英語・語学論へ

中間・期末の点がとれても、

一流大学に受かっても、

英語は使えるようにならない

   ---「教科書べらべら読み」の勧め


                        長野県更埴市小島3137 素読舎
                                    文責 根石吉久





 素読舎には「電話でレッスン」という練習があります。すでに名古屋・東京の人を相手に始めています。そもそもは、素読舎に通えない地域の人のために始めたものですが、更埴市内・更埴市近在の人にとっても、通塾の必要がないことは大きなメリットになります。今後、更埴市内・更埴市近在の人の「電話でレッスン」を受け付けていきます。

 インターネット上で、記事を充実させていく予定です。ご覧下さい。
 http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis

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 中学生の場合、「電話でレッスン」で行うのは、「教科書べらべら読み」というものです。

 「教科書べらべら読み」は、学校で使っている教科書をまるごとべらべらに読めるようにするレッスンです。教科書のどのページを開いても、すぐにべらべら読めること、しかも自己流でなく、「通じる音」が出せること、その練習が学校の授業より先に進んでいること。これらが眼目です。

 この練習はひとまず直接にテストの点に結びつかないために一般に非常に軽視されています。しかし、これを欠いた英語力は必ず滅びていきます。

 英語をとりまくぶあつい迷信の一つに、「理解」が英語力の基礎だというものがあります。この迷信の発生元は学校であり、それを増幅させているのが学校体制や受験体制に寄生する進学塾です。

 学校や進学塾は、英語を知識として扱ってきました。「使えない英語」をこれまでずっと作りつづけてきたのが学校であり進学塾です。

 理解は絶対に必要です。しかし、理解だけにとどまった英語は使えるレベルになりません。その実例ならば、日本中にごろごろしています。

 あれほど変なものはないのです。学校体制や受験体制の中でしか通用せず、その外側に出たとたんに使いものにならない英語。そんなものは実は英語ではありません。日本の学校や進学塾が扱っているのは、「疑似英語」「英語みたいなもの」であり、英語とは呼べません。しいて言うなら、英語に関する副次的な「知識」です。あれは英語じゃないのです。

 受験生が貴重な十代の時間をどれほど「英語」に注ぐか。その時間とエネルギーとコストとを考えれば、使えない英語をつかまされることがどれほどの大損か。日本人はこと英語に関しては、学校と進学塾によって、とことん損をさせられてきたのです。

 中間・期末のようなテストの点ばかり追いかけている人は大勢います。学校英語の信者たちです。その人たちが使えない英語をつかまされるのです。

 英語の基礎は知識や理解ではありません。本当の基礎は、「音」にあります。音の基準は一つ、「通じる音」であることだけです。このたった一つの基準を学校の英語や進学塾の英語は満たすことができません。イントネーションまで含めて、通じる音で簡単に教科書が読めること。これが一切の基礎になります。この基礎を欠いて、「理解」から始め、「理解」にとどまった場合に「使えない英語」ができるのです。学校がやってきたのはまさにそれです。

 まず最初に「音作り」が必要です。「通じる音」としての「音づくり」です。ほとんどの中学生がやっているように、単に日本語の音を移行させて英語を読むのではなく、立体的に英語の音に準じた口の動きを作ることが欠かせない条件なのです。これを実現するには、個人指導しかありません。黒板も説明も役立たずです。

 公文式のように、指導者自身の英語が使えるレベルにないのに、機械まかせでリピートを繰り返す方式ならあります。これは「音づくり」をしているのではなく、風邪のように英語の音がウツルという幻想に依拠しているのです。そんなことが起こるのは、ネイティヴな言語だけです。公文式から素読舎に移ってくる人の音を聞くと、平板な音しか出せない例が多いことが、「音づくり」が行われていない証拠です。算数でも英語でも、公文はロボット作りのノウハウがあるだけです。資本のためのロボットになりたい人は公文式がいいでしょう。

 「通じる音」としての質が備わるまでには、激しく練習する生徒でも少なくとも一年はかかります。小学六年生から始めてもらうのが最良のタイミングです。

 ラジオ、テレビの英語番組や、市販の音声教材(CD・テープ)も、「音作り」の面倒はみてくれません。多くの英会話学校のガイジン教師たちも、日本人に必要な「音作り」の方法を持っていません。中学・高校に来ているしろうとガイジン教師たちも日本人の口の筋肉の扱いを知りません。あれでどれだけの中学生が英語の音の出し方がわかったというのでしょう。単なる税金の無駄づかいです。

