴隷を演ずることができれば、強制された言語に上達するでしょう。

 日本人がアジアの言語がうまくないのは、日本人がアジアを馬鹿にしてきたせいです。他に本当の理由はありません。馬鹿にしている言語に上達するわけはないのです。アジアの言語を一段下に見て、英語・フランス語・ドイツ語を一段上に見てきた日本人が英語に上達しないのを見ると、本当にざまあみろという気がします。

sese> ヒッポファミリークラブというものがあります。テープを聴きながら、歌い、踊っているうちにできるようになる人が現実にいます。一週間ぐらいです。

 こういうものを私はまるで信じられません。きっかけとしてはよろしいかもしれません。しかし、そのきっかけがあっても、英語のインプット・アウトプットの回路はすぐに錆び付くのです。日本語で生活しているかぎり、これは宿命とでもいうべきものです。

sese> 会社にオランダ人が来ています。日本語を昨年の9月から習い出していますが、言い分け・聞き分けができます。

 このオランダ人は日本にいるのです。日本にいる限り、このオランダ人は日本語に取り囲まれています。それならば、覚えた日本語を外に引っぱり出す力が働いています。このオランダ人が、言語的な磁場が日本語でできている場所にいるのだということを外して、個々の、あるいは国別の外国語習得能力の問題にしてしまうことに意味はありません。

 日本人でも、言語的な磁場が英語でできている場所で仕事をし、生活をするならば、基礎さえあればじきに英語に上達します。

 私の「日本英語」というものは、日本在住のままに英語をやることで作られる英語のことです。難民のような英語です。

 単に英語に上達したいだけなら、日本にいないで、英語圏の国に行けばいいのです。そこは、言語的な磁場が英語でできているので、上達には圧倒的に有利です。しかし、例えばアメリカ人が日本を見るような視線しか獲得できはしないでしょう。国籍は日本人だが、こころが国籍不明になることなら、英語圏の国に渡って、そこの文化に染まれば、即席ラーメンのように簡単にできます。ヒッポファミリークラブも糞もない。英語に上達するだけのことなら、そんなものを使わなくても、アメリカかイギリスで十分に用が足ります。その方がはるかにましです。

sese> 日本語から、英語を見た場合、その距離が大きければ、英語から、日本語を見た場合、その距離も同じです。しかし、外国語修得速度は、明瞭に違います。

 これはオランダ人の手柄ではありません。そのオランダ人が、今、現にいる日本語でできた言語的磁場の手柄です。

sese> ポイントは、SVOを瞬間体得させて、固定する方法が、4日間で十分であると私はおもいます。

 そうはどうしても思えません。語学はそんなインスタント・ラーメンのようなものとは違います。あるいは、新興宗教のようなものとは違います。

sese> 英語の音に関しても、何年もかかっても駄目とおもっていたのが、鵜田方式だと1日もかからない。

 では、鵜田さん自身が、アメリカに10年暮らして、r音は何年かアメリカ生活をした後に、いつのまにか自然に出せるようになったと言っていることはどういう意味のことになるのでしょうか。何年もかかっているのです。一日で出たのではないのです。

 一日で獲得できるものは、ついに知識にすぎません。

sese> 要は、学習生産性の問題だとおもうのです。

 英語は日本に住んでやるのならコスト高です。つまり、学習生産性はとても低いです。
 これを一挙に高めることは、政治的な暴力による以外にありません。アメリカによって、日本が亡国になるならば、生産性は一挙に高まります。言語政策として、かつて日本がアジアの国に対してやったのと同じことを、アメリカが日本に対してやるならば、英語の学習生産性は高まりますが、それでいいのでしょうか。
 
 私は政治的な暴力から発する言語政策はとことん信じません。
 だから、日本在住のまま、日本の英語を作ろうとしてきました。
 実に平和なのんきなことをやってきたと言えば言えます。しかし、これは力技と言えば力技でもあります。この力技があまりにも過小評価されています。

 アメリカ帰りのアメリカ英語と同列に見なされてたまるかという矜持を日本育ちの英語はもっとはっきりと持つべきです。

 日本英語は、一匹だけで急流をさかのぼっていった魚です。英語という言語的磁場のない場所で、英語を育てるということは、実に実にご苦労なことです。これは、何度も言いますが、日本語が滅びない限りは変わりません。

 英語が楽になるために、日本語が滅びていいのか。
 滅びてはならん。私はそう考える者です。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 語学
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 語学の修得について、結局、圧力説ですかね?

1)磁場がない
2)シンタックスがちがう

 たしかに、軍事訓練の一つとして、スパイ学校がありますが、これは、発狂者がでるほどの圧力を短期間にかけていたことが、一応、公表されています。いま、音読がブームになっていますが、只管朗読、只管筆写の、国弘正雄さんによると、暗記が目的でない。500回、1000回と何回も読むこと自体が目的だそうです。私もそう思って音読していたら、喉をやられた次第です。それで、只管朗読、只管筆写ができないで、しかも英語の磁場がない人で、英語ができるようになった人がじつはいるのです。その人は、全盲で生まれ、日本人ですが、英語ができるようになったのです。語学修得法は、奥が深い。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 語学
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sese> 語学の修得について、結局、圧力説ですかね?

 私が言っていることが、ということですか?
 自分で自分に対して行うというモチーフを欠いて、外から(暴力として)強制されることをさして、「圧力」という語を用いておられるのでしたら、私の方法はその対極にあります。
 私は語学は「自発」であり、「自立」だと言っているのですから、まるで正反対のことを言っていると考えています。

 それとも、「語学の修得について、(実効のある方法は)結局、圧力説ですかね?」という意味でしょうか。

 「自分が自分に対して」行使する圧力という意味でなら、私はすでに「電圧装置」などという語を用いて、それが必要であることを書いています。つまり、肯定しています。それを肯定せずに、語学は成立しません。実効のあるなし以前に、語学そのものが成立しなくなります。

 スパイ養成学校での「圧力」は、その根源が自分の外にあります。これは鈴木隆夫がエリートだけ選んで、それだけを相手に訓練すればいいという場合の、その教室の中に生じる「圧力」と同質のものになると思います。外在的圧力とでも言いましょうか。

 私の「電圧装置」の「圧力」は、その根源が自分にあります。自分に発して自分に届くだけです。内在的圧力とでも言うべきかと思います。

sese> いま、音読がブームになっていますが、只管朗読、只管筆写の、国弘正雄さんによると、暗記が目的でない。500回、1000回と何回も読むこと自体が目的だそうです。

 国弘さんの説は、英語の磁場がないところで英語をやる場合、本当はこれしかないんだというものを指し示しているような気がします。ただ、朗読という言い方が私にはあまりなじみません。「音読」あるいは「素読」だろうと思っています。

 只管朗読、只管筆写というものは、その命名になじまないというだけであって、練習の実質は、「回転読み」「回転書き」と重なり合う部分が大きいのではないかとにらんでいます。

 国弘さんの本をみつけようと思っていますが、もしかしたら、私は私の先達をみつけることになるのかもしれません。それだったらうれしいのですが。

sese> 私もそう思って音読していたら、喉をやられた次第です。

 途中から喉の方から力を移行させ、口の筋肉の動きに力を込めるようにし、筋肉の動き自体を作り出す必要があります。そのあたりのアドバイスに関しては、一対一のレッスンにまさるものはなく、いや、実はそれしかなく、私の「電話でレッスン」はまさにそれを行おうとするものです。
 喉を張り上げるようにすると、喉をやられます。英語の音づくりというのは、喉を張り上げて発声することとは違います。

sese> その人は、全盲で生まれ、日本人ですが、英語ができるようになったのです。

 全盲で生まれたのなら、字を媒介にして読むことは不可能なわけですから、絶えず音を通して英語をやっていたはずです。その場合、自分の口の筋肉は動かせるわけですから、インプット、アウトプットがともに可能です。読書ができない。手紙が書けないということはあるかもしれませんが、人の話を聞き、自分の話を話すことはできます。というより、そちらに限定される分だけ余計そちらの能力が発達するでしょう。目の助力がない分だけ、音を大切に受け止めるようになるのではないでしょうか。聞き、話すことに関してなら、目の見える人よりもよほど上達するかもしれません。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp,
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 下記、HP参考のこと。


http://hint.cse.oka-pu.ac.jp/Research/opt.html


 ところで、人間の口の下唇の動きが音声認識の補助になっているという記事が、朝日新聞、3月17日頃にあったという。確認したがなかったけれど・・・

 ポイントは、1秒間250コマの分解能がないと、音声認識上の補助にならない。映画やビデオで口唇の動きをみるよりは、生の口を見る方が効果があることがわかる。また、人間の動態視力はすさまじく、250分の1秒の動きも見逃さないないようである。目に黒の線をいれると、顔がわからなくなり、口に黒の線を塞ぐと、音がわからなくなる。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> http://hint.cse.oka-pu.ac.jp/Research/opt.html

 教えていただき、ありがとうございました。
 まだこの程度のことしかできないのであれば、語学には、当座はアニメーションの利用が向いているかもしれません。

 遅れ遅れにメールの返事を書いています。お許しのほど。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: Jeigo
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 日本英語をエスペラントのようにする。
 たとえば、韓国人と日本人とが、共通に話すとき日本英語を使う。
 日本英語のことを、Jeigo(ジェイゴ)とよび、カラオケ、回転寿司のつぎの日本発世界製品とする。
 これは、相当な利権になるとおもいます。
 もちろん、米国人も、Jeigoをつかいたければつかえばいいのです。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: Jeigo
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sese> 日本英語のことを、Jeigo(ジェイゴ)とよび・・・

 これは面白いですが、さあて、どんな製品となるのでしょうか。日本英語というものは、まだ確立されていないので、それの確立の方が先決問題でしょう。

sese> もちろん、米国人も、Jeigoをつかいたければつかえばいいのです。

 それは当然そうです。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 素読は、ビジネスマン英語(TOEICテスト)にも有効とおもわれます。

 英語の学習法として素読が有効であることはすでに知っていますが、英語に限らず素読そのものを復活させてみたいという考えもあります。教養講座のような形で行われているのは、講師の考えを聞くことになりますが、そうではなく、テキストそのものから受け取るだけでいいとすれば、「読み」(難しい漢字など)の問題さえ解決すれば、どんなテキストでもやれる。とりわけ、日本の古典などには向いていると思います。素読を中心にすえた講座を作ろうというような企画があれば、アドバイスはできます。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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Jeigo ドット コムの定義

1)英語の弱形が聞こえるようにする。

 現在の日本の英語教育は、音声教材があるが、そのほとんどは、強形による発声のため、なまの英語である弱形の聞き取りができない。このための方法論が用意されていなく、ただ、ひたすら、聞いていれば、いつかコルクの栓が突如ポーンと抜けると言っているのみである。

2)自分の気に入りの映画1本のみをとりあげ、そのセリフは、音声理解できるまで自分のものとしている。

3)4日間の英語研修(32時間)で、Jeigoの素をつくる。
Jeigoのバイブルとよぶべき映画は1本指定する。4日間で、10英文を言えるようにする。

 現在の受験英語に汚染された単語、文法形式による英文直訳翻訳を、映像、音声、感情、英語発想で、意味理解できることを体得する。それは、英文の素読をし、音を獲得してから、事後に外形的な意味を貼り付けるコンセプトである。現在は、意味から、音をつくろうとしている。それを、音から意味へ、コペルテクニス的転換をする。

備考
3)ーーー>2)ーー−>1)
とステップが進みます。
3)は、直接指導
2)は、電話レッスン
1)は、自己学習


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> Jeigo ドット コムの定義
sese>  1)英語の弱形が聞こえるようにする。

 これまで行ったことはありませんが、映画のシナリオを使った「技法グラウンド」(一回言ったら、生徒が五回同じことを繰り返し言う練習)によって、練習が可能だろうと思います。一人で「回転読み」で行うこともできます。途中で映画のビデオの音を媒介にすれば、弱形とここで言われているものをつかむ練習にはなると思いますが。

sese>  2)自分の気に入りの映画1本のみをとりあげ、そのセリフは、音声理解できるまで自分のものとしている。

 これは、本当に誰か生徒になってくれないものかと思っています。ひとまず、妻をつかまえて、「E.T」で実験的に始めました。映画の中では、言語的な磁場が英語で確保されていますので、あくまでシュミレーションではありますが、英語でできた言語的磁場を体験できます。これが、映画による語学学習のいいところだと思います。


sese> それは、英文の素読をし、音を獲得してから、事後に外形的な意味を貼り付けるコンセプトである。

 「外形的な意味を貼り付ける」というほど簡単ではなく、やはり「イメージ」の「イデア化」という過程は通らなければならないでしょう。しかし、その場合に、映画のコンテクストや俳優の表情、声の調子が大いなる助けになることは間違いないでしょう。
 もしかすれば、映画のシナリオの素読というのは画期的な方法かもしれません。ビデオの音がありますから、先生と生徒が両方ともレベルアップします。

