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糞詰まりで嘘つきの日販(書籍大手流通)
ずうたいがでかくのろまで役たたずだと言えば、私の妻のことだと思う人があるかもしれない。とんでもないことだ。そんなことを言うものではない。妻だって、私のことをチビでずるがしこく強欲だなんてことはめったに言わない。そんなことを言うものではない。事実というものはなかなか口に出せないものなのだ。
ずうたいがでかいということと、チビであるということは矛盾するが、その他のことは合体する。のろまで役たたずでずるがしこく強欲だというやつがいたら、これは妻と夫の合体だ。こういう妻と夫の合体は望ましいものではない。合体は、甘く秘めやかなあれだけにしたい。そうだ娘がいた。娘は、便秘がちであるが、これはていのいい言葉であって、普通に言えば糞づまりということである。そんなことを言うものではない。家庭の恥さらしだ。しかし、ここに噴出してきた家庭の恥を煮詰めたらどうなるのか。いいかげんにしろ。そんなことを言ってはならんのだ。恥ずかしい。
しかし、言うことにした。言わねばならない。私はこれまで、こんなにも口汚い言葉を連ねたことはないであろう。妻に向かってののしっても、ずうたいがでかくのろまで役立たずだとほとんど同語反復しかできなかった私だ。娘に向かっても、この便秘の糞詰まりがと貧弱なののしりしかできなかった私だ。同語反復を越えたののしりは私の言語能力を越えている。ここで、私の言語能力の限界を拡張してくれるのは、大手流通という本の問屋だ。
ミッドナイト・プレスから『根石吉久の暮らしの手帳』を出してもらって、友達に連絡したら、ひと月待ってもふた月待っても本が書店に来ないよという人が続出した。私にも覚えがある。前々から本を注文するたびに時間がかかるので、江戸から馬に積んで碓井峠を越えてくるんだろうと思っていた。しかし、パソコン機器の通信販売でいろんな細かいものを買ってみてわかったのは、今は黒猫やらペリカンがたくさんいて、注文の翌日には品物が届いてしまうのだ。なんで本だけがこんなにも馬鹿げて到着が遅いのか。アホかと思っていた。大手流通よ、あっしらにはえらい迷惑だ。
それだけじゃなかった。愛媛県の渡部伸二さんからミッドナイト・プレスにかかったという電話の内容を山本さんから聞いたとき、たちまちに頭に血が昇った。渡部さんは書店に私の本を注文してくれたが、いつまでたっても本が来ないので、何度か書店に問い合わせるうち、流通から「この本は品切れで、再版の予定もない」という連絡があったという。流通がそう連絡してきたと書店が言っているという。馬鹿を言え。
その当時、私の本の初版分の在庫はたっぷりあった。初版が売れたら、再版しようという岡田さんの言葉も聞いていたし、実際に再版もされたのだ。品切れで、再版の予定もないというのは真っ赤な嘘だ。どこかに真っ赤な嘘を言っている奴がいる。書店が嘘を言っている可能性もないわけではない。この場合はその書店だけのイレギュラーな問題だが、もしも大手流通が本当にその嘘を言っているのなら、これはあからさまな小部数出版つぶしだ。これを放置しておいたら、読者の一冊づつの注文にたよる小さな出版社はたまったものではない。
私は渡部さんに手紙を書いた。渡部さんの名前や書店の名前を出して書いてもいいかともお聞きした。渡部さんは書店に聞いてくださり、すべてOKの返事をくださった。以下は要約である。
10月28日、『根石吉久の暮らしの手帳』を松山市の明屋(はるや)書店に注文。3週間後、電話にて書店に確認するも未入荷。11月26日前後、再度確認、T店長より、流通に催促する旨の返事。12月6日前後、書店に電話。取次の日販より、「品切れ」の連絡があったと聞く。8月の新刊だから、品切れのはずはないと抗議するが埒あかず。星雲社にミッドナイト・プレスの電話番号を問い合わせ、ミッドナイト・プレスに電話。品切れでないことを知り、直接注文する。12月8日、書店から注文書が入荷したと電話。直接注文の後なので、キャンセルする。書店から、客注は四国日販から日販王子流通センターに流れ、そこで処理されていると知る。(以上要約)
大手流通は役たたずだ。私の本に起こったことが氷山の一角だったらと思うとぞっとする。ここでは糞詰まり程度のことしか書けないが、大手流通の強欲やずるがしこさについては、安原顯の『し・つ・こ・く ふざけんな』(図書新聞)にゆずりたい。あいた口がふさがらないようなことが書いてある。わたしもし・つ・こ・く言っておく。大手流通は、ずうたいがでかく・のろまで・役たたずで・ずるがしこく・強欲で・糞詰まりである。そうだ、嘘つきというのを付け加えるのを忘れてはならない。こんな醜い合体がでかいつらをさらしている。ニッポン低国の恥部だ。
これに比べればおれんちなんかかわいいもんだ。家族が三人でそれぞれの役をつつましく分担してるんだからな。
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