 学校の授業や進学塾の「英語」の何が間違っているかと言えば、最初に「音づくり」を行わないことです。そこがとことん間違っています。

 まず通じる音で読めるようにすること、次にその文について、文法的理解や内容把握としての理解を媒介させること、そして、理解したものを「音」として体に残すこと。このすべてが行われないかぎり、英語は駄目になります。

 理解は、英語の練習の途中にある一要素にすぎません。もっとも大事なことは、理解した後に、「通じる音」として音が体に残っているかどうかです。
 理解したものが「音」として体に残らないなら、間違いなく使えない英語ができあがります。この点を軽視してきたから、学校の英語はでたらめなのです。進学塾は知識(量)として英語を扱うだけで、音に関しては学校よりもさらにいっそうでたらめです。

 黒板を使って説明したり、生徒に日本語に訳させたり、文法問題を与えて正解を言うものが現れるまで生徒をアテたりしているようなやり方では、絶対に英語はものになりません。これらのことごとくが役立たずな英語づくりに奉仕しています。

 日本在住のまま英語をものにした人は非常に少ないのですが、その人たちが必ずやっているのが「べらべら読み」です。アメリカ帰りのアメリカ英語は別として、日本在住のまま英語の基礎を作った人はみんなこれをやっています。素読舎に特殊な方法でもなんでもありません。実はこれしかないのです。

 「日本在住」という条件は、日本語というまったく異質なシンタックスに囲まれて生きていることですから、少しばかりの英語はすべて日本語に押し込められてしまいます。アメリカ帰りのアメリカ英語のように、絶えず外から引き出す力が働くところで形成されるのではありません。特殊なのは、「日本在住」という条件そのものです。逆立ちするシンタックスそのものが、日本人の英語につきまとう特殊性です。「べらべら読み」のべらべらの質が大事なのは、日本人の英語には外からそれを引き出す力が決して働かないからです。「べらべら読み」は日本人の英語には、絶対に必要な条件です。

 受験英語の中にいて受験英語の質を食い破らないかぎり、使える英語ができないのと同じように、「日本在住」のままに英語のシンタックスが身体化されないかぎり、日本の英語という質は成立しません。そして、それはまだ成立していません。文部省はとことん無能でした。

 アメリカ帰りのアメリカ英語は、日本育ちの日本語と大して変わりはありません。外から引き出す力が働くところで形成されたという点では似たようなものです。語学とは本来、「日本にいて英語をやる」「アメリカにいて日本語をやる」というような作業です。日本育ちの英語の質が成立しなければ駄目なのです。これは今までのところほとんど見当たりません。

 日本に住む人に必要なのは、アメリカ帰りのアメリカ英語ではありません。日本で育った日本の英語です。アメリカ帰りのアメリカ英語のアメリカ感覚ではなく、日本に住む人の普通の感覚を内在的に言う言葉が育たなければ日本の英語とはいえません。

 この「教科書べらべら読み」の練習をきちんと進めてもらえれば、やり始めてまもなくその効果がわかります。学校の授業が格段にわかりやすくなります。しかし、理解にとどまっては駄目です。理解したものが音として体に残るかどうかが最大のポイントです。絶対不可欠なものはそれです。

 中学の教科書3冊をべらべら読みができるようになったら、素読舎が開発した「脱日本語」と「基礎問題集」という教材に接続させていきます。これは高校英語の基礎固めから大学入試レベルの英語に渡るための教材です。練習方法は、「教科書べらべら読み」で行うものがそのまま使えますから、中学生の時期に「教科書べらべら読み」のコツをつかんだ人は、大学入試の圧倒的な知識量につぶされることもありません。こうして、高校英語・大学受験英語を将来に渡って使える英語の基礎として活かします。
 
 素読舎には、入試で終わりになるような英語を作るつもりは毛頭ありません。入試以後に生き残れる英語はこれまでほとんどありませんでしたが、日本人の英語がこのままでいいわけがありません。日本人がこれまでのような馬鹿げた損をしつづけていていいはずがありません。

 素読舎の塾生の方が進学塾の塾生よりもテストの点がいいようなことは過去に枚挙にいとまがありませんでした。皮肉な結果です。




「電話でレッスン・教科書べらべら読み」要項

料金 月額1万円

レッスン 週一回 15〜30分(自分から練習しなかった人は15分。練習し準備してある人は30分)

予習・復習に必要なもの 教科書準拠のCDとその再生装置

電話代 生徒が負担します。住んでいる場所によって、DDI、NTTなどの割引サービスを利用していただくのが有利です。サービスの選択に関してのアドバイスは致します。

申し込み・問い合わせ電話番号 090−3310−4180
レッスンで使用する電話番号  026−272−4330

その他詳細は、正午以後お問い合わせ下さい。