 現在の英語教育は、「意味から音をつくろうとしている」というよりは、いつまでも意味にとどまるだけで、音をまともにつくろうとはしていません。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 謙虚というか
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 以下は、seseさんが、鵜田さんという方のホームページの記事を私に転送してくれたものです。(根石吉久記)
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鵜田さんのホームページから(引用)。

> 遅くなりましたが続30音の刊行おめでとうございます。続30音をようやく入手しましたので、少しずつでもやっていきたいと考えているところです。以下の点から、私には好適ではないかと考えています。

 これまであまり自分自身の英語に関してはお伝えしていなかったですが、私は試験の英語は良くても、話す聞くは。。。という典型的な学習です。

 高校時代から模擬試験では全国レベルの成績を取り、試験の英語に強いところを活かし(?)、大学に入ってからほとんど試験内容も知らないで受けた資格試験でも、英語検定1級やTOEFL 653点、TOEIC 960点を(難なく???)取りました。

 そこまで達した後で会社からの派遣で2年間のMBA留学をしたり、現在は英語ベースで仕事しているので、これだけをみるとかなりのレベルのように聞こえるかも知れません。

 しかし、listeningは文脈と文法と語彙で補って聞いているだけで、個々の文字の音を正確に聞き取ってはいないと思いますし、いままで英語を話していて本当に気持ちよく言葉のキャッチボールができたと自覚したことはありません。

 注: 上記は「学校や試験でいくら良くてもまったく聞けない話せない」ということではなく、自覚としてあまり comfortable に話せないという意味に 於いてのことです。恐らく、平均的日本人(特に同世代)からすればやはりある程度は「話せる」部類に入るのではないかと思いますし、まだまだ「知識と類推」で聞いている部分が多いにせよ、たとえば ”Ally Mcbeal” などはそのまま楽しめます。

 Udaさんのサイトでも登場する一部の達人の話を聞くとうらやましい限りです。現状英語そのものの学習に割ける時間とエネルギーは極めて限られているなか、今般の続30音が、私のような、年齢が進み且つ頭でっかちな英語力の者にとって、内容、ボリュームとも好適ではないかと考えている次第です。

 ある程度使用した上で感想等あればまたご連絡いたします。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 謙虚というか
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  しかし、英検1級、TOEIC900点以上であっても、いままで英語を話していて本当に気持ちよく言葉のキャッチボールができたと自覚したことはありません。
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 ああ、そうなのか、という感じです。
 日本在住のままに英語をやれば、必ず英語が在日化すると考えてきましたが、英検1級、TOEIC900点以上の人でもそうなのかと、一切の資格を欠いている私は驚きました。しゃべりの英語においては、つくづく言語的な磁場こそが根源だということではないでしょうか。
 気持ちのよい言葉のキャッチボールは、英語で言語的磁場ができている場所で「生活」すること以外では手に入らないものではないかと思います。

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  上記は「学校や試験でいくら良くてもまったく聞けない話せない」ということではなく、自覚としてあまり comfortable に話せないという意味に於いてのことです。
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 この方は正直な方で、日本語でできた磁場の中で英語を使うことの実態をよく言い表してくれていると思います。相当にしゃべれる感じの人も、この種の不満はみんな持っているのではないかと思っています。
 この方が言っている comfortable でない性質こそ、英語の「在日性」と私が呼んだものではないかと考えています。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> ひとまず、妻をつかまえて、「E.T」で実験的に始めました。


 ETより、「7年目の浮気」にしてくれませんか?理由は、マリリンモンローにこだわることです。シナリオ本があるので、とくに聴解が困難なところを私が、メール文でおくりますので、それに解説をつけていただくとありがたいです。What is it?も、弱形で発音されると、まず聞き取れません。しかし、これを、技法ラウンドで、つぶせれば、即効性があり、画期的なものになります。こうすれば、ビデオは、生徒がもっていますので、メール形式のテレティーチングができるとおもいます。

 それから、連休中に真剣に考えたのですが、国弘一派は、やはり、ハードすぎるのです。そうではなく、映画シナリオの技法ラウンドは楽しいとおもいます。ご検討ください。

 PS
 技法グラウンドと回転読みがよくわかりません。回転読みとは、個人が独学でやる場合のコトバとおもいます。技法ラウンドは、先生と生徒と1:1という概念でよいでしょうか?

 技法グラウンドの5、7とかは、英文の単語数のことですか?

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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 ご返事が遅れ申し訳ありません。
 自宅自作現場に寝泊まりしており、何日もメールがチェックできないことがあります。遅れますが、お許し下さい。

sese> ETより、「7年目の浮気」にしてくれませんか? 理由は、マリリンモンローにこだわることです。

 ETを使った練習は妻が継続してやっています。フルメタルジャケットというやつを、村田君が始めました。

 私はモンローが大好きですし、映画の「7年目の浮気」も好きですので、それを sese さんが始めていただくのは、まるで構いません。しかし、私の方でなかなか時間がとれないのが現状です。妻のETも村田君のフルメタルジャケットも、ともに月曜日にウドとやっている教室の中で一度に処理しています。sese さんがお近くにお住まいであれば、是非、月曜日の教室に「7年目の浮気」を持ちこんでいただきたいと思うのですが・・・。

sese> シナリオ本があるので、とくに聴解が困難なところを私が、メール文でおくりますので、それに解説をつけていただくとありがたいです。

 必ずやれるとお約束はできませんし、自宅自作の現場の進行によっては長いことお返事できないことも考えられますが、それでもよろしければ、送ってみて下さい。
 ただ、メールなどで解説しても、音声の問題は解決しません。できれば、「電話でレッスン」の形でやっていただければうれしく思います。双方で、曜日と時間が折り合いがつけば(今のところ、日曜日夜8時頃がありがたい)、開始できます。

 毎週30分、月額一万円が必要になります。
 月4回を基本とし、5回ある月は、5週目をプールし、後で「有給休暇」のように使わせていただく場合があります。今年、6月、ウドとフィラデルフィア、ボストン等に行くかもしれません。このような場合に、プールしておいた分を使わせていただくということです。
 「しゃべりっち」などのサービスを併用されることをおすすめします。

(このメールのやりとりの頃は、「電話でレッスン」の案内は根石のホームページ上にはなかったものと思われる。2001年1月現在、「電話でレッスン」の生徒さんは10人になっている。<「電話でレッスン」の案内へのリンク>)

sese> しかし、これを、技法ラウンドで、つぶせれば、即効性があり、画期的なものになります。

 技法グラウンドは、「電話でレッスン」で使う練習方法です。あるいは、塾を見に来ていただいたとき、私が炬燵の上でやっていたものも同じものです。私が1回言った文を、生徒が同じ調子で5回繰り返し言い続けるというものが、「技法グラウンド」です。
 これは、「回転読み」への導入部分でもあります。
 「回転読み」は一人で行う練習で、技法グラウンドよりも、激しい練習になります。こちらは、小学館文庫に書いた通りのものです。喉に気をつけて、できればこれもやっていただきたいと思います。

sese> それから、連休中に真剣に考えたのですが、国弘一派は、やはり、ハードすぎるのです。

 sese さんの話からの推測にすぎないのですが、国弘さんという方の方法はまっとうなものだと思います。ハードすぎるのも確かです。現在の私には、500回、千回は無理です。

sese> そうではなく、映画シナリオの技法グラウンドは楽しいとおもいます。

 どうですか。「電話でレッスン」で「技法グラウンド」をやってみませんか。もしかしたら、私の方が教えてもらうことが多いかもしれません。映画オンチですから。確かに、映画シナリオの「技法グラウンド→回転読み」は、すぐ後にリスニングによるせりふの直接理解という「ごほうび」が待っているだけ、楽しいものになるのは確かでしょう。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 7
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 Marilin Monroe「7年目の浮気」。冒頭、11分50秒ぐらいにはじめて、マリリンが登場し、セリフをいいます。スクリプトをみると、すべて平易な単語ですが、聞こえないとおもいます。これを、技法グラウンドと回転読みで10分後に聞こえるようになれば、それは、本物とおもいます。

 シナリオ本
I am terribly sorry to bother you,
but I forgot the key to my front door,
so I had to ring your bell.
I just so silly.

 7年目の浮気は、このあたりが極めてむつかしいのが目白押しです。
 しかし、シナリオをみれば、ほとんどが中学英単語です。
 これを電話でレッスンで、解決できれば、驚異的なものがあるとおもいます。
 たとえば、but I forgot the keyというところが、電話レッスンで聞こえるようになるかということです。
 技法ラウンドや回転読みで、はたしてつぶせるかという疑問があります。
 こうした聞き取れない音を、聞き取るための戦略が不足しているというのが、私の日頃の感想であり、これを何1000回も聞いても、何1000回も音読しても、量でもって、やっつけることはできないとおもっておもります。
 ポイントは、技法の知的ルールの方ではないかとおもっております。
 国弘一派は、これすらも、体得中心でアプローチしている感じがあります。

 もっとも、受験英語には、この7年目の浮気のような自然な発声はなく、体得でも、身につくでしょうが、使わないと忘れるとおもいます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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 さて、10分後に聞こえるかどうか。
 やってみる価値はあると思います。

 妻は、何度か同じ場所を復習しているうちに聞こえるようになってくると言っています。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> たとえば、but I forgot the keyというところが、電話レッスンで聞こえるようになるかということです。技法ラウンドや回転読みで、はたしてつぶせるかという疑問があります。

 はたしてつぶせるかどうか、今は村田君が「フルメタルジャケット」を始め、妻がETを始めて実験しています。私は、「お熱いのがお好き」をやろうかと考えています。また塾の子供が、近々「ローマの休日」を始めます。

 but I forgot the key ですが、聞き取れないのは、日本人の英語の読みが「盆踊り状態」であることに原因があると思っています。「盆踊り状態」から「ダンス状態」にリズムを持ち込むことが一つのポイントになると思っています。but や the を本当に小さな点として発音し、平らに長くはっきり発音「しない」コツがわかれば、聞き取りはずいぶん楽になるものと思います。生徒が増えれば、私の練習にも好都合なので、生徒を増やしていこうと思っています。

 私の勘では、つぶせると思います。

sese> これを何1000回も聞いても、何1000回も音読しても、量でもって、やっつけることはできないとおもっておもります。

 まったくその通りです。聞いてさえいれば聞き取れるようになるというような通信教育の英語教材が売られていますが、聞いてさえいれば聞こえるようになるというのはまったくのデマだと思います。「技法グラウンド(電話でレッスン)」で口の動きを準備し、「回転読み」に持ち込み、口の筋肉の動きをコンパクトなものにする練習を継続することで、聞き取りは明らかに楽になります。そのように楽になるものの量をかせぐことにははっきりと意味があると考えます。また、映画のシナリオを直接に理解するという「ご褒美」が、練習のすぐ後に待っていてくれるという利点はとても大きいと考えています。

sese> ポイントは、技法の知的ルールの方ではないかとおもっております。

 「知的ルール」とは具体的にどういうものをおっしゃっているのでしょうか。

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From: seseさ
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> 「盆踊り状態」から「ダンス状態」にリズムを持ち込むことが一つ

広告宣伝コピーにもなっています。
誰もが着眼しないことだとおもいます。


> 知的ルール

物事を認知するには、

1)先入観(知識)によるもの
2)体験によるもの

 の2種類あるとおもいます。ヤカンが熱いという認識に至るには、一度は、火傷の体験が必要ですが、2度目からは、知識だけですむというものです。
 技法グラウンドというのは、先生が1度いい、生徒が、それを5回反復練習するというものだとしたら、そして、1対1で、クリニック機能も持つということだとおもいます。こうすることによって、体験を知識化するものとおもいます。
 多くは、知識を、体験化しようとしているので、一時記憶になってしまいます。学習の無駄だと私はおもっています。

 白黒フィルムで、何度撮影を繰り返しても、白黒のままです。
 白黒フィルムをカラーフィルムに変える作業、生徒の認知能力を高める方法論が、役たつ知識、パワーナレッジだとおもいます。


 映画に関して言えば、4人の実験結果が楽しみです。
 これで、成功を1人でもだせば、東大合格者を出すよりも、意義深いことだとおもいます。

 私は、口筋肉の動かし方がポイントだとおもっていますので同じ金をかけるなら、集中レッスンを希望します。電話だと、口の動かし方のクリニックがむつかしいとおもいます。もっとも、それを1回体験すれば、知識になるので、電話レッスンでもOKです。

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From:seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 映画英語の聞き取りについて
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 添付ファイルにタイタニックのをいれておきました。

And it looks the same as it did the last time I saw it.

