【8501】
【タイトル】たたかう英語教員(4)
【 日時 】04/03/12 5:09
【 発言者 】ミッフィー
私は割と物をずばずば言う方であり、ALTにも臆することなく物を言ってきたが、この日はさすがに消耗した。帰宅して夕食を作る気力がなかったので家族に
はコンビニのおでんで勘弁してもらった。
異文化交流とはご立派な言葉だが、このようなどろどろぐちゃぐちゃこそ異文化交流ではなかろうか…と思い、彼にもそういった。最後はさっぱりした形で終
わった。彼も4月から別の学校に配属になるので、そこで楽しくやるだろう。しかし誤解しないでほしいのは、このようなALTはごくわずかであって(そう願
いたい)大半のALTはまじめで、仕事熱心でteam
teachingのために心砕いてくれる方達であるということを。実際この日消耗しきった私を励ましてくれたのは、もう一人のALTの方であった。前任校
では優秀なALTばかり配属されていたのでこんなアンポンタンなALTがいようとは想像もしなかった。
もうこれからは言いたいことはALTにもすぐに言うぞ。ケンカを売るなら買ってやる。日本語でも英語でも。私のケンカ英語の旅はこれからだ。根石さん、つ
いていきますのでお導き下さい。
【8502】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/03/12 7:35
【 発言者 】小川
御主人様が英語ネイティブスピーカーで、電話レッスン時にはそばにおられる様子。 とても緊張します。
ハンブルクの英語ディスカッションクラスの先生はイギリス人女性だったんですが、アメリカ流のR音は気持ち悪い、と言われた事があり、あすみさんにお聞き
すると御主人様もやはりそうおっしゃる様です。 音の出し方をわかっておられても、なかなか出せないのはその為だと思います。
ドイツ語のR音は、うがいをする時の様に喉を鳴らして出します。 イタリア人は巻舌にしていて、アフガニスタン人のは巻舌と喉の奥を両方使っている様なド
迫力のRでした。 先生は発音の事は滅多にいわない人だったんですが、これらの音がどうも耳につく様で、しきりに矯正していたのを覚えています。 どっち
でも通じるからええんやないの、と思ったりしてたんですが、ネイティブスピーカーには、これだけは聞き捨てならん、と言う音があるんでしょうね。 まった
く似ても似つかない音に聞こえるのかもしれません。
【8503】
【タイトル】ピアノフォルテもジャパングリッシュも
【 日時 】04/03/12 8:22
【 発言者 】sb
>今、ピアノで3連音符が均等にきれいに弾けなくて四苦八苦してるとこ。 寺井師匠が、「なめらか〜に、あたかも円を描いて回転する様な粒揃いの音が出る
まで、練習せなあかん。 最初はゆ〜くり均等になる様に徹底的に練習、それが出来るようになったら速度を速めて行くんや。 それが出来へんのに先を焦った
らあかん。」と言うてはった。
小川さん、「鬼」より引用させていただきました。根石さんから学んだことを思い出しました。先ばかりあせっているときはピアノの数小節で困り、言葉もつっ
かえつっかえで次が出てこない。
【8504】
【タイトル】過去ログより
【 日時 】04/03/12 9:00
【 発言者 】sb
>(eliotさん)生徒にやる気がないというのは妥当ではないでしょう。教師に発音教育をやる気がないことが問題なのです。別の言い方をすれば、生徒に
英語の発音を習得したいという気持ちが生じないのは、いびつな日本の学校英語教育にその原因があるのであって、生徒たちは被害者だということです。彼らを
責めることはできません。
>(sb)そうですね。生徒を責めることも教員を責めることも難しいと思います。でもまず教員養成というか教員の資格は免許更新制にするのがよいと思いま
す。音声聴解面については3年更新制、読解表現面については5年更新や10年更新も可能だと思います。真っ先に私が首になりそうですが。。。
3901番の投稿より(「英語音読素読暗誦暗唱」を検索エンジンに入れてみてヒット)
【8505】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/12 14:42
【 発言者 】あすみ
きのうはありがとうございました。電話機が居間にあって、大体あの時間は夫と子供がテレビを見たり、一緒に遊んだりしているので、もしかして雑音などが
入ってうるさいかもしれませんが、お許しくださいませ。あの時は、たまたま飲み物を取りに電話口のそばにきたときに耳に入ったのが、genitals
だったので余計おかしかったようです。
r の発音については、夫もrが異様に耳につくアメリカの発音(そうでない話し方をするアメリカ人も大勢いますが。)をすごく嫌がりますが、私自身があま
り、しつこく粘りつくようなrや、一瞬般若のアの発音が好きでないので、無意識に発音すまい、としていたみたいです。でもテープに録音した自分の発音を聞
くと、時々それを全く無視した発音になっているのに気づいて、イギリス人だろうがオーストラリア人だろうが、きちんと発音はしているはずなので、私の場合
は、大げさなくらい発音してみるのがちょうどいいかな、と思っていた次第です。
ところで、練習をしている時に浮かんだ質問ですが、(鬼ではなくて、こちらに書かせていただきます。)一語一語を丁寧にゆっくりと練習し徐々に回転を速く
して読めば音の連結については、自然にできるようになる、ということですが、イントネーションについてはどうでしょうか?イントネーションは強調したいと
ころがどの単語かによって変わってくるから、気にしないで練習してもいいのかな?と思ったりして。あと、リズムについてもよければ教えてください。
【8506】
【タイトル】受験の英語
【 日時 】04/03/13 3:48
【 発言者 】ミッフィー
来年度おそらく1年を担当するだろう…と推測し、授業計画を立てることにしました。英語Tについては従来通りのやり方(つまり訳や文法解説のみ)で授業
を終えてしまうのは、子供達にはもはや通用しない、後に何も残らないと痛感したので音作りを土台にし、とにかく音読させる手だてを考えています。でもこれ
までは自分は(CDリスニング5分→音読5分→内容把握つまり訳、文法解説)のパターンでやってきたので、どうしようかとうじうじ考えています。今まで
やったことのないことに挑戦するのを怖いのです。(実際どんな授業のやり方をしていたかわからないが訳先渡しで失敗した先生がいる)
根石さん、高校生に素読舎でやっていらっしゃることをよければ教えていただけますか。それ以外でも何かヒントがあればよろしくお願いします。あすみさん
も授業の計画を立てておられると以前掲示板で拝見しましたが、どのようなことを実践されている(または実践する予定)か、教えていただければ…と思ってい
ます。文法の授業についてはJackieさん案のteaching
planをぜひ利用したい。高校1年を担当できれば幸せ。だって今までの自分をリセットできるし、新しい試みを最も取り入れやすいから。
オーラル関係の授業も多いのでまた皆さんのお知恵を拝借しに来ます。
【8507】
【タイトル】ミッフィーさんへ
【 日時 】04/03/13 9:53
【 発言者 】sb
柴田さんの授業が一番理想的だと思いますが、高校2年以降はこのやり方で追いつかない場合が十分想定されますので工夫が必要だと思います。日本語を教えて
いる友人に教わったprocedureのポイントを書きます。
@presentation(教材の提示・・・リスニング150語なら1分でできるので、5分というのは適当という感じがします。5回聞く場合に1つ質問
をして1stlistening,2つ目の質問をして(日本語でも英語でも生徒の状況に応じて)というのがいいのではないかと私は思います。
Apractice(練習・・・記録方法を工夫し、できるだけ時間をとるのが理想ですが、まだ現状では他のチームを組んでいる先生がいらっしゃるなら、で
きるだけ相談して、統一させることが、子供達のためにも大切なポイントだと思います。この一連の音作りについても柴田さんがこの掲示板に登場してくださる
のが一番良いと確信していますが、柴田さんは現在大変お忙しいのではないかと推測しています。)
Bproduction(自己表現)はパタンプラクティスの要領で子供達の獲得語彙を睨みながら予め入れ替えの語句を日本語英語対照でもいいので、作らせ
たものを、各自また技法グラウンドなどした後で(この時間がとれることが理想だと思います)一気に縦一列ごとにでもリズムをもって発表させてみるのも面白
いのではないかと思います。
勇気がいることだというのはたいへんよく分かります。教育は根石さんから学びましたが、「定点観測」です。英語教育は「練習記録力」=「生活意識力」を身
につけるための科目ではないかと最近考えています。
【8508】
【タイトル】エンターテイメント VS 非エンターテイメント
【 日時 】04/03/13 12:16
【 発言者 】sb
>(引用)教育学の先生方から最大の教育的効果を上げるのは(特に語学の場合)、言語を取得していると思わせない方がいいと聞きます。この番組の場合であ
れば、英語ではなく違うものを勉強していたら、それがたまたま英語だったという流れがいいようです。これが教育学の原理にも適っているそうです。これはい
かにも人間のアマノジャクな面白い性質の部分なのでしょうが、「勉強しなくちゃ」と思うと構えてしまってダメですね。この番組でも、効果的な誘い(いざな
い)方について常に工夫をしています。(NHK英語でしゃべらナイトチーフプロデューサー丸山俊一氏)
教育学の立場から語学はエンターテイメントという意見と
語学はエンターテイメント性と取り除いたほうがよいという意見と
これらは「イメージ」という言葉の曖昧な面と関係があるのだろうか。
「言葉のイメージ」「情報のイメージ」「英語のイメージ」「○○のイメージ」。。。
イメージimage(広辞苑)
@心の中に思い浮かべる像。全体的な印象。心象(しんしょう)。「完成した形をーーーする」「ーーーがわく」「企業ーーーを高める」
A姿。形象。映像。
【8509】
【タイトル】ミッフィーさん
【 日時 】04/03/13 22:07
【 発言者 】あすみ
はじめまして。あすみです。同じ高校英語教員として、戦う英語教員の記事大変興味深く読ませていただきました。もう、本当にミッフィーさんのご苦労が痛い
ほど良く分かり、心配でした。このままだと過労および心労で、倒れてしまわれるのじゃないかと・・・・幸い例のおとぼけALTは、4月から別の高校に行く
ようだし、ひとまずひとつ苦労の種がなくなるわけですね。次に来るALTがまともな人であることを願っています。
ところで、私もミッフィーさんと同じく4月からの授業をどうしようか考えています。できれば新入生を担当した方がお互い新鮮な気持ちで始められますね。た
だ、彼らが中学校でどのくらい発音を習ってくるかで、だいぶ違ってくると思うんですよね。発音に関しては結構個人差がありませんか?英語が好きな生徒の中
には(特に女子は)自分でラジオを聞いたりCDやテープで練習してかなり綺麗な音を出す子たちもいる反面、苦手な子は殆ど読めない子達もいたりして。そし
て確実にいえるのは、読めない生徒ほど英語の力も低いのです。読めないから分からない、分からないからおもしろくない、したがってやる気をなくし、あとは
落ちる一方。やはりフォニックスを使ってアルファベットの発音を一文字一文字ゼロから教える必要があると思うのです。先日もある生徒が、「先生、クニュ
ウって何ですか?」と聞いてきて驚きました。その子は特別授業でしか教えたことのない生徒なので、どれほどの学力かは知りませんが、少なくとも4年間は英
語の授業を受けて、knew が読めない(意味も分からない)というのは、いくらなんでも問題ではないか・・・
根石さんや、柴田さんがおっしゃっているように、英語を正しく発音できる力を生徒につけさせてあげられれば、あとは自分たちで伸びていくのかもしれない。
先生の日本語による英語の解説は、生徒にとっては、うっとうしいだけでしょうね。それを分かっていながらやっている自分が情けなかったりして。とりあえ
ず、今年は最初の授業で音作りの大切さを生徒に説明して、今後の授業方針について、音読中心でやっていくつもりであることを確認します。
私の授業は体育の授業と同じで、実技中心、つまり音読練習中心になるからそのつもりでいること。評価には音読や発音の良し悪しが大きく影響することなど。
できるだけ授業の半分は音声による指導ができたら、と思っています。具体的にどうするかは、クラスの雰囲気や、人数によっても違ってきますが、基本は新し
いレッスンに入るときは、リスニングを最初にたくさんした後 新出単語の発音を丁寧にやって、本文の音読に入る。訳は予めガイドブックのをコピーして渡し
ておいてもいいと思います。音読がある程度できるようになったら、そのレッスンで扱うことになっている文法事項を簡単に説明して、例文の音読などをし、宿
題で問題集などをやらせる。この大風呂敷を知ってから、そのような授業に徐々に変えていったのですが、なんとかやれそうな手ごたえはありました。ときどき
洋画を見せて簡単なせりふを書き取らせたりすると、生徒も喜んでやります。
余裕があれば、俳優になりきってせりふを言わせてみるともっと楽しいでしょうね。
また、具体的な指導案が浮かべばお知らせします。ミッフィーさんのアイデアもぜひ教えてください。
【8510】
【タイトル】Jackieさん
【 日時 】04/03/13 22:23
【 発言者 】あすみ
Jackieさん、こんばんは。あすみです。ご報告が遅くなって申し訳ありません。文法の特別講座、だいたい半分が終わったところですが、Jackieさ
んのアイデアが本当に役に立っています。私の場合は、ナンバーズを買いました!ちなみに見事外れたので、翌週の授業では、「○○○○にしておけば、1等が
あたっていたのに!」と仮定法過去完了に応用もできました。
生徒のノリはいまいちだったんですが・・・私の迫力が足りないんですね。
でも、文法用語につまずく生徒の気持ち、仮定法過去や過去完了がごちゃまぜになって、訳がわからなくなる生徒の気持ちが理解できて本当に良かったです。
Jackieさんのおかげです。ありがとうございます。
【8512】
【タイトル】イントネーション
【 日時 】04/03/14 0:43
【 発言者 】小川
発音する時、たいていの学習者は一番強いストレスのかかる分節にアクセントを置いて読む事はするんですが、弱い方のストレスがかかる分節はあんまり気にし
ないですよね。私もそうだったんですが、音読する時に、ちゃんと強弱のアクセントをつけた方が発音しやすいし読みやすい事に気がつきました。 文章にする
とわかりずらいですね。
たとえば、politician を pol・i・TI・cian と読むよりも、第一分節の pol
にも弱いアクセントをつけて読む方が L音が楽に出る様に思うのです。 そうする事によって、第2分節のI音も、日本語の「イ」の様な強い音ではなく、必
然的に「曖昧なイ」音になると思うのですが、どうでしょうか? 説明が難しいですけど。
「イントネーションの自己決定」という事を根石さんがどこかで書いておられるので、探して来ますが、とりあえず私なりの考えを書きます。
イントネーションはいちいち教えてもらわなくても、言葉に意味とイメージが伴うに従って、自然に出来て来ると思うのです。 話し手の一番心にかかっている
言葉やフレーズは当然強くはっきりと発音するでしょうし、感情の起伏が自然に言葉に抑揚や強弱を与えると思うのです。 そしてそれは、大本ではどの国の言
葉でも変わりはないんじゃないかと思います。 まずは、個々の単語の強弱の付け所がわかっていて実践出来ていれば、それほど突拍子もないイントネーション
にはならないはずだと思います。
なんだか頼りない答なんですが...
【8513】
【タイトル】イントネーションの自己決定
【 日時 】04/03/14 10:56
【 発言者 】小川
過去ログから転写
2144 パクパクさん(2) 投稿者:根石吉久 投稿日: 3月14日(木)02時08分03秒
私が「音づくり」という語で言っているものは、「発音10のポイント」に「黙音」「連結」「母音削除」というものが含まれていることでおわかりいただけ
ると思いますが、リズムとかイントネーションというものまで含めた概念です。作るべきリズムやイントネーションは、映画を例にとれば、話の流れの中で、あ
る特定の場面や状況に規定されたリズムやイントネーションになります。この場面でこういう状況ならば、こういうイントネーションになるだろうと決められる
能力を、「イントネーション自己決定力」と呼んだことがあります。「イントネーション自己決定力」を手に入れることが、初心者から中級前半くらいの人がめ
ざすべき一里塚だろうと考えていますが、この「イントネーション自己決定」によって作られる音のことを、また「語学的標準形」と呼んできました。これは、
パクパクさんが買われた「ゆっくりモード」の「ゴースト」のせりふ吹き込みテープの音に近い音になると思います。私はその種のテープを買ったことがないの
で、近い音だろうと想像することができるだけですが・・・。
私は生徒さんに「ゆっくりモード」のテープは買う必要はないと言ってきました。このゆっくりモードは、テープの音として聞くよりも、自分の口の動きとし
てまず実現してしまうのがいいと考えています。もっこりさんが使われているように、あくまで自分の口の動きを作る場合の媒介物にするのであれば、もちろん
この種のテープは役に立ちます。眼目は、この種のテープを使おうが使うまいが、”自分の口の動きとして”「語学的標準形」を作ることだと思っています。
ひとまず「語学的標準形」としての口の動きを作れたなら、ここまでで準備体操完了です。ここから、いよいよ、「回転読み」を通じて口の動きを鍛え込みま
す。口の動きを壊さないように細心に、徐々に動きを速めていきます。回転の速度をあげるわけです。この過程で、日本語の癖による余計な母音を、回転読みの
遠心力で口の動きから飛ばします(母音削除)。口の動きを速めていくと、連結させるべきところは連結させないと非常に言いにくいので、連結のコツも自然に
備わってきます。もしも、これらのコツがわからないまま、音をおろそかにせずに最高速度を出してしまった場合でも、誰かに一言、「連結」や「黙音」などの
ことを言ってもらえば、難なくクリアできる場合がほとんどです。(コーチの有用性)
これらのコツをクリアしても、その音はいまだ「語学的標準形」のままです。映画の音そのものを聞いてみれば、相当大きな距離が埋まっていないままである
ことに気づきます。しかし、「回転読み」の高速化によって、「ずれ」への対応能力はまるで違っています。「回転読み」によって高速化を経た「語学的標準
形」の音は、「ずれ」を大量に含む映画の音に対応可能なレベルまでに到達します。映画の音と同じになるわけではない。しかし、対応可能な音にはなります。
「近似値」を口の動きとして実現することで、「対応可能」なレベルを獲得することはできるのです。日本語で育った日本人の口がやるべき練習は、この対応可
能なレベルの音の実現だと考えています。
私の「電話でレッスン」によって、「復習範囲のテスト」で何度かやった範囲は聞き取れると生徒さんが言い出すのは、自分の口の動きが、映画の「ずれ」た
音に対応できるレベルになったことを意味しています。
【8514】
【タイトル】イントネーションの自己決定 2
【 日時 】04/03/14 10:58
【 発言者 】小川
2143 パクパクさん 投稿者:根石吉久 投稿日: 3月14日(木)02時07分36秒
パクパクさんが指摘している問題は、「ずれ」の問題だと思います。
「こんにちは」が「こんちは」へ、「こんちは」が「ちは」へと「ずれ」る。発音上、おざなりになり、おざなりになったものが定着し、標準化されていく過
程は日本語、英語を問わずあります。
映画の「ずれ」の多い音に対置すれば、「教科書音法」というものが想定できるにもかかわらず、その「教科書音法」ですら、日本には存在していないという
ことはすでに書きました。英語の先生が、通じる音を持っている場合でも、その通じる音を生徒の口の動きとして実現できないならば、「音法」が存在している
と言うわけにはいかない。「音法」が存在しないならば、その一種であるべき「教科書音法」も存在できるわけがない。
私が「10のポイント」を言い出しているのも、最低の「音法」を作りたいと願っているからです。これが確保されれば、「語学的標準形」というものを作る
上で役に立つと考えています。「10のポイント」は、単に知識として羅列してもあまり意味はなく、「音づくり」をしていく途中で、生徒に同じ文を繰り返し
言い続けさせ、その動きの中に、コツとしてポンと置いてやることで、生徒が知識を直ちに口の動きとして実現させていくためのものです。あくまでも、動きの
中に置くべきものです。
これらは、個々の音に関してのものがほとんどですが、10番目の、
?I黙音・連結・母音削除
は、英語のリズム形成に密接に関係があります。浜谷さんがおっしゃる通り、これは一項目に3つも詰め込んでしまっていいものかというほどのものです。し
かし、これは知識として文字で詳しく記述してもほとんど功徳のないものです。「黙音」なら「黙音」、「連結」なら「連結」を記述することはできますが、こ
れも、生徒の口の動きの途中で、コツとして手短に言い、再度生徒に口を動かさせることで実現するのが一番です。
【8518】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/03/14 16:09
【 発言者 】Jackie
少しでもお役に立てて嬉しいです。
>生徒のノリはいまいちだったんですが・・・私の迫力が足りないんですね。
いやあ 1、2の授業で完璧を求めるのはご自分に求めすぎです。
何度もやって思考錯誤して改良を加えてやっとコツがつかめてくるというか。
生徒には申し訳ないですが私も思考錯誤の最中です。プランどうりにいかないことも多々。
まあ実践を積むことで向上中?!
クラスによってノリは違いますね。同じ授業をしても乗りのよいクラスとそうでないクラスもあります。学校でレベルの違う、大人数をまとめあげていくという
のは難しいことでしょう。
まあノリも大切ですが仮定法定着のほうがもっと大切。
その上に仮定法は難しくない、おもしろいし使えるんだと仮定法好きになってもらえれば
言うことナシです。
【8519】
【タイトル】フォニックス
【 日時 】04/03/14 16:27
【 発言者 】小川
あすみさん、フォニックスのお話が出て来たので、すこし私の経験と考えを書きます。
フォニックスで基本の音を指導するのはいい考えだと思うのですが、いつだったかこの大風呂敷にも書いた様に、C、A、Tの個々の発音を教えても、それを
"cat" (キャート)と繋げられる子供は少ないです。 先生は 結局、cat
と発音して丸ごとの発音を教えてやらないといけません。 ならば、最初からキャートと言わせてしまう方が効率がよさそうです。
フォニックスは英語磁場にいる移民の子供達が読み書きを習う為には効果的な方法だけれでも、日常的に英語に触れる機会が皆無の日本人の子供には不向きでは
ないか、と考えるに至りました。 松香フォニックス研究所のテキストは、個々の音を指導する所からはじめていますが、音読と切り離してフォニックス講座を
設けた事が失敗の原因だったのでしょう。
それよりも教科書を口移しで読ませ、その流れの中で個々の音を矯正する素読舎式の方が数倍効果的だと気がつきました。
【8520】
【タイトル】先刻ご承知
【 日時 】04/03/14 17:03
【 発言者 】Jackie
>私は在日英語と題して書いた記事に関して、こんなことは先達の方々、特に実際に会った方では旧naimaさん、今は小川さんなんかは先刻承知、のことと
思って、今まで書かなかったんですが、ある人々に村田がまたあえて書くことにも意味がないわけじゃないといわれて、自分が破綻するまで書くべきだと思うに
いたり、書いているわけですが、やっぱりnaimaさんは的確なことをすでに何回も書いていますね。
根石さんは、俺はここまでやった、だけどできることはここまでだ、と身をもって示してきた。
「先生」と呼ばれる者は、身をもって後に続く者に限界を示すべきだ。
村田さん。
皆さんの先刻ご承知でないこと、つまりは新しいことを書かなければならないとしたら
私なぞ掲示板に何もそれこそなーんにも書けません。
成長過程(おいおいっ)な現在の自分の考えていることなどを書いて議論や意見交換をすることが
掲示板なのではないかと自分のつたないプランや考えを晒しているわけで。
でなわけで これからもいろいろと書くと思いますが
ご無礼のほど大目に見てやってくださいまし。
【8521】
【タイトル】イントネーションと意味(1)
【 日時 】04/03/14 17:18
【 発言者 】根石吉久
>イントネーションはいちいち教えてもらわなくても、言葉に意味とイメージが伴うに従って、自然に出来て来ると思うのです。話し手の一番心にかかっている
言葉やフレーズは当然強くはっきりと発音するでしょうし、感情の起伏が自然に言葉に抑揚や強弱を与えると思うのです。そしてそれは、大本ではどの国の言葉
でも変わりはないんじゃないかと思います。まずは、個々の単語の強弱の付け所がわかっていて実践出来ていれば、それほど突拍子もないイントネーションには
ならないはずだと思います。
ここのところは、音に対して勘のいい人とよくない人とで分けて考えた方がいいのではないかと思います。初心者には、突拍子もないイントネーションという
のが発生します。それが発生しないのは、勘のいい人なのであって、その勘のよさを標準にしてしまうのはまずいのです。書かれたことは、中級以後の人にはあ
てはまるでしょうが、初心者にあてはめることはできないと思います。
私は、音に対して勘のよくない人をすくいとることができる方法でなければ駄目なんだと考えてきました。音に対して勘のよくない人も、自分のイントネー
ションが、あきらかにモデルの音のイントネーションと違うことはわかっているのですが、モデルのようにならないというもどかしさの中にいます。コーチがい
れば、比較的短時間にその突拍子のなさから抜けることができますが、CD相手だと抜け出せないままでいるということがあります。(おそらく、連音処理がう
まくできないことと、イントネーションが突拍子もなくなってしまうこととの間には関連があります。)
音に関して勘のよくない人の中に、意味に関しては非常に勘のいい人がいます。
音に関して勘がよく、意味に関して勘がよくない人。
意味に関して勘がよく、音に関して勘がよくない人。
どちらにも勘がいい人やどちらにも勘がよくない人というのも考えられますが、まあ、たいていはどちらかに片寄っているというのが普通だろうと思います。
意味に関して勘がよく、音に関して勘がよくない人をすくいとれないような方法は、まったく宝を放置しておくようなものだと思います。しかし、NHKの語
学放送なんかを聞いても思うのは、音に関して勘のいい人の方を標準にしてしまっているということです。そこが駄目なんです。
私の最近の生徒さんに、失礼ながら、「意味に関して勘がよく、音に関して勘がよくない人」と言っていいのではないかと思われる方がおられます。
初回のレッスンで、突拍子もないイントネーションが頻発しました。
初回のレッスンが終わった時、いつもなら、今日やったところを何十回も読み込んで、音のこなれを作ってくださいと言うのですが、この方には同じことを言
うことはできないなと思い、CD付きの英語の学習書を持っているかとお聞きしたら、たくさん持っていると言われたので、7、8語から成る文を探しだし、
CDのモデル音を一回聞いたら、自分で10回くらい言い、再び同じ文のCDのモデル音を聞き、自分で10回くらい言うということを繰り返してくれと指示し
ました。
一週間後のレッスンで、突拍子もないイントネーションが消えていました。これほど見事に消えてしまうのかというくらい消えており、二回目のレッスンの最
後には、「もう、このテキストの文でどんどん読み込んでもらっていいです」と言うことができました。
おそらくミソは、モデル音を「聞くだけでなく」、実際に同じように言おうとして、「自分の口を動かし続ける」ことにあると思います。コーチが一回言った
ものを、生徒が5回(以上)繰り返し言い続けるという「技法グラウンド」は、このミソのもっとも簡潔な形なのだと再確認しました。「回転読み」への導入と
して、十分に使えるものだということが確認できたのが、私としてはうれしかったことです。
突拍子もないイントネーションが飛び出す人のどなたにも有効かどうかわかりませんが、私はCDを媒介にした「繰り返し」の即効性に自分で指示しておきな
がらびっくりしました。この方は独学で長いこと英語をやってこられたそうですが、私のコーチ法に触れるまで、イントネーションの問題が解決していなかった
のです。CD付きの学習書を何冊持っていても、そこに「技法グラウンド」というものを放り込まなかったら、イントネーションの問題は解決しなかったわけで
す。
【8522】
【タイトル】イントネーションと意味(2)
【 日時 】04/03/14 17:22
【 発言者 】根石吉久
イントネーションの自己決定というのは、中級以後の人には問題にもならないようなこととされてしまいますが、初心者の多くにとっては難問です。
イントネーションと意味というのはやっかいな問題で、最初にいきなり意味がわかるのはネイティヴ言語だけです。最初にいきなり意味がわかるのではないの
だから、文法を介在させて意味をつかむこと、意識における意味の動きのスピードと読みの音のスピードを「同致」させることなどが「過程」に必要です。それ
らが可能にならないと、本当はイントネーションは自己決定できません。
イントネーションの自己決定の前に、文法やら、「遅読」などが必要になります。
しかし、コーチがいれば、必要なだけ何回もモデル音が置かれますから、比較的短時間にイントネーションをつかむようになります。このあたりでのコーチの
コツは、生徒が突拍子もないイントネーションを言うたびにモデル音を置いて「訂正」し、生徒が語学的標準型を維持している間は言い続けさせるというだけの
ことだと思います。
かなり突拍子もないイントネーションが飛び出す場合でも、2,3ヶ月でかなり語学的標準形が作れるようになります。これは、「電話でレッスン」(一回
30分、月4、5回)での感触ですが・・・。
【8523】
【タイトル】村田君
【 日時 】04/03/14 17:31
【 発言者 】根石吉久
>根石さんは、俺はここまでやった、だけどできることはここまでだ、と身をもって示してきた。
「先生」と呼ばれる者は、身をもって後に続く者に限界を示すべきだ。
私の「磁場論」の眼目はまさにそこにあります。
それは個人のせいじゃない、「磁場」のせいなんだ、というところを、個人のせいにしてもが
き苦しむ人が後を絶たない。この妄想系を断ち切ってやりたいと思って、「磁場」ということを
言い出しています。
【8524】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/03/14 17:32
【 発言者 】根石吉久
フォニッスクに関しては、私も小川さんと同じように考えています。
フォニックスでは、連音処理ができません。
【8526】
【タイトル】言語、英語と政治性と歴史とコミュニケーション
【 日時 】04/03/14 18:18
【 発言者 】Jackie
3月10日の東京大空襲。
あれは東京大虐殺だ。深夜十二時ごろから約1時間半にわたる爆弾投下で
10万人もの人が亡くなった。
先日の夜中NHKアーカイブスの東京大空襲を見た。
アメリカが東京空襲に走るまでの過程。
爆弾投下。黒焦げの死体達。川に水を求めて行った人々。 生き残った人々の想い。
怒りが込み上げた。
アメリカは3月10日後も日本各地で爆撃を行っている。
盆地などではまず囲む山々のふもとに爆弾を落とし それから徐々に市内に落としていったのだという。これでは逃げられないではないか。ひどいひどすぎる。
大虐殺だ。
歴史の授業でしっかりと教えるべきだ。
学校では原爆については習う。2度とこのような悲劇をくりかえさないようにと。
ノーモア広島。テレビや新聞も原爆について書く。
しかし東京大空襲について教えられているか?日本各地に落とされた爆弾、その被害についてはふれられない。
日本が戦争に突入していった経過、その理由について教えられているか?
