この技法は、そもそもは「英会話用インプット専用教室」向けに開発したものです。
素読舎では以前からの練習方法も継続して行われていますが、塾生を新しく紹介していただいた場合は、紹介してくださった人に64回、紹介された人に32回、「技法グラウンド」を開放しています。
英語にも「生き死に」があります。英語が生きようと死のうと、その人の命に別状はありません。しかし、英語にも、生きるか死ぬかという問題は絶対にあります。そして、ほとんどの日本人のやる英語は死にます。
学校の英語、進学塾の英語、それらはあらかたが確実に死にます。
本当に本当に目をあけて見ていただきたい。学校の点数をとるための英語は死ぬのです。実際は飼い殺しにされるのです。進学塾の英語も、生徒に大金をついやさせた後、死んでいきます。進学塾は、根本的に学校という制度につき従うだけのものだからです。
多くの日本人が英語が使えないことは、もう世界的に有名なことです。
学校と進学塾の英語の犠牲者たちが、大人になって、今度は英会話学校に行き、「アイサツ一個2万円」で買ったりしています。学校時代に英語のシンタックスを身につけなかった人には、英語のアイサツ一個が2万円もするのです。馬鹿げた話です。そうして、何度も何度も犠牲者になっています。
日本人は、世界的に見ても、英語に時間と労力を非常に多く注いでいます。それなのになかなか英語が身につきません。
半分は英語と日本語という言語のシンタックスの違いによるものです。例えばドイツ人が英語をやる場合、極端なことを言えば、単語を覚えるだけで、ブロークンな英語なら、すぐにべらべらとしゃべれるのです。構造(シンタックス)が同型だからです。これは、他のヨーロッパの言語をしゃべっている人たちにも同じことが言えます。
シンタックスという根底的な問題を、学校の英語も進学塾の英語も乗り越えることができません。中間テスト・期末テスト・高校入試・大学入試という制度で飼い殺しにされた英語はシンタックスを乗り越えられない英語です。
素読舎の塾生は学校のテストでも、進学塾の英語をはっきり上回ってきました。数人の素読舎の塾生が、一学年のトップクラスをほぼ独占したようなことは何度もあります。しかし、素読舎がねらってきたものはそんなことではありません。
知識としての英語ではなく、シンタックスを備えた英語を!
素読舎が構想した練習法はそれをめがけてきました。
素読舎の目のつけどころは、学校や進学塾とはまったく別のところにあります。テストの点をとりたいならとるがいいが、点を家来として従えること。数年かけて、日本語とまったく異質な英語のシンタックスを身体化することです。これをやることが、なにがなんでも英語をやる場合に必要なのですが、これを語学的な認識として持ち、実践している場所は、近在では素読舎以外にはありません。
学校のテストの点をとることと、使える英語を育てることを両立させること。これがどれほど大変なことなのか、わかっている人はほとんどいません。
実際問題として、子供一人の中に英語のシンタックスを身体化するには、最低でも三年はかかります。しかし、シンタックスの身体化は、直接にテストの点には関係ありませんから、テストの点だけが大事だと思っている生徒の多くは素読舎をやめてしまいます。
素読舎で英語のシンタックスを身につけた人には、日本にだけ暮らしながら英語を使って仕事をしている人が何人もいます。しかし、テストの点を先立てて、素読舎をやめていった人で英語がものになった人を知りません。学校の成績主義に従って、自分の英語を殺してしまった人たちならたくさん知っています。
英語を点数のためのものだと思わないでください。いくら点数がとれても、使えないようなものは英語でもなんでもありません。そして、英語をやる日本人の90パーセント以上が、英語でもなんでもないものを英語だと思っているのです。学校が、進学塾が、英会話教室がよってたかって、90パーセント以上のものを、役立たずなものに仕立て上げています。このことに、人々はもっと驚いていいのです。
この馬鹿げた状況をなんとかぶち破ろうとしてもがいてきた私塾が素読舎です。これは苦しい闘いでした。大学の教授法の研究室で研究するのではなく、素読舎はシャバにまみれて方法を打ち建てようともがきました。そして、ほぼ25年たち、非常にシンプルな方法に至りました。
それが、「技法グラウンド」です。
「技法グラウンド」は、学校のテストの点には直結していません。しかし、素読舎の膨大な英語教材から抽出したものですから、これまで素読舎で行われてきたような練習を家で行うことができるようになりました。素読舎で「技法グラウンド」を行い、家で素読舎の教材を使って理解を媒介にすることにより、学校のテストと使える英語を作ることが両立するようになります。
素読舎自作の英語教材が、テストや入試にどれだけ強いかは、すでに実証済みです。学年トップクラスの独占状態はすでに何度もあり、東大・早稲田等への合格も多数あります。
語学は、本当は毎日やらなければ駄目です。「鉄は熱いうちに打て」と言いますが、「語学は熱いうちに毎日打て」と言いたいのです。そのための方法を素読舎で身につけていただくのです。一週間に一回や二回塾を使って、家で何もやらないでいたら、勘はその間に錆びつきます。勘をつくることに関しては、学校の授業はまるで役たたずですから、家で普段から自分でやることが必要です。そうでなければ、英語は錆びついてしまいます。塾でやるだけの人は、塾を単に錆落としに使っているだけで、効率の悪いやり方です。
自分でどんどんやること。塾を気休めとして使わないこと。
これをやってくれる人には「技法グラウンド」は、強力な力を発揮することを言明します。