 映画から採録したものですが、高速性(早口)、曖昧性が強く、まず、通常日本人は聞き取れないとおもいます。この老人の発話は、他の部分は、ゆっくり、クリアに発話していますが、このセリフだけは、はやく、あいまいに聞こえます。特別に感情がたかまり、高速化したわけではなく、通常の他のセリフとおなじスピードですが、ここは聞き取りにくいところです。
 単語をみれば、どれも、中学英単語ですが、フレーズになると、聞き取れない、典型例だとおもいます。いままでは、対策がなく、ただ聞くことを繰り返すしかなく、何回聞いても、100回以上聞いても、聞こえてこないとおもいます。また、真似してしゃっべってみたところで、聞こえてきません。
 こういう聞き取りにくい箇所は、映画では結構、頻繁にでてきますが、いままでのやり方では、お手上げです。こういう場合は、外科的に、知識を外部から与えれば、対策ができるとおもいます。
 インターネット上で、音声診断をし、処方をすれば、即座に聞こえるようになるとおもいます。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 映画英語の聞き取りについて
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 お返事が遅れ気味で申し訳ありません。
 これはずいぶん前のものに対するお返事になります。

 私のパソコンはいまどき何事かと思われるかもしれませんが、サウンドボードを装備していません。ノートパソコンはあまりに貧弱な音しか出ないので、聞く気になれません。せっかくの添付ファイルですが、申し訳ありません。

sese> この老人の発話は、他の部分は、ゆっくり、クリアに発話していますが、このセリフだけは、はやく、あいまいに聞こえます。特別に感情がたかまり、高速化したわけではなく、通常の他のセリフとおなじスピードですが、ここは聞き取りにくいところです。単語をみれば、どれも、中学英単語ですが、フレーズになると、聞き取れない、典型例だとおもいます

 この場合、単に単語の難易のレベルだけでなく、フレーズへの慣れの問題があるのではないでしょうか。あるいは、構文への慣れの度合いも関係すると思います。単に音が曖昧である場合ももちろんありますが、瞬間的に全体を把握するためには、「慣れ」の問題は外せないと思うのですが。
 私の「回転読み」というのは、通常時間が長くかかる「慣れ」を比較的短時間に自分の中に作り出す作用も持つと考えています。

sese> フレーズになると、聞き取れない、典型例だとおもいます。いままでは、対策がなく、ただ聞くことを繰り返すしかなく、何回聞いても、100回以上聞いても、聞こえてこないとおもいます。また、真似してしゃっべってみたところで、聞こえてきません。

 「真似してしゃべってみたところで」のところが、ひっかかるところです。ひとつの文全体を言う時間の長さがコンマ何十分の一秒単位で同一であり、発音とイントネーションが真似でき、フレーズと構文に慣れていれば、一言で言うなら、全体がひとつかみにつかまえられるなら聞こえてくるはずです。
 ところが、こうして列記する条件の一つ一つが、けっこう奥行きがあって、「発音」ひとつでも、鵜田さんのようにこだわり出せばいくらでも奥が深くなっていってしまいます。

 「真似してしゃべってみる」ことの内実が実はピンからキリまで、なのです。

 私自身も、ただいま現在において、それを聞いて聞こえてくるかこないかわかりません。聞こえてこなくても、こうすれば聞こえてくるだろうという方途はおぼろげながら見えています。
 リスニングはもっとも総合的な技術なので、ねばり強く行くのがいいと考えています。リスニングに関しては、私もまだまだ練習を要すると考えていますので、あせらずにやっていくつもりです。
 sese さんにお会いして、映画という媒体を示唆していただいたのは収穫でした。

sese> こういう場合は、外科的に、知識を外部から与えれば、対策ができるとおもいます。インターネット上で、音声診断をし、処方をすれば、即座に聞こえるようになるとおもいます。

 これは、私などより鵜田さんのように耳のいい方がやるのに向いていると思います。

 sese さんは、即座に決定的な決め手をつかみたいという性行をお持ちのようですが、子供の「音」と日常的につきあっている私が申し上げるべきなのは、口の筋肉がはっきりと動いてイントネーションとバネを備えるようになるには、けっこう時間がかかるという事実です。
 まだ日本語の音で固まっていない柔らかい口の筋肉(小学生)の場合でも、けっこう時間はかかります。英語の音として固めていく作業ですから。
 まして、日本語の音に慣れて、一連の口の動きが固まっている人は、一度はその動きをほぐして、別の英語の音として新しく固めていかなければなりません。けっこうやることはたくさんあります。

 決定的な決め手があるなら、私もこんな疲れる仕事はしなくていいのですが、実はどんどん練習する以外の決め手というものはありません。「外科的な」「知識」というものでどうにもなるものでないことは、少なくとも私には明らかです。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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井上一馬をやっつける方法は、映画英語の聞き取り能力の差がいいのではないでしょうか?偉そうなことを言っていても、日常自然英語音が聞き取れないはずです。アメリカでは、5、6歳児でも容易に聞き取れる音でも、日本人なら、外国語大学をでて、米国留学しても聞き取れないのが、映画英語です。映画英語の音をつぶせれば、これはまさに日本の歴史はじまって以来の革命であり、意義深いことと思われます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 井上一馬をやっつける方法は、
sese> 映画英語の聞き取り能力の差が
sese> いいのではないでしょうか?
sese> 偉そうなことを言っていても、
sese> 日常自然英語音が聞き取れない
sese> はずです。

 俺は何ができる、お前は何ができないというような争いはする気がありません。日常自然英語が聞き取れるということが、英語をやる場合に絶対不可欠のものだとも思っていません。

 私自身はこれから挑戦するつもりでおりますが・・・。

 聞くことも話すことも苦手だが、読むことや翻訳することなら見事な仕事をする人という人は必要です。その意味では、時代の尻馬に乗って、これまでの日本の英語のタイプを全否定するつもりは私にはありません。
 全否定したいとすれば、犠牲者を量産し続ける学校英語であり、その犠牲者をさらに食い物にする英会話学校です。また、その元締めとしての文部省です。
 井上に対する私の批判は、文庫本で書いたことでほぼ尽きています。井上が反論を返すなら、さらに議論を深める用意はありますが、利口な人だから、多分反論はなかろうと考えています。

sese> アメリカでは、5、6歳児でも
sese> 容易に聞き取れる音でも、
sese> 日本人なら、外国語大学をでて、
sese> 米国留学しても
sese> 聞き取れないのが、映画英語です。

 日本人の口の筋肉の動きが、日本語で形成されているのだから当たり前のことだと思います。
 私の家にアメリカ人の友達が滞在していた時、当時小学生だった私の娘は、「鶴」という日本語をそのアメリカ人がどうしても発音できないので、「鶴だ、もう一度言ってみろ」といじめておりました。アメリカ人は娘のいじめを楽しんでおりました。
 アメリカ人が日本語の音にアプローチする場合にも、同じ種類の困難があるということです。
 アメリカ人と日本人の間に相互に成り立つ音の困難があります。外語大も米国留学も本質的な問題ではありません。

 日本人の幼児が大人を相手にした日本の映画を見ていても、音そのものはつかまえても、本当にその文が何を言っているかは理解できないことは多々あると思います。映画のリスニングの困難は単に音の問題ではないと思います。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 吉田
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 松下村塾の教育方法のなかに、対読というのがあった。1:1で、松陰と生徒が向き合って読み合うものである。このことが、当時の塾の平均的な方法なのか、松下村塾の独創的な方法なのかはわからないが、興味あることである。
 いまの教育は、1:30(義務教育)、1:200(予備校)、1:500(大学)が採算ラインであろう。したがって、学校時代にコーチに巡り合っていない。旧制高校の時代は、1:1に近かったプロセスが存在していたとおもわれる。
 戦後、日本の企業では、1:1をやっていたが、大量採用、フレックス、女子総合職などが、この1:1をこわしたものとおもわれる。

したがって、WEBラーニングにあたっては、1:1をコアコンピタンスにすることが肝要になるとおもわれる。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 吉田
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 しばらくアメリカに行っておりました。ご返事が遅れ申し訳ありません。

sese> 松下村塾の教育方法のなかに、
sese> 対読というのがあった。
sese> 1:1で、松陰と生徒が向き合って
sese> 読み合うものである。

 これはまさに素読舎の方法と同じです。
 実に手間がかかるので、もうかりません。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: Re[2]: 吉田
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 さらに、白文読みをさせていた。対読、白文読みを吉田松陰はしていたことになる。

 ところで、アメリカはいかがでしたか?

 また、素読舎の現在的役割として英語の戸塚ヨットスクールのような面もあるのではないでしょうか? 全国には、子育てに困った人が多いのでそういう人の福音になるとおもいます。実際に、下記の方は、登校拒否児にフランス語を教えて、精神の回復をはたしました。中学校の英語の教師です。随分まえになります。献本していただければとおもいます。

小池 隆様

(seseさんが記載した小池さんの住所はここでは伏せさせていただきます。献本後、小池さんからいただいた感想文は、私のホームページに掲載されています。お読み下さい。根石吉久記 <リンク>

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: Re[2]: 吉田
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sese> ところで、アメリカはいかがでしたか?

 途中でウドと喧嘩し、一人旅をしてきました。
 一人旅は実にいいものです。
 ニューヘイブン(イェール大学の町)に3日ほどいましたが、静かでいい町でした。

sese> また、素読舎の現在的役割として
sese> 英語の戸塚ヨットスクールのような面も
sese> あるのではないでしょうか?
sese> 全国には、子育てに困った人が多いので
sese> そういう人の福音になるとおもいます。

 子育て関係では、私には力がありません。
 要するに英語力をつくるための「職人」を続けているということです。それ以上でも、それ以下でもありません。
 ただ、「職人」の場所から見ると、学校英語、受験英語の「音」のお粗末さ加減は目をおおいたくなるほどのものであり、それについては機会があれば発言し続けたいと考えています。
 教育者ではない、職人だ。それが私の自己確認です。

 小池隆様には、献本いたしました。
 お教えいただき、ありがとうございます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 映画に関して言えば、4人の実験結果が楽しみです。これで、成功を1人でもだせば、東大合格者を出すよりも、意義深いことだとおもいます。

 まあ、ともかくそれぞれが映画一本片づけた時点で、どの程度耳が働くようになるか、実験を継続します。

sese> 私は、口筋肉の動かし方がポイントだとおもっていますので同じ金をかけるなら、集中レッスンを希望します。電話だと、口の動かし方のクリニックがむつかしいとおもいます。

 じかに塾を使っていただく方がもちろんいいのですが、イントネーションは電話ででもレッスン可能です。私が発する音は、ネイティヴの音とは違いますが、ネイティヴの音に渡るための橋渡しの橋としては使えるでしょう。あるいは、橋渡しの橋がこれまでの日本人の学習から欠けていたとも言えます。やたらに達者な人(アメリカ帰りのアメリカ英語)と、まるで使いものにならない人(日本の学校英語の犠牲者)ばかりがいて、橋渡しの役をやれる人が少ないと思っています。
 実際にやってみないと、sese さんのイントネーションの成り立たせ方がわかりません。レッスンが必要なレベルなのかどうかがわからないのです。私が行う練習など必要ないレベルなら、一人でやってもらえばいいわけですし。
 口の筋肉の動かし方だけなら、鵜田さんの方法でいいとも思いますし。
 普段やっている仕事の他に、別枠で「集中レッスン」を設けることは余力がなく不可能です。時間の多くを自宅自作に奪われておりますので・・・。普段の土曜・日曜の塾を使っていただくのなら、いつでも使っていただけますが、そうそう通える距離ではありません。

sese> もっとも、それを1回体験すれば、知識になるので、電話レッスンでもOKです。

 知識としてなら、やはり鵜田さんの方法がいいと思います。私の方法は、直観を育てるようなもので、けっこう継続的な時間が必要です。知識だけではどうにもならないところがあります。発音やイントネーションの知識に関しては鵜田さんにお願いし、インプットの方法として私のものを採用される、つまり、ふたつを同時に使われるのがいいのではないでしょうか。

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(seseさんからのメールを上書きし保存してしまったため一通紛失)
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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 1)母音、子音の発音がしっかりしていない。
sese> 2)単語間のリエゾン法則をしらない。
sese> 3)熟語をしらない。
sese> 4)アメリカの文化的背景をしらない。
sese> 5)映画の発音は聞き取れなくてもよい。
sese>
sese> が代表的であろうとおもいます。
sese>
sese> 私は、上記は、まったく嘘だとおもっています。
sese> そう書いた人が、まず、映画の英語を聞き取れないと
sese> おもいます。

 西田さんへのメールを私にもお送りいただきありがとうございます。現在の瀬々さんの関心のありかがよくわかります。
 5)は、まあ、嘘だと思いますが、1)〜4)はすべて聞き取れないことに関係していると思います。
 イントネーション一つで片がつくものだとは思えません。
 私も大して聞き取れませんが、聞き取れるようになるまでの道をつけようという野心はあります。リスニングは、語学の最終課題でありながら、これほど卑近で必要なものもないのですから、私の関心も、現在リスニングに向かっています。

sese> よく、アメリカにも留学もせず、日本にいただけで
sese> 英語ができるという人がいますが、
sese> 必ず、ネィティブとの直接体験がなんらかの形であります。
sese> では、まったく、メディアだけで、
sese> 映画の英語が聞き取れるようになるのかが、私の問題です。