パールハーバーでどれだけの人が死んだのか知らない私だ。
しかし東京大空襲でどれだけの人が死んだのかも知らなかった。
米国の歴史授業、中国韓国の歴史授業で日本がどんなにひどいことをしたのかが教えられているという。米国の授業ではアメリカが原爆を落としたことはよかっ
たことと教えられているとかなんとか。卑怯者日本。本当にそうなのか?
3月10日は平和の日。東京大空襲のような惨劇が2度とおこらないように。
その前に東京大空襲の現実を教えろ。このビデオを中学生、高校生にみせろ。感想を言わせろ。
怒りを感じないか?言いたいことはないか?言え。日本はどうするべきだったのか。
議論しろ。その上で初めて戦争は嫌だ。平和がいい「平和の日」といえるのだ。
歴史についてしっかり考え、意見を持つこと
国際社会にでて通用するコミュニケーション力を身につけるにはこれが先なのだ。
いくら「実践的コミュニケーション」の英語の授業などしてもだめなのだ。
AETを導入してもだめなのだ。
小学校からゲームを通じてネイティブの先生と「生」の「生きた英語」で
楽しく英語でコミュニケートする力を身につけさせようとしてもだめなのだ。
「ファツ ユアフェイバリットフード?」「チョっコレート」と言えたところで。
小学校に本格的に英語授業導入される模様、何年か後には実現か?とニュースでやっていた。
文部科学省が検討中とか。
小学校は国語と算数と理科、そしてよく遊ぶこと。
中学では英語の週5時間授業としっかりとした歴史教育もしてほしい。
中学の英語の教科書には環境問題やボランティア、ディベートの初歩ものっている。
普段環境問題について日本語で考えたこともない生徒が英語で熱帯雨林や環境問題をならうとは。
ボランティア精神をかんがえさせたいのか必ずボランティア物がはいっている
。そんなものは社会科でやれ。
英語の基礎構文も定着していないのに中学3年でディベートをやらせるか?
第一 考えや意見を持たずにディベートなどできるわけもない。
リスニング重視?リスニングだけ別個でやってもだめなんだよ。
聞いて発音してくりかえし音読して書いて、使って。
三位一体、あらゆる方向からせめていくんだって。
教科書の厚さも薄っぺらきゃ内容も上っ面だが、それでもその教科書をあらゆる手段でしゃぶりつくさなくては。チャラチャラコミュニケーションじゃ英語なん
て身につかないんだよ!何考えてるんだよ 文部科学省。
外国人に小さいときから習えば綺麗な発音や国際性が身につく、
青い目になれて外人をみても物怖じしなくなると考える親達のネイティブ信仰。
どんな国際性だい?
実践的コミュニケーションの授業をしていこうと張り切っている中学の先生方、
その前に音作りだろ、音読の徹底だろ。
教授法に熱心なおえらい大学教授。教授法マニアかい?まあそれが研究者というものか。
コミュニケーションをとるには しっかりとした意見をもつことが重要なんだよ!
あ、忘れてならじ。大阪のおばちゃんのたくましいコミュニケーション力。
ネイティブ講師よりまず おばちゃん講師派遣か。
以上、自分のことは棚の上にあげて、いや天高くあげといて書いています。
【8527】
【タイトル】勘のよさ。
【 日時 】04/03/14 18:44
【 発言者 】Jackie
投稿していたら根石さんが勘について書かれていたので 文法と勘について書きたいと思います。
>文法の事ですが、私の中学生時代はビートルズの全盛期でした。 仮定法や関係代名詞など、学校ではまだ教えてもらっていない時に、歌詞と和訳を照らして
あわせて歌う事で、文法用語はわからないままに、意味と用法は理解していました。「1000」を生徒に回転読みさせる時に、和訳を丸ごと手渡してどうして
も必要な場合にしか文法説明はしないでも充分に理解出来ると思います。
Naimaさん、私もビートルズは聴きました。しかしレコードを買う金がなかったので
友人のレコードをテープでダビングして 聞き取りして書いて友人のレコードの歌詞と訳にてらしあわして歌っていました。
しかし学校で教えてもらっていたはずの仮定法や関係詞の意味も用法もまったく理解していませんでした。
何十回と聴き何十回と歌ったのにもかかわらず。
私に文法力がなかったことそして文法に関する勘がなかったのでしょう。だから文法に関してもわかりやすい説明は私のような生徒には必要だと思います。
【8529】
【タイトル】politician
【 日時 】04/03/14 19:05
【 発言者 】sb
>たとえば、politician を pol・i・TI・cian と読むよりも、第一分節の pol
にも弱いアクセントをつけて読む方が L音が楽に出る様に思うのです。 そうする事によって、第2分節のI音も、日本語の「イ」の様な強い音ではなく、必
然的に「曖昧なイ」音になると思うのですが、どうでしょうか? 説明が難しいですけど。
po/li/tI/cianは「山・谷・山・谷」の関係になっていると思います。
だから、第一音節に第二アクセントをもってくるような感じで発音すると第二音節が谷になり、
schwa(あいまい母音)のような形になるような感じがします。もともと、liのiでも「谷」であることであいまい母音になるような感じがします。po
=小さい山,li=谷(もともとiであったものがあいまい母音化),tI(大きい山=第一アクセント),cian=谷。うまく山・谷・山・谷といく単語が
多いと思います。単語単位はもちろん、文単位での山谷が根石さんの言われている「イントネーションの決定力」ということになると思っていますが、みなさん
いかがでしょうか?
【8530】
【タイトル】Jackie さん
【 日時 】04/03/14 21:21
【 発言者 】小川
>文法に関してもわかりやすい説明
は私も必要だと思っています。 「実際の事実に反する事は過去」だとか、「過去の実際に事実に反する事は大過去」だとか、そんな事はごちゃごちゃ言わず
に、型をしっかり身につけさせる方が大切なんじゃないかと。 私は、文法は大切だと言う事は過去ログのどっかに書いていると思います。 ただ、皆さんの
考えてらっしゃるのと同じく、分解したり分析したりして詰め込んでも使い物にはならないだろう、と思っているだけです。仮定法は文法説明は簡単にして、そ
れよりも豊富な文脈の中で教えてやるのが大切ですよね。
the Beatles の歌の中に、"if I fell in love with you, would you promise to be
true and help me understand... "
と言うのがありますね。「僕がもし君と恋におちたら、云々」と言う訳詞があり、かつて恋人につれなくされた男性が、こんどは傷付きたくないと少し恋に対し
て臆病になっているんだと言う状況が与えられれば、この文のニュアンスはわかるのではないでしょうか。 そこで辞書を引いて、"fell"
が "fall"の過去形、promise が原形とわかれば、中学生でもどんどん使える文章になると思います。
これらの歌詞を覚えた頃、私は仮定法はまだ習ってはいませんでした。 "If I Fell" は "A Hard Day's Night"
(1964)の収録曲で、私が中学3年生の頃です。 年がばれますが...
訳詞を見て歌の内容を読み、それから辞書で単語を引いていました。 何度も歌う内に型として覚えてしまっていて、40年近く経た今もまったく忘れずにい
ます。
私は中学1年の3学期、(当時の通知簿は今だに持っています) 人称代名詞の変化も三人称単数の動詞変化もさっぱりわからないくらいの生徒でした。 5段
階評価の2です。 「しー、はー、はー」なドと空で言えても、文章の中にあてはめられない様なショボイ生徒でした。 自分ながら危機感を感じて、その
後、人一倍勉強しましたから、自然体で楽々と英語力をつけたわけではありません。 そんなでしたから勘が特別よかったなどと言う事はないと思います。
【8537】
【タイトル】Naimaさん
【 日時 】04/03/16 16:46
【 発言者 】Jackie
>文法に関してもわかりやすい説明は私も必要だと思っています。 私は、文法は大切だと言う事は過去ログのどっかに書いていると思います。
はい、もちろんNaimaさんが文法は大切だと思ってらっしゃることも理解しています。
>「実際の事実に反する事は過去」だとか、「過去の実際に事実に反する事は大過去」だとか、そんな事はごちゃごちゃ言わずに、型をしっかり身につけさせる
方が大切なんじゃないかと。
まったくその通りで「実際の事実に反する事は過去」なんて説明をされてもその日本語にとまどうばかり。しかし英語の参考書ってどうしてこういう説明になっ
ているのでしょうかねえ?わかりにくい。ここで生徒はつまでうく。私はいまでもつまづきます。
学校でも参考書でもどうしてこう難しくおしえるのでしょう。
型をしっかり身につけさせること、これは回転読みなどで無意識のうちに形を静めるということですよね。教科書べらべらよみのように音をさきにいかせて 意
味を教える。ここでも音と意味と文法の理解の一致が必要になってくる。ここで文法ですが、参考書を読んでも理解できない場合もあり講師の的確な文法内容説
明が必要になってくる。そうでないといくら教科書を丸暗記したところで使えない。身にならない。
市販の中学教科書を抜粋した「ぜったい音読」。これをいくらトレーニングの仕方どうりやっても日本語訳もなければ文法説明もない、構文練習もない。ここが
「英語のやり直したい人々」とうたいながら、英語を忘れた人々にちっともやさしくない、使えないところなのです。
the Beatles "if I fell in love with you,” 私もこの曲は歌っていました。日本語訳もわかっていたはずです。
>そこで辞書を引いて、"fell" が "fall"の過去形、promise が原形とわかれば、中学生でもどんどん使える文章になると思います。
Naimaさんはそこで辞書を引いた。私は引きませんでした。それに何度歌っても「仮定法の型」を理解していないがためにそれが使える文章になることはあ
りませんでした。曲を丸ごとそらで歌えてもです。英語で歌を歌い日本語の歌詞を理解しながらもです。
Naimaさんは歌詞と和訳を照らしてあわせて歌う事で、文法用語はわからないままに、意味と用法は理解することができましたが私にはできなかったわけで
す。
そこが「勘のよさ」の違いなのです。
辞書を引く。私にこの習慣がほとんどなかったこともあるでしょう。中学時代という雑誌の付録にはかならず教科書の虎の巻がついていました。授業の前にそこ
の単語を丸写ししていました。
英語の意味をあてられたときは そのあんちょこを机の下にかくしながらこたえていたものです。学校で辞書の引き方を詳しく習った記憶がありません。(忘れ
てるだけか?)
教えるようになり辞書をひくようになり辞書が楽しくなりました。
こんな学習の仕方で英語の成績がよかったはずもなく。いや、それでも3、ごくたまーに4だった記憶があります。あんちょこのおかげが テストが教科書丸写
しだったのか。
しかし基礎力は身についていたはずがありません。
このまま高校に進学して 中学とちがい1単元が長く、字も小さく、単語も難しい。内容も高尚。そこにいきなりSVOなどときたもので高校の英語はまったく
の低空飛行。2、ごくたまーに3というような成績におちてしまったわけでした。
Naimaさんも英語が苦手だった、私も苦手だった。なのに現在英語にかかわっているのか、不思議ですねえ。
【8541】
【タイトル】Jackie さん
【 日時 】04/03/16 23:54
【 発言者 】小川
辞書はあきれるくらい引いてました。 中学高校の英語の先生達のドイツもコイツも軒並み(すみません)大嫌いだったんですが、中に「例文のいっぱい載って
るええ辞書もってたら参考書はいらん」と言った先生がいて、結構素直だった私は、中学生用のではなくて父の持っていた三星堂のクラウン(だったと思いま
す)を使ってました。 参考書なんか読んでもわけわかりませんでしたから。 SVOやとかなんとか、そんな記号か用語かなんか知らんもんまで覚えるんか、
二度手間やろが〜、と。 作文が出来るのに、文型に分類させられる問題だと、ガタガタになります。
"I send my love to you."とか "I saw her standing there."
とか言う歌詞をしってたら、ややこしい文法説明なんかいりません。 なんが補語やねん。 そんな言葉知らなくても、型にあてはめるだけで作文できます。
Jackie さんの言われているパターンプラクティスが、文法学習の根本です。
父は「これからの時代、英語くらい出来んとあかん」と思っていた人でして、どこから手に入れるのか、"Seventeen"
と言う雑誌を買って来てくれていました。 当時の事ですから、とても高価だったと思います。 読めるはずもなかったんですが、それでも辞書を片手に単語を
調べるのは好きでした。 高校生になるとジャズの輸入盤のライナーノーツを「読ん」でました。 もちろん歌詞も調べていました。
やっぱり学校の勉強以外の英語に触れるのが楽しかったので、外国語学習自体は好きだったものと思います。
長野の素読舎にお邪魔した時に、根石さんに「自分でもなぜ英語がしゃべれる様になったのかよくわからないんです」と言った所、「単語を調べて辞書の例文を
読む事で、単語そのものより、例文に使われている構文や用法に沢山触れる機会があったからではないか」とおっしゃっていました。 そうかも知れません。
単語帳は書き込む所が小さいので使わず、普通の大学ノートに例文をこまめに書き出して、声を出して読んでみたりしてはいましたから。 歌を歌ってみるのも
力になったと思います。
高校生の頃、ビートルズなんか聞いとったらあかん、ジャズ喫茶なんかに出入りしたら退学にするぞ、と先生に言われ続けてましたけど、今や英語の教科書に
"Let It Be" やら "Yesterday" やらが麗々しく載ってますね。 どうよ...
なんだか懐かしくて、"Past Masters" を引っぱり出して聞いてます。 "I Feel Fine" でおま。
【8544】
【タイトル】酒が入ったら
【 日時 】04/03/17 1:33
【 発言者 】根石吉久
また書く元気が出てきたのと、うれしいメールが来たので、それへのお返事を転載します。
----------------------------------------------------
私にいただいたメールは村田君という弟子のところに届いたようで
す。
私のメールアドレスは、ax9y-nis@asahi-net.or.jp
です。以後、こちらにメール下さるようにお願いいたします。
高校はどこでもいいと思っています。どうせろくな授業はしていな
いので、回りにひきずられるかひきずられないでいられるかが問題
なだけで、どこでも似たようなもんだと思っています。なまじ、進
学校なんかだと、今は空気がとことん貧しいので、中位の高校がい
いと思います。
英語をやりたいなら、いきなり営業モードですが、私どもの「電話
でレッスン」を是非ご検討下さい。
村田君のホームページを読まれたのか、私のホームページを読まれ
たのかわからないため、私のホームページのアドレスを書いておき
ます。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis
現在は、ホームページの書き換えはまったく行っておらず、もっぱ
ら、「大風呂敷」という掲示板に書いています。こちらにも、最近
はなかなか書けなくなっていますが、時間の許す限りやっていきた
いと思っています。アドレスは以下です。
http://8100.teacup.com/ooburoshiki/bbs
また、小川さんという奈良県の方が、私の方法をいろいろに試して
下さり、「鬼」という掲示板を経営して下さっています。
http://8430.teacup.com/pillbugtwins/bbs
「電話でレッスン」ですが、現在私の空き枠はなく、上述の小川さ
んに生徒さんを預かってもらっています。小川さん自身も私の「電
話でレッスン」の生徒さんですが、この方は、数年のドイツ在住の
間に、私の方法をいろいろに試してくださり、眼目となるところを
つかまれた方です。肝心のところを理解してくださっているので、
コーチをお願いしています。ひとまず小川さんのコーチで始めてい
ただき、私の方に空き枠ができたら、私の生徒として戻っていただ
きます。
本番に弱いタイプですか。世間や娑婆や親の言うことをよく聞いて
しまうタイプでもあるのではないでしょうか。
私のレッスンは本番に強いタイプを作れるかどうか保証はしません
が、そういう機能はあると思います。小川さんも、塾経営、英会話
学校講師をされており、受験向けの指導は強い方ですので、受験に
はいいと思います。ただし、私どものレッスンは、学校英語(受験
英語)と使える英語を合体させることをねらっています。とりわけ
現在の高校入試にとっては、一見無駄と見える「音づくり」を重視
しています。
3年の2学期から下がり始めたのは、学校が問題を難しくしている
ため(生徒を多数の高校に振り分けるため)です。ここで、相対的
な順位が下がったのでしたら、本当の意味での基礎ができていない
ためだと思います。学校の先生の指示通りに勉強したことが多すぎ
たのではないかとも思います。ほとんどの学校の英語の先生は、し
ろうとさんですから、あまりまともに言う通りをやると、ろくでも
ないことになります。
>主人や先生は二次募集の私立を進めると思います。
先にも書きましたが、これもいいと思っています。高校なんか、ど
こでも英語の授業に関してはろくでもないですから。
【8545】
【タイトル】(続)
【 日時 】04/03/17 1:34
【 発言者 】根石吉久
> 私自身は、娘の意思を応援したいという思いもあるのですが、
本人が浪人したいというのでしたら、是非やらせて下さい。
> 娘の場合、精神的なことや、もともとのおっちょこっちょい系の
性格だから。
親が子供の頃に面倒を見すぎたのではないでしょうか。うちの娘が
同じ系統の子供ですので、多分そうじゃないかと思ったのでした。放
っておくくらいがいいのですが、親はつい面倒を見すぎてしまいます。
私の反省点です。
> 応用力が欠けています。
応用力と基礎力とは連動しています。応用力が欠けているのではな
く、基礎力が学校系の基礎力で、本当の基礎力ではないのではないか
と思っております。
> 一年間、素読で勉強した場合、英語に関しては、90点以上を確保
できるようになるでしょうか?
これは保証できません。とにかく、レッスンさせていただくなら、
基礎をやります。中学3年の教科書をどのページを開いても、いきな
りべらべら読める程度まで、「音読」をやります。これは、同時に「
音づくり」です。
私の生徒にきわめて低空飛行をしていた生徒が、学年で2,3番に
なったケースは多くありますが、1年半から2年くらいかかっていま
す。これを一年以内という時間に短縮できるかどうかは、まったく本
人次第です。
登り調子の時に、入試とぶつかると一番いいんですが、保証はできま
せん。
是非、小川さんのレッスンをご検討下さい。
今は、各種サービスを使えば、奈良までの長距離電話でも、月額で千
円以下におさえられます。レッスンの代金自体は、月額で1万2千円
です。週1回30分が月に4回から5回あります。眼目は自習です。
自習の方法自体をレッスンしているのだと考えていただくのがいいと
思います。
【8547】
【タイトル】電話レッスン報告 (1)
【 日時 】04/03/17 2:04
【 発言者 】小川
レッスンの後、根石さんが発音について詳しく語って下さったので報告します。 しっかり聞いていたつもりですが、根石さんが金曜日にならないとこちらへ来
られない様なので、もし間違っていたら村田さんなりいくこさんなり、訂正して下さいます様に御願いします。
「青藍の誉」の巻
私達はどの程度までの発音を身につければよいのでしょうか。 根石さんは、まずは必要最低限で良いとおっしゃっています。 必要最低限の基準はなにか。
ネイティブスピ−カ−の耳に英語として聞こえれば良しとします。 私共は学校でその最低限の発音すら充分に教えられて来ませんでした。 それをまずきっち
り押さえておこうと言う事です。 どうしても押さえておかなければ英語の音として通用しにくいであろう音が、根石さんのまとめられた13の音です。 これ
をはずすと、ネイティブスピーカーの耳には英語として聞こえないか、もしくは非常にききづらい英語になるだろうと思われる必須の発音です。
先週、あすみさんのレッスンの中で、「一瞬般若」と「R音」についてが話題に登ったので、その二つについても詳しく解説頂きました。
「R」音については、舌がどのような形に巻かれようと、口腔内のどの位置にあろうと、とにかく上顎についていない事が最低条件として満たされていれば良し
とする、と言う事でした。 Rで始まる語の場合には、舌を巻き込んではっきりと発音する必要が出て来ますが、語尾につく場合、中程にある場合などでは、巻
き込みが少なくなっている方が普通だろうともおっしゃっています。
ae
の音の出し方を、学校で「顎を下げて」「口を横に大きくひっぱる」と習って来たのですが、こういう教え方をすると、二つのステップを踏んで発音する様で、
わかりづらいのです。 「一瞬般若」は、顎の下がる明るい音、診察室の「アーン」で 口角をひっぱる感じにすると説明するとわかりやすいのです。 口角は
ひっぱり上げても、あるいは斜下に引き下げても、aeの音は出ますが、要は口を逆台形にすれば良いのです。
必要最低限の発音を修得すれば、後は音声教材などで1人で音を作っていけます。 根石さんの若い生徒さん達は、こうした音作りの後、CDなどを媒介にし
て、1人でどんどん発音を習得して行き、コ−チよりも素晴らしい発音が出来る様になっているのだそうで、これが根石コーチの誇だ、とおっしゃってました。
【8548】
【タイトル】電話レッスン報告 (2)
【 日時 】04/03/17 2:36
【 発言者 】小川
「私達はアメリカのニュースキャスターを目指しているのか」の巻
根石さんの発音についての解説を聞いている内に、英語学校での出来事を思い出しました。 ある英検2級の年輩の生徒さんで発音がかなりいい加減な方がいま
す。 しかし、ネイティブスピーカーには通じているらしく普通に受け答えしています。 ところが、先日、彼が「まーす」と言ったのですが、まったく通じま
せんでした。 先生が何度も聞き返すので、その都度、発音をゆっくり丁寧にしなおすのですが、やっぱり通じないのです。 業を煮やした先生は、彼の書いた
メモをとりあげて読み、やっとmars だと理解しました。
ここだけははずせない音が確実にあるんだと納得した次第です。 根石さんは、そこさえ押さえておけば、どこの英語と渡り合ってもまともに通じるとおっ
しゃっています。 それ以上は、どの国のどの地方の誰を相手に英語を話すのか、によっても左右されて来るだろうと言う事です。 あるいはリスニング力を向
上させる為に、さらに発音を磨く必要がある人もいるでしょうが、一般の学習者は、まず最低、これだけはきっちり押さえておくべきでしょう。
CNNのアンカーマンになるつもりでもない私達は、まずは根石さんの示された13音を極める事から始めて、後は個々の必要と趣味に応じて自分でやって行
けばいいんだ、と納得した次第です。
【8549】
【タイトル】小川さま ae と a:
【 日時 】04/03/17 12:03
【 発言者 】いくこ
私の拙い経験からなので恐縮なのですが、もしよろしかったら参考にしてください。
『「ae」「a:」「逆さe:r」 の発音には、日本語の「あ」が使える』
としていいと思います。この日本語の「あ」を使うがミソです。
「ae」は、基本は日本語の「あ」で、口の端を一瞬引き上げる(あるいは引き下げる)、いわゆる一瞬般若の口にして発音する、
「a:」は、基本は日本語の「あ」で、それより少し顎を下げて発音する明るい音、診察室の「アーン」、
「逆さe:r」は、基本は日本語の「あ」で、それより口を細くし、喉から息を送り出すこもった音、
でいいかと思います。
【8550】
【タイトル】いくこさん
【 日時 】04/03/17 17:49
【 発言者 】小川
あ〜、シンプルな説明で、わかりやすいですね。
>『「ae」「a:」「逆さe:r」 の発音には、日本語の「あ」が使える』
日本語の「あ」を基本にして変化させるって事でいいんですね。
【8551】
【タイトル】根石さん
【 日時 】04/03/17 18:02
【 発言者 】小川
高校2年生の女子が 英語で5を貰ってきました。 日頃の勉強はテキストや文法構文の
音読中心です。 この子は「1000」の回転読みをやる、と言った子です。
「1000」は6語文に入っていますが、根石さんがおっしゃってた様に、5語文までは比較的楽だったんですが、6語文になると途端にペースが落ち、本人も
手こずると言ってます。 まだ3回目のレッスンを終えたばかりですが、発音もめっきりよくなって来ています。
【8552】
【タイトル】語数別
【 日時 】04/03/17 22:28
【 発言者 】sb
5語文と6語文の壁は確かにありますね。
以前、柴田さんの授業を直接見学させていただいた時(当時の生徒さんは中学3年だったと記憶しています)も6語文と7語文では保持率がぐっと落ちていたこ
とを思い出しました。ほどんど私は生徒と同レベルでした。東大京大など有名大学にたくさん進学する学校では7語前後の文を保持できる生徒は高校1年の段階
でできているのでしょう。いずれにしても根石さんらから学んだことは誰でも基礎からきちんとやれば語数別分類の7語8語くらいまでできるようになるという
ことです。頭の良し足しというよりも練習量を意識しているかにかかっていると思います。
【8553】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/17 22:41
【 発言者 】いくこ
>日本語の「あ」を基本にして変化させるって事でいいんですね。
はい。それでいいと思います。
【8554】
【タイトル】/ae/
【 日時 】04/03/17 23:44
【 発言者 】村田
俺はjackieさんやsbさんや小川先輩に返事をしなければいけないし、國弘さんについてのレポートを完成させなければいけないのですが、しばらく地
域の「御柱祭」という祭りの踊りの練習やその後の飲み会に行かなければならないので、今日も酔っ払っちゃてるんですけど、一言だけ小川先輩に言わなければ
ならないことがあります。もう酔っ払っちゃってるんで核心だけ書きます。
/ae/の発音ですが、根石さんの術語で言ったらア系列になるわけですが、「在日英語」または俺が思っている「中間言語」において、まさに日本語のアを
いかに変化させるのかが問題となるわけです。
いくこさんが一瞬般若と書いてますが、それは口を横に広げるアクションと口の端を吊り上げるアクションを同時に行う形を根石さんが「一瞬般若」と表現し
ているわけですが、國弘さんの講演会の前に根石さんと話している時になるほどと思ったのが、口の端を下に広げるという表現もできるということでした。俺が
根石さんの話を聞いて感じた眼目は、/ae/の発音において、身体的に注目する点は、口の端の筋肉に意識を集中するということです。
口の端を極端に上につりあげるとアメリカ南部的な発音になり、下につり下げるとブリテッシシュな感じになるんだと思いました。
【8555】
【タイトル】村田先輩
【 日時 】04/03/18 12:53
【 発言者 】小川
お返事ありがとうございます。
英語コーチに関しては、あなたが私の先輩でしょ〜が (^^) ジャズ鑑賞は私が先輩です。(^^;;
>口の端を下に広げるという表現もできる
>身体的に注目する点は、口の端の筋肉に意識を集中するということです。
根石さんが電話レッスンの際におっしゃってた事もそういう事でした。
>口の端を極端に上につりあげるとアメリカ南部的な発音になり、
根石さんも、要は、rの音に関しては舌先が口腔内でどこにも触っていない状態、[ae]の音については、村田先輩が指摘して下さった様に、口の端の筋肉を
つり上げようが下げようが、ここに意識を集中すると言う事がポイントであるとおっしゃってたと思います。 後はどの国のどの地域の誰を相手にしゃべるのか
で違って来る事があるだけだろうって事でした。 コーチが生徒さんに指導する場合には、舌を巻き上げるr音であろうが、少し浮かせるだけのr音であろう
が、話し相手にrの音だと認識されれば良し、と言い切ってしまって良いでしょうか。
村田先輩はいつもお忙しいですね。 その上に「鬼」の過去ログの管理をやって下さっていたりで、お世話ばっかりかけて申し訳ありません。
【8557】
【タイトル】電話レッスン報告
【 日時 】04/03/19 9:32
【 発言者 】小川
あすみさんはさすがに英語の先生だけあって、初見のダイアローグでも意味や状況を即座に理解される様です。 生き生きとした読み方をされるので感心してい
ます。 しかも数回読めばたいていの文はなめらかに淀みなく読まれる様になっています。 どんどん先に進んで行かれるので、私もオチオチしてはいられませ
ん。
【8562】
【タイトル】Naima さん
【 日時 】04/03/19 16:35
【 発言者 】根石吉久
素読舎PRページは、開設を急いではおりませんが、始めて読みに来られる方にも「電話でレッスン」のありようがわかるようなものが出来たらうれしく思い
ます。これまでの生徒さんの感想なども、私のホームページ、この「大風呂敷」の過去ログなどから拾い出せば拾えます。ゆっくりで結構ですので、少しずつ
PRになるようなページを太らせていって下さい。
また、どんな考えが元にあってのレッスンなのかがわかるように、語学論などを抜粋してテーマ別にページを仕立てるなどの作業もお願いしたいと思っており
ますが、その際、引用の記事のどこかに過去ログの記事番号を併記していただき、過去ログ倉庫へのリンクを張っておいていただくと、読者の方々が過去ログへ
アクセスしやすくなるとも思っています。
私の代理をやるという考えではなく、Naima
さん独自のホームページができればいいと思っていますので、補足、主張などしたいところではご自分の文章にしていただくのがいいとも思っています。
【8563】
【タイトル】語学は「偽物」から始まる(1)
【 日時 】04/03/19 17:33
【 発言者 】根石吉久
レッスン時に小川さんに話したことを小川さんが要約してくださいました。村田君がそれに補足してくれました。
小川さんに ae の音について話したのは、あすみさんが、アメリカ的 ae
の音について書かれ、旦那さんがこの音が嫌いだというのだったか、ご本人が嫌いだというのだったか、今までちゃんと音づくりしてこなかったと書かれたこと
が念頭にあってのことでした。
ae
は「吊りあげて」もいいし、「さげて」もいい。極端に吊り上げると、嫌な感じの音になります。その音が嫌いな場合は、「さげて」作るのがいいと思います。