 日本にいただけで、(ある程度)英語ができるから、ネイティヴとの直接体験が生じるのではないでしょうか。ネイティヴとの直接体験があるから、英語ができるようになるのではないと考えています。もし、ネイティブとの直接体験で英語ができるようになるのなら、英会話学校は役に立つはずですが、今のところまるで役にたちません。
 まあ、卵と鶏みたいなところもありますが。
 法則によって、省力化することを探し求めても、探しているうちに人生は終わります。その意味では、国弘一派は正しいことを言っていると思います。

sese> 英語の音=長短、高低、強弱をいかに工学的フィールドで
sese> とらえるかで、先人の研究を見ましたが、
sese> これも効果をあげていません。
sese> 音に慣れるしかないといった、投げやりな言い方を
sese> 多くの本は、しています。

 工学的フィールドでアプローチできるだけはアプローチして欲しいものです。それは役にたつ知識になるはずです。しかし、肝心なことは、聞き取りたい人がそれに必要な練習を実際にやるかどうかです。その意味では「音に慣れるしかない」というのは本当のことであり、決してなげやりなもの言いではないと思います。私はリスニングの最大のコツは、音のインプットにあると考えています。音に慣れるだけでなく、フレーズに慣れ、イントネーションに慣れ、文法を無意識化するまでに慣れるためには、インプットの継続しかないと考えています。

sese> イントネーションをベースにする。
sese> イントネーションは、ルール化でき、そのルールは簡単である。

 ルールがたとえ簡単であっても、自分の身体で身体化することは簡単ではありません。自分の英語をふりかえってみても、英語のイントネーションは無意識が感知したものであり、知識や頭によって可能になったものではないことがはっきりしています。

sese> これは、算数の99とおなじです。算数の99を、3日間でおぼえれば、あらゆる掛け算もできます。

 99を覚えた後のことをおっしゃっていますが、語学というのは、99を覚えている過程がずっと続くようなものです。99は81の組み合わせという限度がありますが、語学にはこの限度がありません。従って、覚えていく過程がいつまでも続くのです。文学と語学は違いますが、たとえ話で俳句を持ち出すなら、たった5・7・5の組み合わせでも、次から次へと言葉の組み合わせが出てきて、きりがありません。そして、具体的な一句はその一句でしか言えないことを言っています。
 語学でも、あらゆる無数の具体例がそれぞれ命をもっています。ひとつの具体例は、その具体例でなければ言えないことを言い表すはずです。ですから、個々に一つずつ理解し覚えていく以外の方法は原則的に成り立ちません。法則ということを言うならば、法則は必要だが、法則をみつけてもそれでものになるわけではないのが語学です。そのこと自体が語学の法則だと考えます。

 法則は必要ですが、語学は決して法則でかたがつく世界ではありません。法則を探してそれでかたがつくならば、もうとっくにコンピュータがかたをつけているだろうと思います。法則でなんとかならんかと考える人からすれば、まったくアホみたいなことをうんとやるのが語学です。

sese> イントネーションなら、それができるとおもいます。

 イントネーションは、英語の音の生理であると同時に、話者の感情そのものです。だから、本当は、同じ文でも千差万別のイントネーションが可能で、実際に派生します。語学が扱えるのは、代表的な座りのいいものだけです。
 考えておられることは、感情の法則化みたいなことになりますが、感情というものはなかなかあまのじゃくなもので、法則化されたとたんに、そこからはみ出すイントネーションを発明するものです。

sese> 赤ちゃんは、意味がわからなくても、オーム返しできます。
sese> このオーム返し能力の形成が重要と考えます。
sese> ここには、単語の意味や文法の知識など無縁です。
sese> ただ、音を捕まえる力です。

 まったく赤ん坊と同じオーム返しの能力を求めることは、無駄に終わるでしょう。赤ん坊は、まだ具体的な一言語によって口の筋肉の動きが定型化されていないから、見事なオーム返しができるのです。日本語なら日本語という具体的な言語によって定型化された口の筋肉は、二度と赤ん坊のやわらかく不定な口の筋肉には戻れません。
 赤ん坊の口の筋肉は、あらゆる言語に向けて全方位的に開かれています。これは、語学で行う音づくりとはまったく異次元のことです。
 また、単語の意味や文法の知識は、意味や知識としてとどまり続けるのでは使いものにならないが、途中で媒介すべきものとして絶対に必要です。私が、「英語どんでんがえしのやっつけ方」で言った言い方では、意味や知識をイメージ化し、イデア化する過程がどうしても欠かせません。日本人の英語に欠けているもののとして、イメージ化とイデア化というものがあると思います。
 音から英語に迫る、あるいはイントネーションから英語に迫るという点では、鵜田さんはとてもすぐれた仕事をしておられると思いますが、イメージ化しイデア化する過程については自覚的ではないうらみがあります。西田さんに関しては、私は知りません。メールから判断する限り、イントネーションから迫ろうとなさっているもののようです。
 どの仕事も必要な仕事ですし、私も使いたいものを採用していくつもりですが、イメージ化しイデア化する過程そのものが実を備えないかぎりどうなるものでもないと思っています。
 イントネーションから迫ろうと、発音から迫ろうと、多くの人はそれをイントネーションや音の「盆栽」にしてしまうだろうと思われます。イントネーションや音の「枝ぶり」を問題にしてしまうだろうと思います。それらは、私からは皆、文字通り枝葉末節と見えます。

sese> そして、このイントネーションこそ、ネィティブとの
sese> 直接対話で形成されるものとおもいます。

 このことはまったくその通りです。つまり、語学から生活言語に渡った場合、そこは感情と論理のキッタハッタの世界であり、じかな言葉のやりとりの現場です。本当のイントネーションは、そこで形成されます。

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From: seseさん
To:根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
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 土日に、イントネーションを留意して映画のリスニングをしてみたのですが、結構わかるようになりました。

例)
Say hello to Sam for me.

 われわれは、単語レベルの発音の仕方をならっても、英文全体の発音の仕方をならいません。

 単語の合成=英文の発音になる という暗黙の前提があり、単語だけの発音に気をとられているとおもいます。

 西田さんは、ホームページのアドレスを先般のメールにおくっておりますので、ご覧ください。

 西田さんは、前人未到の英語のイントネーションの規則化に成功した人です。この規則を、技法グラウンド、回転読みで身体化すればいいわけです。

 たとえば、語尾が、上例のように前置詞+代名詞目的格 の場合、イントネーションが規則化されます。ところが、われわれは、そういうことを知らず、ただやみくもに音読練習をしているわけです。

 算数の99をまずおぼえておいて、実際の局面でさまざまな掛け算をする。そうすると、その都度、99を言いながら、計算するので99が身体化されるわけです。

 そして、算数の99は、3日もあれば覚えるわけです。

 さて、映画英語のやっつけ方を考えていますが、
1)鵜田さん
2)根石さん
3)西田さん
のいずれもが、映画英語に関心をもっておられます。そして、それぞれが、受験英語を生業のたねとしています。各人は、本を出版されています。この3人の共通点は、英文全体の抑え方だとおもいます。ここが、凡百の英語教育者と違うところです。そして、いずれも地方在住です。西田さんは、福岡市です。この人は、中津遼子さんの発声派を著書のなかで批判しています。そういえば、鵜田さんは、誰をも批判していません。

 即効性についてですが、ゼロの行進は、ゼロだということです。ものによっては、点滴石を穿つのようなこともありましょうが途方もない時間がかかります。インパクトのある覚え方をして、それを身体化する。記憶法、覚え方まで面倒をみるのが、私のやり方です。そういう記憶法は、本来日本人の得意とするところなのですが、英語のイントネーションという日本人にもともとないものを記憶する方法がなかったのだとおもいます。それを西田さんが発見したのです。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 例)
sese> Say hello to Sam for me.
sese>
sese> われわれは、単語レベルの発音の仕方をならっても、
sese> 英文全体の発音の仕方をならいません。
sese>
sese> 単語の合成=英文の発音になる という暗黙の前提があり、
sese> 単語だけの発音に気をとられているとおもいます。


 まったくおっしゃる通りです。
 文は絶えず文全体として扱う必要があります。文全体という場合には、文の音の全体を欠くことができません。また、音の全体にはイントネーションも発音も含まれるべきです。
 行儀の問題を棚にあげてしまえば、口にものを入れてもごもごと食べながらものを言っても、イントネーションさえしっかりしていれば通じてしまいます。

sese> 西田さんは、ホームページのアドレスを先般のメールに
sese> おくっておりますので、ご覧ください。

 ありがとうございます。なかなか時間がとれません。ご本と出版社の名前を教えていただけませんでしょうか。

sese> 西田さんは、前人未到の
sese> 英語のイントネーションの規則化に成功した人です。
sese> この規則を、技法グラウンド、回転読みで
sese> 身体化すればいいわけです。

 以前のメールでも書きましたが、私はイントネーションの本質は感情にあると考えております。しかし、一般的な座りのいい文に関して、一般的な規則を抽出できるなら、それは大いに意味のあることです。語学は座りのいい文を大いに相手にするわけですから。

sese> 算数の99をまずおぼえておいて、実際の局面で
sese> さまざまな掛け算をする。
sese> そうすると、その都度、99を言いながら、計算するので
sese> 99が身体化されるわけです。

 「実際の局面でさまざまな掛け算をする」というのは、私の言い方では、「99の磁場」の問題です。日本の英語には、英語が形成する言語的磁場がありません。99を使う場所というのと同じ意味で、英語を使う場所が一般的にはありません。これは決定的なことです。

sese> さて、映画英語のやっつけ方を考えていますが、
sese> 1)鵜田さん
sese> 2)根石さん
sese> 3)西田さん
sese> のいずれもが、映画英語に関心をもっておられます。
sese> そして、それぞれが、受験英語を生業のたねとしています。
sese> 各人は、本を出版されています。
sese> この3人の共通点は、英文全体の抑え方だとおもいます。
sese> ここが、凡百の英語教育者と違うところです。

 受験英語を生業のたねにしていると、日本の英語に欠けているものがよく見えるということだと思います。

sese> 即効性についてですが、ゼロの行進は、ゼロだということです。

 私はからっぽの電池を無数に作れと言っています。
 これがゼロの行進だとすれば、ゼロの行進はそのままでは終わりません。
 無数の電池は、「生活言語」に渡ればただちにチャージされ始めます。
 私は「語学」と「生活言語」を峻別します。この両者を峻別したうえで、ちょうどその中間点を形成しうるのが映画の英語ではないかと考えているところです。
 しかし、いずれにせよ、語学という領域を確定して、激しく語学をやるということが基底を作ります。
 「からっぽ」でいいのだという言い方は、語学という領域を確定しないと出てきません。それなのに、語学の言語と生活言語がまるで地続きであるかのように幻想している人が実に実に多いのです。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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以下は、sese さんが鵜田さんという方のホームページの記事を私に転送して下さったものです。(根石吉久記)
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 鵜田さんのHPから、中津式のレポートがあったので、転送します。なお、文字は行ずれしていて読みにくいとおもいますが、ご了解ください。
 要は、東京では、発音セミナーが成立するということです。3日間で、9時間、3万5000円です。受講生は20名程度です。

(以下、鵜田さんのホームページからの引用)

> 6.きゅーぴーさんの「中津式」レポート

 (きゅーぴーさんが、2年前に受講された「中津先生の発音集中レッスン」の様子と感想を伝えてくれました。)

 中津遼子先生は、「何で英語やるの」の著者で、未来塾という塾を大阪でやっていらして、東京ではバベルで一昨年から定期授業を始められたと思います。Arareさんと一緒に受講したのは、下記のセミナーです。(昔のメールから探してきました。)
      バベル東京校サマーセミナー
      「英語発音集中訓練」
      1998年7月29日〜31日まで、18:00〜21:00
      受講料は一般35,000円です。
      バベルの会員は、33、000円。

 アルファベット一つ一つの発音からレッスンし、発音作りと聞き取り能力の特訓。レベルは初中級。受講生は、20名程度。

 実際には、発音レッスンをやったのは、1、2日目のみで、2日目の後半あたりから、中津先生の異文化交流のお話(一方的にまくしたてる)と3日目はスピーチの仕方(5行のスピーチを作成、発表し、発音を訂正されるのではなく、スピーチの組み立て方を直された)というものでした。

 しかも初日は遅刻され、お弟子さんが最初の方のレッスンをやりました。異文化のお話はまあ面白かったのですが、発音を集中的になおしたかったものにとっては、発音だけやってもらいたかった、というセミナーでした。(途中で怒って席をたってしまった人もいたようです。)

 ただ、中津先生の発音はそれはすばらしく、その息はテープを聞いたあちわさんいわく、UDA 式で3倍の速度といっているところ、30倍くらいだしていそう、というほどです。

 ということで、発音レッスン実質5時間程度 35000円也は高い! のですが、私にはいい経験でした。(その後に生かせていない・・・。)

 <その後の様子>

 初日のお弟子さんたちによる発音訓練、二日目の中津先生の発音訓練はとってもためになりました。すぐに影響を受けてしまう私は、すっかり中津式米語発音を目指しつつあります。

 気をつけているのは、
      (1) 子音、子音、子音。
      (2) 唇のプレッシャー。
        上下と横(特に横から)。
        開けるときは、口を横に閉じたまま上下に開く。
        (ぱかっと開けない、ぱかっと開けるのはkids。)
      (3) 落とすのは母音、子音は絶対落とさない。
      (4) 息と一緒に音を出す。

 中津式では、母音の発音はほとんど練習しませんでした。(Arareさん、そうですよね。)そのため、私は、母音の発音の仕方(違い)がわかってないです。異文化の話のかわりに、このあたりをもっとやって欲しかった。

 途中で教室抜けてた人がいたのは、気がついたんですが、その人が怒ってたってのは知らなかったです。私も「発音特訓」にいったのであって、「異文化」「日本人がスピーチで陥りやすい点」を学びにいったわけではない、とちょっと思いました。それで、三日目はちょっと物足りなかったです。(おなじようなことは、いろんなところで聞いたり、読んだりしてるし。)

 一昨日、米国人の友人に「日本人の顔、口の骨格からして、英語の発音は大変なんだ」と訴えたところ、「ぼくのガールフレンドは中国人だけど、完璧に発音するし、日本人だって苦労しないで完璧に発音している人もいる。」と反論され、うーんとうなってしまいました。

 一体、帰国子女の彼らと私とは何が違うんだー?!息のかぼそい、体の弱い米国人だって、ちゃんと英語をはなしているぞ!みんなが皆、中津先生みたいに肺活量いっぱい、頑強じゃないですよね。やっぱり何か「コツ」があるはず。おなじ人が中津先生の「異文化」論には、大いに賛同してました。やはり日本人と仕事しているといろいろ感じるところがあるようです。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 要は、東京では、発音セミナーが
sese> 成立するということです。

 病気だと思います。

 米国在住経験が長く、とりわけ幼少時に育った人のしゃべりは米国人と同様になるのが当然です。中津さんもそういう人ではないのでしょうか。それとも、高校卒業以後とかに渡米した人でしょうか。その場合でも、「生活」ぐるみの英語というのが大きい。英語による言語的磁場があるということです。
 いずれにせよ、アメリカでの「生活」ぐるみの英語を日本に持ち込めば値がつく。しかも高値がつくというのは、いつ見てもアホくさい構図です。
 それは単なる「みせびらかし」に過ぎず、日本在住のまま英語をやる人のためになるものとは思えません。

 引用して下さったものの中の、「その後に活かせてていない」がすべてを語っていると思いました。

sese> 「日本人の顔、口の骨格からして、英語の発音は大変なんだ」と訴えたところ、「ぼくのガールフレンドは中国人だけど、完璧に発音するし、日本人だって苦労しないで完璧に発音している人もいる。」と反論され、うーんとうなってしまいました。(引用)

 これは引用された文に含まれていたものですが、言語的磁場の有無が問題になるべきところを、「顔、口の骨格」の問題だと勘違いしているのだと思いました。英語による言語的磁場がない。そのことが、日本在住のままに英語をやる場合の決定的に大きな問題だと思います。

sese>一体、帰国子女の彼らと私とは何が違うんだー?!(引用)

 英語を身体化する過程で、英語による言語的磁場の中にいたかいなかったかが決定的に違う。日本人の英語というのは、個々の人のちからわざで成立しているが、帰国子女の英語というのは、例えばアメリカならアメリカの言語的磁場が作ったもので、本人のちからわざによる部分は決して大きくない。ほとんどが英語が作る言語的磁場の手柄です。本質的には語学ではない。一般的にはそう言えると考えています。

sese>やっぱり何か「コツ」があるはず。(引用)

 「コツ」なんてものではない。あるのは、言語的磁場の有無だけだ。

sese>やはり日本人と仕事しているといろいろ感じるところがあるようです。(引用)

 実はウドとまた喧嘩をやらかしました。
 ウドが私が紹介した日本の大工を扱う扱い方が粗末であることによります。アメリカのスタンダードは、日本ではスタンダードになれるものとなれないものがある。そのあたりの細かいことに無頓着で横柄なガイジンは困りものです。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> 英語が形成する言語的磁場がありません

 私は、英語は使って覚えるという幻想にとりつかれていましたが、<楽しんでおぼえる>というルートもあるのではないかとおもいます。それで映画を見るわけですが、あまりにも早い音で聞き取れないのでこのルートが閉鎖していたわけです。しかし、受験英語・学校英語の音声と、映画の音声は違い受験英語の音声から、映画の音声をみると、あまりにも遠い存在ですが、英語リズムの世界からみると、映画の音声は、極めて近いこともわかってきました。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 私は、英語は使って覚えるという幻想にとりつかれていましたが、<楽しんでおぼえる>というルートもあるのではないか・・・

 言語的磁場という語を持ち出して考えた場合は、映画を語学教材として「楽しむ」場合も、やはり擬似的な磁場であろうと思います。しょせん、絵空事が作り出す磁場ですから、どれほどハラハラさせられても、自分が実際にその危険にさらされるわけではない。

 擬似的な磁場だと思うゆえんです。現実の言語的磁場においては、「言葉ひとつ間違えたら、あの娘に悪いじゃない?」(サザンオールスターズ)という危険に満ち満ちているわけです。

 しかし、日本で手に入れられる「擬似的な」磁場のうちでは、コストと質を考えれば、映画が最上の教材のひとつだと思います。

sese> 英語リズムの世界からみると、映画の音声は、極めて近いこともわかってきました。

 「英語リズムの世界」ということは、具体的にはどういうことをおっしゃっているのでしょうか。実際に使われている英語に近いということでしょうか。私の用語では、「生活言語」としての英語になりますが、それと映画の英語が近いということでしょうか。
 もっと科学的というか学問的なことをおっしゃっているような気もするのですが・・・。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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このあたりメールのやりとりの順序が錯綜しているが、以下のものは、「英語リズムの世界」についてのseseさんのお答えと思われる。(根石吉久記)
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英文を単語に分解しないでそのままとらえる方法です。

ひとつの英文が与えられたら、

1)英文のリズム
2)英文の映像
3)英文の感情

を追体験します。マクロから、ミクロへアプローチするということです。

現状では、英文が与えられたらいきなり、単語に分解し、文法を適用して、意味取りをします。上記の1、2、3を経過していないため思考作業になっています。

アルク社から映画「ビッグ」のシナリオ本が売られています。短文で、やさしい英単語ばかりからなるセリフです。このセリフは、耳に聞こえてきませんが、1、2、3のプロセスを経て、回転読みをしようとおもっています。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 英文を単語に分解しないで
sese> そのままとらえる方法です。
sese>
sese> ひとつの英文が与えられたら、
sese>
sese> 1)英文のリズム
sese> 2)英文の映像
sese> 3)英文の感情
sese>
sese> を追体験します。
sese> マクロから、ミクロへアプローチするということです。

 マクロからミクロへ。そうあるべきです。
 絶えず英文の全体を全体のまま扱えと私が言ってきたことと似ている気がします。
 「英文の映像」というのと、私が「イメージ」あるいは「イデア」と言ってきたこととが重なるのか、別のことを言っているのかがわかりません。
 「リズム、映像、感情」は、「理解」と同時でないと、本当は使える英語ではありませんが、練習(語学)という領域を確定しさえすれば、練習の順序として、ひとまず別々に設定可能です。
 
1. 「音」を先立てよ。
2. 「理解」を媒介せよ。
3. 「音」と「理解」を同時化(一致)させよ。

 これは、前に書いた、

1.音づくりを通じてインプットせよ。
2.理解せよ。
3.インプットしたものを錆びつかせるな。

に照応します。


sese> 現状では、英文が与えられたら
sese> いきなり、単語に分解し、
sese> 文法を適用して、意味取りをします。

 つまり、「いきなり」がいけないわけです。
 しかし、「理解」や「意味とり」は必要です。
 「音づくり」は絶対不可欠ですが、「理解」も必ず必要です。

sese> アルク社から映画「ビッグ」のシナリオ本が売られています。
sese> 短文で、やさしい英単語ばかりからなるセリフです。
sese> このセリフは、耳に聞こえてきませんが、
sese> 1、2、3のプロセスを経て、
sese> 回転読みをしようとおもっています。

 「回転読み」の最中に、1,2,3のプロセスを全部溶かし込むのがおすすめですが。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 ビッグは、ビデオ屋にあるので一度、ご覧になってください。中学2年生レベルの英語のオンパレードです。しかし、まったく聞き取れません。英語の音が、

1)フォーマル
2)カジュアル

 と仮に2種類あったとすれば、生活言語としての英語の音は、カジュアルであり、これが映画の音とおもいます。学校英語の音は、フォーマルとおもいます。そして、フォーマルな音から、カジュアルな音は生まれないとおもいます。
 フォーマル英語の音と、カジュアル英語の音は漢字でいえば、楷書体と草書体の違いではなく、訓読みと音読みとの違いとおもいます。

 英語教育的にいえば、日本人は、カジュアルな音から入った方がいいとおもいます。カジュアル=ふつうの速さ=生の英語をスタンダードな英語の音にすれば、フォーマルな英語の音は楽勝です。しかし、フォーマルな英語の音に慣れてから、カジュアルな英語の音に接するとまずアレルギー反応がうまれて近づきません。

 日本人が初めて接する英語の音は、カジュアルがいいのではないでしょうか?ここに、映画ビデオの新しい教育価値と、映画ビデオで英語を教える教育術が生まれる余地があるとおもいます。

>「音」と「理解」を同時化(一致)させよ。

これは、ポイントだとおもいます。
直列関係ではなく、並列(同時)という認識はいままであまりだれもしていないとおもいます。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> ビッグは、ビデオ屋にあるので・・・

 妻がよくビデオ屋に行くので、みつけたら借りてきてくれと頼んでおきました。

sese> 生活言語としての英語の音は、カジュアルであり、これが映画の音とおもいます。

 映画がカジュアルな英語に触れるには、いい媒体だというのはその通りだと思います。

sese> 学校英語の音は、フォーマルとおもいます。そして、フォーマルな音から、カジュアルな音は生まれないとおもいます。

 学校の英語の音は、まあ一般的には、とてもフォーマルなものとは言えず、でたらめといった方がいいと思います。
 先生がどれだけの音を発音できるかが問題ではないのです。
 生徒がどれだけの音を獲得できるかが問題です。この観点からは、学校の英語の音はでたらめというのが正確かと思います。

sese> カジュアル=ふつうの速さ=生の英語をスタンダードな英語の音にすれば、フォーマルな英語の音は楽勝です。しかし、フォーマルな英語の音に慣れてから、カジュアルな英語の音に接するとまずアレルギー反応がうまれて近づきません。

 なるほど。すると、早い時期から映画を語学教材にするのがいいということになりますね。使う場面では、「音」と「理解」は同時である必要がありますが、語学では、とりわけ素読では、「からっぽ」が全的に肯定されますので、ごく早い時期から、理解をともなわないまま、素読によって「音」だけを作っていくという方法は可能です。
 時至れば、一挙に充電する。その準備を整え続けるのが、素読による「音づくり」です。これはもっとも安全な方法でもあると考えています。「からっぽ」が全的に肯定されるので、安全なわけです。アメリカ人じみた変な子供がいっぱい出てきたり、日本人が神経症になることの危険というのは、SVO文型を日本語と並列させて「生活言語」にした場合には必ず出てくると考えています。こちらの方面の議論は非常に薄手です。シンタックスのまったく違う言語を「生活言語」として並列させることは、実は非常に危険なことだと考えています。これは、フランス語と英語、ドイツ語と英語の並列状態などとはまったく事情の異なることです。

 カジュアルな英語を「からっぽ」のままに、「音づくり」を通じてインプットし続ける。ひとつの練習モデルが成り立ちました。今のところ実際の需要がありませんので、当面は大人を相手に、映画のシナリオを使って実験を継続します。

 しかし、私がこだわり続けているものは、「からっぽ」を肯定しないと駄目だということです。最後は「音」と「理解」の同時性が必要になるのですが、これをいきなりやらせようとしても、無理だし危険だということです。
 最初は、「からっぽ」を全的に肯定すべきだというところは、素読的観点からは当然なことですが、語学においてこれを言っている人があまりいないように思います。
 「からっぽ」を全的に肯定しないと危ないよ、というのが私の考えです。

 素読なら、どんな小さい子供にやらせても、「音」の並列だけになりますから、あくまで「語学」という領域が確保され続けます。このやり方が、これからの日本人の英語をやる方法として真剣に検討されるべきだと考えているのですが。
 私は、本当に日本において英語を一般化させるのなら、素読的方法を外して、幼い子供にやたらに英語を注入するのは危険だと考えている者です。商売のもうけを先だてるなら、自分に不利な考えですが、ここを曲げる気がありません。

 まだそれほど進んでいないのですが、妻がE.T.の英語が聞こえると言い出しました。私のやり方では、新しいものを獲得すると同時に、一度やったところを絶えず耕しなおしますので、何度か耕しなおしたところは、一発で全体が把握できる(聞こえる)ようになるわけです。ほぼ私の予想した通りの結果が出ています。後は、継続し、様々なヴァリエーションのインプットを継続していけばいいわけです。つまり、量の問題になります。

sese> 日本人が初めて接する英語の音は、カジュアルがいいのではないでしょうか?ここに、映画ビデオの新しい教育価値と、映画ビデオで英語を教える教育術が生まれる余地があるとおもいます。