いずれにせよ、村田君が指摘した通り、口(唇)の両端を意識し、そこを動かすことがポイントになる音だと思います。
ここで、さらに重要な問題は、これまでの日本のどの大学の英語音声学も、アメリカの英語音声学の垂れ流しをやってきただけで、日本語の「ア」を元に据え
て、それよりも「顎の下がる明るい音」、日本語の「ア」よりも「狭い」、日本語の「ア」よりも口の両端が動くなどというような説明の仕方がまるでできない
ままできたということだと思います。
アメリカの英語音声学を垂れ流して、おさぼりを続けてきたのが、日本の大学の英語音声学ですから、大学の英語音声学の学者は、アメリカから日本を見るよ
うに、日本語の音を見ている。そして、例えば、日本語の「ア」の音などは、最初から「げてもの」扱いをしてきただけです。これが「おさぼり」の正体です。
これはとんでもない思い上がりであり、知的怠慢であると当人たちは考えてはいないのでしょう。しかし、現実を見て欲しい。相も変わらず、大学の英語音声
学は教育現場では何の役にも立たないでくのぼうのままです。つまり、大学の英語音声学回りの人々の怠慢以外の何ものでもない。学問の独自性は大事であり、
アメリカの音をアメリカの音として研究するのも大事です。しかし、英語教員養成課程の中に「英語音声学」が置かれてあるのは、学問の独自性のためではな
く、教室で生徒の口の動きを変化させるためであるはずです。
英語音声学が現場で使えるようなものになるためには、例えば「ア」系列の音を扱うのであれば、日本語の「ア」を元に据えないと駄目なのです。なぜなら、
生徒は日本語で育った人たちであり、日本語の音体系を身体化した人たちだからです。すでに自分が持っている「ア」の音をどう変化させれば、英語の音に近い
音に分岐させることができるのか、分岐させて他の音とまぎれない質を確保できるのか、そして、最後に英語のネイティヴ音の相似形を作れるのか、その過程の
ための知識こそが緊急に必要とされているにも関わらず、これまでこのポイントに関して、大学はおさぼりを続けてきただけだと言い切っていいと思います。日
本の中学・高校の英語の先生たちがそのための知識を持っていないのですから、大学のおさぼりはどうにもうち消しようがないほど明らかなことです。
だから、これまでは「音づくり」と言えば、英語フリークたちのアメリカ音の「闇雲な真似」があっただけです。この光景はきちんと羞恥心を備えた人々に
とっては、ある種、醜悪な光景でした。
【8564】
【タイトル】語学は「偽物」から始まる(2)
【 日時 】04/03/19 17:34
【 発言者 】根石吉久
私が「ア系列」と言っている英語の音は3つありますが、これはあくまでも日本語の「ア」から見た3つです。日本語の「ア」を分岐させれば、この3つが作
れるというものです。そういう考え方でいかないと、英語の音づくりはこれまで通り、英語フリークの独占物から抜け出すことはないでしょう。そして、本当は
英語が一番役にたつ場所は、英語フリークなどのいる場所ではなく、英語以外の学問・芸術・技術に携わる人たちのいる場所なのです。英語そのものに興味があ
るわけではない、アメリカ崇拝などやる気はない、金魚の糞のようにガイジンの後をついて歩きたいわけではない。俺は研究をやりたいのだ、作品を作りたいの
だ、技術を発展させたいのだ、そう考えている人たちに英語を開くために、日本語の音を元に据えた英語音声学が立ち上がらなければならない。しかし、それが
これまではなかった。大学のおさぼりです。
私が提唱しているものは、まるでまだ原石みたいに荒削りなものですが、日本語の音を決して「げてもの」扱いしないという点で、大学の英語音声学と一線を
画していると思っております。そして、この私流の方式で最低のポイントをきっちり押さえてから、生徒にCDの複製音声を媒介にしろと指示すると、若い生徒
はみんな私より発音がうまくなっていく。小川さんは、悲しいことですね、とおっしゃいましたが、私には少しも悲しいなどという感情はありません。フリーク
ではない生徒に発音がうまくなるための素地を作ったのは私なのだから、生徒が私より発音がいいことは、私の自慢であり、うれしいことです。どう考えたっ
て、悲しいことなどであるわけがありません。これを悲しいと思うとすれば、「床の間のお飾り」的音声観から抜けていないからだと思います。
「床の間のお飾り」的音声観から抜けない限り、語学で作る音はネイティヴ音ではありえないのだから、「上手な偽物」からも抜けられない。いや、語学で作
る音はどこまでいっても「上手な偽物」でいい。しかし、じっさいの言語使用においては、言語は語学を抜け出している。そこで、「偽物」が「本物」になるし
かない。「本物」になるとは、意志の疎通が可能になることであり、交渉や議論が成立することです。
骨董の世界では、偽物は偽物でしょうし、本物は本物でしょう。偽物が本物として流通することはままあることだとしても、骨董の世界の人々は、偽物は偽
物、本物は本物という観念を固く信じてゆるがないでしょう。
ところが、語学では、「偽物」が「本物」に「なる」のです。あるいは、「偽物」が「本物」になるしかないのです。語学の当初において、偽物でない言語な
どありません。全部、偽物から始まるのです。
だって、「偽物=似せ物」です。複製音声を「真似」したら、すでにそこに「似せ物」があるのです。「偽物」を否定したら、語学など成立しようがない。
語学というものは、「偽物」の肯定から始まるのだとどうして人々ははっきりと言わないのでしょうか。私にはついにわからない一点です。そして、日本で複
製音声を媒介にして作った自分の英語の音を「本物」だなどと思う意識のありようこそ、思考としての偽物の証であるということも、ずっと考えてきたことでし
た。
【8565】
【タイトル】sbさん、ミッフィーさん
【 日時 】04/03/19 17:55
【 発言者 】根石吉久
>根石さんらから学んだことは誰でも基礎からきちんとやれば語数別分類の7語8語くらいまでできるようになるということです。
だれでも、方法を間違えなければ、7語、8語にとどまらず、20語、30語の文をこなせるようになります。例えば、ミッフィーさんが、「覚えるのが早く
なった」という言い方をされているとき、これはかなり高度なレベルの練習力について語っておられるのであって、レッスン開始後まもなく20語、30語のレ
ベルに突入され、そのレベルでの「覚えるのが早くなった」です。
語数別分類には、私は必ず意味があると思っています。これは、Naima さんと Rosey
さんのお骨折りで基体となる部分の分類は終わっています。
私が校正をやるという約束をしてあったのですが、現在、「ゴースト」の文法解析もなかなか先に進められないでいる状態であり、校正にはいまだ手がつけら
れないでいます。
(ミッフィーさんが、校正をやってもいいようなことをずっと以前に書かれたことを、いまだしっかりと覚えておりますが、ミッフィーさん、今頃になって蒸
し返してお願いすることはできますでしょうか。是非お願いしたいと思っております。手が空いているときにやっていただくだけで結構です。急がせませんの
で、是非お願いしたいと思っております。)
【8566】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/19 18:15
【 発言者 】根石吉久
>高校2年生の女子が英語で5を貰ってきました。日頃の勉強はテキストや文法構文の音読中心です。この子は「1000」の回転読みをやる、と言った子で
す。「1000」は6語文に入っていますが、根石さんがおっしゃってた様に、5語文までは比較的楽だったんですが、6語文になると途端にペースが落ち、本
人も手こずると言ってます。 まだ3回目のレッスンを終えたばかりですが、発音もめっきりよくなって来ています。
この生徒さんは、この間、「一番になった」生徒さんでしょうか。この「一番」はクラスの一番でしょうか、学年での一番でしょうか。
よくできる高校生でも、6語文あたりでペースが落ちるというのが、「回転読み」の負荷の大きいところかもしれません。負荷が大きい分だけ、それに負けな
ければ、成果も大きいということだと思います。ただ漫然と流行だからというので、「音読」などと言っているだけの方法とは大きく違うところだと思います。
私の「回転読み」は声を使う方法なので、私も「音読派」の一人だとは思っておりますが、「回転読み」=「音づくりによるインプット」と考えた方が、やる
べきこととねらっているものが生徒さんにはっきりします。
小川さんが手がけておられる「1000」の「回転読み」の塾の授業は、実は学校の文法の授業のモデルとなっていい質のものだと思っております。
「1000」には、ポイントとなる文法や語法の説明が出ているので、「説明は自分で読め」でいけるでしょう。わからなければ質問しろ、ただし「回転読み」
=「音づくりによるインプット」が終わったものに関してだけだ、とすればいい。
生徒が伸びるのが、こういう仕事をしていて一番うれしいことです。
今後もこういうご報告をお願いします。
教室での「1000」の扱い、あるいは「回転読み」の扱い、「音づくり」の扱いについて、もう少し詳しく書いていただけると参考にされる方もいると思い
ますので、よろしくお願いいたします。
【8567】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/19 18:58
【 発言者 】根石吉久
>根石さんの発音についての解説を聞いている内に、英語学校での出来事を思い出しました。ある英検2級の年輩の生徒さんで発音がかなりいい加減な方がいま
す。しかし、ネイティブスピーカーには通じているらしく普通に受け答えしています。ところが、先日、彼が「まーす」と言ったのですが、まったく通じません
でした。先生が何度も聞き返すので、その都度、発音をゆっくり丁寧にしなおすのですが、やっぱり通じないのです。業を煮やした先生は、彼の書いたメモをと
りあげて読み、やっとmars だと理解しました。
これは興味深い事例です。この方の mars
(のつもり)の音は、小川さんにはどこが問題だと思われたでしょうか。「顎の下がる明るい音」の顎の下がりが足りないという問題なのか、舌が口の中で浮い
てしまっていて、息の通りを邪魔した結果、[逆さ e : ] の音になってしまっている問題なのか。
ここで、私の中で統一されていない問題が浮かびあがりました。[r] の音ですが、綴りとしての ar には r がある。これをアメリカ的に r
を響かせて発音しようとすれば、舌は持ち上がる。舌が持ち上がるので、舌の形によっては、息の通りが邪魔され、[逆さ e]
の音と紛れやすい。この音と[曖昧母音+r] = [逆さ e:r ] と区別するのはやっかいです。
で、[a:r] の音には、[r]
が含まれるが、日本人がこの音を作る場合は、舌は下の歯の裏に軽くつけたままで、上に持ち上げないでいたほうが、誤解が生じない音になると思います。これ
は、私が、[r] 音は、口蓋の天井に「触らない」というポイントとは矛盾しませんが、舌を持ち上げないわけですから、多くの [r]
の発音のポイントとは矛盾します。
で、愚考しましたが、[r]
のポイントは、「口蓋の天井に触らない」というのが、唯一のポイントで、舌の位置は実は様々である、というまとめ方をしてみたいのです。単語の最初が
r
である場合は、「舌の全体を喉の方にひっぱりこむが、口蓋の天井に触らない」として、「舌の全体を喉の方にひっぱりこむ」を追記事項としてしまうのです。
ある発音の教科書には、「舌先を歯茎の裏側に近づけのどを震わせる。舌先は歯茎に触らない」とあります。これだと、[a:r] にある [r]
にはまずいが、この教科書は 子音単体の [r] と [a:r] の r
は別仕立ての扱いです(多くの発音の教科書がそうです)から、問題はないのでしょう。
この教科書では [a:r] について、「米音は [r] を発音する」としています。
これを実現するには、「かなり大きな顎の下げ」がともなわないとならないと見ています。この口の動かし方は、抵抗を感じる日本人もかなりいると思いま
す。先輩の生徒さんの問題は、「顎の下げ」が足りないのに、舌を「持ち上げて」しまっている、という問題ではないかと推察します。抵抗なくアドバイスを受
け入れてくれそうな方でしたら、舌の先を下の歯の裏につけておく練習をしてみるように言ってみたらどうでしょうか。これなら、顎の下げが多少足りなくても
誤解は生じないと思います。イギリス的にはなるのでしょうが。
どんなものでしょうか。
>ここだけははずせない音が確実にあるんだと納得した次第です。
[r] は口蓋の天井、歯茎などに「触らない」、[ae]
は口の両端が動作の主点など、ポイントは一つに絞れれば絞ったほうがいい。と同時に、日本人にとっての練習の優先順位というのがあると思います。私が練習
の優先順位の最初に「ア系列」を挙げてあるのには根拠があります。この3つの「ア系列」が紛れているので、多くの日本人の英語の音は誤解を招くのであり、
これを最優先させるべきであると考えているわけです。
多くの発音の教科書は、母音と子音をただやたらに羅列してありますが、これはまずい。日本語で育った口の動きにとっての、発音練習の優先順位というもの
がなければ駄目です。それをこれまでの発音の教科書は無視している。
【8568】
【タイトル】Yukiちゃん
【 日時 】04/03/19 19:27
【 発言者 】小川
根石さん、
5を貰って来た生徒は、一番をとってきた生徒とは別人です。 この生徒は英語は好きなのですが、飛び抜けて良く出来た子ではありませんでした。 一番を
とって来たのは、英語科の生徒と国際科の生徒です。 どちらもクラスで一番です。
中学や高校で英語の成績がなかなか上がらない生徒達に共通する事のひとつに、「勉強の仕方がわからない」と言うのがあります。 先生達はいろいろと工夫さ
れてるんでしょうが、どう考えても時間の無駄だと思える宿題が沢山だされています。 5を貰って来た生徒は(Yukiと言う名前です)春休みに、2年の教
科書でやり残したユニットの全訳をノ−トに書く宿題が出されました。 左ページに教科書の全文を書き写し、右ページに和訳を書くのです。 その補助教材と
してプリントを貰って来ていますが、新出の構文や単語、語法などを書き出したものに対訳がついています。 それを参考にして自分で和訳をして来なさい、と
言う事らしいのです。 ほとんど丸写しで済みます。 「先生、ちゃんとYukiのノ−ト、見てくれとんのかな〜。 なんか違う事を書いても見のがしてるん
と違うかな〜。 『見ました』言う印にハンコがついて返ってきようだけやもん。」とぼやいてました。
先生達はちゃんとチェックしておられる事と思います。 けれど、全部に丹念に目を通す、授業でやれば簡単に済む様な内容のプリントを手間暇かけて作成する
等で、御自分達で御自分達の首を絞めておられるのではないか、と思います。 生徒達だけではなく、先生達だってこんな事をしていたら、いくら時間があって
も足りません。
それだけやって、教科書のひとつも「ベラベラ」読み出来ない生徒のなんと多い事か。 コミュニカティブイングリッシュ以前の問題です。
【8569】
【タイトル】火星
【 日時 】04/03/19 22:42
【 発言者 】小川
会話の文脈の中で出て来たならば、日本人には「まーす=火星」と理解出来たのかも知れません。 会話が火星についての話と限定されていれば、混乱もなかっ
たかも知れません。 彼は「ところで、昨日『まーす』についての記事を読んだんだが...」と話を始めたのです。
最初の彼の発音が私の耳には moose
の様に聞こえた事を考えると、 根石さんのご指摘の様に「舌が口の中で浮いてしまっていて、息の通りを邪魔した結果、[逆さ e : ]
の音になってしまっている問題」なのかも知れません。 rの音の出し方の理屈は知っておられたはずです。 けれど、ar
の発音が erやirと同じだと思ってられたのかも知れません。 英語の発音が綺麗だ、と言われる人でも、良く聞いていると arとerやirを区別せず
に発音している人をよく見受けられます。
こうして偉そうに言ってる私だって長い間、区別せず発音してました。 母音もそれほどきちんと発音してもいませんでしたので、utter
と言う言葉がどうにもこうにも通じず、ついに黒板に書いてみせた事もあります。
【8571】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/20 23:10
【 発言者 】根石吉久
>けれど、ar の発音が erやirと同じだと思ってられたのかも知れません。英語の発音が綺麗だ、と言われる人でも、良く聞いていると arとer
やirを区別せずに発音している人をよく見受けられます。
これをそうしている人の個人の問題にしておいては駄目なんだと思います。これは、大学のおさぼりの結果であって、それを放置してきた文部省の怠慢の結果
でもあるのです。日本にはまだまともな音法がない、という事実を語っている事例だと思います。
まともな音法さえできれば、英語はフリークの専有物ではなくなると思います。
提示して下さった事例への特効薬は、「あいうえおフォニックス」です。
これは、実際に使ってみると、実によく効きますのでお試し下さい。
【8572】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/20 23:18
【 発言者 】根石吉久
>こうして偉そうに言ってる私だって長い間、区別せず発音してました。 母音もそれほどきちんと発音してもいませんでしたので、utter
と言う言葉がどうにもこうにも通じず、ついに黒板に書いてみせた事もあります。
これは年齢でいうと、いくつくらいまで続きましたか。
私は今52だか53歳ですが(歳は毎年変わるので覚えられません)、40代になるまでそんな状態が続きました。昔から塾で「回転読み」を提唱していたの
で、音の問題は私にとって大きな問題だったのに、u が「ア」と聞こえる場合は例外なく「狭い音」、er は、「あいうえおフォニックス」の er
でやはり「狭い音」とはっきりと自分にも人にも言えるようになるのに、20代で塾を始めて40を過ぎるまでの時間がかかりました。
大学のおさぼりと文部省に怠慢には、怨み骨髄と言って決して言い過ぎるとは思えません。
【8574】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/03/20 23:36
【 発言者 】根石吉久
>5を貰って来た生徒は(Yukiと言う名前です)春休みに、2年の教科書でやり残したユニットの全訳をノ−トに書く宿題が出されました。左ページに教科
書の全文を書き写し、右ページに和訳を書くのです。その補助教材としてプリントを貰って来ていますが、新出の構文や単語、語法などを書き出したものに対訳
がついています。それを参考にして自分で和訳をして来なさい、と言う事らしいのです。ほとんど丸写しで済みます。
この宿題を出した先生は、補助教材を自作したのでしょうか。「音づくりによるインプット」をやらせないで、こんな補助教材を作っている先生も可哀想にな
ります。実質的な英語力を作るというところから見れば、ほとんど空回りですから。生徒も奴隷ですが、先生も奴隷です。
この先生が補助教材を自作したのなら、空回りが可哀想なだけで、労力は大変なものでしょう。しかし、私はそれでも同情はしたくない。実質的な英語力を作
ることがないという点では、もっとも口の悪い言い方で言えば、給料泥棒の一人です。
なんとか学校の教室で「音づくり」をたちあげようとしているミッフィーさんやあすみさん達がまともなのであって、「和訳」をやらせてことを済ませようと
しているこの種の先生たちがまともな給料をもらっていてはいけないとどうしても思うのです。
これよりひどい「丸写し」はよく行われています。教科書の文を丸写しさせて宿題と称する輩です。まともに読めないような文を丸写しさせていったい何の役
に立つのでしょうか。アルファベットを書くのが多少速くなる程度の結果しかもたらさないのは、目に見えています。こいつらは、語学論の地平に立たせるなら
殴りつけてもいいと思っています。実質的な英語力をつけることは、「しつけ」をやることなんかと違う。腐れ免許商売にどうして生徒が「しつけ」られなけれ
ばならないか。
実際にやるかどうかは棚にあげておいて、私は腐れ免許商売の輩を殴りつけるとか、そいつの家に火をつけるとか、気持ちだけはそうしてやりたいという気持
ちで生きています。小川さんや Yuki ちゃんはおだやかな人なので、そうではないのでしょうが、私はそういう気持ちで生きています。
【8576】
【タイトル】校正その他
【 日時 】04/03/22 1:54
【 発言者 】ミッフィー
1000の校正、いつになるかはわかりませんがお引き受けします。小川さんのところのYukiちゃんのお話、そして根石さんのコメント、背中に冷や汗垂ら
しながら読んでいました。だってこれってかつての私がやってきたようなことだもの…。
何度かこの掲示板で書きましたが、今年高校3年生を教えた経験から言うと、音抜きの英語の授業では、勘のいい生徒にしか点を取らせきれない。繰り返し読
む、単語をきちんと発音させる。そのベースがないままに3年間言われたことをまじめにやって、でも、センター試験ごとき易しい英語の問題200点の半分も
とれない。私も含む英語教員みんなの責任だ。税金で給料もらっている身の上ならば、どんくさくとも真面目な生徒を救えなければ給料泥棒と呼ばれても仕方が
ない。
しかし、なまじっか頭のよい子が集まる学校に行っている先生はもしかしたらこんなことは気づかないかもしれない。私も前任校は今より数段生徒の学力が上の
学校であったので、授業に音を入れなくても生徒が英語をできて当然という恐ろしい間違った認識を持っていた。なぜなら生徒が入試の段階で選別されて、ある
程度どの教科も机上の勉強で処理できる能力を持っているから。
今の学校はもう少しのほほんとしていて、素直さと要領の悪さが20%ほど増す。英語の学力については学校平均偏差値が進研模試で50程度、全統模試で
48,49くらい。このような生徒達に接してはじめて語学の習得の本質に気づいた。発音記号の指導もせず読めないものを読めと言って読めるはずがない。読
めないものを覚えられるはずがない。これから出会う生徒にもう英語で悲しい思いをさせたくないと思い、現在新一年生の授業計画を立てている。あとでその概
要をここに送ります。今書くと徹夜して書きそうなものなので。で、アイデアの参考(いや骨組みか)としているものは電話でレッスンと根石さんの言葉、著
書、掲示板、そして鵜沢戸久子さんの「普通の子供が普通にやってバイリンガルになる世界初の英語習得法」と「自分の大事な子供を英語嫌いにさせてたまる
か」。「自分の〜」の方はアマゾンで注文したらすぐにきました。タイトルだけ見るとちょっと引きますが、高校生にも通用する方法があります。英語教員の方
にはぜひ読んでほしい。(実はこの本と出会ったきっかけは過去ログで柴田さんが推薦されていたこと)根石さんの提唱される方法論と相通ずるところが多々あ
ります。
【8577】
【タイトル】補助教材
【 日時 】04/03/24 12:33
【 発言者 】小川
Yukiちゃんの先生は手作りされてる様ですが、国際科の生徒の宿題プリントは教科書についてくる既成のものの様に見えます。 教科書の文が一番上に引用
してあり、新出語の意味や用法、発音に関する問題があり、次に新出の文法構文の問題と文の和訳の問題が続き、最後に読解問題らしきものがついています。
(「下線部は何を示すか」など) 学校の授業で説明した事を生徒が理解しているかどうかを調べるには、いい問題だと思ったりもしますが...
既習事項の定着にはあんまり役に立たないプリントだと思います。
公文式の英語教材を問題視する先生達は多く、私もその1人です。 しかし、この学校の宿題プリントと比較すれば、公文式のプリントの方がまだしも使い手が
あります。 カタカナで英語の読みを書いてある事は論外なのですが、十数年前からレコーダーとか言う音声教材を教室で聞かせている様ですし、英語の基本文
があり、基本文の反復練習があり、基本文を用いたサブスティチューションドリルがある、と言うフォーマットは理に叶ってます。 これに回転読みが加われ
ば、学校の教材よりもずっと有効利用出来るかもしれません。 学校の授業で落ちこぼれた子供達が公文式に通うのも無理無い事です。
【8578】
【タイトル】はじめまして 根石様
【 日時 】04/03/24 16:58
【 発言者 】杉井
大阪の杉井と申します。
小川さんと同じ英会話スクールで学んでいるものです。小川さんとは、レベルがまったくちがいますので、英会話スクールでお会いすることは、ないのですが、
ひょんなことから知り合い、忘年会や新年会でご一緒させていただいてます。
実は、前々からこの掲示板をみせていただいてました。皆さん、すごい方ばかりで書き込みをするなんてもってのほかと思っていたのですが、一念発起して電話
レッスンを受けたく思い、書き込みをした次第です。根石さんは、生徒さんがいっぱいということは、わかっておりますので、小川さんにお願いしたいのです
が。
私は、生まれも育ちも長野市です。父と兄家族が住んでおります。毎年、夏に帰省しています。結婚して、大阪に住むようになりましたが、こちらでの生活の方
が、少し長くなりました。
よろしくお願い致します。
【8579】
【タイトル】杉井様 (^^;;
【 日時 】04/03/24 17:43
【 発言者 】小川
根石さんは金曜日にこちらに来られる事になってますので、とりあえず私がお相手を...
お酒を介さずにお話するのは初めてですね。
私は長年,(4才で入会した生徒が現在20才ですから、15年以上になります)英会話教室をしていて、あらゆる英語教授法のワークショップに参加して授業
を工夫して来、「熱心でいい先生」の部類に入ってると自負してましたが、「英会話」できる子供をたったの1人も出す事が出来ませんでした。 それどころか
数年通って来ていてもテキストのモデルダイアローグさえまともに読めない生徒達もおり、お恥ずかしい事ですが、「1週間に2時間くらいのレッスンでは物に
ならないんだ」と言い訳めいた愚痴ばかり吐いていたのです。
中学生や高校生になると学校の英語と英会話の狭間で右往左往する生徒達が増え、私も右往左往する様な体たらくでした。 私自身も、英語のプロのやる様な学
習法ばかりを追い求めて、結局基礎がおざなりになっている事に気付きました。
夫の転勤が決まった3年前、英語を使う機会も増える事から、自分の「根っ子グラグラ英語」をなんとかしたいと思って、私のご近所の浜谷さんと言う方が立ち
上げられた英会話相談室に駆け込みました。 浜谷さんに素読舎のサイトを御紹介頂いて、大風呂敷の激烈なやりとりを観察(?)する内に、私のするべき学習
法は素読式に極まるんではないか、と思い始めたのです。
GETのパーティーではバカ話しかした事がないので、杉井さんと真面目に話すなんて気恥ずかしいのですが、根石さんのOKサインが出れば、一緒に素読舎式
をやりましょう。
【8582】
【タイトル】2度目です。
【 日時 】04/03/25 4:19
【 発言者 】tartan
広島県の高校で非常勤講師をしてます。知る限りの書店で「英語どんでん返しのやっつけ方」を探していたのですが、結局見つかりませんでした。なので根石さ
ん、郵便で私も注文させて頂きます。
最近学校での授業が話題になっているので、私も書き込みします。私は中学生の頃からリスニングが苦手で、ずっとそれを克服する方法を探してきました。大学
に入って自分で勉強方法を探すようになってから、やっと「学校ではリスニングができる勉強なんてなんにもしてなかった」と気づきました。それからはCD教
材を買い込んでカラオケ気分で練習してました。英検などの試験を受けていないので実際どれほどの効果があったのかは分かりませんが、何とか単語が浮かぶま
でになりました。ただ意味はまだ取れません。音と意味のなんと遠いことか。
こんな経験から「音なし」の授業がなんかうそ臭く感じるので、授業ではまず準備運動として、2,3語程度の英語のかたまりを発音練習(全体で3回→各
自)、その後ペアで日本語をヒントに英語を言うチェック。暗記もこの活動には含まれるのですが、「音だけで!スペルは家で覚えんさい!」と音に集中させる
ためか、英語に苦手意識を持つ生徒でもほぼ満点で合格します。
続けて、本文+日本語訳のプリントで、教科書本文を音読(一文を5回程度)。私自身の発音がカラオケ練習で身に着けたものなので、生徒にわかりやすく説明
できないでいるのですが、それでも以前頂いた「英語発音15のポイント」を片手にやります。発音の後は5つ英文を指定して暗記させます。ここでも「音だ
け!音だけ!」と念を押します。ペアでまた日本語をみて英語で答えるチェックをします。一文丸ごとなのでできない生徒もいるのですが、その場でやり直し5
回をさせます。で、宿題としてその英文の練習を出します。
そして次の授業で日本語をヒントに英文を書くテストをします。
文法に関しては前の授業で暗記した英文について説明が必要だと思えば少しします。一年間あわせてもほとんど文法の説明はしませんでした。あまりにもしない
ので、生徒が質問するようになりました。(これは意図してなかったのですが、よかったのではないかと思ってます。)
大体こんな感じで授業をしていたのですが、すべてのクラスでうまくいったわけでなく、まだ何か肝心のものが足りないようです(そのヒントが「英語どんでん
返しのやっつけ方」あるとにらんでます)。それに、数人の英語科の先生は「生徒を遊ばせてる」「覚えさせるだけで授業をしてない」「しつけができない授
業」だと言われました。学校によっては答え合わせの授業を強制してくるところもあるので、文法説明が苦痛の私には地獄でした。
だらだらと書いてしまったのですが、少し金銭的に余裕が出てきたら「電話でレッスン」やりたいので、そのときはお願いします。それと「桐原1000」、と
ても興味があります。
【8583】
【タイトル】根石さん、ミッフィーさん、
【 日時 】04/03/25 8:21
【 発言者 】Naima
「1000」の編集を使っていて思いつた事について:
英文の下に和訳文をつけたものをプリントアウトしたものを使っているのですが、これを見開きペ−ジにして、右に英文、左に和訳文をつける様にした方が便利
そうなんですが、どんなもんでしょう。
tartan 様、
横入りでごめんなさい。
>一年間あわせてもほとんど文法の説明はしませんでした。あまりにもしないので、生徒が質問するようになりました。(これは意図してなかったのですが、よ
かったのではないかと思ってます。)
私は1クラス 多くて8人程度の生徒の前でしか教えた事がないので、30〜40人を一度に指導される中高の先生達は大変な御苦労だろうとお察しします。
一方的に文法説明をすると、生徒の頭の上を素通りしてしまうだけなんですが、生徒側から求めて来た疑問点に説明してやると非常によく理解します。
なんて言いましたっけ、「卒啄同時」やったかな...