 私としては、「技法グラウンド」と「回転読み」です。自分でも時間をみつけてはやっています。それと並行して、主に俗語・口語関係を「電圧装置」でやっています。テキストはL.A.CONFIDENTIAL です。

sese> >「音」と「理解」を同時化(一致)させよ。
sese>
sese> これは、ポイントだとおもいます。
sese> 直列関係ではなく、並列(同時)という認識は
sese> いままであまりだれもしていないとおもいます。

 最初からこれを要求しないにしても、最後はこの段階に持ち込む必要があります。ここへ持ち込む方法、あるいは「道筋」というものが、いまだ明らかにされていないと思っています。「回転読み」をひとつの坩堝とし、その中に理解もイメージも溶かし込み、最後はイデア化せよと文庫で書いたのは、「道
筋」をつけてみたかったわけです。

 読書ということで言えば、「切断読み」の「切断」が必要なくなるレベルを獲得することで、「音」と「理解」の同時(一致)という場所に非常に近いところまで行くことができます。

 要はイメージ化であり、イメージ化したもののイデア化ではないでしょうか。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 このメールは、非常に重要なことを書いてあるとおもいます。

1)からっぽ という概念

> 「からっぽ」が全的に肯定されますので、ごく早い時期から、理解をともなわないまま、素読によって「音」だけを作っていくという方法は可能です。

 このとき、文字は幼児に見せて、素読するのでしょうか? 文字を見せるか、見せないかが大切だとおもいます。

 もともと、幼児は、からっぽなので、意味を考えようとせず、純粋に音だけを聞いて、それを遊びとして、音を再現します。音のまねっこでしょう。これで、口腔筋肉の発達、英語リズムの獲得をするとおもいます。そして、その音に、意味や感情がだんだんついてくるとおもいます。

 しかし、大人は、からっぽではなく、さまざまな知識がなまじあるため、さらには、文字を見て発音するのが、大人の特徴です。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> このとき、文字は幼児に見せて、素読するのでしょうか?

 素読ですから、字は置いておきますが、幼児は字を見ようとしない場合が多いです。字を見なければ見ないでいいとしています。
 英語の言語的磁場が欠如した場所(日本)では、「からっぽ」のまま幼児から音づくりだけをやらせるのが、もっとも安全です。ガイジンを使った幼児用英会話(っていったい何のことかまったく不明ですが・・・)教室は、効果がないから安全なだけで、あれがもしも効果があったら、英語の言語的磁場を欠いた場所で、日本人が英語をぺらぺらやるという非常に異様な光景が立ち上がります。これがどれほど異様なことか、人々はあまり想像してみることはないようです。

sese>しかし、大人は、からっぽではなく、さまざまな知識がなまじあるため、・・・

 当該言語の磁場を欠いた場所では、文字をみて発音することは肯定されるべきだと考えています。字が不要になるまで、通じる音を作りながら読み込めばいいわけです。音が独立して字を脱ぎ捨てる過程です。これが語学の本道だという考えは変わりません。

 実は磁場を欠いた場所で行われることこそが語学ではないでしょうか。英語の磁場のあるところで英語を獲得するのは、実は語学とは違うのではないか。結果だけ手に入れればいいのなら、英語をやるのに日本になどいることはない。さっさと英語圏に移り住むのが得策です。
 私は語学の内側に何があるかに関心があります。
 結果が手早く手に入るかどうかには本当の関心はありません。
 当該言語の磁場を欠いた場所で行われる意識の運動を語学だと見定めるなら、語学で扱われる言語は、本質的に「からっぽ」だと思います。この「からっぽ」ということがほとんど問題にされていないことが問題だと考えています。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> 日本人が神経症になることの危険というのは、SVO文型を日本語と並列させて「生活言語」にした場合には必ず出てくると考えています。こちらの方面の議論は非常に薄手です。シンタックスのまったく違う言語を「生活言語」として並列させることは、実は非常に危険なことだと考えています。


 この辺は、バイリンガル教育の問題で、つくば大学で随分、研究されています。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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お返事が遅れ申し訳ありません。

sese>この辺は、バイリンガル教育の問題で、つくば大学で・・・

 そうなんですか。知りませんでした。テレビなんかが、そういう知識をもっと広めてくれるのがいいのですが・・・。
 バイリンガルのように英語ができるのがいいのだというような風潮ばかりなのが問題だと思います。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: まとめ
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いままでのところを整理すると、

音と理解(意味ではない)を一致させる。音=理解

日本の英語教育において、音の問題がある。

1)フォーマル英語の音を初出するため、日本人の大半99。999%がカタカナ英語音で認識し、英語音=カタカナ英語音でロックされる。

2)個別発音(母音、子音)の音素に着目し、英文全体のリズムや流れや抑揚の規則性を教えないし、知らない。

3)日本語のリズムを意識していないため、英語も、無意識に、日本語のリズムでしゃべる。

4)カタカナ英語発音で、アメリカ映画の音にアプローチするので、跳ね除けられる。

音だけの問題ではなく、理解の問題も同時並行としてある。

1)英文をおぼえず、パーツをおぼえようとする。
no more than=XXXXXXX もともと日本語にしにくいが無理にして なおす。
not so much as=YYYYYY

2)1つの英文には、英語の発想のながれが、1つあるが、この1つを教えないし、知らない。

There is the fire on the candle on the cake.
視線の方向は、一直線であり、視線の方向が1つであることを知らないし、教えない。映像を思い浮かべ、視線方向をあたえると、音がでるようにする。

具体的には、どうすればいいか?

映画ビッグの英語慣用句をマスターする。

理由
1)日常英語を使用する映像空間と、音声が簡単に手にはいる。
2)英単語が極めて簡単であり、慣用句が多い。
3)学校フォーマル英語にない、カジュアルな英語音があるため英語リズムのパターン修得ができる。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 sese さんが複数の方に送ったメールは私もいただいていますが、そのメールについて、N英語学院をやっておられる方からのメールがseseさんに届き、それを sese さんが私に送られました。下の記事がそれです。中津遼子に気をつけろと言っているのが、N英語学院の方であり、承知していると答えておられるのが sese さんです。sese さんが送った同じメールへの私の考えは上に記載してあります。(根石吉久記)
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(N英語学院の方の発言)

>「日本人の顔、口の骨格からして、英語の発音は大変なんだ」

 こういう発想は危険ですから注意してください。

>「ぼくのガールフレンドは中国人だけど、完璧に発音するし、日本人だって苦労しないで完璧に発音している人もいる。」と反論され、うーんとうなってしまいました。

とうぜんのことでしょう。

>一体、帰国子女の彼らと私とは何が違うんだー?!

どこも違いません。

>みんなが皆、中津先生みたいに肺活量いっぱい、頑強じゃないですよね。

 中津遼子にあまり傾倒されることはおすすめできません。この傾向の方々は多く承知しております。一歩さがって、客観的な観点からご研究されてください。申し上げて悪いのですが、(ここだけの話)中津遼子は英語の専門家というほどの人ではありません。このことをしっかりご留意されて、きちんと学問的に、かつ、客観的に事態を把握されるようになさってください。

(以下、N英語学院の方への sese さんのお返事)

西田さんの著書でよくでてきますので私はわかっています。
しかし、
国弘正雄さんが後押ししているので
多くの方がそちらになびくのです。
ただ、彼女の腹式呼吸訓練は悲惨ですね。
宮崎でやっていたそうです。
京大の教授がそれを絶賛していました。
一般大衆は、中身はどうでもよく、権威にすがるわけです。
であるならば、チェックとして、それで映画が聞き取れるようになるの?と私は言っているのです。
なお、彼女は、もう完全にいまはリタイアされています。
罪はおおきいです。
腹式呼吸とタオルですね。
発声派は。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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以下は、寺島さんという方へのメールを seseさんが私にも送ったものです。
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寺島さま

ご無沙汰しております。
最新刊「英語にとって「音声」とは何か?」(あすなろ社刊)を早速購入しました。待望の書といえるとおもいます。結局は、リズムとイントネーションが、個別発音より優先度が高い。そして、このリズムとイントネーションとのパワーナレッジをいかに身体化するかではないかとおもいます。そして、これは、決して、千日修業のような苦なるものではなく、もっと楽しいものではないかといま仮説しております。
その後、私の研究では、リズムの等時性の記述が問題であるとおもっています。

リズムの等時性
英語では、ひとつの強いところ(文強勢)からつぎの強いところまでは、その間の弱いところに関係なく、ほぼ同じ時間で読まなければならない。

これは、極めて説得力ある理論ですが、映画英語の聞き取りにはあまりパワーを生まない知識でした。むしろ、この法則は、

リズム単位の等時性

と書き改めるべきとおもっております。では、このリズム単位の定義ですが、今日は割愛させていただきます。
いずれにしましても、本書の登場を、私は、約10年間待ったということです。
とりあえずは、ご挨拶まで。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 最新刊「英語にとって「音声」とは何か?」あすなろ社刊)を早速購入しました。

 面白そうなので、私も買ってみようかと思っていますが、なにしろ、なかなか本を読む時間がなくて弱っています。

sese> リズムの等時性

 この問題を提起されたのは寺島さんという方ですか。
 べたべたした盆踊り状態から、リズムを刻むダンスの状態に読みを持ち込むのだと塾生に言ったことがありますが、そのときに薄々と感じていたことを明確に言ってもらえたような気がしました。
 日本人の英語から、「母音のぜい肉」がとれ、弱いところを弱く言えるようになり、「リズムの等時性」を備えるようになるまでには、やはり読み込んで口の筋肉を鍛える必要があります。
 中津式のような病気めいた方法はいやですが、「読み込む」という過程は必須だと思います。

 やはり読むべきだろうなと思い、ただ今本を注文しました。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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マジック・リスニングとやらいう商品についてのseseさんのメール。
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日本人の英語発音を革命的にかえるという触れ込みです。再度、申し上げますが、こういう成業が成立するのも日本、それも東京だけだとおもいます。消費者は、つぎからつぎへとホッピングしています。しかし、発音という市場にトレンドはシフトしてきたことは間違いないところです。


http://www.thejingles-summit.co.jp


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 筋肉訓練派
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sese> しかし、発音という市場にトレンドは
sese> シフトしてきたことは間違いないところです。

 小学館文庫を読んだのではなく、私のホームページを読んで共鳴し、「電話でレッスン」を受けたいと申し込まれた方がありました。中学生・高校生を相手に英語を教えている方だそうです。
 「技法グラウンド」の1:5の分量は最低線で、生徒が自分で練習するときに、途切れず間違わず10回たて続けに言える程度の練習をしてくれれば、すごく可能性が出てくるのですが、なかなか自分で10回やってくれる人がいなくて困っています。

 いずれにせよ、「音」を備えた英語がトレンドとして立ち上がっていくこと自体はいいことだと思っています。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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>
「技法グラウンド」の1:5

この1:5とは何でしょうか?


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> この1:5とは何でしょうか?