漢字が間違ってるかもしれません。卵の殻の中からヒナが突くと、親鳥が外から突いて殻を破ってやる、と言う喩えです。 生徒の方から質問をする様に持って
いってやるのが、先生の務めかと tartanさんのエピソードを読んでいて思いました。 差し出がましい投稿、お許し下さい。
【8584】
【タイトル】tartanさん
【 日時 】04/03/25 9:27
【 発言者 】あすみ
はじめまして。外国語の勉強はおよそ音声抜きには成り立たないと思います。現に私は趣味で韓国語をやっていますが、やはりテープなどで耳から覚えた方が実
際頭の中に残ります。以前英検1級の試験勉強をしていた時なかなか単語がおぼえられなかったのですが、アルクのTIMEキーワード800というテープつき
の単語集を買って毎日聞いて、その後に文字で確認してから、音読筆写していたら、文字だけのときより確実に記憶に残った体験があります。同時にリスニング
も伸びて試験には合格できました。30歳の脳みそでさえそうなのですから、10代の高校生のやわらか頭に、音声によるインプットが絶大なる効果を与えるの
は当然だと思います。
tartanさんのやっていらっしゃることの方が生徒のためになると思います。周りの先生はごちゃごちゃ言うかもしれませんが、負けずに頑張ってください
ね。
【8588】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/03/26 17:47
【 発言者 】根石吉久
>以前英検1級の試験勉強をしていた時なかなか単語がおぼえられなかったのですが、アルクのTIMEキーワード800というテープつきの単語集を買って毎
日聞いて、その後に文字で確認してから、音読筆写していたら、文字だけのときより確実に記憶に残った体験があります。
単語がなかなか覚えられない(誰だってそうです!)のに、強引に目と頭だけ使って覚えようとするのは、ほぼ拷問に近いと私は考えています。自分に対する
拷問です。
この拷問を拷問でなくする方法は、ただ「身体化」というものがあるだけだろうと思います。そして、その中心にあるものは、「聞く」ではなく「音読筆写」
の方だろうとも思っています。
あすみさんが言われたのは、単語単位での話ですが、これは、イディオム単位でも、文単位でも同じことが言えるはずだと思っていますが、ここには「媒介」
という項目がひとつ抜け落ちていると思いました。また、「イメージ化」についても何も触れられていないのが気になります。
「聞く」→「音読筆写」→「記憶」
という順序が提示されており、「聞く」が先になければならないかのように見えます。そして、やみくもにやれば、これで実際に効果があるのだと思います
が、テープを巻き戻して、同じ単語に関して、
「聞く」→「音読筆写」→「聞く」→「音読筆写」→「聞く」→「音読筆写」(気の済むまで繰り返す)→「記憶」
というふうにしてみると、「媒介」という項目が浮かび上がります。「聞く」が「音読筆写」を「媒介」にしているようにも見えますが、逆に、「音読筆写」
が「聞く」を「媒介」にしているととることもできます。そして、私は後者の見方が生徒のためになる見方だと考えます。
「聞く」→「音読筆写」→「記憶」
としてしまうと、なにはともあれ「聞く」が最初になければならないかのように誤解されやすい。そして、これを信仰している上級者は多い。そんなことはな
い、迷信だと私は考えています。
「音読筆写」→「聞く」→「音読筆写」→「聞く」→「音読筆写」→「聞く」(気の済むまで繰り返す)→「記憶」
というふうに、「音読筆写」が先に来たってまったく構わない。「音読筆写」が「聞く」を「媒介」にして、音がよくなりさえすればいいのです。というよ
り、中心にあるものは、自分の身体の動きであると考えるなら、動きとして明確な「音読筆写」を先だてるのが、生徒のためになる理論ではないでしょうか。明
確な「身体化」がまずは先立つとする形が提示できるからです。
私は枝葉末節のことを言っているのだとは思いません。「順序」というものは、体験としては正しいが、他の人に提示する理論としては間違っているというこ
とは多々あるのです。とりわけ、「読めないものを書かせている」ような馬鹿げた順序を強制する学校の英語の先生というものが現存するのですから、人に「順
序」を提示するときはよほど慎重でなければならないし、その「順序」そのものが、理論のありかを指し示すものでなければならない。そうでなければ、体験談
のレベルを出られない。
「音」を抜かしては駄目だという一点に関してはまったく賛成です。ここに書かせていただいたのは、「音読筆写」と「聞く」のどちらがどちらを「媒介」に
するかの「順序」に関わるものです。単語単位でなく、文単位で考えてみられるとわかりやすいと思います。一人の学習者にとって難度を含む文になると、「音
読筆写」を先立てないと、「聞く」が成立しないことがあるのです。
【8594】
【タイトル】tartan さん
【 日時 】04/03/26 19:00
【 発言者 】根石吉久
>知る限りの書店で「英語どんでん返しのやっつけ方」を探していたのですが、結局見つかりませんでした。なので根石さん、郵便で私も注文させて頂きます。
387−0015 千曲市鋳物師屋642−3 根石吉久
宛て、600円分の郵便小為替をお送り下さい。折り返し、文庫をお送りします。小学館の文庫は、最初の一週間の紀伊国屋書店系列の売り上げだけを見て、
再版するしないを決めているのだと編集の方が言っておられました。これだと、後からじわじわ売れたものの再版はありません。私のやつは尻上がりに売れたよ
うで、小学館の方にも在庫はないようです。私の手元にある著者とり分をお送りするしかないと思います。送料のいくぶんかはこちらで負担します。読みたい人
に読んでいただけるのが一番うれしいことですので。
>私は中学生の頃からリスニングが苦手で、ずっとそれを克服する方法を探してきました。
CDの再生は同じ文を何度も繰り返せますでしょうか。それができるようでしたら、ちょっと、以下に書く方法を試してみて下さい。同じ文を繰り返し再生で
きないようでしたら、MDやテープなどに録音しなおす必要があるかもしれません。
自分にとって、未知の語彙・語法を含む(難度を持つ)文を対象にし、一つの文を
一回聴く → 同じ文を10回以上繰り返し言い続ける → 同じ文を一回聴く → 同じ文を10回以上繰り返し言い続ける → 同じ文を一回聴く →同
じ文を10回以上繰り返し言い続ける → 同じ文を一回聴く → (以下、気の済むまでやる)
要するに
一回聴く → 同じ文を10回以上繰り返し言い続ける
の繰り返しです。
これの変形として、
一回聴く → 同じ文を10回以上繰り返し書き続ける
もやっていただくと、スピードが書くスピードまで落ちますので、意識に意味が動きやすくなります。自分の字を使った一種の「遅読法」です。
この時に、私がまとめた「発音のポイント」を参照してくださると上達が早いと思います。これに関しては、最近、小川さんと相談して改訂したものがありま
すので、次の記事に転写しておきます。
【8595】
【タイトル】tartan さん(続)
【 日時 】04/03/26 19:01
【 発言者 】根石吉久
授業の様子を書いていただいてうれしく思います。
的を外していないいい授業だと思います。「英語発音15のポイント」を片手にしていなくてもいいようになっていただき、生徒の音に即応できればさらにい
いと思いましたが、これに関しては、是非小川さんの「電話でレッスン」をご検討願いたく思っております。(力をつけて早く正規採用になって下さい。)
>それに、数人の英語科の先生は「生徒を遊ばせてる」「覚えさせるだけで授業をしてない」「しつけができない授業」だと言われました。学校によっては答え
合わせの授業を強制してくるところもあるので、文法説明が苦痛の私には地獄でした。
月給泥棒の腐れ免許商売をしている者どもの言うことなど放っておけばいい。なんなら、あなたがやっておられる授業のどこがどう駄目なのか、ここ「大風呂
敷」に書くようにその免許商売の者どもに伝えておいていただけませんか。私がお相手してもよろしいです。
「答え合わせの授業を強制してくるところもある」というのはどういうことでしょうか。
>それと「桐原1000」、とても興味があります。
これを Naima さんと Rosey
さんが語数別に分類してくれました。これは、使えると思いますよ。ただ、授業で、独自に教材を決められるかどうかが問題です。他の先生と同じ教材を使わな
ければならないとなると、採用が難しいでしょう。
いずれにせよ、小川さんの手元に語数別分類が終わったものがありますので、小川さんにメールで送ってくださるようお願いしてみていただけますか。
【8597】
【タイトル】「音づくり」用手短なコツ
【 日時 】04/03/26 19:11
【 発言者 】根石吉久
2004.3.07
@ ar [a:r] 顎の下がる明るい音。診察室の「アーン」。
[a] 一瞬顎の下がる音
A 子音+a+子音 [ae] 口の両端を一瞬斜め上に引っ張り上げる。「一瞬般若」
B [逆さe:r] [逆さe][逆さv] 狭い音。日本人はひとまず唇の開きで狭さを作る。
ネイティヴは口はそれほど狭くないが、舌で口の中に狭い息
の通路を作る。ひとまずは唇の開きで作るのがコツ。
[逆さe]と[逆さv]の区別はアクセントの有無により、自然に
備わる。( [逆さe] は息から力が抜ける)
C th 舌の先を上の歯の歯先にあてる。舌が歯にこすれて出るかすれた音。
D f, v 上の歯を下唇の山の頂点より少し内側に押しあてて、離す瞬間に出す。
E t,d,l,n 舌を上の歯の歯茎の裏。それぞれ舌の押しつけ方は微妙に違う
が、技法グラウンド」「回転読み」の量で自然に解決する。
F r 多くは、舌を喉の方に引き込み、口蓋の天井に触らない。
舌が歯に近い方で、宙に浮く場合もあり。ポイントは口蓋の天井に触らない
こと。
D s, z 歯と歯茎の境目あたりに舌がわずかに触わるくらい。狭い隙
間に息を通す。
ES(long s) 「静かにして、シーーッ」のシに含まれる音。
F 単語の最後が t,d,l,n のどれか。次の単語の最初が t,d,l,n のどれか。
前の単語の最後の音は、舌の位置を確保するだけで黙音化。(一瞬の空の音)
この法則以外でも、単語の最後の t や d が舌の位置を確保するだけで、黙音
化することは多い。
G 単語の最後が t, d, l, n のどれか。次の単語の最初が th
前の単語の最後の t,d,l n は舌を th の位置で黙音化させてよい。
H 単語の最後が子音。次の単語の最初が母音。子音と母音は連続する。リエゾン。
I [s][z][d3] と th のぶつかりあいでは、[s][z][d3] が勝つ。
th の音は、[s][z][d3]の音と同化する。
----------------------------------------------------
【8598】
【タイトル】(続)
【 日時 】04/03/26 19:12
【 発言者 】根石吉久
併記1. 根石吉久考案「あいうえおフォニックス」
生徒にローマ字で a i u e o を紙に書かせる。
それぞれに、r を加え ar ir ur er or と書かせる。
最初の ar だけを丸で囲めと指示する。
残った4つ、ir ur er or を大きな丸でひとくくりに囲めと指示する。
ar だけが分離される。残り4つはグループ。
ar は
@ ar [a:r] 顎の下がる明るい音。診察室の「アーン」。
ir ur er or は
B [逆さe:r] [逆さe][逆さv] 狭い音。日本人はひとまず唇の開きで狭さを作る。
ネイティヴは口はそれほど狭くないが、舌で口の中に狭い息
の通路を作る。ひとまずは唇の開きで作るのがコツ。
[逆さe]と[逆さv]の区別はアクセントの有無により、自然に
備わる。( [逆さe] は息から力が抜ける)
の仲間のひとつ、[逆さe:r] の音。
この「あいうえおフォニックス」でしばらくレッスンして、顎の下がり、狭い音の音
の「こもり」がはっきりと穫れてきたら、ear の綴りの音も ir ur er or と同じく
「狭い音」だとして追加する。
----------------------------------------------------
併記2. 小川考案
N音は、「天丼」「天皇」の時の「ん」
SとZ、FとV、TとD、PとB、CとG、は、従兄弟同志。
口の形は同じで、息だけ出すのと音を出すのとが違うだけ。
【8600】
【タイトル】根石さん
【 日時 】04/03/27 4:11
【 発言者 】tartan
木曜日に郵便を送りました。ただ勘違いをして1000円分送ってしまいました。どうしたらいいでしょうか。私としては、送料にあててもらって、余る分は何
か素読者のパンフレットのようなもの(回転読みの説明や電話でレッスンについて書いてあるもの)が手に入ればうれしいのですが。
>「答え合わせの授業を強制してくるところもある」というのはどういうことでしょうか。
以前高校3年生のリーディングとライティングの授業を年度途中から持ちました。秋も終わる頃で、授業はセンター試験対策に切り替わるときでした。センター
試験の過去問題や予想問題の問題集を使っての授業だとの説明で、授業範囲と進度の予定表を渡されました。聞くと、問題を宿題として家で解かせて、授業で答
えあわせをするのだと。もちろん解答はついているが、1冊終えるまでは配布しないのだと。しかし、解答には単語熟語はもちろん、図表問題や長文問題にも詳
しい解説があって、なんとも使わないのがもったいないくらいの丁寧な解説でした。他の先生に実際どうやっているかと聞くと、「解説に載っているものを説明
することもあるし、試験によくでるポイントをもう一度説明したり、生徒が持っている参考書(入試頻出英文というようなもの)の関連ページの番号を教えたり
で、とにかく問題をこなしてセンター試験の形式になれる」とのこと。
結局この授業ではうまく工夫できず、「答え合わせだけ」でした。似たような授業(問題集の答えあわせを授業内容にしているもの)は「音中心でもできる!」
と前の学校で実際やって確信していたのですが、いきなりの来たてで、名前も顔もわからない40人の高校3年を、センター試験直前に、音中心の授業にもって
いくのは無理でした。
他の先生は「センター試験が近いからこの方法がいい」と考えているようでした。どなたも「あんな授業はおかしい」とは言ってくれませんでした。「強制され
た」とは私の気持ちで、別に「やらないと首だ」とか言われたわけではありません。ただ、「学年で授業をそろえる」という言葉に私が縛られたのだと思いま
す。それに「これが受験勉強であり、生徒のためだ」と信じきっているようにみえる教師を前に、3ヶ月で去る私には発言権すらないように思えたのです(これ
も自分の思い込みですが)。
【8605】
【タイトル】贋の標準形(1)
【 日時 】04/03/27 18:58
【 発言者 】根石吉久
tartan さんに向けて昨日書いて、今日、「贋の標準形」という語が胸に浮かんだ。
tartan
さんに文句を言った英語教師たちが信仰している授業の形態を「贋の標準形」と呼べばいいと思ったのだった。「贋の標準形」への信仰は、贋ものを信仰してい
るのだからくだらない信仰に過ぎないが、しかしこの呪縛力にはものすごいものがある。
私がすごい人だと思っている人に柴田武史さんがおられる。この方は私立の中高一貫の学校で、「音作り」をされて、非常に質の高い音を「生徒の身に」実現
しておられる。自分の音がいいかどうかなどは本質的な問題ではなく、「生徒の身に」英語の音を実現できるかどうかが問題なのである。自分の音の質は、「音
づくり」のための必要物に過ぎない。これに関しては、教師(コーチ)側にも、最低ラインが設置されなければならない。私は、「音づくりのコツ」を10余り
提示してあるが、これが確保されればコーチはできると思っている。
いくら自分の音がよくても、「生徒の身に」英語の音が実現できなければ、そんなものは何の役にも立たない。英語ネイティヴの者どもが、日本語で形成され
た日本人の口に「音づくり」を実現できないのと、本質的には同じ問題である。
柴田さんは、これらの問題をCDなどの複製音声と「音作り」のための手短なコツを駆使されることですべてクリアされた。生徒の読みを録音されたCDを作
られて、私に送ってくださったものを聴いてみたが、生徒の発音の筋力は弱いものの、ネイティヴ音へのにじり寄りは日本でトップクラスの授業であることがう
かがえた。
この柴田さんにして、現在の学校で「音作り」を実践されるまでは、「贋の標準形」に縛られていたのだという記事は、「音作りへの道」で読むことができ
る。あるいは、あるべき授業の形を真剣に求めておられるミッフィーさんにしても、ついこの間まではこの「贋の標準形」に縛られていたのだと読める記事を最
近ここに書いてくださっている。もっとも良質な教師たちにしても、語学に対するよほどの認識力がなければ、「贋の標準形」によってがんじがらめにされてし
まう。何よりも必要なのは、語学論なのである。
「贋の標準形」というものはどのように形成され、どのように伝播しているのだろうか。教師たちが自分が生徒だったときに受けた授業が元になっているの
か。研究授業とやら称する教師達の勉強のためのモデル授業が元になっているのか。いずれにせよ、「贋の標準形」の伝播力は強く、贋の伝承は学校を通じて今
も行われているのである。贋ものの再生産と言えばいいのか。どこもかしこも贋物だらけである。
柴田さんが、学校のスキー研修で長野に来られた時、お会いしたことがあった。そのとき、柴田さんは声をひそめて次のようにおっしゃった。
「根石さん、日本の英語の先生たちというのは、巨大なるしろうと集団です」
私は声をひそめる必要なんかないと思ったのを覚えている。自分が英語ができるとか、教員免許があるとか、そんなところに何の意味もありはしない。生徒の
身に実質的な英語力を実現できるかどうか、そこにしか意味はないのだ。だから、この一点に目をこらせば、「贋の標準形」の呪縛の内にある英語教師たちは、
一人残らず「巨大なるしろうと集団」の一員である。間違いない。
【8606】
【タイトル】贋の標準形(2)
【 日時 】04/03/27 18:59
【 発言者 】根石吉久
「贋の標準形」をスケッチすれば次のようなものになるだろう。
・訳読をする。
・生徒の求めがあろうとなかろうと文法の「説明」をする。
・まともに英語として通用する読みで読めないものを放置する。
・まともに読めないものを書かせる。
・意味のない「丸写し」などさせ、余計な「しつけ」をする。
これらの呪縛から逃れ得ている英語の教師が果たしてどれほどいるだろうか。日本全国津々浦々に至るまで、この「贋の標準形」が英語教師達を呪縛してい
る。この呪縛を自覚しない者が、これをまともな「標準形」だと信仰し、まともに「音づくり」をやろうとする少数の教師の実践に横槍を入れる時、そこに現れ
た腐れ根性をさして、「腐れ免許商売」と呼ぶことに何の遠慮も要らない。私はそう考える者だ。
英語教師たちは、「贋の標準形」によってがんじがらめに縛られたままなのである。
外から見れば、馬鹿げた信仰に過ぎないが、この馬鹿げた信仰によっておまんまが食えているのはろくでもないことである。冗談じゃない。税金を無駄使いし
てもらうために人々は税金を払っているのではない。
心あるならば、英語教師たちよ、この「贋の標準形」への信仰を、語学論によって食い破るがいい。
教師達の自己満足のために英語の授業はあるのではない。生徒の身に実質的な英語力を実現するためにそれはあるのだ。この一点から目をそらしたような、英
語の授業というもの、「贋の標準形」の信仰形態を「贋ものだ!」と指さすことは、もう誰も遠慮しないでやるべきなのだ。私は、とりわけ生徒たちに声をあげ
て欲しいものだと思っている。
教壇上からの文法の説明、まともな音読を放置して訳させるなどの授業はことごとく贋物である。日本の若き人々よ、あなたがたが受けている授業を指さし、
「贋物だ」との声をあげて欲しい。あなたがたの英語を滅ぼしていくのは、この「贋の標準形」以外のものではないのだから。
【8616】
【タイトル】杉井さん
【 日時 】04/03/28 17:38
【 発言者 】根石吉久
はじめまして。
こちらに書いていただきうれしく思います。お返事が遅くなり申しわけありません。
小川さんのレッスン、是非受けて下さい。地味なことをやりますが、じわじわと効いてくると思います。私は小川コーチと杉井さんの両方からの声を聞きたい
ので、始められたら、なるべくこの「大風呂敷」へ感想や英語の変化などをお書き願いたく思っています。
「電話でレッスン」は、「ゴースト」という映画のシナリオを使いますが、生徒さんのレベルによって、二種類のレッスンがあります。
一つは、スクリーンプレイという出版社から出ているシナリオ本をそのままテキストにする方法で、これは中級後半から上級者向けです。初級者から中級前半
くらいの方のレッスンでは、私が自作した文法解析のテキストを使用します。
お書きいただいたことだけでは、どちらのレッスン方法を採用すべきか判断できかねますので、何か客観的なテスト結果のようなもの(英検の級とか、
TOEIC の得点とか)がありましたらお教え下さい。
私の自作による文法解析のテキストを使っておられる生徒さんから最近うれしいことをお聞きしました。この生徒さんは大学の英文科を出ておられるとお聞き
したので、最初はシナリオ本をそのままテキストにしてレッスンを始めたのでしたが、字を見て音読するのは非常に上手なのに、字をとりあげて文をまるごと
言ってもらうと(復習範囲テストと呼んでいる練習です)、とたんに大きな困難を感じておられるようでした。そこで、何度目かのレッスンの後、ちょっと立ち
入ったことをお聞きしたところ、英文を考えるときにいちいち日本語に置き換えていると言われたので、そこに問題があることが判明しました。その後、私の自
作による文法解析のテキストを使っていただくようにしましたが、この教材は、すでにやった文をあほくさくなるほど何度も何度も新しい文を説明するために引
用していきます。教材の内部構造そのものに、「復習範囲を手放さない」という原理が貫かれています。
この教材を使い続けていただいていて3ヶ月ほど経ちましたので、先日のレッスンの時、何か英語に変化が起こりましたかとお聞きしたところ、「自分でも不
思議なんですが、英語のままで意味がとれるようになってきています」と言われました。教材内部の重複構造がもたらしたものだろうと思います。うれしい報告
でした。
高校レベルの文法にやり残しがあるとか、英文を考えるときに日本語に置き換える癖から抜けていないというような問題があるようでしたら、こちらの文法解
析の方をお使いになることをお奨めします。それらの問題をクリアされておられるなら、シナリオ本そのものを使ったレッスンが向いていると思います。この辺
は、小川さんと相談して決めてくださるようにお願い致します。「大風呂敷」上でも、メールででも結構です。文法解析を使用されるように決まりましたら、最
新版を私の方からメールでお送りしますので、私の手元に「教材送れ」とだけ書いたメールを一通送って下さい。「返信」機能を使って、教材をお送りします。
私のメールは、
ax9y-nis@asahi-net.or.jp で届きます。
>私は、生まれも育ちも長野市です。父と兄家族が住んでおります。毎年、夏に帰省しています。結婚して、大阪に住むようになりましたが、こちらでの生活の
方が、少し長くなりました。
長野育ちの方でしたか。こちらもようやく春めいてきました。今日、戸倉の国民温泉というところに行って、湯上がりにひょいと見たら杏が咲いているようで
した。杏にしては早すぎると、今思いなおしているところです。あれは、梅だったかもしれません。
夏に帰省されましたら、お寄り下さい。
【8625】
【タイトル】「屑の標準形」考
【 日時 】04/03/30 22:26
【 発言者 】sb
「屑の標準形」の5つについて
・訳読をする。
→「訳先渡し」は可能でも、「意味先渡し」はできないということが浸透すれば、「素読」はもっと定着するだろう。
・生徒の求めがあろうとなかろうと文法の「説明」をする。
→これは柴田さんの仰るように「教科書ガイド」や「教師用マニュアル」のコピーなどで解決。
・まともに英語として通用する読みで読めないものを放置する。
→「カタカナ総ルビ」や「IPAなどの発音記号」と「複製音声」及び「教員の生音声」で解決。
・まともに読めないものを書かせる。
→このことに気づいている教員は非常に少ないのではないでしょうか。柴田さんらリーダーとしてふさわしい英語教員を中心に徐々に教員や保護者、学習者など
に広めていく必要があると思います。
・意味のない「丸写し」などさせ、余計な「しつけ」をする。
→ここでの意味のない「丸写し」というのは音作りができていない段階でのという意味ですか?
もしそうだとすれば「音作り」ができているかどうかはどうみていけばいいのでしょうか?
【8632】
【タイトル】杉井さん
【 日時 】04/04/01 23:12
【 発言者 】小川
こちらこそありがとうございました。 親しくおつきあいさせて頂いている仲なので、コーチ役は非常に照れました。
「音読の動きの中で発音を矯正する」事の効果を実感して頂けたと感じ、大変うれしいレッスンでした。
また「机上で覚えた英語のフレーズが、ネイティブスピ−カーとの実際の会話の場で使って見て、その場の状況にコトッとはまる瞬間、初めてそのフレーズが真
実味を帯びて来、実感をこめて使えるようになる」と言う話で意気投合したのも嬉しかったです。
杉井さん、こちらこそありがとうございました。 親しくおつきあいさせて頂いている仲なので、コーチ役は非常に照れました。
「音読の動きの中で発音を矯正する」事の効果を実感して頂けたと感じ、大変うれしいレッスンでした。 メールで「意識してやらないとだめなんだと思いま
す」とおっしゃっていましたが、私達の様に日本で外国語を修得しようとする者にとっては、とても大切な事ですね。
って、こんな口調でお話ししてる事も照れくさいんですが。
【8634】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/04/02 20:39
【 発言者 】根石吉久
sbさん
公衆電話からのレッスン、大変でしたね。車の音などが普段より大きく聞こえました。
カードを使ってかけておられて、途中で料金切れになったものと思われますが、来週のレッスン
の開始場所がわからないと不都合なので、こちらに書いておきます。
FF 1の下のほう It represents the true spirit of Eastern democracy から
FN 3の5行目 The average Westerner, in his sleek complacency, から
N 3の下から6行目 We Asiatics are often appalled by the curious web から
「音に先に行かせる」ということの重大性に気付かれたようで、うれしく思います。
これを人にわかるように日本語で書くのは、語学として英語をやる以上に難しいことだと思い
ますが、書いてみていただけるとうれしく思います。
【8636】
【タイトル】なぜ音声先なのか意味や文字の前に片付けると効率よく学べるのか?(不完全版)
【 日時 】04/04/02 22:19
【 発言者 】sb
音声は個性的です。(このことは養老孟子から学びました)同じ単語でもです。
人によってみんな違います。体調によっても違います。性別によってももちろん違います。
同じ人でも時間帯によって違います。その時一瞬のものです。とにかく個性的なのです。
それはあたかもピッチャーが投げるボールのようなものです。体調によっても違います。
その時一瞬のものです。(実は文字も記号なので音声と同じ、ということも彼から学びました)
ところが記号(個性的な音声や文字)は共通の約束事のもとに表わされています。そうでなかったら「通じない」からです。このことも養老さんより学んだこと
です。つまり、個性的な音声や文字はその時その時のものだが、共通の約束事があるから通じるということなのです。
では、それらの記号を一人ひとりが「意味」あるものとして理解するにはどうすればいいのか?
一人ひとりが自分の脳の中で「記号(音声や文字)」と「(それまでに理解されている)意味」を結び付けていなければならないのです。そうでなかったら通じ
ない。
その意味というのは「なんとなく分かっているレベル」から「まあまあ分かっているレベル」からさらに、「結構分かっているレベル」から「かなり分かってい
るレベル」まで段階段階があるいうことなのです。
このことは日本語で考えて見ても分かります。赤ん坊が「ぽっき−」ということばを覚えたとします。最初は「ぽっきー=楽しい」次に「ぽっき−=食べ物」さ
らに「ぽっきー=お菓子」「ぽっきー=棒状のお菓子」「ぽっきー=チョコのついた棒状のお菓子」というように「その子供のなかで」「意味」が「進化」して
いく。
そのたびに子供は面白がって「ぽっきーぽっきーぽっきーーー」と言っている。その間に「ぽっきー」という「音声」はどんどんよくなっていく。決して最初か
らきちんと「ぽっきー」とは言えない。でも「ぽっきー」と言っている。それぞれ少しずつよくなっていっているその時その時の「ぽっきー」という音声でもと
にかく「ぽっきー」であることには違いない。
だから、まず「ぽっきー」という音声を先に片付けるのではないでしょうか?