 私が1回言ったら(読んだら)、生徒が5回読むことです。

 これは最低確保すべき回数で、自分で一人で練習するときは、「途中で途切れずに、言い間違えずに、強くはっきり、正確に」言い続ける回数を、連続で10回は必要です。

 この10回を確保するためには、数十回、ことによると百回をこえる回数の「回転読み」が必要になります。

 「技法グラウンド」で、最低の5回を確保し、一人で10回の質を獲得します。この一人でやる練習をなかなかやってくれません。これをやってくれればどんどん力がつくのですが・・・。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> マジックリスニングに対する、私の質問の答を先方が送ってきました。耳が開くので、リスニングの上達の生産性があがるということです。とりあえず、購入して、結果をみなさまにレポートしてみたいとおもいます。

 これは、先日メールで、映画のリスニングに効果があったと書かれていた教材のことだと思いました。seseさんに効果があったのは、seseさんが、すでに基礎力(理解力)を持った方だからだと思います。

 言語には音楽性はありますが、音楽そのものではないので、いくら音の問題を解決しても、「理解」の問題は解決しません。しかし、この教材が、日本語によって作られた言語耳の苦手とする音の領域を聞こえるようにするということを本当にやってくれるのであれば、一定の評価を与えるべきものだと思います。

 しかし、私の問題意識はまるで別のところにあります。音の聞き取りと理解がどうすれば、「同時」になるかというところに本当の関心があります。この二つがどう「一致」するか。耳の問題だけ解決しても、一般の人にとっては何の解決にもならないでしょう。

 「理解」ばかりをやってきた学校英語、受験英語の反動で、「音」ばかりに関心が行きがちですが、「理解」はどうしても外すことのできないものです。

 容易に理解することができる人は、他の人がなぜ理解できないのかを理解するのが難しい。

 あるレベルに達した人向けの教材だと思いました。いいものであれば、徐々に広まるだろうと思います。いずれは、あるレベル以上の人向けの教材の選択肢に加えることも考えるかもしれませんが、ただいまは自分の関心事で手いっぱいです。

 一般の日本人を相手に塾をやってきた実感を言えば、ただただ荒野が広がっています。

 seseさんがやられるべき研究として、日本人の英語をいくつものタイプに分類し、それぞれに適当な方法や教材の組み合わせをアドバイスすることがあるような気がします。私の知らない様々な方法を知っておられる方ですから。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: Re[4]: マジックリスニング
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根石さんは、口を動かさないと聴力や聴覚は開発されないとお思いでしょうが、この特殊CDをきくだけで、結構映画の映画が聞き取れるようになりました。買うと5万円するので、買っていません。たった30分間聴いただけです。しかし、買いたいとはおもいません。効果があるのに、買いたいとおもわない。消費者の心は複雑です。

(以下は、マジッックリスニングとやらを売る側の文と思われる。根石)


>世界初の聴覚トレーニングシステム

 訓練の結果、聴力の回復などの効果も報告されてはいますが、この英語バージョンでは、英語耳を養成することを目的に作られています。既存のリスニング教材は、どれも素晴らしいものばかりですが、ネイティブの発音を繰り返し聞いて英語に慣れる、というものとは根本的に違います。高次倍音で処理された聴覚トレーニング用CDとハイパートレーニングヘッドホンで、日本人が苦手な英語音域の聞き取り能力を高めます。英会話の教材が眠っているという方は、それを無駄にしない為に、この訓練を開始して、もう一度トライしてみてください。きっと以前より英会話をすんなり受け入れられるようになっているはずです。[日本人には聞こえていない音があります]


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: Re[4]: マジックリスニング
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sese> 根石さんは、口を動かさないと聴力や聴覚は
sese> 開発されないとお思いでしょうが、
sese> この特殊CDをきくだけで、・・・

 口を動かさないでも、リスニングに限定しただけの練習は成り立つだろうと思いますが、開発される能力が局部的になりませんか?「知ってるのにしゃべれない」という問題はリスニングだけに限定した練習では解決しないと思います。

 しゃべる場面で、考えと口の動きを同致させるには、口を動かす練習は不可欠だと思っています。

 リスニングの練習においても口を動かすというのは、総合的な練習になるので、それを人にも勧めてているわけです。口を動かしておけば、しゃべるのにも使えるので、一挙両得だと考えています。

 本当に英語の能力が映画の聞き取りだけでいいのなら、口は動かさなくてもいいでしょうけど・・・。

 効果があるのに、買いたくないのはなぜなのでしょうか。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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私の研究テーマは、16時間で、映画リスニングがわかるということです。

TOEICの900点台、英検1級の人でも、映画リスニングができません。What is it?が聞き取れないわけです。

では、単語の問題でないとしたら、音の問題なわけです。

我々の脳は、言語音と想定すれば、無意識に日本語の認知回路が作動します。far,furと聞いても、近接音をさがすためファーとなってしまいます。これは、単語レベルですが、じつは、文章レベルでもそうです。おはようございます。を英米人のアクセントで言わせれば多くの日本人は、いとも簡単にストレスをつけて、おはーようござーいますのようにいいます。日本人でも、英語リズムは本来はできるのですが発動しないわけです。

努力の量ではなく、教え方の問題とおもっています。だから、16時間もあれば、日本人でも英語のリズムがわかるようになり、一端、気がつけば、後は、上達は早いとおもいます。

しかし、この英語リズムを、客観的にとらえる方法がなかったのです。明示的にとらえられれば、人に教えることができるわけです。

わたしはたまたま、清酒をつくろうとおもっていますが、ドブロクしかできません。しかも酸っぱいです。これを澄ませる技術、酸味をとる技術がないのはその知識がないだけだとおもっています。

リズムもおなじだとおもっています。とにかく、西田さんの抑揚曲線は、驚天動地のものです。1970年にこれを知っていれば、わたしは、30年無駄な人生を送らなくてすんだとおもっています。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 上の記事の中の「16時間」で英語のリズムを身につける方法に関して、おそらく「そんな短い時間では無理だ」というメールを私が書いたものと思われるが、当該のメールを紛失した。以下は、私が紛失したメールへの sese さんからのお返事。(根石吉久記)
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たとえば、downという音が聞こえたとします。

この音が何をつぎに連想させるかが、英語の空間感覚です。

多くの場合、日本人は、downときいて、下と連想してしまいます。
こうすると、いつまでたっても、英語の空間感覚が形成されません。

英語発想のシリトリパターンの例。

公式
X down Y とあれば、

Xは、動詞の確率が高い。
Yは、場所イメージのコトバがくる確率が高い。


fall down to the floor


この英語の空間感覚を身体化するには、算数の99のように、丸暗記して覚えます。英米人の場合は、日常生活をつうじて、英語の空間感覚が自然に身につくとおもいますが、日本人の場合は、パターン化して、外科手術的に外部から強制しておぼえさせたほうがいいとおもいます。

つぎに、X down Y 型の英語リズムも身体化しておかなくてはいけません。downには、ストレスがくるとおもいます。down the streetの場合でも、downは、前置詞ですが、ストレスがくるとおもいます。

この公式の系として、downのかわりに、up,in,back,outなどが同様に適用できる。こうしていくと、ひとつの公式を身体化するとつぎつぎと系まで、芋蔓式に身体化できるので、英語の空間感覚が16時間もあれば身につくのである。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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 孫子の兵法に、敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。とあります。英語のリズムと、日本語のリズムを知れば英文がきわめておぼえやすくなります。いままで、英語のリズムを明確にしている本はほとんどありません。寺島先生のは、まだ不十分です。英語の磁場とは、英語の脳の場であり、英語リズムを、脳のなかにつくれば、英語リズムに反応するようになります。

 いま、日本人は、英語リズムが脳にないため、英語の音を、日本語リズムで聞いているようです。

 英語リズムが脳にできれば、映画の英語が聞き取れるというのが私の仮説で、英語リズムの知識は、16時間でよく、その定着化は、映画ビッグの全セリフを丸暗記することでうまくいくだろうと最近おもうようになりました。

 英語の突破口は、リズムであった!
 いままでの学習書は、リズムの修得方法が不徹底・不十分であった。

 以上、仮説で、自分でいま検証しています。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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sese> 英語の磁場とは、英語の脳の場であり、英語リズムを、脳のなかにつくれば、英語リズムに反応するようになります。

 「磁場」というものが、個人の意識内においても成立するかのように、私も言う場合がありますが、基本的にはあくまで「場」であり、個人の枠を越えたものです。むしろ、個人を取り囲むものとして考えています。
 アメリカは英語が作る言語的磁場であり、日本には英語が作る言語的磁場はない、という場合、これは個人を取り囲む言語的状況(場)をさします。
 基本的には、個人を越えた客観的なものです。

 また、リズムは体感すべきもので、本で記述し、脳で理解すべきものではないように思います。自分の口でどんどん音づくりをする過程で、CD等の音が備えるリズムを媒介にし、そのリズムに口の動きが乗れるようにするという練習がいいのではないかと思っています。

sese>いま、日本人は、英語リズムが脳にないため、英語の音を、日本語リズムで聞いているようです。

 どなたの本か忘れましたが、その最初の方だけ読んだら、英語の歌を覚えるのがいいとありました。英語のリズム、とりわけ拍として弱いところをきちんと明確に「発音しない」ためには、歌はいいかもしれません。私は音痴ぎみであるため、塾で歌を採用できないのが残念です。

sese> 英語リズムが脳にできれば、映画の英語が聞き取れるというのが私の仮説で、英語リズムの知識は、16時間でよく、その定着化は、映画ビッグの全セリフを丸暗記することでうまくいくだろうと最近おもうようになりました。

 「16時間」の根拠がわかりません。
 私は(英語の言語的磁場が存在しない)日本では、英語は一生ものだという考えです。品物の品質がよく、一度買えば一生使えるという意味での「一生もの」ではなく、一生やり続ける必要があるという意味の「一生もの」です。
 また、実力とは練習力のことだと思っています。

 ウドの女房のトミコは、今どんどん英語がしゃべれなくなりつつあります。日本に帰ってきたばかりは、いわゆるぺらぺら英語であり、音楽が好きなせいか、聞き取りは抜群で、映画の聴きとりもよくできます。しかし、ウドによると、日本在住3年ほど経過で、英語力はどんどん低下しているそうです。普段自分の勉強というものをやらないせいです。イッチョウアガリという具合にあぐらをかいたとたんに錆びつき始めるのが、「日本在住の英語」です。私は、「英語の在日性」と名付けています。

 英語の言語的磁場の欠如。これは、トミコのせいでなく、客観的な言語の状況です。

 瀬々さんの考え方は、これこれのことを果たせば、イッチョウアガリになるはず、というパターンがあると思います。私はイッチョウアガリはないと考えています。イッチョウアガリがあっても、その後は、また別のクリアすべきレベルが立ち上がるはずだと考えています。

 日本在住のかぎりは、どんな上級者も自分の英語に満足できない。それは本当には、到達した英語力のレベルの問題ではなく、どんなレベルであれ、そのレベルとインタラクティヴに作用する英語の磁場がないという客観状況がもたらす不満足ではないかと思います。

 日本在住のまま英語をやることは、わざわざ欲求不満を育てるようなことだと考えています。これを大きく肯定するためには、「からっぽ」でいいのだと一度ははっきりと見定める必要があるはずです。

sese> 英語の突破口は、リズムであった!

 突破口はリズムというのは、異存がありません。
 私はもう少し広く、「音」というふうに総体的に考えていますが・・・。

 私は一般的に日本人が英語が使えるようになる日が来るならば、これは世界史上、本当に新しい事態なのだと思います。植民地化され、ネイティヴな言語をずたずたにされて、スペインやオランダの酸鼻な政治力と言語政策が作る「若い人工言語(SVOシンタックス)」の下準備の上に英語が重なって、多くのアジアでは英語がクレオール化したのですが、この過程を通らずに、SOV型の文化が英語をクレオール化した例を知りません。果たして可能なことかどうかわかりませんが、日本人が日本語を持ち続けたまま、英語が使える日が来るならば、これは本当に新しいことなのではないでしょうか。


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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: 鵜田さんの本の感想最新版
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 以下は、seseさんが複数の方に出したメールが私のところにも届いたものです。鵜田さんのホームページの記事を転送してくださったもののように思われます。ここに掲載するにあたって一部を省略しました。(根石吉久)
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MBA取得者からの感想がHPにありましたので転記しておきます。

>AKさんのご感想と提案  June 11, 00


 続30音が「適度な」分量といったのは、いわゆる「アメリカ口語教本」(Wクラーク先生のクラシック本)的な文型練習がもっと楽しく、少なく、でも必要十分なところはカバーして、練習できそうな印象があったからです。

 続30音の販売が(ご謙遜もあるでしょうが)それほどいいスタートを切っていないというのは、内容からみると残念です。私は Marketing では米国一と評されたビジネススクールでMBAを取ったのですが(といっても習ったのは常識ぽい話ばかりですが)、そこではいかに商品が良くても、消費者のニーズに対する理解と、プロモーション(広告や販売網や棚の置き方等消費者にその商品のメリットを知らせ、目につくところに届ける方法)などが悪くて、商品の実力に見合った成果が表れない例を多数勉強しました。

 Udaさんの意図を私は完全に理解しているとはいえないので、とんちんかんな感想かもしれませんが、タイトルには「英会話」が入っているものの、「続30音」として出すと、どうしても発音本に分類されそうで、もう少し会話面を強調した売り方になっていたらと思います。

 英語のイントネーションの習得、すでに知っている英語の活性化もそうですが、いわゆる会話に必要十分な文型が適度の分量でおさらいできることも大きな魅力に感じました。

 よく「中学英語の復習で会話はOK」的な本がありますが、続30音は、音、イントネーション、反応練習というポイントを押さえているだけに、ゲーム的面白さのある適度の量の練習で、会話に必要な(中学)文型がもっとも効果的かつ効率的に、自然に正しく確実に、総合的に身につく本のひとつではないかと思います。

 あの教本の良さはわかっても、入門、初級から中級、上級までやる気にならない人、解答がないので不満な人が多いと推測します。

 「発音、イントネーション」が英語力の土台としてではなく、まだまだ英語のなかの独立した(オタッキーな?)一部門として扱われがちなので、同書の効用が装丁や書店での売り方に反映されていないとすれば残念です。でもいい本ですので、もっと理解されて長く残るものと確信しています。

 これまでのHPでの成果も含め、英語習得における音の重要性と、大人になっても効果的に克服できるメソッドが存在することを説いた啓蒙書チックなハウツー書(練習部分は少なめ)が出せれば、今までの本やビデオも相乗効果が出て、これまで以上に部数が出るような気がします。

 英語習得の上で発音の重要性を説いた本は少なくないですが、実践的で効果的なメソッドを伝えることができるのは、他にそうはいないのではないでしょうか。

 Udaさんがおっしゃるイントネーションというのは、高低、リズムなどいろいろな要素を総合したもの(専門的にはProsody) だと思うのですが、恐らく一般的には音の高低のみを連想されがちなので、本のタイトルなどに使われる際には、なんらかの工夫をされた方がいいかもしれません。