一方意味の方は、その子供の中では「楽しい→食べ物→お菓子→棒状のお菓子→ちょこのついた棒状のお菓子」というように「進化」していく。「楽しい」と
「お菓子」、「棒状のお菓子」と「わたしのお母さんと昨日丸善に買いにいってケンくんと一緒に食べたあまーーいあのチョコのついた棒状のお菓子」は別のも
のです。
あああああ、難しい。根石さん説明させていただく機会を与えてくださりありがとうございます。
こりゃあ、大変です。
「英語どんでん返しのやっつけ方(根石さん著、小学館文庫)」に分かりやすい例が挙がっています。みなさん是非ご覧下さい。
【8637】
【タイトル】sbさん、みなさん
【 日時 】04/04/03 1:21
【 発言者 】根石吉久
一杯やりながらの書き込みですので、その点をお含み置き下さい。
「なぜ音声先なのか意味や文字の前に片付けると効率よく学べるのか?(不完全版)」に関する書き込みです。
「音声先」というのは少し注釈が必要です。先週のsbさんのレッスンの時、
Fain would we remain barbarians, if our claim to
civilisation were to be based on the gruesome glory
of war. Fain would we await the time when due respect
shall be paid to our art and ideals.
という岡倉天心の英文(茶の本 The Book of Tea)に関して、Fain would we V
の用法がわからないので意味がとれないと
sbさんが言われたのに対し、「まず音を片づけて下さい」とだけ言い、私は文法的な説明をしませんでした。そのことをsbさんは、「音声先」と言われてい
ます。
岡倉天心のこの文章は、満州事変において日本がやったことに対する批判です。同時に、満州事変に対する欧米の反応への批判です。それらの背景がわかれ
ば、Fain would we remain barbarians はわかるかと思ったのでしたが、純粋に語学上の語法の問題として、fain
の用法が未知であるために意味にならないということでもあったかとも思います。それはどちらでもいいし、両方であってもいい。
「まず音を片づけて下さい」という私の指示に対して、sbさんはかなり読み込みをされました。それは今日のレッスンのsbさんの読みを聞いていてわかり
ました。そして今日、「音に先に行かせる」ということの意味がわかったと、sbさんは言われました。わからなかった文の意味が明瞭になったと言われたので
した。音を完成させ、「次に」、fain を辞書であたってみることによって、意味はとれてしまったということだと私は推測しました。
「音に先に行かせる」ということと、辞書にあたることだけで、私が文法的な説明をすることはまるで不要になったわけです。そして、それでいいのです。こ
ういうことを可能にするのが、素読を原理とする方法の最大の利点です。
sbさんのレッスンでは、私は実験をやらせてもらっています。講談社から出ている対訳本を使って、素読そのもののレッスンをやらせてもらっているので
す。何の文法の説明もせず、素読と「復習範囲を手放さない」という原理とを組み合わせるだけのレッスンです。sbさんには「音づくり」のレッスンは必要あ
りませんから、「熟成過程」が何をもたらすのかだけ知っていただきたいと思ってやらせてもらっています。
「茶の本」は、いずれ新渡戸稲造の「武士道」などと共に、私の文法解析のテキストに組み入れる予定ですが、私はsbさんを相手のレッスンで教材作りのた
めの「先読み」をやらせてもらっていることになります。「ゴースト」→「七年目の浮気」の後、「茶の本」→「武士道」の順に文法解析に組み込んでみようか
と思っています。sbさんも高校の英語の先生ですが、学校の英語の先生で少し骨のあるものを読んでみようかという方がおられましたら、今後も「茶の本」の
素読のレッスンはお受けしようかと思っています。
sbさんの「音声先」というのは、私が以前に Naima
さん達と話してきた「音に先に行かせる」ということとまったく同じことを言っておられるものです。
それで、今日のレッスンの時に、sbさんの身に起こったことを「他の人が読んでもわかるように書いてみてもらえないものか」と私はsbさんにお願いした
のでした。これは、日本に住みながら英語をやるのと同じくらいに難しいことだが、とも言いました。それで、sbさんはレッスンの後に記事を書いてくださっ
たのです。
以上、長くなりましたが、sbさんの記事への注釈です。
問題は、この先に横たわっています。「音に先に行かせる」ことによって、説明は最小限におさえ、生徒が「自分でわかる」ということをどう学校の授業で実
現するのか。そこまで真剣に考えて欲しいのです。すでに、小川さんは、塾でそれを実現しておられます。私はそれをさして、「学校よりもはるかに塾の方が可
能性がある」と言ってきました。学校の授業も塾の授業も非常に多くが屑ですが、それでも学校よりは塾の方が可能性がある。
私や小川さんのレッスンによってつかんだものを、どう学校の授業に活かすのかが本当の問題です。私どものレッスンの方法は、そっくりそのまま学校の授業
に使えるわけではありません。コーチと生徒が一対一の方法は、自分の中で消化した後でなければ、学校の授業には活かせません。しかし、しかし、しかし、自
分の中で咀嚼し消化する作業を経るならば、私どものレッスンは学校の授業を変えるための基体は提示しています。
その点をどうか早とちりしないでただきたく思います。
【8640】
【タイトル】sbさん(1)
【 日時 】04/04/04 0:54
【 発言者 】根石吉久
『「屑の標準形」考』読ませていただきました。
私は「贋の標準形」と書いたのでしたが、sbさんは「屑の」と読まれたらしいです。
そして、それもよかろうと思う次第です。現在の学校がやっている英語の授業はあらかたが「贋」でもありますが、間違いなく「屑」でもあります。今回の
sbさんの誤読は見事な正解だと思いました。
>・訳読をする。
→「訳先渡し」は可能でも、「意味先渡し」はできないということが浸透すれば、「素読」はもっと定着するだろう。
ここのところは、sbさんは正解されていますが、これはなかなか娑婆に通用しない言い方です。これは、「意味」という語の意味に関わることです。「訳」
と「意味」はまるで違うものであり、「訳」は客観物です。「意味」は客観物以前です。「意味」は具体的な言葉と結びつかなくても、個の意識において生きて
いることができます。「訳」はそうではありません。「訳」は必ず具体的な言葉と結びつきます。というよりも、「訳」自体が具体的な言葉です。
「意味」が個の意識に動く「言葉以前」のものであるなら、「意味先渡し」もなにも、「渡す」こと自体ができない。人々は、正解したり誤解したりしなが
ら、「意味」だけを相手から受け取ろうとして話を交わします。渡そうなどと思わなくても、渡ってしまうものが「意味」だと言ってもいいのかもしれません。
素読は「訳」を産むこともあるでしょうが、それは副次的なものです。「意味」を生じさせるための通路を用意することが素読の真骨頂だと思っています。
「意味」にも「訳」にもかかずらうことなく、ひたすら「音声」の完成を先立たせる素読のラディカルなところは、実は実に地味な作用として作用し、「意
味」の通路を作り出しているのです。
>・生徒の求めがあろうとなかろうと文法の「説明」をする。
→これは柴田さんの仰るように「教科書ガイド」や「教師用マニュアル」のコピーなどで解決。
sbさんが提示したようなことで解決する問題であるとは思えません。「音づくり」をやらないならば、「教科書ガイド」なども屑書物にすぎませんから。生
徒の中に「知りたいという欲求」を作り出せないならば、学校の先生の説明も、教科書ガイドの説明もみんなくだらないのです。
>・まともに英語として通用する読みで読めないものを放置する。
→「カタカナ総ルビ」や「IPAなどの発音記号」と「複製音声」及び「教員の生音声」で解決。
そんなものいくつ並べたところで、「放置する」こと自体が解決しなければ、絵に描いた餅みたいな解決法です。
【8641】
【タイトル】sbさん(2)
【 日時 】04/04/04 0:55
【 発言者 】根石吉久
>・まともに読めないものを書かせる。
→このことに気づいている教員は非常に少ないのではないでしょうか。柴田さんらリーダーとしてふさわしい英語教員を中心に徐々に教員や保護者、学習者な
どに広めていく必要があると思います。
もし、「非常に少ない」のであれば、柴田さんが言われた通り、「日本の英語の先生たちというのは、巨大なるしろうと集団」だということです。冗談じゃな
いです。「まともに読めないものを書かせる」など、ほとんどきちがい沙汰なのですから。
>・意味のない「丸写し」などさせ、余計な「しつけ」をする。
→ここでの意味のない「丸写し」というのは音作りができていない段階でのという意味ですか? もしそうだとすれば「音作り」ができているかどうかはどうみ
ていけばいいのでしょうか?
その意味です。「音づくり」ができているかどうかは、生徒に読ませてみればそれでわかるのではないのですか。実際、sbさんの教室の生徒にも具体的な英
文を読ませてみて下さい。私の推測では、「音づくり」ができていない生徒だらけだと思います。学校の先生は、自分の(個人の)英語を鍛えることにとどまっ
ていては「絶対に」いけないのです。自分の英語をよくすることで、「自動的に」生徒の英語がよくなるなんてことは「絶対に」ないのです。自分の英語をよく
することは、生徒の英語をよくするための「必要条件」であるに過ぎない。方法的に、根底的に考えるのでなければ、そして、そのことによって、実際に生徒の
英語をよくすることができるのでなければ、自分の英語の質が上等であることなんか何の意味もないということを、学校の先生たちは肝に銘じて欲しいと思って
います。
【8645】
【タイトル】電話レッスン報告
【 日時 】04/04/05 23:30
【 発言者 】小川
またしても一週間、ズルズルと宿題を引き延ばしてしまい、口が錆び付いてしまっておりました。 Tさんにも申し訳ない事でした。
文法解析について:
PCの画面上で読んでいた限りでは、この文法解析がどのような効を奏するのかよく理解出来ておらず、杉井さんのレッスンの時にも使い方が良くわからなかっ
たのですが、今日Tさんのレッスンをする内、なるほど良く出来ていると感心しました。 解析に引用された既習の文を回転読みする事で、無理なく文の意味が
頭に入って行くシステムになっているんですね。
Tさんのレッスンですが、今日は「R」を中心に音作りをしました。 Rで始まる単語(Rose, right
など)は、「う」を言う気持ちで口を構えてから発音すると何なくクリア出来ました。 なお、自分なりのやり方でいいのかどうか、根石さんにお伺いをたてた
いのですが、音作りの際には、最小の意味の切れ目事に分割して練習するとうまく行く様です。
例えば、"I'd say you could sell this tomorrow and double your money."
の場合、一通り続けて音読してもらった後、発音に少し問題のある場合には、
まず I'd say を練習し、それをクリアした後に、
"you could sell this" を練習、これもクリアしたら、
ここで "I'd say you could sell this" とくっつけて音読。
それが出来たら、 "and double your money." を練習して完成させ、
再び全文を"I'd say you could sell this tomorrow and double your money."
と練習します。
皆さん自習されている時には、同じ方法で練習されているのだろうと思うのですが、意味の切れ目がわからない生徒さんの場合などには、コーチしてあげるのが
いいかも知れないと思いました。 sight reading の応用なのですが、どんなもんでしょうか?
【8647】
【タイトル】文法解析
【 日時 】04/04/06 11:59
【 発言者 】小川
「復習範囲を手放さない」と言う原則が、ゴーストの文法解析にも生かされています。これは予め、復習範囲を手放せない様にプログラムされているテキストだ
と言う事がわかって本当に驚きました。
例えば、"I mean, I was spellbound the whole time."
と言う台詞の解説には、既習ダイアローグから同じ用法の"I mean"が網羅されています。
__________________
I mean
I mean, when I watch T.V. I'd sit in it.
I mean, I can't very well tell'em my Swedish pompom girl joke, you know.
I mean, what am I supposed to say?
俺の言いたいのは・つまり I mean
__________________
この既習の文章も合わせて読む事で、I mean
の用法が身体に染み付いて行く様にプログラムされているわけです。 無理矢理に分類して作り上げた様な例外だらけの英文法などを懇々と解くよりも、ずっと
実践的で分かりやすく、言語修得過程のメカニズムに叶ったテキストで、学校の教科書などにもこれを応用すれば、どれほど生徒達が救われるかはかり知れませ
ん。 文法解析テキストに指導者側は多大の労力を費やさなければなりませんが、完成してしまえば余計なプリント教材の作成や"講義"をする必要がありませ
ん。
杉井さんとのレッスンで始めてこの文法解析テキストを使ったのですが、コーチをしている当の私が値打を良く理解出来ていませんでした。Tさんに「文法解析
テキストはどんな風に使ってられました?」と聞き、根石さんとのレッスンでされていた様に使ってみた所、「わ、こらすごいわ」と初めて実感した様な有り様
です。
【8648】
【タイトル】文法解析(2)
【 日時 】04/04/06 12:04
【 発言者 】Naima
テキストが先に進めば進む程、同類のセンテンスが増えてくるわけで、生徒は復習をせざるを得ない羽目になっています。 こういうアイデアの閃きは、根石さ
んが「磁場のない所での英語修得」について掘り下げて考え続けられて来たからこその物だと思います。
素読舎では、語学論が空回りしていない。 改めて脱帽です。 m(__)m
【8655】
【タイトル】いろいろ
【 日時 】04/04/10 4:22
【 発言者 】ミッフィー
まず根石さん、本日のレッスンお休みさせて下さい。言い訳になりますが、新学期(やっぱり高校1年の担当&担任になってしまった)の仕込みでばたばたでし
て…。それから小川さん、あすみさん、1000のチェック、口先ばっかりになってしまって申し訳ありません。何にも手をつけていません。そのおわびとして
英語Tの教案を少し。訳は先渡しでもどっちでもいいやと思っていましたが、同じ学年で組む先生達と話し合った結果授業の始めに渡すということで一致しまし
た。
@予習プリント先渡し。生徒に前もって求めることは(1)単語調べ、SVさがして書き込ませる(2)部分訳[1ページ2文程度](3)教科書に内容把握の
Questionがあるので[これも1ページ2問程度]解ければ解かせるA授業(1)CDでまず全文を1回聞く。(2)新出単語の発音。1単語5回くらい
読む。(3)訳を渡して、怪しそうな文を英語の語順で少し解説。予習プリント答え合わせ。ここまでで日本語思考での理解。(4)ここから音入れ。CDで全
文を3〜5分聞き込む。1回目超ゆっくりで教員読む、生徒後につける、その後生徒一人で読む。2回目少し速く教員読む、生徒後につける、その後生徒一人で
読む。3回目もう少し速く教員読む、生徒後につける、その後生徒一人で読む(5)5分間音作り。1人or2人の生徒いけにえ、生徒に1文を5回読ませる途
中で怪しい音を指摘、アドバイス、矯正。(ただしあまりにも内向的な生徒を選ぶと後が大変かも…。多様な生徒さんがいらっしゃるので。)(6)あれば英文
の感想?(7)次回の予告。授業で出てきた単語、イディオム、口語表現は次の時間小テスト。B復習。小テストの勉強、その日やった英文の書写、本文の音読
最低3回(☆マークや♪マークなどなんでもいいので読んだ回数分印を付けさせる)。次回の予習プリント(ちなみにこれはB5サイズ)やってくる。批判は大
いにうけるであろう授業案ですし、和訳、解説からも離れていないのですが、狙いはとにかく英語のシンタックスを生徒の体に埋めることだと他のスタッフに力
説しているところです。ありがたいことに理解してもらっているようです。まだ授業に入っていないのでうまくいくかどうかもわかりませんが、旧態依然とした
手法から少しずつ変えていけたらな、と思っています。できれば生徒に英語TのCDを買わせたいのですが、もし買わせたとしても希望者になるかも。(初めか
ら買わせていればよかったのだが:仮定法過去完了)。ちなみに授業は週4コマです。
【8658】
【タイトル】ミッフィーさん(1)
【 日時 】04/04/11 0:35
【 発言者 】根石吉久
>新学期(やっぱり高校1年の担当&担任になってしまった)の仕込みでばたばたでして…。それから小川さん、あすみさん、1000のチェック、口先ばっか
りになってしまって申し訳ありません。
1年生の担当担任でよかったですね。おめでとうございますと私は言いたいです。高校からの「音づくり」は不利は不利ですが、それでも1年生を担当するほ
うが絶対にいいです。(この場をお借りして→)小川さんの記事によると、あすみさんが旦那様と一緒に「1000」のチェックをしてくださっているとのこ
と。よろしくお願い致します。
>訳は先渡しでもどっちでもいいやと思っていましたが、同じ学年で組む先生達と話し合った結果授業の始めに渡すということで一致しました。
文まるごとの「音づくり」を生徒が家での自習でやれるようにさえできれば、訳先渡しが圧倒的に効率がいいと思います。問題は、生徒が自分で「音づくり」
ができるようになるように、「音づくり」の基本の基本を生徒にしっかりと渡すことだと思いました。
@予習プリント先渡し。生徒に前もって求めることは(1)単語調べ、SVさがして書き込ませる
これも、先に「音づくり」が終わっていることが前提だと思います。
(2)部分訳[1ページ2文程度]
これは、生徒に教室で訳させるということですか。だとすると、訳先渡しのプリントが虎の巻になって両立しがたいと思いました。
(3)教科書に内容把握のQuestionがあるので[これも1ページ2問程度]解ければ解かせる
これはやってもやらなくてもいいものだと思いました。時間がもったいないとも。
A授業(1)CDでまず全文を1回聞く。(2)新出単語の発音。1単語5回くらい読む。(3)訳を渡して、怪しそうな文を英語の語順で少し解説。予習プリ
ント答え合わせ。ここまでで日本語思考での理解。
この辺は私に理解できません。私が多数の生徒を相手に授業をやったことがないせいなので、申しわけありません。
(4)ここから音入れ。CDで全文を3〜5分聞き込む。1回目超ゆっくりで教員読む、生徒後につける、その後生徒一人で読む。2回目少し速く教員読む、生
徒後につける、その後生徒一人で読む。3回目もう少し速く教員読む、生徒後につける、その後生徒一人で読む
これはいいアイディアだと思います。是非、「大風呂敷」にこの授業方法による成果をご報告願いたいものだと思いました。できたら、生徒の感想も聞かせて
下さい。
【8659】
【タイトル】ミッフィーさん(2)
【 日時 】04/04/11 0:36
【 発言者 】根石吉久
(5)5分間音作り。1人or2人の生徒いけにえ、生徒に1文を5回読ませる途中で怪しい音を指摘、アドバイス、矯正。(ただしあまりにも内向的な生徒を
選ぶと後が大変かも…。多様な生徒さんがいらっしゃるので。)
最初は積極的な生徒にやらせるのがいいと思います。少しずつおとなしい生徒の方にもやらせて下さい。これの最大のコツは、「動きの中にコツを置く」とい
うことです。5回程度読ませる(口を動かさせる)途中で、怪しい音があったら読みを中断し、コツを言い、再び読ませる(口を動かさせる)ようにして下さ
い。発音のコツなどは、生徒の口の動きの中に置いてやらないと何の意味もありません。私が提唱している知識など、知識としてはアホくさいほどわずかなもの
ですが、これを全部生徒の口に実現しようとしたら、とてつもなく大変な作業です。しかし、是非やってみて欲しいと願っています。
「5分間音づくり」を授業の中に組み込んでいただいたこと、非常にうれしく思っています。この5分は、生徒が自分で家で「音づくり」をやるための基底を
据えるものとなって欲しいと願っています。
(6)あれば英文の感想?(7)次回の予告。授業で出てきた単語、イディオム、口語表現は次の時間小テスト。B復習。小テストの勉強、その日やった英文の
書写、本文の音読最低3回(☆マークや♪マークなどなんでもいいので読んだ回数分印を付けさせる)。次回の予習プリント(ちなみにこれは
B5サイズ)やってくる。
異議ありません。
>批判は大いにうけるであろう授業案ですし、和訳、解説からも離れていないのですが、狙いはとにかく英語のシンタックスを生徒の体に埋めることだと他のス
タッフに力説しているところです。ありがたいことに理解してもらっているようです。まだ授業に入っていないのでうまくいくかどうかもわかりませんが、旧態
依然とした手法から少しずつ変えていけたらな、と思っています。
頼もしいです。ミッフィーさんは、いい先生です。応援しますから、きばってやって下さい。
>できれば生徒に英語TのCDを買わせたいのですが、もし買わせたとしても希望者になるかも。
これは、強く奨めて下さい。家での「音づくり」に大いに役立ちます。
【8661】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/04/11 1:00
【 発言者 】根石吉久
>「復習範囲を手放さない」と言う原則が、ゴーストの文法解析にも生かされています。これは予め、復習範囲を手放せない様にプログラムされているテキスト
だと言う事がわかって本当に驚きました。
「文法解析」とひとまず名付けていますが、これは文法に限定した教材ではなく、むしろ「脱日本語」をねらっている教材です。「ゴースト・文法解析・脱日
本語」と名付けなおそうかと酔っ払ったアタマで考えています。
まったくおっしゃる通りで、あの教材は「復習範囲を手放さない」ではなく、「復習範囲を手放せない」ものです。圧倒的な強制です。
>文法解析テキストに指導者側は多大の労力を費やさなければなりませんが、完成してしまえば余計なプリント教材の作成や"講義"をする必要がありません。
その通りです。そして、数年毎に教科書の中身を変えられてしまう文部省管轄下の学校と違って、テキストは十年でも二十年でも同じものを据え置くことがで
きるのが塾の強みです。私は「七年目の浮気」以後は、新渡戸稲造や内村鑑三が書いた英文をテキストにしようと思っています。そして、残った私の命は長くは
ないので、「文法解析」は固定しっぱなしにします。意図をくみ取って、後に続く人が現れてくれさえすればそれでいいと思って、今後もシコシコやります。
>Tさんのレッスンですが、今日は「R」を中心に音作りをしました。 Rで始まる単語(Rose, right
など)は、「う」を言う気持ちで口を構えてから発音すると何なくクリア出来ました。なお、自分なりのやり方でいいのかどうか、根石さんにお伺いをたてたい
のですが、音作りの際には、最小の意味の切れ目事に分割して練習するとうまく行く様です。
単語の最初が r の場合の音を作らせるときは、私も同じことを言うことがあります。
日本語のウの口の形で、舌を喉の方に引っ張り込むようにと言うと、きれいに出ることが多いです。意味の切れ目毎に「音づくり」するのは、今後も試してみ
て下さい。私が採用させてもらうようになるかもしれません。確かに、意味の切れ目毎に「音づくり」することには、コーチの存在の必然があります。なるほど
と思いました。
>英国と米国の先生達がチェックしてくれたのですが、彼等には少し奇異に聞こえるとしても、豪州の御主人様の耳にナチュラルに聞こえる文は、原文のまま残
しておきたいと思います。
英語はもうアメリカのもんでもイギリスのもんでもオーストラリアのもんでもないので、(連中が本家本元を争って金もうけをするのには、ひとまず反対しま
せんが、)この辺はおまかせします。小川さんの判断でいいと思います。
>意味不明の文ですが、多分、ネイティブスピーカーの言語ロジックでは理解出来ないか、あるいは文脈が不足しているかのどちらかだと思うのですが、文章を
あまりいじって原形をとどめない様な事になってもマズイかな、と思ってます。
あの本は文法を簡潔にまとめてあるのが利点ですので、この文法説明や語法説明が意味をなさないようになるほどいじるのは逆に意味がなくなります。どんな
もんでしょう。考えどころですが、これを考え出すと、書店で売っている英語本の非常に多くが屑だとわかりますから、中途半端なものは中途半端のままに置い
ておくのも一法です。そういうところから、日本独特の英語が生まれないとは限らないです。
【8667】
【タイトル】「音づくり」はそのままインプットである
【 日時 】04/04/12 1:16
【 発言者 】根石吉久
素読舎および素読舎の「電話でレッスン」で行われる「音づくり」は、そのまま文まるごとのインプットです。そして、それ自体をレッスン内容としている学
校の授業や塾の授業というものを私はほとんど知りません。唯一の例外は、最近まで佐賀県の中高一貫の学校で「音作り」をされている柴田武史さんの授業だけ
でした。柴田さんの授業も、「音作り」がそのままインプットになるような授業です。
「音づくり」がそのままインプットになる授業の特徴は、必ず文丸ごとで「音づくり」を行うことです。「音づくり」が完成すれば、覚えようとなどしなくて
も、結果的に覚えてしまいますから、そのままインプットができます。私が言う意味での「空っぽの電池」が数として蓄積されていきます。
私が知らないだけで、「音づくり」を行うところが他にもあるはずだとは思っていましたので、以前に柴田さんにお会いしたときに、私が言う意味での「音づ
くり」、あるいは柴田さんが言う意味での「音作り」は他にどんなところで行われていますかとお聞きしたことがありました。柴田さんは、「私の授業と根石さ
んの素読舎だけです」と言われました。英語教育界のことを広く知っておられる柴田さんがそう言われたのを聞き、私は非常にびっくりしたことを今でもよく覚
えています。
その後、気をつけていましたが、やはりどこにも「音づくり」をまともにやっていると思われるものはみつかりませんでした。
最近は、根石吉久の掲示板「大風呂敷」で語学論を書いてくださる奈良県の小川さんが、「大風呂敷」の記事を参考にして実践された塾の授業で、めざましい
成果をあげられています。現在では、素読舎、柴田さんとそのお弟子さんの授業(同じ学校の先生です)、奈良の小川さんの塾の三カ所に増えたと考えてもいい
のかと思っていますが、それにしても「音づくり=インプット」は払底しています。
「音づくりによるインプット」。これが実は学校英語とも受験英語とももっとも相性がよく生徒の本当の実力を作る方法です。しかし、「贋の標準形」から抜
けられないほぼ100パーセントに近い先生たちがこれをやることができていません。
素読舎の「電話でレッスン」は、学校の授業を変えようと真剣に考える先生たちも迎えますが、相変わらず「贋の標準形」でなんとかなると思っている先生が
圧倒的多数の現状では、やはり中学生や高校生のレッスンを柱にしていくしかないのかもしれません。本当は、学校の先生たちがこのレッスンを受けて、他の先
生たちを説得し、学校の授業を変えていかなくては、巨大な税金の無駄使いが終わることはありません。授業形態としての「贋の標準形」を信じてしまえば、教
師としても「贋の標準形」でしかないのですが、まずそれが100パーセントに近い数字です。
素読舎の「電話でレッスン」はしばらくは、高学年の小学生・中学生・高校生・大学生を主体にしてやっていきます。あるいは、もっとも可能性があるのは、
少人数の生徒を対象としている個人塾かもしれませんが、受験体制に寄生するだけの塾が多いためか、最近では塾からの問い合わせも止まっています。志のある
塾からの問い合わせを望んでおりますので、真剣に方法を求めておられる方はどうぞ遠慮せずにお問い合わせ下さい。
【8671】
【タイトル】茶の本
【 日時 】04/04/15 19:32
【 発言者 】NIshiazabu
根石様、ごぶさたしております。
その節は女房ともどもお世話になりました。
最近、時間に余裕が出てきましたので、久しぶりに
こちらの掲示板を拝見しました。ところで最近では
岡倉天心の「茶の本」を教材に使用されているので
すか!驚きました。私、茶を少しやっておりまして、
日本語でですが、「茶の本」は何度か読みました。
そしてつい2〜3ヶ月程前に、追々、英語で外国人
に茶でも教えてみようかと思い、講談社インターナ
ショナルの版を購入したばかりでした。
よろしければ、この本を教材に選ばれた理由をお聞
かせください。また、モデルとなる音声源はどうさ
れているのでしょうか?
【8673】
【タイトル】電話でレッスンの感想
【 日時 】04/04/17 0:09
【 発言者 】高橋
小川さんに3回レッスンをしていただきましたが、大変良かったと感じております。通じる発音かどうか確認し、誤りを即座に指摘し、具体的に通じる音の出し
方を指導していただけることによって、自信をもって音読練習ができるようになりました。レッスンしていただいたところだけですが・・・これまでは暗中模索
の感が強く、常に発音に不安を感じていました。文法の問題を解いたりするのとは異なり、発音については、独学では確認しがたいからです。現在、英語の発音
が日本語とは異なることを改めて実感しております。今後もよろしくお願いします。
【8674】
【タイトル】高橋さん
【 日時 】04/04/18 0:22
【 発言者 】根石吉久
「電話でレッスン」の感想をお書きいただきありがとうございました。
>小川さんに3回レッスンをしていただきましたが、大変良かったと感じております。通じる発音かどうか確認し、誤りを即座に指摘し、具体的に通じる音の出
し方を指導していただけることによって、自信をもって音読練習ができるようになりました。
「電話でレッスン」は「音づくり」と「熟成」をねらっているものです。「音づくり」の過程で生徒さんの側に成果として生じるものを具体的に書いていただ
けたことが何よりうれしいです。自信をもって音読練習ができるようになったこと、これがひとまずの最大の成果ですが、今後、「熟成」の過程が何をもたらす
のかを知っていただくことになります。
来月から私がレッスンさせていただくことになります。よろしくお願い致します。
小川さん、ありがとうございました。
【8675】
【タイトル】NIshiazabu さん
【 日時 】04/04/18 0:38
【 発言者 】根石吉久
こちらこそ、ごぶさたしておりました。
時間があるときは、「大風呂敷」をよろしくお願いいたします。
岡倉天心の「茶の本」をテキストに採用したのは、國弘正雄さんという方から学校の先生たちを相手に講演をやるから出てきませんかとお誘いいただき、講演
を聞きに行った帰り喫茶店で、信州大学で教えておられる方から、「武士道」や「茶の本」の新版が出ていると聞き、手に入れて少し読んでみたのがきっかけで
した。ちょうどその頃、この掲示板でsbさんの名前で書いておられる方が、素読をやってみたいと書かれましたので、「茶の本」をテキストにやってみません
かとお誘いしたところ、やってみるとお返事いただき、素読を知っていただくためにレッスンをやらせてもらっています。
従って、私の場合は茶そのものがきっかけではなく、素読をやってみたいという生徒さんの希望がきっかけでした。まだあまり進んでいませんが、いい本だと
思います。外国人に茶を教えるようになりましたら、生徒さんたちに是非すすめて読ませるのがいいと思います。文語調の格調があり、気に入っています。西欧
に向かってはっきりものを言っているところが、とりわけ好きなところです。
レッスンの生徒さんは、音は非常に質のいい方なので、モデルとなる音声源は使用しておりません。コーチと生徒の生の音声だけを使用し、複製音声は使わな
いレッスンです。
ただいま、「ゴースト」の文法解析をやっておりますが、その後「七年目の浮気」をやり、その後で、「茶の本」の解析をやろうと考えております。
【8677】
【タイトル】NIshiazabuさん
【 日時 】04/04/18 12:01
【 発言者 】sb
>(NIshiazabuさん)音声源(素読テキストの「茶の本」の)はどうされているのでしょうか?
はじめまして。根石さんにコーチしていただいているsbです。「茶の本」は構文的にも内容的にも難解です。日本語を読んでもよく分からないことがあり困っ
ています。私にとって挑戦しがいのあるテキストです。汗をかきかき素読を楽しんでいるところです。
「茶の本」は、日本語を母国語として英語を学びつづける者にとってたいへん魅力あるテキストの一つではないかと思います。なぜなら日本人であるからこそ分
かるなあということも結構含まれていると思われるからです。さらに、岡倉天心が原文を英語で書いておられる点が素晴らしく、新渡戸稲造の武士道とならぶ名
著だと思います。声をかけていただいた根石さんに感謝しております。
NIshiazabuさんは茶をされているということで、いろいろこの掲示板を通じて教えていただければたいへんありがたいです。ちょくちょくこの「大風
呂敷」には立ち寄られるのですか?私は茶のことは何も知りませんが、外国語の異質な音声にたいへん興味をもっております。
現在の練習途中(一章の最初の見開きふたつ、つまり4ページだけですが。。。)の私の音声を録音媒体に落としたものでよければカセットテープでお送りしま
しょうか?朗読の速さは1分間に100語程度〜200語程度まで可能だと思います。
ためしに読んでみましたら、35ページのTea began as a medicine...から39ページ8行目あたりのthe
quaintness and
childishnessあたりまでで4分ちょうどで朗読していました。516語(?)を4分で割ると1分間あたり129語でたまたま割り切れました。
130wpmあたりが聞き手にも分かりやすいのではないかと思います。ちなみに私の場合、一つ一つの単語をはっきりゆっくり読む場合でも95wpmあたり
が限界でした。逆に速く一つ一つの音素を捕まえる場合でも、225wpmあたりが限界でした。
素読ではNIshiazabuさんやコーチの根石さんの足元にも及びませんが、音読に限ればある意味根石さんを超えた部分もあるのではないかとも最近感じ
ております。もちろん根石さんに基本的な語学に対する考え方を教えていただいたお陰で、素読はもとより音読力もついたと実感しています。
【8678】
【タイトル】NIshiazabuさん(2)
【 日時 】04/04/18 12:13
【 発言者 】sb
語学に関心がおありなら、ぜひ根石さんの「素材」という題のページをご覧下さい。
私は根石さんにレッスンをしていただいてまだ間がない頃、一体「素読」と「音読」って何がどう違うのだろうと考えていました。今は根石さんのお陰で分かる
ようになりました。このことは一見どうでもいいことに見えますが、実はたいへん重要なことだ最近気が付いてきた次第です。
日本国内で英語を学ぼうとする場合、日本語と日本固有の漢字文化がひとつ大きく関係していると思います。
【8680】
【タイトル】なぜ音声が先なのか意味や文字の前に片付けると効率よく学べるのか?(不完全版ver.2)
【 日時 】04/04/18 12:37
【 発言者 】sb
音声は個性的です。同じ単語でも人によってみんな違います。体調によっても違います。
性別によってももちろん違います。同じ人でも時間帯によって違います。その時一瞬のものです。とにかく個性的なのです。
それはあたかもピッチャーが投げるボールのようなものです。体調によっても違います。
その時一瞬のものです。
一瞬のものだが、「音を形作る基礎」をもとによりよいと思われる音声を作り上げていきます。
ところが記号(個性的な音声や文字)は共通の約束事のもとに表わされています。そうでなかったら「通じない」からです。つまり、個性的な音声や文字はその
時その時のものだが、共通の約束事があるから通じるということなのです。
その「音の基礎」は基礎の部分については「普遍的」です。「同じ」です。
この「同じ」というところがミソです。
では、それらの記号を一人ひとりが「意味」あるものとして理解するにはどうすればいいのか?
一人ひとりが自分の脳の中で「記号(音声や文字)」と「(それまでに理解されている)意味」を結び付けていなければならないのです。そうでなかったら分か
らない。
その意味というのは「なんとなく分かっているレベル」から「まあまあ分かっているレベル」からさらに、「結構分かっているレベル」から「かなり分かってい
るレベル」まで段階段階があるいうことなのです。
このことは日本語で考えて見ても分かります。赤ん坊が「ぽっき−」ということばを覚えたとします。最初は「ぽっきー=楽しい」次に「ぽっき−=食べ物」さ
らに「ぽっきー=お菓子」「ぽっきー=棒状のお菓子」「ぽっきー=チョコのついた棒状のお菓子」というように「その子供のなかで」「意味」が「進化」して
いく。
その意味の進化というのは、先の例でいくと、「楽しい」→「チョコのついた棒状のお菓子」に変化しています。「楽しい」と「チョコのついて棒状のお菓子」
は別の意味です。つまり同じではない。違うということになります。
そのたびに子供は面白がって「ぽっきーぽっきーぽっきーーー」とその人(子供)にとってのその時の「同じ音声」を発している。その間に「ぽっきー」という
「基礎の部分が同じ音声」がどんどんよくなっていく。決して最初からきちんと「ぽっきー」とは言えない。でも「ぽっきー」と言っている。「ぽっきー」とい
う基礎の部分における音(=みんなが共通の記号にしている部分を抜き出した音)それぞれ少しずつよくなっていっているその時その時の「ぽっきー」という音
声でもとにかく「ぽっきー」であることには違いない。
だから、まず「ぽっきー」という音声を先に片付けるのではないでしょうか?
「楽しい」と「チョコのついた棒状のお菓子」は違う。つまり「違う意味」「違うイメージ」
「ぽっきー」という音は共通部分の音は最初から「同じ」。基礎の部分においては「同じ」。
一方意味の方は、その子供の中では「楽しい→食べ物→お菓子→棒状のお菓子→ちょこのついた棒状のお菓子」というように「進化」していく。「楽しい」と
「お菓子」、「棒状のお菓子」と「わたしのお母さんと昨日丸善に買いにいってケンくんと一緒に食べたあまーーいあのチョコのついた棒状のお菓子」は別のも
のです。。。
こうやって考えていく機会を与えて下さった根石さんには本当に感謝しています。
「英語どんでん返しのやっつけ方(根石吉久さん著、小学館文庫)」に分かりやすい例が挙がっています。みなさん是非ご覧下さい。
【8683】
【タイトル】音読の効果について(不完全版ver.2.1)
【 日時 】04/04/19 20:19
【 発言者 】sb
音声は個性的です。だから完璧なんてものはない。その人の体調や年齢、性別にもよります。
文字も個性的です。音声や文字といった「記号」は「個性的」なものです。
一方、音法、文法は「法則」です。音声や文字の中の共通部分と考えてみてはどうでしょうか。
個性的な音声や文字も、「共通部分」があるから「通じる」のです。
一人ひとりが自分の脳の中で「記号(音法や文法)」と「(それまでに理解されている)意味」を結び付けていなければならないのです。そうでなかったら分
かったということにならない。
その意味というのは「なんとなく分かっているレベル」から「まあまあ分かっているレベル」からさらに、「結構分かっているレベル」から「かなり分かってい
るレベル」まで段階段階があるいうことなのです。
日本語で考えみましょう。赤ん坊が「ぽっき−」ということばを覚えるとします。最初は「ぽっきー=楽しい」次に「ぽっき−=食べ物」さらに「ぽっきー=お
菓子」「ぽっきー=棒状のお菓子」「ぽっきー=チョコのついた棒状のお菓子」というように「その子供のなかで」「意味」が「進化」していきます。
その意味の進化というのは、先の例でいくと、「楽しい」→「チョコのついた棒状のお菓子」に変化しています。「楽しい」と「チョコのついて棒状のお菓子」
は別の意味です。つまり同じではない。違うということになります。
そのたびに子供は面白がって「ぽっきーぽっきーぽっきーーー」とその人(子供)にとってのその時の「音法」を発している。しかし、「音声」は「進化」して
いる。つまり、その間に「基礎の部分が同じ音声」がどんどんよくなっていく。決して最初からきちんと「ぽっきー」とは言えない。でも「ぽっきー」と言って
いる。それぞれ少しずつよくなっていっているその時その時の「ぽっきー」という音声であっても、とにかく「ぽっきー」であることには違いない。
だから、まず「ぽっきー」という音声を先に片付けるのではないでしょうか?
「ぽっきー」という音は共通部分の音は最初から「同じ」。基礎の部分においては「同じ」。
「楽しい」と「チョコのついた棒状のお菓子」は違う。つまり「違う意味」「違うイメージ」。
つまり、人間は「同じ」ことを軸にして「違う」ものを結びつけていくなかで学習していく。
それが、意味よりも「音声」をまず大切にしなければならない理由ではないのかと思います。
こうやって考えていく機会を与えて下さった根石さんには本当に感謝しています。
「英語どんでん返しのやっつけ方(根石吉久さん著、小学館文庫)」に分かりやすい例が挙がっています。みなさん是非ご覧下さい。
【8684】
【タイトル】700選の功罪とあなたの発音の功罪は同じかもしれない!
【 日時 】04/04/19 21:17
【 発言者 】sb
700選やDUOをつくった人は英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
音声をコーチングすることは英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
例文集はどんなにいいものを作ったと思っていても、学習者のニーズに完全に応じることは無理。
音声コーチングもどんなにいいコーチをしても、学習者のニーズに完全に応じることは無理。
しかし。。。
例文集はたいへん役に立つ。自分にとって完璧なものはないけれど。
音づくりもたいへん役に立つ。自分にとって完璧なものはないけれど。
書籍もたいへん役に立つ。自分にとって完璧なものはないけれど。
学習者はそのことをよく考えて自分の目標を十分見定めた上で、上手に塾などを利用すればいい。
文法にこだわりすぎること、音法にこだわりすぎることは、語学にとって得にならない。
【8685】
【タイトル】sbさん、私は深酔いしておりますが・・・(1)
【 日時 】04/04/20 3:50
【 発言者 】根石吉久
>700選の功罪とあなたの発音の功罪は同じかもしれない!
この文の「あなた」が誰をさしているのか、あなたの文からは明確ではありません。しかし、「功罪」という語があり、その後に、
>700選やDUOをつくった人は英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
音声をコーチングすることは英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
と、「功罪」を言っている文がありますから、「あなた」は「音声をコーチングする」者をさしていることは明らかです。すると、この掲示板のこれまでの記
事の総体から判断して、「音声をコーチングする者」が、柴田武史さんや私や小川さんであり、その他の人でないことも明らかです。そして、以前のあなたの記
事に次のものがあります。
>素読ではNIshiazabuさんやコーチの根石さんの足元にも及びませんが、音読に限ればある意味根石さんを超えた部分もあるのではないかとも最近感
じております。もちろん根石さんに基本的な語学に対する考え方を教えていただいたお陰で、素読はもとより音読力もついたと実感しています。
「音読」では、あなたは最初から私なんぞを越えておりましたがそれはさておき。
ここには「根石さん」という語があり、「音読に限ればある意味根石さんを超えた部分もあるのではないかとも最近感じております。」という文もありますか
ら、「700選の功罪とあなたの発音の功罪は同じかもしれない!」という文の「あなた」が根石吉久をさすと読むことは十分に可能ですが、それでよろしいで
しょうか。はっきりとお答えください。自分を含めて「英語を教えている人」ということであるならあなたの言い分も納得ができますが。自分の英語(の発音)
に関して、「なんぼのもんじゃ」という感覚があなたにあるのかどうかお聞きしています。私にはそれははっきりとあります。あなたの発音はどこやらのコンテ
ストで一番になったとこの掲示板の記事で読みましたが、それで、なんぼのもんなんか?
まずは「あなた」が誰のことなのかをを確かめて、それが根石吉久であるなら、批判を書く用意がありますが、「あなた」が根石吉久一人をさすのかどうかを
お答えいただくと同時に、「700選」やDUOの功罪と、音声のコーチングがどうして同列に扱えると考えたのかをよく考えた上でお答えください。必ずお答
え下さい。
あなたは、村田君やいくこがあなたを突いた問題に対しても、これまでまともに答えていません。ことをおだやかにしてきただけです。そんなことで、ことは
おだやかにならないのです。
「700選」やDUOの功罪と「音づくり」を同列に置く根拠としてあなたが提示しているものは、「完全に学習者のニーズに応じることは無理」というもの
です。学習者というものは、いつも具体的な一人一人の個ですから、まったくの初心者から上級者までの個に対して、「完全に」「ニーズに応じる」などという
ことは、どんな学習書にも、どんな方法にも、どんなコーチにもできるはずがありません。そのようなあらかじめ誰にでもわかりきったこと(一見普遍・戦後民
主主義の病原菌)を根拠として、「音づくり(音声のコーチング)」の罪を云々するのはどういうことなのか。これに関しても必ずお答え下さい。
気楽に「完全に」などというもの言いをして、あなたは自分の足元を見ないのでしょうか。あなたは「完全に」学習者の「ニーズに応じる」ということができ
るとでもおっしゃりたいのでしょうか。少なくとも、私は初心者から上級者までの要望に「できるかぎり」応じようとはしていますが、あなたはたったそれだけ
のことでもやっていると言えるのでしょうか。「完全に」などという語に何の意味を込めているのでしょうか。「完全」という語はあなたにとって、どういう語
なのでしょうか。まさか、あなたの英語や発音が「完全」であると言っているわけではないでしょうね。冗談じゃない。「完全」な発音などというものはこの地
上には「理念」としてしか存在しません。あなたの発音は完全に完全ではありません。思い上がるのもほどほどにしておいていただきたい。日本においては、こ
ういう種類の「思い上がり」が成立してしまうことが本当の問題なのです。
【8686】
【タイトル】sbさん、私は深酔いしておりますが・・・(2)
【 日時 】04/04/20 3:54
【 発言者 】根石吉久
アメリカのニュースのアナウンサーが、ニュースを伝えるのにもっと人々に伝わりやすいものにしたいと考えて、sbさんに発音矯正を頼んだ場合、sbさん
はその依頼を受けますか。このアナウンサーも英語の発音矯正を求めているのであるなら「英語の学習者」なのです。ネイティヴ事大主義の柴田さんも小川さん
も考えなくてはいけないと思います。「完全に」などという語を気楽に使う方は、このことをまともに考えなくてはいけない。もちろん私はそんな依頼は受けま
せん(あったりまえじゃけん)が、「完全に」という語に対して平気である(無感覚である)ような感覚の持ち主なら依頼を受けるべきです。受けて恥をかくこ
とをやるべきではありませんか。あなたはそういうことをしてこなかったところが小心者だと思います。言うことはでかいことを言いますが・・・。直前に語学
論を書いて、気楽な物言いをしたかったのかもしれませんが、私は聞き捨てならないと思いました。冗談じゃねえ。「上手」なだけの程度の者に、俺がつべこべ
言われる所以がどこにあるのか。いや、「あなた」が「根石吉久」だとしての話ですがね・・・。
私の発音は大したことはありませんが、sbさん、ミッフィーさん、小川さんのお三方を除いては、他の生徒さんの発音の質は確実に向上しています。向上し
た上で、CDなどの複製音声を媒介にすれば、すぐに私の発音の質を越えていきます。それを眺めているのが私には楽しいのです。自分の英語など、一定レベル
を確保するのはもちろんですが、それさえ確保しておけば、自分の英語(個人の英語)などというものに私はほとんど興味がありません。sbさんは学校の先生
のくせに、自分の英語(個の英語)にしかほとんど興味がないのが職業柄非常に問題だと思います。
私の「音づくり」の方法は、明らかに生徒の発音の質を高めています。sbさんと論争になれば、おそらく何人かの生徒さんはそれを証言してくれるだろうと
思っております。私にはそういう生徒がおりますが、sbさんが自分の発音の質を高めたと証言してくれる生徒がいたら、是非その生徒さんにこの掲示板の
URLを伝えて証言してくれるように頼んでおいて下さい。
私の生徒さんたちには証言をお願いいたします。「上手な発音」がご自慢のsbさんより、癖の強い私の発音の方が生徒にとってはずっと役にたつことを明ら
かにしなければならないことになりかねませんので。
「音づくり」の罪どころか、自分の「上手な発音」が実際の自分の授業と肉離れを起こし、生徒の発音をよくすることをしていない学校の多くの授業こそが罪
深いのではないのでしょうか。sbさんは「上手な発音」をお持ちの先生ですが、この罪から無縁で授業時間をお過ごしでしょうか。先生の発音がいくら上手で
も、それが個人持ち物にとどまり、「生徒の口の動きを変える」ことに結びつかないなら、「上手な発音」などというものは、英語のクラスという場所では何の
意味もないくだらないものです。ただの「お飾り」にすぎないのですから、「上手な発音」は英語のクラスという場所であらかじめくだらないものです。先生の
発音の質というものは、「床の間のお飾り」のようなものであってはいけない。生徒の口の動きを変えることに結びついていかなければ、それは「お飾り」にす
ぎません。先生の発音が「お飾り」であることにこそ実際の罪があります。われわれの税金は、教室に「お飾り」を置くために払われているのではないのです。
いや、先走るのはやめましょう。
まずは、「あなた」が根石吉久をさしているのかどうか確かめてからにいたします。
あなたのご自慢の発音が、私から見れば、脱色された味のないものであることなどの問題は、それを確かめて以後に扱うことにいたします。
>文法にこだわりすぎること、音法にこだわりすぎることは、語学にとって得にならない。
この物言いが、あなたが主張したことととことん矛盾することに気付いておられますか?
【8689】
【タイトル】「音を先に行かせる」
【 日時 】04/04/20 11:11
【 発言者 】小川
個々の音をつくり出す事が出来ても、他の音との組合わせによっては出しづらい音が沢山あります。 Tさんとのレッスンでの例をあげれば
"...have them ... " の様に、 v の次ぎにth が来る場合などです。 have と them
がスムースにつながりません。 私の学生時代には、「v は下唇を噛んで、th
は舌を噛んで発音する」と言う程度の指導がまかり通っていましたから、私もTさんと同じ様な経験をしています。 (それから40年近くも経た今でもその程
度の説明しか受けていない生徒は沢山いますが。) あいうえおフォニックスを参照して少し練習し、これをゆっくりていねいに回転読みして行くとすぐにコツ
がつかんでもらえた様です。 あいうえおフォニックスを使って動きの中で音作りをすると、即効と言ってもいいくらいの効果があります。 コーチさせて頂く
事で根石さんの学習法の効果を実感する日々です。
杉井さんは、あるスピーチコンテストに出場され、中級の部で Best Poise
賞をとられました。 その時に、「個々の音については発音が出来るけれども、スピーチの流れの中では個々の発音が崩れてしまっている」と気がつかれた事
が、電話レッスンを受講された理由のひとつだそうです。
私は、電話レッスンを受講する前は講師の為のフォニックス講座などに定期的に参加して、個々の発音自体はずいぶん良くなりましたし、生徒に対する発音指導
も上手くはなりました。 しかし、根石さんのおっしゃった様に、フォニックスだけでは連音の指導が出来ない事に気がつきはじめていました。 それで、高校
生以上の生徒にはナチュラルスピードの音声教材とスクリプトを使って、単語単位ではなく、数語を固まりとして発音させる方法を使いました。 例えば、
「an american は、1語としてanamerican と読みましょう」と説明していました。 この方法が一番良いと信じてやっていました。
電話レッスンを受講する様になり、このやり方は違うな、と感じる様になりました。 今は、回転読みの動きの中で、音作りをする事でこういう連音の問題は解
決すると思っています。 「作った音をこわさない様に大事に大事にしながらゆ〜くりと回転読みし、なめらかに淀みなく言える様になれば、徐々にスピードを
上げて回転読みする」中で、an american は anamerican になって行きます。
少し話がかわりますが、私の記憶が確かであれば、村田先輩は「and など、子音で終わる単語に母音がくっついてしまって ando
となる日本人特有の発音も、回転をはやくしていく中で解決されて行く」とおっしゃってたと言う事ですが、なるほどそうかもしれません。
回転読みは、やればやるほどその奥深さがわかって来ます。
【8690】
【タイトル】「音を先に行かせる」2
【 日時 】04/04/20 11:47
【 発言者 】Naima
昨日の電話レッスンで、根石さんから、「上級者は『愚直』に音を先に行かせる事が難しい」と指摘を受けました。 意味がすぐにわかってしまうので、意味か
ら音をひきずりだそうとするのだそうです。 確かに文脈が頭に入っていて個々の会話をイメ−ジで覚えていて、手がかりのフレーズで他の言葉をでっちあげて
しまう事が良くあります。 上級者はそれでいいのかもしれないが初級者はそうはいかない、と根石さんはおっしゃっていたと思います。 (ゆうべの事なの
に、すこし記憶があいまいになってます)
初級者が英語の意味がわからないままに「音を先に行かせ」回転読みで熟成させる事で、磁場に行った時にすぐに充電出来る「からっぽの電池」をいっぱいつく
るのを手伝うのがコーチの役目なので、自分も初心に戻って愚直にやらなければならないと思いました。 もちろん、自分自身もこの「からっぽの電池」をいっ
ぱい備蓄しないといけないのです。 根石さんは、醤油絞りや砂金採りに英語学習を例えて話しておられましたが、ほんとに使い物になる英語は「ばか臭い」ほ
どの練習量の中からしか生まれて来ないと言う事です。 この事は、根石さんが口を酸っぱくして、何度も何度も繰返し言って来られた事ですが、「わかりまし
た」と言ってる私自身も、骨身に染みて理解していないのです。 頭でわかっているのと、体感しているのとはまったく違います。
「横着してすみません」と言うと、「こんなバカくさい事、精神論にもっていっちゃダメだ。 要は回数を増やしたらいいって事です」とおっしゃってました。
そら、そうですね。 グチャグチャ精神論で自分を責めてる暇があるんだったら、 ざる持って川へ行けって言う事ですね。 砂をこす作業以外に金を採る術
がないんですから。
【8691】
【タイトル】「音を先に行かせる」3
【 日時 】04/04/20 11:53
【 発言者 】Naima
杉井さん、高橋さん、Tさん、
私の電話レッスンは発音の矯正が中心になってしまっていて、回転読み本来の目的を充分にお伝え出来てないのではないか、と少し不安になっています。
【8692】
【タイトル】根石さん
【 日時 】04/04/20 13:01
【 発言者 】小川
>ネイティヴ事大主義の柴田さんも小川さんも考えなくてはいけないと思います。
私がネイティブ事大主義って事ですか? 柴田さんがネイティブ事大主義って事ですか?
それとも柴田さんも私もネイティブ事大主義って事ですか?
この文を読んで、「事大主義」の意味をずっと間違ってたかもしれないと思い、国語辞書をひいてみました。
(1)勢力の強い者に追随して自己保身を図る態度・傾向。朝鮮史では李朝のとった対中国従属政策をいう。 つまりネイティブスピーカーに追随して自己保身
を保つ人間って事ととっていいですか?
(2)全体に対する見通しもなく瑣末(さまつ)なことを誇大に騒ぎ立てる態度。
って事ですか?
【8693】
【タイトル】再び根石さんへ
【 日時 】04/04/20 14:20
【 発言者 】小川
自分への反省文を投稿していて、sbさんへの根石さんの投稿を読んでなかったんですが、その中で聞き捨てならん事が私にもあります。 根石さんに対してあ
ります。 深酔いされている事を差し引いても、聞き捨てなりません。私はまったくのしらふで投稿しております。
>sbさん、ミッフィーさん、小川さんのお三方を除いては、他の生徒さんの発音の質は確実に向上しています。
sbさんの発音が素晴らしい事はRoseyから聞いていますが、自分の耳で確かめたわけではありませんし、自分の耳で確かめたところでそれが「ネイティブ
スピーカーと聞き間違うばかり」のものかどうかの判断などようしませんわ。 発音を評価されたって言っても、審判員の資質にもよりますし。 英検1級や通
訳ガイド試験を合格している人達の中にも、「えっ?」と耳を疑う様な発音の人は沢山います。 ネイティンブスピーカーの審査員もいるわけですから、「何で
やっ、何で合格したんやっ!」と突っ込みを入れたくなる人もいるんです。 んなのに比べたら、根石さんの発音は間違いなく素晴らしいです。 (二次試験は
改定されて、発音やイントネーションも評価の対象となったそうです。 「今頃、何言うとるん。」と思いますが)
発音のよくない1級持ちの人達に共通しているのは、TOEICの点数が
1級にしてはかなり低い事です。 小1時間にもわたるTOEICのリスニングテストは、次から次へと辻切りに会う様なものです。 瞬間に聞き取らなければ
なりません。 文法力に頼ったり文脈に照らし合わせて考えてる暇などありません。 別に点数はどうでもいいんですが、ここが問題です。 発音の善し悪しは
リスニングにひびきます。 根石さんは、回転読みはTOEICに効くかもしれないとおっしゃった事がありますが、即聴即解、即読即解釈(そんな言葉ある
かどうか知りませんが)でなければ、闘えないですから。
話を元に戻します。 聞き捨てならんのは、私の発音が向上しておらん、と言うくだりです。 練習量が圧倒的に足りないと言われれば納得しますが。
1つ1つの発音に関しては向上してないのかもしれません。 発音の仕方もそこそこわかってて連音の処理もまあまあ出来てたみたいですが、電話レッスンを受
講する様になってから、あきらかに読み方が変わってきています。 (Rosey
がしばらく同じクラスにいたので、それを証明してくれるかと思うんですが、最近、こっちへは顔だしてないからな...) 自分自身でも 今までは曖昧にし
ていた母音の発音の違いを意識する様になったと思います。 ネイティブスピーカー講師に読み方や発音の間違いを指摘される事がほとんどなくなっています。
まったくと言っていいくらいです。 それ以前は、必ずと言っていいほど1つのパラグラフに1つや2つの訂正はあったのです。
自分の生徒達に対する音作り指導が格段に向上しています。 「もうやめたろかいな...」と思った時もあった英語講師の仕事に対して自信もつきました。零
細とは言え、塾で教えている講師にとっては何よりの成果です。
ところで、私はネイティブスピーカーのアンカーマンなんかの発音を矯正するなんてな事、やる気ありません。 自分の生徒さんの発音矯正どころか、自分の発
音矯正と矯正した発音の維持だけでもヒーハー言ってるんです。 んな事、当たり前ですやんか!
【8694】
【タイトル】根石様 sb様
【 日時 】04/04/20 15:02
【 発言者 】nishiazabu
根石様
ご回答ありがとうございます。
私は日本の文化や東洋的な思想というものを、深く理解・実践したい
と考え「茶の湯」を学びはじめました。学び始めて、庭園、器、茶室
などの美、掛け軸の書に表れた禅語、人をもてなす心の持ち様、等
まさに総合芸術であると実感するようになりました。
そして不朽の名著「茶の本」。西欧に向かってはっきりものを言って
いるところが、私も、とりわけ好きでした。(本当です)
少しブランクありますが、根石様より習った回転読みを、これを素材に
再開しようと考えております。
sb様
はじめまして、以前根石様より回転読みのレッスンを受けていた
nishiazabuと申します。茶はまだはじめたばかりで、右も左も分からない
小僧です。けれど、何かご質問がありましたら、私自身の勉強にもなりま
すので、どうぞご質問ください。私の師匠に尋ねたりしてお答えできる様
努力します。またカセットテープの件、大変ありがたいお話です。
【8695】
【タイトル】個性的な文字や音声
【 日時 】04/04/20 19:56
【 発言者 】sb
音声は、その人にしか出せないものです。
文字が、その人にしか書けないのと同じ事です。
音声も文字も個性的なのです。ただし。。。
音声も文字も共通の部分がないと人に通じないし、自分が後で確認することもできない。
「確認する」とはメモを読み返したり、録音したものを聞きなおしたりといったことです。
音声の中には確かに共通の部分「音作りが対象としている部分」があります。
文字の中にもあるはずです。きれいな字なんてあるのでしょうか?