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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
Subject: Re: 鵜田さんの本の感想最新版
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sese>一般的には音の高低のみを連想されがちなので、本のタイトルなどに使われる際には、なんらかの工夫をされた方がいいかもしれません。

 漢字で「調音」とするのはどうかと思いました。
 これだと音関係はすべて包含できます。
 英語だと、articulation でしょうか。
 articulation は一般の学習者に耳慣れていないのが難点です。

 時間がなかなかとれず、直接Udaさんにメールを送ることができませんが・・・。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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以下は、sese さんが複数の方に送られたメールが私にも届いたものです。途中から鵜田さんの文が引用されています。一部省略があります。(根石吉久)
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 udaさんのイントネーションの本は、9月か8月で、タイトルを募集しています。

>・一般にはイントネーションの重要性は認識されていない。書店にはイントネーションコーナーがない(専門書を除く)!という状況です。

 こういう状況を確信していながら、イントネーションの本をだす鵜田さんです。はたして、西田さんの30年前の本の領域にどこまで迫ることができるのか、非常に興味あります。

(以下、鵜田さんの文。根石記)

 現在、イントネーションをテーマにした本を書いています。発売は9月上旬(8月下旬?)の予定です。ところがタイトルに苦慮しており、みなさまのアイディアに期待し、タイトル案を募集することにしました。

■ イントネーションは英語学習/上達に欠かせない重要な要素の1つです。自然なイントネーションを身につけると、耳から英語を覚えられるようになり、読む場合(黙読)にも効率が上がり、覚えやすくなります。その結果、話す力も向上します。

 下記ページを参照してください。

http://www.awa.or.jp/home/uda/My-jotatu/Sakura-jotatu1.htm

http://www.awa.or.jp/home/uda/Iikoto/Int-Listeng.htm

■ ところが、英検1級、TOEIC900点レベルの上級者もイントネーションを身につけた方はごくわずかであり、ほとんどの方は「聞き取れない」ことがわかりました。

またまたところが、ちょっとしたコツを覚えると、しっかり聞き取れるようになります。今回の本は、その具体的な方法を明解にしたものです。

■ そして、まだまだ問題があります。「30音」は当初からタイトルに関して、山のような(?)クレームを頂いてきました。今回の場合は更にやっかいで、

・一般にはイントネーションの重要性は認識されていない。
・書店にはイントネーションコーナーがない(専門書を除く)!

 という状況です。タイトル案、よろしくお願いします!!

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
Subject: crazy English
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以下は、クレイジーイングリッシュという映画について。(根石)
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 7月1日、見てきました。当日は、鳥肌実(コメディアン)のトークショウがあったためか満員で、立ち見をしてきました。

 まず、創造的なのは、1回の講演で、2万人、3万人の規模で英語の学習法を教えるというものです。

 方法論としては

1)音読派の考え
2)筋肉派の考え

をミックスしており、それほど、効果はあるとおもえません。人間は、オウムではないからです。口の筋肉でおぼえたところで、いずれ忘れます。

 学習法自体よりも、マーケティングの面でみると、まず、

3)中国人の敗者の精神を、英語教育で
自信を復活させる。

ということにあるとおもいます。英語を政治の舞台に登場させたことです。中国民族主義の勃興を21世紀にめざすということです。そのために、3億人の英語ができる人間をつくるということです。

 映画のなかで、日本語版、ドイツ版をつくるといっていました。いずれでてくるでしょう。

 本人は、小林克也に似ております。いずれにせよ、ブームがくるでしょうが、彼の方法では、TOEIC,TOEFLのスコアがあがってもアメリカン映画は聞き取れないとおもいます。


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To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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sese さんからの複数の方へのメールが私にも届いたものです。(根石吉久)
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UDAさんのホームページより抜粋。
英語発音映像。
いずれ、これが画像配信されるとおもう。

(以下は、鵜田さんのホームページからの引用・書かれた方に感謝します・根石吉久)

> From らもすさん
   July 10, 2000

 昨日(7/9)の「発掘あるある大辞典」見ました??!! 反響のメールとかいっぱい来てませんか??!! 念のため、「発掘〜」とは、日曜の夜9時からフジテレビでやっている番組で、身の回りの何かテーマを決めて、それをやさしく科学的に分析しどうしてそうなるか、どうすれば良くなるか等、教えてくれる番組です。

 そして昨日のテーマが英会話。日本人がなぜ英語ができないか、どうすればできるようになるかをいろいろやっていました。私が驚いたのは、Uda式の理論が正しいというのを映像でことごとく証明してくれた事。(ただし番組では過程はすばらしいのですが、結論は間違っていました。一般的に言われている結論で終わってました。)

 英語はリスニング、発音、イントネーション(リズム、アクセント等)が大切というようなところから始り、以前メールしたボサノバリズムの人も出ていました。

 衝撃的だったのが、X線透視下で日本語、英語の顎の動きの違いを映した所。番組では運動量を測定し、英語の方が約2倍のエネルギーがいるから、発音体操をして筋肉を鍛えろ、で終わってました。もちろんそれは正しいのですが、運動量よりその動き方、軌跡の違いがはっきり解りました。

 日本語は関節を支点に動き、前歯の方のみ開き、英語は関節が広がるように動き、時には前歯より関節側が下がり、波打つように動いてました。(驚)また明らかに動きの幅も大きく、運動量も違いました。

 まさにこれはUda式の「基本の口の形から喉を開いて顎を大きく下げる」の映像でした。たとえ生のネイティブを前にしても皮膚があるため、喉の広がりはあんなにはっきり分かりません。初めて目の当たりにした喉の開きの映像は衝撃でした。

 そして息のスピード。番組では英語は息のスピードが速い。これは腹式呼吸だから、と言っていました、残念。日本人もほとんどの人が腹式呼吸です。私は仕事柄、毎日接してます。間違いありません。ただし、声を出す時の息の出し方は全然違いますよね。日本で言う所のお腹から声を出す、というやつですかね。

 こちらの映像は日本語は口から広がるように息が出て、英語は細い線状に息が出てスピードも速く遠くの方まで届いてました。

 これは日本語が喉が狭く、口の前歯側が広がり、スピードも無いため広い角度で息が出ている。英語は喉が広がり前歯側が狭く、さらに口を開けない感じにするので、狭い角度で息がスピードに乗って出てくる。

 以前、誰かのメールでホースで水を撒く時、口の部分を細くすると水に勢いがつくのと同じ原理、というような事が載ってましたが、正にそれを証明するようの映像でした。英語の息のスピードは圧倒的に速かった。

 この2つだけでも、Uda式の理論が正しい事の証明です。分かっていても、映像で見るとやっぱり衝撃でした。

 さて問題の共鳴音。番組では共鳴音という言葉は出てきません。周波数が違う。英語の方が周波数帯が高い方向に広い(倍くらい)。よって、高い周波数の音に慣れよう。クラシック音楽がいい、で終わってました、ちゃんちゃん。

 英語の方が周波数域が広く高いのはよく言われている事。どうやると高い周波数の音が出せるかをやって欲しかった。

 この高い周波数域が共鳴音なのかは分かりませんでした。高い周波数の音をカットしたネイティブの英語が出てきました。確かに共鳴音は弱くなっていましたが、無くなってはいません。

 私のイメージでは共鳴音は低い響きなので、高い周波数も低い周波数も両方を含んでいるのかもしれません。

 ブルーバックスの科学的上達法のスピーキング版のCD-ROMって、発声した音声の周波数のスペクトル表示しませんでしたっけ??もし出るなら、共鳴音を含んだ英語、含まない英語、含んだ日本語、含まない日本語などを周波数表示して誰か実験してみて下さい。私もやってみたいのですがコンピュータが無い。

 個人的に面白かったのが、バイリンガルと普通の日本人の言語中枢を調べた所。日本人は英語も日本語も同じ部分で認識するのに対し、バイリンガルは英語と日本語で別々の部分で認識してました。これは5ヶ国語話せる人は5個所で認識しているとの事。

 英語は右脳が大切とよく言います。TVでは左脳で比較してました(言語中枢が左脳にある)。右脳の方も見てみたかった。

(以下はおそらく鵜田さんの文・根石吉久)

■ 詳しいメールをありがとうございました。昨日(7/9)の「発掘あるある大辞典」は、友人から「面白い番組をやっている」と電話があり、途中から見ました。ハイテクの映像は凄かった。

「日本人もほとんどの人が腹式呼吸です」とは知りませんでした!!

 言語と音楽、雑音に反応する脳の部分はそれぞれ異なり、日本人とアメリカ人では少々異なるというNHKの番組を見たことがあります。

 10年以上前のことなので、アヤシイ記憶ですが、コオロギなどの虫の音をアメリカ人に聞かせると、雑音や音楽に反応するところが反応し、日本人の場合は言語のところが反応していたと思います。


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From: 根石吉久 <ax9y-nis@asahi-net.or.jp>
To: seseさん
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 鵜田さんのHPからの転載ありがとうございます。

sese> (引用)運動量よりその動き方、軌跡の
     違いがはっきり解りました。日本語は関
     節を支点に動き、前歯の方のみ開き、英
     語は関節が広がるように動き、時には前
     歯より関節側が下がり、波打つように動
     いてました。(驚)

 このあたりは、私が「日本語は唇の近くの筋肉だけが動き、英語は顎が動く」と感じていたことと通じるところかもしれません。
 喉の広がりは、eの転倒した発音記号を発音すると広がるように思います。r音もそうです。この広がりと鵜田さんの「共鳴音」とが関連すると思います。

sese> こちらの映像は日本語は口から広
     がるように息が出て、英語は細い
     線状に息が出てスピードも速く遠
     くの方まで届いてました。

 これは、ウドなんかと喧嘩したときに、炬燵板の上を渡ってくる声の風の強さのようなもので体感していたことと同じでしょう。風のかたまりが、なかなか炬燵板の上でぼやけないのです。

 英語の息のスピードというのは、子音の連続がもたらすものだと思います。日本語の音は、いちいちに母音がついているので、スピードという点ではぼけるのではないでしょうか。

sese> 分かっていても、映像で見るとやっ
    ぱり衝撃でした。

 私も見てみたかったと思いました。


sese> 英語の方が周波数域が広く高い
     のはよく言われている事。どう
     やると高い周波数の音が出せる
     かをやって欲しかった。

 これも英語の子音の連続が作る音だと思います。日本語はひとつひとつの音に母音がついてまわるので、周波数的には低い音になるのではないでしょうか。

sese> 個人的に面白かったのが、バイリンガ
     ルと普通の日本人の言語中枢を調べた
     所。日本人は英語も日本語も同じ部分
     で認識するのに対し、バイリンガルは
     英語と日本語で別々の部分で認識して
     ました。

 この脳の働く位置の違いは、以前私も映像化されたものを見たことがあります。これは、インプットとアウトプットの回路は同じだが、日本語と英語では回路自体が別だというふうに私は考えてきました。

sese> (鵜田さんの文の引用)
    コオロギなどの虫の音をアメリカ人に聞
    かせると、雑音や音楽に反応するところ
    が反応し、日本人の場合は言語のところ
    が反応していたと思います。

 日本人の場合、言語のところが反応するというのはとても面白いと思います。これぞアジア性ではないかと思いました。
 アジア人の自然との親和性の高さ、ヨーロッパ人の自然に対する客体化の強さのことを思い出させられます。
 これは、SVO文型がアグレッシヴな性質を形成し、SOV文型が、受容型の性質を形成するという私の仮説と関連があると思いました。
 根源にあるのはシンタックスではないか、と。

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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> このあたりは、私が「日本語は唇の近くの筋肉だけが動き、英語は顎が動く」と感じていたことと通じるところかもしれません。

 あるある大事典のホームページにも映像(静止画)がでています。

> 喉の広がりは、eの転倒した発音記号を発音すると広がるように思います。r音もそうです。この広がりと鵜田さんの「共鳴音」とが関連すると思います。

 これはすごい発見ですね。

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From: seseさん
To:ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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下記、ホームページをつくりましたので、
みなさまのご意見を書き込んでください。
下記をブックマークにいれてください。


http://www2.aaacafe.ne.jp/free/midway/main.bbs

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From: seseさん
To: ax9y-nis@asahi-net.or.jp
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秋田県ムービーイングリシュです。
みなさまの書き込みをまっています。

>
http://www2.aaacafe.ne.jp/free/midway/ame.bbs

英語の生音声の聴解、発声に挑戦する無料掲示板です。

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以下、根石記。

 seseさんとのメールのやりとりは、以上のものの後にしばらく中断した。私が自宅自作現場に時間をとられ、「電話でレッスン」の生徒さんが増えて時間がとられたためである。
 まだお返事を書いてないseseさんからのメールがあるが、また時間ができたら、別のファイルとして1ページを作るために、メールのやりとりを再開したいと思っている。
                             2001年1月4日



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