同じようにきれいな音なんてあるのでしょうか?
また、きれいな文章というものがあるのでしょうか?
そんなものはあるのかないのか。。。お手本はあります。
それを参考にして学習者は学ぶということがあると思います。
ただ読み手が判断することです。
ただ聞き手が判断することです。
そして、自分自身がメモを読みなおしたり、カセットを聞きなおしたりする時に
「ちゃんと読める聞ける」ということがあるだけです。
また、他人に通じるか通じないかということがあるだけだということです。
このことは解剖学をされていた養老孟子(ようろうたけし)さんから学んだことです。
【8698】
【タイトル】あなたについて
【 日時 】04/04/20 20:12
【 発言者 】sb
>はっきりとお答えください。自分を含めて「英語を教えている人」ということであるならあなたの言い分も納得ができますが。
最初から「あなた」が指すものは「英語を学ぶ全ての人」という意味で書きました。
【8699】
【タイトル】高校生の英語
【 日時 】04/04/20 23:26
【 発言者 】小川
2コマ3時間のレッスンをこなして帰宅した所です。
高校2〜3年の生徒4人を受け持っていますが、その内人が英語科、1人が国際科、2人が普通科です。
新学年なので皆教材を携えてやって来ました。 フォレストやネクステージなどの分厚い文法書が1冊、文法と構文問題集が2册、教科書、教科書準拠の問題
集、読み物が1冊、プリント教材、データベース5500や速読英単語などの単語本が1册、国際科の生徒はこれに加えてライテイングのテキスト、英語科の生
徒は英会話とリスニングのテキストがあります。 リスニングテキストは、何と、NHKの"Let's
Speak!" でした。 毎日ラジオを聴いて来るのが宿題。 小テストでダイアローグのディクテーションがあるそうです。とても大変です。 どれもこれ
も中途半端に終わる様な気がします。 実際、今までも中途半端にしか勉強出来ていません。
単語の覚え方も教えてもらっておらず、ただ「来週までにここからここまでを覚えてくる事。 小テストでチェックします。」と言われて本を与えられているだ
けです。 問題集も宿題として出され、小テストでチェックされます。 長文読解のプリントもありますが、これは生徒がセンテンス毎に音読して和訳したもの
を、先生が訂正や補足すると言う方法だそうです。 せっかく1人1人の生徒に発音指導する機会があるのに、それはやらず、先生が模範朗読して聞かせるだけ
らしいです。 長文読解のコツなども教えてもらっていない様で、ただ逐語訳するに留まっています。 生徒の理解度はやはり小テストなどでチェック。 英検
準2級や2級を取得していると大学入試に有利だとの事で、「6月実施の英検を受験する様に」と指示されてもいる様です。 生徒は右往左往するばかりです。
極端な事を言えば、先生達はテストの採点をするだけで、なんだか生徒は放し飼い状態の様な気がします。
根石さんから、回転読みについてのホームページを立ち上げる様に薦められていながら、どういう風に回転読みを紹介したらいのか迷っていて、なかなか仕事が
はかどりませんでしたが、この高校生の英語授業の流れを変える事を訴えてみる事から始めようか、と思ったりしています。
【8700】
【タイトル】naima様 自信を持って教えて
【 日時 】04/04/21 2:01
【 発言者 】T <0150419501@jcom.home.ne.jp>
残業で帰宅したところです。寝てしまえば良いのに、覗いてしまいました。
小川さんのレッスンは昨夜で3回目。その前の根石さんのお試し4回で、2つテーマがありました。
@文全体でまるごと音を大づかみにつかむ(特に私はイントネーション)
A教材の効用を理解する。既習の文は手放さ(せ)ず、レッスンと練習で完成度が高くなる。
本格的に回転読みはできておりませんが、意図されている本質に近いところは理解できてきたと思います。小川さんのレッスンも当初進め方が違いとまどいまし
たが、基本は同じであると理解してます。
小川さんの発音のレッスンは、あんなにゆっくり、分解して発声されて、再現されて、詳しく解説されて、私の発音を矯正していただき、感動すら覚えていま
す。私のような英語負け組は特に発音には自信がありません。しかし、教えていただくことによって不安はなくなり、練習も楽しく張り合いがでます。(その割
に仕事にかまけてやってませんが...。)前回少し誉められた「Here it
is」。今まで、CDを聞いてヒアリティーズと聞こえ音読していた音と、それぞれの音と文全体での強弱を教えて頂き、矯正され、繰り返し読み、R音が自然
と次のI音とで「リ」に変化したヒアリティーズは、きっと全く違う音だと思います。何より本人の自信も違います。
とにかく、自信を持って教えていただかないと困ります。
レッスン受講する私の根気がいつまで続くかは、わかりませんが今のところ月曜日が待ち遠しくなってきているのですから...。
睡眠時間があと3時間半になってしまうので。寝ます。
【8701】
【タイトル】ひどすぎる。
【 日時 】04/04/21 10:37
【 発言者 】Jackie
Naimaさん
>新学年なので皆教材を携えてやって来ました。 フォレストやネクステージなどの分厚い文法書が1冊、文法と構文問題集が2册、教科書、教科書準拠の問題
集、読み物が1冊、プリント教材、データベース5500や速読英単語などの単語本が1册、国際科の生徒はこれに加えてライテイングのテキスト、英語科の生
徒は英会話とリスニングのテキストがあります。 リスニングテキストは、何と、NHKの"Let's
Speak!" でした。 毎日ラジオを聴いて来るのが宿題。 小テストでダイアローグのディクテーションがあるそうです。とても大変です。 どれもこれ
も中途半端に終わる様な気がします。 実際、今までも中途半端にしか勉強出来ていません。
めちゃめちゃな量ですね。 英語、ライティング リスニング&英会話。
どれについても宿題がでる。手をひろげすぎ。あぶはちとらず。
もう教科書ひとつでええ。そのひとつで 音作り、音読、リスニング、文法、読解、会話。
それでもたりなければディベートまですればいい。
高校生は英語以外の教科も勉強もしなくてはならないのですから
もうちょっと効率を考えてあげてほしいですね。
>単語の覚え方も教えてもらっておらず、ただ「来週までにここからここまでを覚えてくる事。 小テストでチェックします。」と言われて本を与えられている
だけです。 問題集も宿題として出され、小テストでチェックされます。 長文読解のプリントもありますが、これは生徒がセンテンス毎に音読して和訳したも
のを、先生が訂正や補足すると言う方法だそうです。
先生の仕事はチェックと訂正ですかね?
これじゃあ 言葉の授業なのに「口」を動かすことがありませんね。
辞書の使い方をしっかり教えてほしいですね。
【8702】
【タイトル】学校と塾
【 日時 】04/04/21 12:55
【 発言者 】小川
Jackie さん、
おひさしぶりです。
平均すると7〜8種類にもおよぶ教材です。 テキストを教える先生、文法を教える先生、”コミュニカティヴ イングリッシュ”を教える先生、とALT
の4人の先生で担当する学校もあり、普通科の生徒でも英語の先生は3人いるとの事でした。 先生方同志の横の連携はうまく行ってるんだろうか、といぶかし
く思う事もあります。 他の科目の先生達との調整は難しいでしょうが、せめて英語の先生同志の連携がないと、各々の教材を相互関連させて相乗効果を狙う事
も出来ないでしょうし、そんな高尚な教授法を云々する以前に、時間的にこれらを全部生徒に押し付けるのは無理だと言う事がわかるでしょう。 わかってはい
るけどやらせているのであれば、何をか言わんや、ですわ。 あぶはちとらず、とおっしゃいましたが、その通りだろうと思います。 なにもかも消化不良に
なってしまってます。 英語が好きで成績も良く、英語を使う仕事につきたいと思っている生徒達でさえ、「やってられへんわ〜」と嘆くくらいの量です。
テニス部に入っている子もいるのですが、好きなテニスをやっていたら疲れ果てて自宅で宿題をやってられないそうで、ほとんどペーパー部員状態だそうです。
これに他の教科の宿題もテストもありますから、本当に大変です。
前にも投稿したのですが、フォレストやネクステージなどの分厚い文法教材はノートに整理する宿題が主になっています。 宿題分の所が毎週の小テストの問題
として出されます。 授業で文法解説などはされているのだと思いますが、それでもこの文法教材を実践に生かす方法が全く教えられていません。 生徒達は黙
々と教材をノートに美しくレイアウトしながら書き写すだけで時間を食いつぶしてしまっています。 小テストを何とかやり過ごしたら、数日も経たない内に丸
覚えした事は頭から抜け出してしまっています。
NHKのラジオ講座のテキストを利用するなど、私には先生が怠慢だとしか思えません。 "Let's
Speak!"では音読やリピーティングを奨励している様ですが、先生がその方法を教えたりするわけでも、教室で音読させるわけでもありません。 ただ
「ラジオを聴いて自分で練習して来たら、先生が覚えているかどうか小テストでチェックしてあげます」と言うだけです。 生徒に余計な負担を押し付けている
だけの事です。 この学校の英語科は関西ではかなりの名門なのです。 その名門校にして、こういう状態ですから。
先生達の中には塾を目の敵にしている方も沢山います。実際、「塾があるからやりにくい」と言うような事を言う先生や、「塾は学校の授業の敵ですよ」とあか
らさまに言う先生達にも会いました。 しかし、正規の(?)英会話レッスンの後に「補習」として学校が教え切れていない部分の面倒を見てやっている塾は沢
山あります。 個人経営の教室には無料で補習している所が多いのです。
現在、友人の留守中、彼女の教室で臨時に教えているのですが、「学校の勉強も見てやって欲しい」と言う父兄や生徒の要望には応えない、と彼女は心に決めて
いるそうです。 「学校の事は学校で責任もって面倒みてもらって欲しい。」と言うのが彼女の言い分です。 私はそれが本来の姿だと思っています。
息子は私立高校に通いました。 この学校は、宿題や試験勉強をしたい生徒の為に放課後夜の8時まで教室を生徒に解放して、教務室に行けば3〜4人の先生方
がいつもおられて、質問や相談に応じて下さっていましたので、塾に通う必要はありませんでした。 私立だからこそ出来る事とはいえ、与えた教材を消化しき
れない生徒の為に、それくらいの事は責任を持ってフォローして欲しいと思います。 残業出来ないと言うのであれば、生徒達も先生達も十二分に使いこなせる
だけの教材を与え、それでは物足りないと言う生徒を塾に送り出せば良いのです。
英語塾の講師はどうしても下に見られがちで相手にされませんが、ミッフィーさんやあすみさん達の様な英語指導の道理もわきまえておられ英語力もある現役の
先生達がどんどん増えて結集されたら、いつかは英語教育を動かす力になるだろうと思います。
【8703】
【タイトル】Tさん
【 日時 】04/04/21 13:03
【 発言者 】Naima
励ましのお言葉ありがとうございます。
ご自宅での練習時間がなかなか取れないと言う御事情、お察ししています。 根石さんは「熟成」と言う言葉をつかわれていますが、なるべく時間をみつけて回
転読みなさって「熟成」させて下さい。 私もコーチ法について勉強しなければならない事がまだまだ沢山あります。 お違いに頑張りましょうね。
【8704】
【タイトル】勉強法
【 日時 】04/04/21 13:34
【 発言者 】小川
「教材はこれだけ揃えてあるから、勉強法は自分で工夫しなさい」って言うのは理不尽な気がします。 まず先生は生徒に勉強法を教えてあげないと。
【8705】
【タイトル】ちょっとかっこいい、からなのか?
【 日時 】04/04/21 16:25
【 発言者 】Naima
Jackie さん,
>もう教科書ひとつでええ。そのひとつで 音作り、音読、リスニング、文法、読解、会話。それでもたりなければディベートまですればいい。
先生達自身が、英語教材の使い方を御存じないのかも... と疑いたくもなります。
読み物などは、皆一律のものがあたえられていますが、先生手作りのものではなく、巻末についている読解力チェックの問題をそのまま使ってるんですよ。 別
に先生が手作りする必要はないと思いますが、それならば沢山あるレベル別読み物の中から生徒に選ばせてやればいいんです。 余力のある子や本の虫の子達に
は1冊と言わず何冊でも読んでいい事にしたらいいんです。 先生がチェックするのが大変だとは思いますが、先生達なら数時間で読める様な薄っぺらな読み物
ですし、選択範囲も数十冊に及ぶ、なんてな事もないんですから、やるんだったら徹底的にやる、おざなりにしかやれないんだったらメインのテキストの指導を
充実させる方がいいと思います。
英語科の生徒のライティングテキストは章毎に、自分でエッセイを書く様になっています。 14チャプターありますから、まともにやれば毎月確実にエッセイ
の添削をしなければならない事になります。 「出来るのか?」 と思います。 生徒も先生もです。 このテキストはロングマンのもので、英語を母国語とす
る高校生のライティングテキストの様です。 先生達、ええかっこしすぎではないでしょうか。
何十人もの生徒をかかえていると言う状況をよく考えて、もっとも効率的で効果的でシンプルな授業をやればいいと思います。
【8707】
【タイトル】流れは変わらないが、一人ひとりのちょっとした勇気が集まれば一度に変わるのではないでしょうか。
【 日時 】04/04/22 21:04
【 発言者 】sb
>根石さんから、回転読みについてのホームページを立ち上げる様に薦められていながら、どういう風に回転読みを紹介したらいのか迷っていて、なかなか仕事
がはかどりませんでしたが、この高校生の英語授業の流れを変える事を訴えてみる事から始めようか、と思ったりしています。
ぜひ立ち寄りたいです。楽しみにしています。根石さんのお陰で小川さんと出会えた。感謝です。
【8708】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/04/22 23:44
【 発言者 】小川
いろいろ言いたい放題を言うてますが、気心の知れた仲での事と言う事でお許し下さい。
本当は2月に立ち上げる約束をしていたのですが。 根石さんの語学論をどんな風に紹介するか、とずっと考え倦ねていましたが、自分の身近な疑問点や問題点
を手がかりにして素読舎を紹介する方がいいんだと、やっと気がつきました。 私は自分の担当している高校生達の英語勉強をなんとかしてやりたい、と思う気
持ちが一番強いので、その事にからめてならいくらでも書けそうな気がしました。 根石さんも、私自身の言葉で私なりの書き方でいいとおっしゃって下さって
いるので、頑張ってみます。
【8709】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/04/23 0:11
【 発言者 】sb
小川さんのHPの立ち上げをひそかに楽しみにしているひとりです。
できることからすこしずつやっていかれればいずれは日本を代表する回転読みのHPに成長すると思います。抽象論的な話ももちろん大切だとは思いますが、や
はり語学は生徒をもっての実践経験を具体的に語るのが一番インパクトも強いし、現場の英語の教員にも刺激になると思います。たださらに希望をいうなら先ほ
ども書きましたが、そのちょっとした勇気を持つ人が一人ひとり増えることで、その人数が一定数になったとき「量」ではなく「質」が変化するということがあ
るだけだというkとをベルグソンの哲学書で読みました。以前確か作られたもとのものもあることですし得意分野もあることでしょうし、お知り合いの協力など
も得ながらかっこええHPを期待しております。
【8710】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/04/24 0:54
【 発言者 】あすみ
お久しぶりです。4月1日に新年度が始まって以来、毎日毎日訳の分からない内に一日が終わってしまうような日々が続いて、ご無沙汰しておりました。土曜日
(公立は休み)も普通どおり出勤してもなお仕事が終わりません。何故?
言い訳になりますが、「1000」の件、もう少し詳しいコメントをお送りしたいんですが、手をつけられない状態です。ごめんなさい。それでも合間をぬっ
て、掲示板だけは読ませていただいてます。
小川さんの教えてらっしゃる高校生の生徒さん、本当に気の毒ですね。同業者ながらなんとかならないのかなって思います。それに、そういった教材も全て生徒
からお金を取って買わせているわけだから。買わせて終わり、じゃもったいないし、無責任かなって。
せめて、そんな無意味な宿題(参考書をノートに書き写すだけ)をしなくても罰せられなければいいと思います。やってもやらなくても同じなら、やらない方が
ましだけど、それによって先生から怒られたり、成績を下げられたりすると困りますものね。特に推薦入試とか受けようと思っていたら、なおさら・・・・(な
んか、いい人ぶっているように聞こえますが、本心です。もしかしていい人ぶろうとしているのかな?うーん、でもやっぱり、その生徒さんたちはかわいそうだ
と思う。)
話は変わって、3月の中ごろ、ある生徒が個人的に英語を教えてくれって言いに来たので、じゃあ、私がやっている勉強方をあなたもやってみる?ということ
で、彼女を実験台(?)に小川さんにレッスンしていただいた要領でレッスンを始めました。私に余裕がなくて、これまで、3回程度しか見てやれてないんです
が、昨日その子に、レッスン初めて何か変わった?と聞くと、LとRの発音を気をつけてやっていたら、洋楽を聞いたりしたとき、LとRの音の違いがはっきり
わかるようになった、といっていました。個々の発音は大体できるようになったので次の課題は音の連結処理です。自分で試したところ、小川さんに教えていた
だいた方法がとても効ききます。回転読みの効果を実感しています。後は、それを生徒に上手に伝えられるようにがんばります。なかなかクラス全員の生徒に満
遍なく伝えることが未熟な私にはできないのが悩みの種です。やろうと思うと生徒からびしびしと負のオーラを感じてしまうんですよね・・・・やっぱり人前で
発音を直されるのにすごい抵抗感を感じるみたいで。1対1だとそうでもないんですけどね。誰か希望者いない?っていっても「しーん」となって、気まずい雰
囲気に。私ひとりが気合をいれてると生徒はますます引いていっている状態です。なので、とりあえずは全体→個人→ペアと練習しています。
ですから、小川さんが、高校生のための回転読みHPを立ち上げようかって、書いてあって本当に待ちどうしく思います。私の担当の生徒たちにもぜひ教えてあ
げたい。
【8711】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/04/24 1:20
【 発言者 】根石吉久
まずはあなたが書いたものを再度転写いたします。
>700選の功罪とあなたの発音の功罪は同じかもしれない! 投稿者:sb 投稿日: 4月19日(月)21時17分28秒
>700選やDUOをつくった人は英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
>音声をコーチングすることは英語学習者に貢献していると同じにその罪も大きい。
「あなたの発音の功罪」を問題にするタイトルを書いたくせに、なぜその直後に「音声をコーチングすること」の功罪を云々する文が書かれたのでしょうか。
「発音の功罪」と「コーチングの功罪」とはまるで別のことです。その別の二つのことを一身に備えているのは、根石吉久以外には思い当たらないので、あなた
が私の発音につべこべ言いたいのかと私は考えました。
ところが、あなたは「あなた」という語が根石吉久をさすのではなく、「英語を学ぶ全ての人」をさすのだと答えられました。
私にはあなたが何を言いたいのかまるでわかりません。別の問題で、以前にいくこがあなたの言っていることがわからないと書いたことがありますが、日本語
で書いた自分の文章が他人から何を言っているかわからないと言われることがどれほど重大な事態であるか、あなたはわからないのでしょうか。
私の発音があなたより下手であるので、その程度の者がコーチングなんかしているのがちゃんちゃらおかしいと言いたいのではないのですか。あなたは「あな
たの発音の功罪」と書いたのです。
「あなたの発音の功罪」の「あなた」が、あなたが言うとおり、「英語を学ぶ全ての人」という意味であるのなら、あなたが言いたいことは以下のように書き
換え可能になります。
「700選の功罪と英語を学ぶ全ての人の発音の功罪は同じかもしれない!」
いったいどういう意味ですか。教えて下さい。まったくわかりません。
タイトルの直後に、音声のコーチングの功罪を書いていますが、なぜでしょうか。音声のコーチングにどんな功罪があるのか是非教えて下さい。
【8712】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/04/24 1:44
【 発言者 】根石吉久
>日本語で考えみましょう。赤ん坊が「ぽっき−」ということばを覚えるとします。最初は「ぽっきー=楽しい」次に「ぽっき−=食べ物」さらに「ぽっきー=
お菓子」「ぽっきー=棒状のお菓子」「ぽっきー=チョコのついた棒状のお菓子」というように「その子供のなかで」「意味」が「進化」していきます。
この文のどこかに、「例えば」とか「一例として」というような語句が必要です。
こんな順番で、意味が進化していくなどとはとうてい信じられません。認識は細分化に向かうとは限らない。生活過程においては、個別の経験を重ねることで
「ぽっきー」は抽象化されていきます。最後の最後に認識が「ぽっきー」という語の音のおもしろさに至るなどということは十分にあることです。最初は「もう
一本くれえ」だけかもしれない。
子供が「ぽっきー」を覚えた時、音の面白さだけで覚えて、商品を知らないし食べたこともないなら、「ポッキー=特に面白い(好きな)コマーシャル」かも
しれない。食べたことがあるなら、いきなり「隣のTちゃんと食べたおいしいもの」かもしれない。「隣のTちゃんと食べたおいしいもの」に巻き付いているの
が、チョコレートだと知るには、別にまた「チョコレート」についての意味の「進化」が必要です。
いずれにせよ、ネイティヴ言語の意味の「進化」は順番はぐっちゃぐちゃだと思います。
ネイティヴ言語はそれでいいのです。私は英語フリークを除いては、語学はそれでは駄目だろうと言っているのです。
【8714】
【タイトル】少し下手なくらいにとどめよ(1)
【 日時 】04/04/24 11:59
【 発言者 】根石吉久
私は「音づくり」のコーチを育てたいと願っている。英語教育という分野において、「音づくり」というものは絶対に必要なのであり、その必要度から見れ
ば、これほど払底しているものは他にはない。しかし、「音づくり」のコーチをやってみたいと希望する人はほとんどいない。これは、英語教育の世界の住人に
は、何が本当に必要なのかを考えている人などほとんどいないのだということを意味するのではあるまいか。
先日、ミッフィーさんと「コーラスリーディング」のことを少し話した。ミッフィーさんが、「コーラスリーディング」じゃ駄目なんじゃないかと考え始めて
いるということだったと思う。駄目だと思いますと私は答えた。「コーラスリーディング」というのは、先生が模範の読みで読み、教室の生徒が全員で同時に同
じ文を読むということをやるのだろうと思うが、このやり方は、先生が模範の読みを示せば生徒はそれを真似ることが可能だという仮説を前提にしている。日本
人が日本語の音読をやる場合なら、日常の言語(無意識化されている言語)と音読の練習の言語とで、音の組成が同じなので、単に「 repeat
after me 」とだけ指示していても、練習は十分に成り立つ。「 how to repeat after me
」を扱わなくても、日本人が日本語の音読をやるのであれば問題はない。
日本人が日本で日本語を日常の言語(無意識化されている言語)としながら、英語を練習する場面では、「先生が模範の読みを示せば生徒はそれを真似ること
が可能だ」という仮説はまったく成り立たない。とりわけ難しい理由があるわけではない。英語が外国語であって、音の組成(成り立ち)がまったく違うという
理由が一つあるだけだ。
「音づくり」のコーチなどと言うと、コーチをやるには、よっぽど上等な発音ができるのでなければならないように思ってしまう人が多いのだろうとも思う。
これはネイティヴ話者信仰やらネイティヴ話者コンプレックスやらアメリカ発の戦後民主主義のソフトな睥睨やらとからんだ英語教育者たちの「ひそかな思い」
なのだ。この「ひそかな思い」が作っている分厚い壁を前にして、私はただため息をつくばかりなのだが、それでも風穴のひとつくらいはあけられないものかと
思い、「電話でレッスン」をやっている。
この「ひそかな思い」は巨大な集団的思いこみを形成する。あるいは、職員室で英語の教員どうしが、お互いの発音の問題には触れないというタブーを形成す
る。
柴田さんと私はこの点で激しく対立するだろうが、コーチをやるのに「よっぽど上等な発音」などというものは必要ないと私は考えている。私が提示している
十程度の発音のポイントがクリアでき、できたらそれに追加される予定のさらに十程度のポイントがクリアできればそれでコーチはできる。しかし、「クリア」
できたらというときの「クリア」の中身が問題であって、個人の(コーチ一人の)英語の発音としたら、十から二十程度のポイントとなるものを自分で発音で
き、それを踏み外さなければそれでいいが、生徒の発音を「変える」には、これらのポイントとなるものを「どう扱うか」が問題である。
柴田さんは、日本の英語の教室で英語の先生をやっている人たちの発音がよくなれば、必ず生徒の発音はよくなると言われたことがあるが、これは思いこみに
過ぎない。発音上の問題点を限定し、それを「どう扱う」かが普及しないなら、上等な先生の発音というものは、「教室のお飾り」に過ぎない。柴田さんは、
「先生、あなた一人が発音が上手でどうする? 生徒の発音を変えてやれよ」という意味の批判をされたこともあるが、こっちの批判がまともなのであって、先
生の発音が上手になれば自動的に生徒の発音が上手になるなどという自動過程は絶対に成立しないのである。
とびぬけて優れている柴田さんの教室をではなく、日本全国津々浦々にあるあまたの英語の授業というものを眺めるのであれば、ひとまずはポイントは十くら
いにしておくのがいいだろうと私は考えている。これらのあまたの英語の授業は、柴田さんのように選り抜きのエリートを相手にしているのではないという問題
もある。最初にフォニックスなんかやれば余計混迷が深まるというような場所にいる先生と生徒たちなのである。
【8715】
【タイトル】少し下手なくらいにとどめよ(2)
【 日時 】04/04/24 12:00
【 発言者 】根石吉久
AETがらみの悲喜劇を聞くようになったので、「電話でレッスン」の生徒である高校生に「あんたの高校に発音に問題のある先生はいるか?」と聞いたら、
「A先生はこのレッスンを受けた方がいいと思う」と言った。電話番号はわかるかと聞いたらわかるというので、教えてもらいその先生の家に電話した。一週間
考えさせてほしいと言われ、一週間後、「レッスンを受けさせてください」とのお返事があった。
レッスン開始の直後は、日本語の音の干渉が非常に強い状態(カタカナ発音)をそのまま放置しておいた音だということがすぐにわかったが、他の生徒に対し
てやっているのと同じ「音づくり」をやっているうちに、ポイント数で十程度のそれぞれの音の輪郭が次第にはっきりしてきた。レッスンを始めて一年ほどの間
は、わずか十程度のポイントであっても、よくそれを踏み外すことがあったが、二年ほど経過したら、ほとんど発音のことは私から言わなくてもいいくらいに
なった。この方は、TOEIC用の本で練習もされていて、複製音声教材(CD)を多用されており、途中でどもりが発生した。TOEIC用のCDのスピード
にいきなり自分を合わせようとしないで、「回転読み」で「ゆっくりとていねいに」音を作って音を安定させてから、TOEIC用のCDを媒介にするようにと
指示した。また、音に意味がともなわない場合は、「わざとゆっくり」と読み、音に意味を呼び込むようにとも指示した。この指示によってどもりは直った。そ
のような危機はあったが、現在では、この先生の発音は私を越えている。CDを多用される人は、2年ほど「電話でレッスン」をやれば、すぐに私の発音レベル
など越えるのである。
私はあまりCDなどを多用しない。自分の作ったわずか10〜20程度のポイントをひたすら守っているだけである。だから認識の浅いsbさんなどに、「功
罪」などと言われてしまうが、根石吉久という御仁は、この程度でも「音づくり」のレッスンはできるという場合の「この程度」を守っているのである。そんな
ところで敷居を高くしたら、いったい何人が「音づくり」のコーチなどやれるというのか。現在早急に必要なのは、「この程度」のコーチなのだ。それが、全国
の津々浦々の英語の授業にすぐにでも必要なのだ。
では、「この程度」とは実質的にどの程度のことなのか。それは言葉で明確に言うことができる。
生徒がCDなどの複製音声を媒介にできるまでにしてやれる程度。
模範を示せば生徒はそれを真似できるなどというのは、方法ではなく信仰に過ぎない。英語の教師が方法を持たないせいで、日本全国でどれほどの枚数のCD
教材が無駄になっているか計り知れない。
私は「生徒がCDなどの複製音声を媒介にできるまでにしてやれる程度」の「程度」は備えている。その程度にも達していない英検一級の人やガイド資格保持
者などと較べてもらう必要もない。またsbさんのように、自分の発音がご自慢になるような英語音への「一元化」などやる気は毛頭ない。生徒がCD音を媒介
にして、CDを無駄にしないで使えるようにできれば、コーチとしては本望なのだ。
それでいいではないか。コーチとはそういうものだ。自分の発音なんか自慢にしていてどうするというのか。そんな自慢なんかしている者を頓珍漢と言うので
はないのか。あるいはそれはただの英語フリークに過ぎないのではないか。
柴田さんにせよ、小川さんにせよ、sbさんにせよ、「ネイティヴ音への一元化」から抜け出ているとは私には見えない。柴田さんは、英語のプロになるので
もない生徒を相手に「完璧な音」をめざせと言われたし、小川さんは、生徒の音はじきに私(根石吉久)の音よりよくなるという私の言葉に、「悲しいことです
ね」と言われた。本当にそれは悲しくなんかない。認識としてそれはまったくうらはらである。sbさんは、個人の発音(自分の発音)にばかり興味があって、
生徒の発音を実際に変えることに手を着けておられない。それでは、個人の発音などというものは、「教室のお飾り」に過ぎないではないかとすでに私は批判し
たが、この点に関しては何の返答もいただけない。これらの事例の元にあるのは、「ネイティヴ音への一元化」という信仰なのである。
これに対して、私の「生徒がCDなどの複製音声を媒介にできるまでにしてやれる程度」という「程度」は、真っ向から対立すると考えている。
必要なのは、「一元化」などではない。「媒介」するという語学の態度を生徒の中に作ることである。
語学という行為は、「一元化」ではない。「媒介」である。この認識があやふやだと、英語亡者を増やすだけだ。
【8716】
【タイトル】根石さんの存在を肯定し尊敬することと、がちがちの語学論を戦わせることは別
【 日時 】04/04/24 22:12
【 発言者 】sb
>「700選の功罪と英語を学ぶ全ての人の発音の功罪は同じかもしれない!」
この言い方が間違っていることに気がつきました。
「700選など誰かが作った例文集の功罪と英語音声CDや生の声全ての功罪は同じだ」
ということです。
媒介CDも根石さんも小川さんも柴田さんも私もネイティブも、
「その時との瞬間にしか出せない音声を発しているという点で迷惑をかけている存在だということです。」
少しずつ書いていきます。
【8717】
【タイトル】ポイントの数などは学習者の決めること(ただし優先順位をしめすことは大切)
【 日時 】04/04/24 22:20
【 発言者 】sb
文法にせよ、音法にせよ、少しでも知っているだけでなく実際に使いこなせる方がいいに決まっている。
それを絞ることが大切だという点で根石さんの意見はすばらしい。
>私はあまりCDなどを多用しない。自分の作ったわずか10〜20程度のポイントをひたすら守っているだけである。
CDであろうが、生の音声であろうが、違いを意識して学ぶのは学習者本人のすることだと言う点がひっかかる。ただしコーチの存在はたいへん意義深いと根石
さんのお陰で認識した。
【8718】
【タイトル】酔わないで
【 日時 】04/04/24 22:32
【 発言者 】sb
「ネイティヴ音への一元化への反対、つまり多様性」にはsbはもとよりこの掲示板をご覧の方々はすでに納得されていることだと思う。
>日本人が日本で日本語を日常の言語(無意識化されている言語)としながら、英語を練習する場面では、「先生が模範の読みを示せば生徒はそれを真似ること
が可能だ」という仮説はまったく成り立たない。とりわけ難しい理由があるわけではない。英語が外国語であって、音の組成(成り立ち)がまったく違うという
理由が一つあるだけだ。
外国語を真似ることが可能という仮設は「まったく」成り立たないわけではないが、成り立たない人が多いということを意識しておくことが非常に大切だと思
う。言語学習は人によって学習プロセスが違う。一人ひとりのやり方全てがある。ただしある程度の法則がある。根石さんはきっとその法則を示されているもの
と信じている。ただし完全にではない。あまたある学習方法が書かれている。その人にとっての学習方法だという点を意識しておく必要がある。
【8719】
【タイトル】おやすみなさい。
【 日時 】04/04/24 22:36
【 発言者 】sb
>コーチをやるのに「よっぽど上等な発音」などというものは必要ないと私は考えている。
そのとおりだと思います。また言語についてすべてを知っている人なんていません。またそんな必要もないし、そんな人はいません。根石さんは「音づくりのポ
イント」もきちんと押さえ、「内容についてのポイント」もきちんと押さえ、「語学論のポイント」もきちんと押さえておられるからこそ私も含め生徒さんがつ
いてこられているのではないでしょうか。
【8720】
【タイトル】もひとつだけ、すみません。
【 日時 】04/04/24 22:41
【 発言者 】sb
>>(sb)日本語で考えみましょう。赤ん坊が「ぽっき−」ということばを覚えるとします。最初は「ぽっきー=楽しい」次に「ぽっき−=食べ物」さらに
「ぽっきー=お菓子」「ぽっきー=棒状のお菓子」「ぽっきー=チョコのついた棒状のお菓子」というように「その子供のなかで」「意味」が「進化」していき
ます。
この文のどこかに、「例えば」とか「一例として」というような語句が必要です。
(根石さん)こんな順番で、意味が進化していくなどとはとうてい信じられません。認識は細分化に向かうとは限らない。生活過程においては、個別の経験を
重ねることで「ぽっきー」は抽象化されていきます。最後の最後に認識が「ぽっきー」という語の音のおもしろさに至るなどということは十分にあることです。
最初は「もう一本くれえ」だけかもしれない。
子供が「ぽっきー」を覚えた時、音の面白さだけで覚えて、商品を知らないし食べたこともないなら、「ポッキー=特に面白い(好きな)コマーシャル」かも
しれない。食べたことがあるなら、いきなり「隣のTちゃんと食べたおいしいもの」かもしれない。「隣のTちゃんと食べたおいしいもの」に巻き付いているの
が、チョコレートだと知るには、別にまた「チョコレート」についての意味の「進化」が必要です。
いずれにせよ、ネイティヴ言語の意味の「進化」は順番はぐっちゃぐちゃだと思います。
ネイティヴ言語はそれでいいのです。私は英語フリークを除いては、語学はそれでは駄目だろうと言っているのです。
(sb)この点は全く異論なしです。ネイティブ言語と語学の言語について改めて考えさせられました。
ありがとうございます。
【8721】
【タイトル】根石さん
【 日時 】04/04/24 23:55
【 発言者 】小川
>小川さんは、生徒の音はじきに私(根石吉久)の音よりよくなるという私の言葉に、「悲しいことですね」と言われた。本当にそれは悲しくなんかない。認識
としてそれはまったくうらはらである。
「なんか悲し」と言う言い方だったと覚えています。 冗談半分に軽口を叩いたと言っても、何の言い訳にも説明にならないんですが、私は根石さんの「悲しい
事なんかない、 かえって喜ばしい事だと思ってる」とのお言葉に敬服しています。 だから、その後に「青藍の誉」だと書いたのです。 ギャルでもあるまい
し、ギャル言葉を使った私がいけなかったと思います。 以後、気をつけます。
私は生徒さんに、根石さんの音作りの意図をかならずお伝えする様にしています。 ネイティブスピーカーなみの発音などを礼讃しているわけではありません。
自分自身もそこを目指しているわけではありません。 発音が良いとお誉め頂いたのは有難いのですが、私のも所詮は日本人の音であるとの自覚があります。
日本人の耳にネイティブスピーカーの音の様に聞こえるって事だけでしょう。
【8722】
【タイトル】いいすぎました。
【 日時 】04/04/25 0:00
【 発言者 】Naima
>ネイティブスピーカーの音の様に聞こえるって事だけでしょう。
→「いい発音だと聞こえるだけでしょう」に訂正します。
【8723】
【タイトル】よっぽどいい発音
【 日時 】04/04/25 0:29
【 発言者 】Naima
失礼ながら、柴田さんの発音だって、ネイティブスピーカー並みにすごいのかどうか、そんなもんネイティブスピーカーにしかわからへんのと違いますか。 ネ
イティブスピーカーと英語で話す時、向こうさんは「よっぽどいい発音」なんかどうでもいい、rice が lice や dice
に聞こえず、「米」の事だと理解されればそれでええんやないか、と思います。
私の通っているTIME購読クラスで、ネイティブスピーカー講師が生徒の発音を訂正する場合にも、ネイティブスピ−カ−並みの発音にまで持って行こうとし
てるわけではありません。 よっぽどいい発音なんかでなくても良しとしています。 根石さんがいつもおっしゃってる様に、「ネイティブの耳に英語として聞
こえる音、もしくは、聞きづらくない音」程度でOKを出しています。
これも根石さんがおっしゃっている事と同じですが、余力があって、よっぽどいい発音を目指したいんなら勝手にやればいい。 勝手にやっている人を責める事
もないし誉める事もないです。「それが趣味やねんやろ? 勝手にやったらええやん、誰も止めへんがな。 そやけど人に押し付けんといてや」と言うだけで
す。
私が「事大主義者」「一元主義者」だったなどとは思いもよりませんでしたが、自分は無自覚であったとしても言葉の端々にそういう臭いがするのであれば、そ
ういう所があるのでしょう。 そんな事、絶対に認めとうはないですけどね。
連休中に1週間ほど1人で旅行しますので、その間に自分をよく突き詰めてみたいと思います。
【8724】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/04/25 0:37
【 発言者 】Naima
言うてもええかな... ええい、言うてまえ!
根石さんが、電話レッスンの時に「あすみさんやミッフィーさんの様な先生は、本当に大事にしないといけない」とおっしゃってました。
【8728】
【タイトル】無題
【 日時 】04/04/25 22:37
【 発言者 】sb
>失礼ながら、柴田さんの発音だって、ネイティブスピーカー並みにすごいのかどうか、そんなもんネイティブスピーカーにしかわからへんのと違いますか。
音づくりが一通り分かるだけでなく自分で出来るようになった時、非ネイティブ、ネイティブに関わらず分かるということではないでしょうか。それが根石さん
や小川さんや柴田さんのレッスンなのだと私は理解しています。
>ネイティブスピーカーと英語で話す時、向こうさんは「よっぽどいい発音」なんかどうでもいい、rice が lice や dice
に聞こえず、「米」の事だと理解されればそれでええんやないか、と思います。
とにかく通じればいいし、分かればいいということだと思います。そのために音法は文法を「借りてくる」のだと思います。
音法や文法は「法則」です。
音法を借りてきて「個別的個性的な音声」ができる。
文法やペンマンシップを借りてきて「個別的個性的な文章や文字(書としての)」ができる。
「個別的個性的な記号(音声や文字や文章)」はCDであれ、生の肉声であれ、自分の体の「外」に出した瞬間、迷惑をかけている。存在そのものが迷惑をかけ
ている。それらをもとにしてヒトは言語を獲得していくからです。
私が英語例文集の功罪と音声コーチの功罪をいっていたのはそういうことだったのです。
ここでの「音声コーチ」は「普段の英語全て」と言い換えてもいいと思います。
「普段の英語全て」とは非ネイティブであれ、ネイティブであれ、学習者であれ、コーチであれ、複製音声であれ、生の声や文字であれ、同じことです。CDな
どの複製音声も印刷物も同じです。「外」に出た瞬間「ガチガチの氷(情報)」の状態になる。ヒトの中での「概念」は「水」で常に変わりつづけている。
これらのことは根石さんをはじめこの掲示板に書きこみをされている方々、それに養老孟子さんの著作物から学んだことです。改めて感謝します。
【8731】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/04/26 1:32
【 発言者 】根石吉久
原稿の荒書きができたので、ここに書きたくなり来ました。
>私が「事大主義者」「一元主義者」だったなどとは思いもよりませんでしたが、自分は無自覚であったとしても言葉の端々にそういう臭いがするのであれば、
そういう所があるのでしょう。そんな事、絶対に認めとうはないですけどね。
そういう臭いがするというより、絶えずネイティヴを参照するところがあると思っています。書いていただいた同じ記事から引用するなら、
>失礼ながら、柴田さんの発音だって、ネイティブスピーカー並みにすごいのかどうか、そんなもんネイティブスピーカーにしかわからへんのと違いますか。
この文の「ネイティブスピーカー並みにすごい」という語句が私には了解できないのです。ネイティヴスピーカーはまるですごくはないのです。ネイティヴス
ピーカーがそのネイティヴな言語を一つだけ話している分には、何もすごいところはない。日本に英語のネイティヴスピーカーが来ると、その英語が宝石として
扱われますが、アメリカに帰ればその同じ英語はただの石ころです。そこらに転がっている石ころです。私らが日本語を石ころ程度に扱っていることがあるので
あれば、ネイティヴの英語も石ころであって当然です。ただの石ころであり、何もすごいものはない。
多分、小川さんは、もしも日本在住だけで柴田さんがネイティヴスピーカー並みの音を獲得しているのだったら、それはすごいことであるという意味でおっ
しゃりたいのだと思いますが、「ネイティヴスピーカー並みにすごい」と書かれたものを素直に読めば、日本在住のままであるとか、英語の磁場で暮らしたこと
があるとかがすべてすっとんでしまい、ネイティヴスピーカー並みである自体が価値であることになります。それだったら、ネイティヴスピーカーのネイティヴ
音が最上の価値であると言っているのと何の変わりもありません。
柴田さんがすごいのは、ネイティヴスピーカー並みであるかどうかなんか何の関係もないはずです。私は柴田さんはすごいと思っていますが、柴田さんの音が
細部に渡って「語学的に鍛え込まれている」からであって、ネイティヴスピーカー並みだからではありません。ネイティヴの音と柴田さんの音は明らかに違いま
す。ネイティヴの音と併置するなら、柴田さんの音はあまりにも行儀がよすぎる。
しかし、この柴田さんにしても、アメリカ(多分)への留学経験をお持ちです。ご自分の音はアメリカへの留学経験を媒介にして語学的に鍛え込まれたもので
すが、それにしても、磁場でびっしりと英語の音に取り囲まれて「生活」した経験をお持ちです。國弘正雄が、英語獲得経験としてエリートであるのと同じ意味
で、柴田さんもエリートです。
柴田さんの発音は、とても語学的に行儀がよく、こんなに行儀よくしゃべる人はネイティヴにはいないわ、というくらいのものです。そしてとても感じのいい
ものです。まだお聞きになっていないようだったら、テープに録音してお送りします。アメリカ滞在の経験を差し引くなら、私がこれまでに聞いた日本人の英語
の発音では最上のものだと思っています。
ネイティヴスピーカー並みにすごいとか、ネイティヴにしかわからないとか、そんなふうに絶えずネイティヴスピーカーを参照しなければいけないのでしょう
か。それをコンプレックスと呼ぶことはいけないのでしょうか。日本の戦後は、小川さんに強く刻印されていると思っています。
【8732】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/04/26 1:41
【 発言者 】根石吉久
>「個別的個性的な記号(音声や文字や文章)」はCDであれ、生の肉声であれ、自分の体の「外」に出した瞬間、迷惑をかけている。存在そのものが迷惑をか
けている。それらをもとにしてヒトは言語を獲得していくからです。
やりきれませんね。あまりにも思いこみが激しくて、何を言っているのか私には了解できません。存在そのものが迷惑をかけて何がいけないというのですか。
何が悲しくて、こんな馬鹿なことを言っているのですか。確かにあなたの言葉は私に迷惑をかけていますが、私はあなたの存在そのものが私に迷惑をかけている
と思ったことはありません。こんなものを読むと、私が間違っているかあなたが間違っているか、二つに一つだとしか思えません。
【8734】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/04/26 1:56
【 発言者 】根石吉久
私にも日本語の戦後は刻印されており、もしかしたら、小川さんより強く刻印されているかもし
れません。私はそれに対して自覚的でありたいと思ってきただけです。
典型的な刻印をsbさんに読むことができますが、sbさんは非常にそれに無自覚です。
私は小川さんの発音とsbさんの発音を較べて、小川さんの方に軍配をあげていますが、決して
小川さんの発音がネイティヴ音に近いから軍配をあげているのではありません。ネイティヴ音に
近いかどうかで言うなら、sbさんの音の方がネイティヴ音に近いのです。私の軍配は、意味の
重さを音がちゃんと受肉しているかどうかによっています。sbさんの音は、からっぽのドラム
缶を叩いたような音がします。小川さんの音は、ものが詰まっているドラム缶を叩いたときの音
です。「私の判断によれば」というのは、そういうものです。
【8735】
【タイトル】あすみさん
【 日時 】04/04/26 2:03
【 発言者 】根石吉久
生徒が示す「ひっこみじあん」や「遠慮」や「内気」を大事にしながら、所詮「音」にすぎないのだから、「生け贄」にしてください。お前ら、片っ端から生
け贄にするからと宣言してしまえばいいのです。生徒から嫌われたらおしまいですが、あすみさんはそんなことはなかろうと思っています。
小川さんからのレッスンを早めに切り上げられたことは、私には非常に残念です。
【8736】
【タイトル】日本人の英語の音に関して
【 日時 】04/04/26 2:09
【 発言者 】根石吉久
私が最上の価値を置くのは、ネイティヴ並みかどうかではなく、語学的に鍛え込まれているか
どうかだけです。
【8737】
【タイトル】Nishiazabu さん
【 日時 】04/04/26 2:17
【 発言者 】根石吉久
「茶の本」の素読のレッスンを受けていただくことはできませんでしょうか。
一昨日、同志社大学に行っている生徒さんを失いました。アルバイトをやめたので、レッスンの
お金を払えなくなったとのことでした。悲しかったです。
単なる英語のレッスンではなく素読のレッスンでしたら、優先的に私の空き枠にお誘いしたい
と思って書きました。現在、このレッスンを受けておられるのは、sbさんという方一人だけです。
長い時間がかかりますが、単なる英語のレッスンよりはずっと楽です。一見では、素読のレッスン
と英語のレッスンは区別がつきませんが、私の中では区別があります。
【8738】
【タイトル】「「ネイティブスピーカー並みにすごい」
【 日時 】04/04/26 9:11
【 発言者 】小川
根石さんの「ネイティブスピーカー並みにすごい」についての御指摘、納得しました。
「ネイティブスピーカー並みにすごい」と言うような言い方を、無自覚に使ってると言う自分の現実に目覚めたって事です。 何の気もなしに使ってました。
【8739】
【タイトル】ドラム缶
【 日時 】04/04/26 11:27
【 発言者 】小川
私のドラム缶が詰まっているかどうか自分では全くわかりません。 けれど、磁場なしの所で英語なんかやってると、穴だらけのバケツに給水しながら走ってる
様なもんです。
火事場に着くまで水を補給し続けてないと間に合わないんです。 いつか、boysome
228さんだったかが、英語からしばらく離れていても錆び付く事はない、とおっしゃってたんですが、うそやろ〜、と思いました。 ハンブルクに半年ほどい
てドイツ語と英語と日本語のチャンポン生活をして帰国したら、母国語であるはずの日本語が出にくくなってた事があります。 ましてやたかが付け焼き刃の外
国語。 私なんか、一週間で錆び付き発音だってグズグズになってしまいます。 強迫観念に駆られているみたいに、やり続けなければなりませんでした。 っ
て、今もそうなんですが。
私は生徒や生徒の父兄から「発音がいい」と言われた事はありますが、同僚の日本人講師や外国人講師から「発音がいい」と言われた事は一度もありません。
私のは日本人特有のアクセントや発音癖が残っているけれど取り立てて注意する程耳障りではなく、「話の内容に集中出来る」最低限度の発音なのだと思いま
す。
今回の議論で、「それで良いんやで」と背中を叩いて励まされました。 (根石さんの「事大主義」云々については、最初ちょっとムッとしましたけど) 何
度も書いているのですが、私は英語圏に暮らした事がありません。 旅行でアメリカ人と結婚した夫の従姉の所へ行った事があるだけで、その間、従姉とはずっ
と日本語でしゃべっておりました。 買い物やホテルでの「会話」のみが、磁場英語でした。
10年間、歯科医薬品関係の輸出入商社で翻訳をやっていましたが、英語を口にする事は皆無と言っていいくらいでした。 その後、児童英語学校の講師を始め
るにあたってフォニックスを勉強した辺から自分の発音も意識する様になりました。 もちろん発音クリニックの講師はネイティブスピーカーです。 講師も
発音矯正の専門家なんでしょうが、一般の日本人学習者にとっては、"Repeat after me."
と大差のない発音指導でした。それに個々の音の発音、単語の発音は指導してくれますが、連音についての指導はありません。
英語の技術翻訳みたいな事ばかりをやって来て、英語を口にする事など皆無だったと言っていいくらいの自分が、比較的楽に英語の連音処理が出来る様になった
のは、やはり映画や音楽の力が大きかったと思います。 音楽や映画の鑑賞量は半端ではありませんでした。 根石さんが口を酸っぱくして言っておられる「音
を先に行かせる」事を無意識に実践していたのかもしれません。 ず〜っと「うぇーらいおず じゃす せ・んてぃー、にゅーのー、わらいみーん」と歌ってい
て、後になって "Well, I was just seventeen. You know what I mean."
だと判明し、そこで始めて「意味と音と綴りが一致する」経験を沢山して来た様に思います。 その下地の上に、発音矯正クリニックを受講した事に意味があっ
たとも思います。
磁場のない学習者である私にとっては、理想に近いステップを踏んで勉強した来たのかもしれません。 英語で電話レッスンのメソッドは、これを凝縮してやっ
つけてしまおうとするものではないでしょうか。
好むと好まざるとに係わらず、英語が国際語になるのは時代の趨勢になっています。 昔は音楽や医学の世界ではドイツ語も幅を利かせていましたが、今や、そ
こでも英語が主流の様です。 インターネットに限れば英語での情報が溢れ返ってます。ならば、インド人なまりの英語、タガログ語なまりの英語、ドイツ語な
まりの英語、日本語なまりの英語が、国際的に通用していいんじゃないか、と思います。 それぞれの国特有の英語の、味わい、とか、風味、とか、香りとかが
感じられる方がいいんじゃないでしょうか。 そう思って来ましたので、「私が事大主義て、どう言う意味やねん!」と憤慨してましたが、そう言いながらもネ
イティブ英語スタンダード論、みたいな事を口走ってるんじゃ、根石さんに「事大主義」だと言われてもしゃ〜ないですわね。
【8740】
【タイトル】スタンダード英語
【 日時 】04/04/26 11:31
【 発言者 】Naima
で、どこのどの英語がスタンダードなんや、って誰にも決められませんわね。
【8742】
【タイトル】記号>概念>定義>法則
【 日時 】04/04/26 20:38
【 発言者 】sb
>私は小川さんの発音とsbさんの発音を較べて、小川さんの方に軍配をあげていますが、決して
小川さんの発音がネイティヴ音に近いから軍配をあげているのではありません。ネイティヴ音に
近いかどうかで言うなら、sbさんの音の方がネイティヴ音に近いのです。私の軍配は、意味の
重さを音がちゃんと受肉しているかどうかによっています。sbさんの音は、からっぽのドラム
缶を叩いたような音がします。小川さんの音は、ものが詰まっているドラム缶を叩いたときの音
です。「私の判断によれば」というのは、そういうものです。
これはよく分かります。異論なしです。根石さんの英語に「ものが詰まっているドラム缶を叩いた音」を感じることがよくあります。私の概念定義力に応じてで
す。
【8743】
【タイトル】記号(個性としての)>概念>定義>法則
【 日時 】04/04/26 20:46
【 発言者 】sb
>「ネイティブスピーカー並みにすごい」という語句が私には了解できないのです。ネイティヴスピーカーはまるですごくはないのです。ネイティヴスピーカー
がそのネイティヴな言語を一つだけ話している分には、何もすごいところはない。
賛成です。
【8744】
【タイトル】記号(個性としての)>概念(個性としての)>定義(辞書などを参考に)>法則(音法、文法など)
【 日時 】04/04/26 21:07
【 発言者 】sb
>私は生徒や生徒の父兄から「発音がいい」と言われた事はありますが、同僚の日本人講師や外国人講師から「発音がいい」と言われた事は一度もありません。
「発音がいい」というのは「意味が分かりやすい(その聞き手にとって発音が分かりやすいということに加えて)」ということだと思います。日本人が聞き手の
場合「グッドモーニング」と日本語的な発音のほうが実際通じやすいのです。全ては聞き手が判断することです。また自分の書いたメモを読みなおしたり、録音
したものを聞きなおしたりする場合は自分が判断するということになります。
>私のは日本人特有のアクセントや発音癖が残っているけれど取り立てて注意する程耳障りではなく、「話の内容に集中出来る」最低限度の発音なのだと思いま
す。
耳障りというのは完全に聞き手だけが判断することだと思います。「話の内容に集中出来る最低限度の法則」、それが「音法(音声面)」「文法(文章内容
面)」「ペンマンシップ(文字面)」です。それらはできるだけ個人が発する記号(個性としての音声や文字文章)の中に収まっている方がいいのですが、「完
璧」ははじめからない。徐々に優先順位の高いものから入れていく必要がある。だから「音づくり」や「文法」「ペンマンシップ」がある。それらを参考にして
個人の中に「法則(音法、文法、ペンマンシップ)」を入れていく。
【8745】
【タイトル】記号>概念>定義>法則
【 日時 】04/04/26 21:19
【 発言者 】sb
みなさん、私の癖が出ています。図で考えてしまうのです。よかったら書いてみてください。
シンプルな図です。
(個性としての)記号を一番外側に「□(四角)」で書く。
>その内側に。。。
(個性としての)概念を「○(丸)」で書く。
>その内側に。。。
(辞書や百科事典で参考にして個人の中に入れていく)定義を「△(三角)」で書く。
>その内側に。。。
(音法や文法やペンマンシップなどを手本にする)法則(☆(星)」で書く。
□の中に☆が入っていることが「通じる分かる」条件。
○の中に△が入っていることが「分かる」条件。
発信側と受信側ともに、下の条件がそろっていれば、
□の中に完全に○が入っており、
○の中に完全に△が入っており、
△の中に完全に☆が入っていることで
記号論としてのコミュニケーションは完全に成立する。
【8746】
【タイトル】音読している間は日本語に訳せない
【 日時 】04/04/26 21:23
【 発言者 】sb
http://www.eigozuke.co.jp/study/study28.html
ある英語学校のHPです。
そこに「音読している間は日本語に訳せない」とありました。
この点、どう思われますか。
【8747】
【タイトル】根石様
【 日時 】04/04/27 1:28
【 発言者 】高橋
5月からレッスンをよろしくお願いしますします。 早速ですが、2点質問をします。まず、初回は5月1日でよろしいでしょうか。(連休となり
ますので念のために確認したく質問させていただきます)。 次に、レッスンの予習はすべきでしょうか。小川さんは、特に必要ないと言われていましたが、こ
れまでのレッスンを振り返ると、小川さんに指導していただく以前の問題として、未知の単語がしばしばありました。このような状態であり、予習が必要だと感
じております。以上、二点よろしくお願いします。
【8748】
【タイトル】素材<4>を訪ねて
【 日時 】04/04/27 5:41
【 発言者 】sb
(根石さんのHP)<素材>4 より
英語の「音」あるいは「発音」というと、単語を単独に発音して、音がきれいだとか正確だとか評価するようなやり方がある。例えば、NHKの語学番組で
は、ラジオ・テレビという一方通行のメディアの性質上、視聴者の発音がきれいだとか正確だとかの評価はなされないが、単語単位で発音練習をさせている。中
学の教科書の文を吹き込んだCD教材などを聞いてみても、単語単位で発音練習をやるようになっている。こういう構成をとっている教材や番組では、文全体に
関しては、ただ「ネイティヴの音をそのまま真似ろ」という考えが前提になっている。
口の筋肉や舌の位置のどこをどうすればネイティヴと同じ音が出てくるのかを説明することはまずない。
これらの教材や番組の構成の前提になっている考えは、単語単位で発音をクリアすれば、獲得された単語の音を組み合わせることで文全体も発音できるとする
考えだろう。これは、とてつもなく甘い考えだというしかない。
日本語というどの単音にも母音がついている言語の音と、子音が立て続けに連続する英語の音とはその組成が元から違う。この巨大な距離を埋めるのは、音楽
的な感覚が発達した人には難しくないかもしれない。しかし、多くの人には非常に難しい。一例を示せば、「舌を上の歯茎の裏につけたままにしている間だけ音
を出して、舌を離したときは音を出さない。そうじゃないと、トとかトゥとかいう音になっちゃって余計な母音がくっついてしまうから」というような説明がな
いと、多くの人には英語の音の近似値すら出せないことが多々ある。こういう指導をやっているところは、星の数ほどもある英語教育機関の中でも非常に少ない
はずだ。
確かにこういう指導をやっているところは少ない。根石さんの「音づくり」の良い点は上の文章にあるような「一方通行」の授業ではないということである。
「双方向」のコーチングという点がすごいのだ。
しかし一方、CDやNHKの講座を否定してみても始まらない。肉声であろうが、録音記録媒体であろうが、電話を通そうが、人間の体の外に記号(=音声や文
字・文章)として出た瞬間、それはガチガチの「氷」になる。つまり今までの私の言い方では「迷惑をかけている部分」となる。
「迷惑」という言葉を使ったのは確かに語弊があるだろうとは思う。しかし、人間が言語を使用するときに「借りてくる」いわゆる文法、音法、ペンマンシップ
をはじめ、生の人間の伝え聞き、メディアをはじめとするいわゆる情報、いずれも人間が関わっている言語としての部分は、外に出た瞬間、それはガチガチの
「氷」になるということだ。だからCDも生の声も「氷」という意味で、同じなのである。(根石さんや養老孟子さんを十分参考にさせていただいています。)
【8749】
【タイトル】素材<4>を訪ねて その2
【 日時 】04/04/27 5:59
【 発言者 】sb
(根石さんのHP)<素材>4 より(さきほどの続き)
英語の音作りを激しく、厳しくやっている所は極めてまれだと思いま
す。実際、英語の教員の多くにとって英語の発音は、できれば避けて
通りたい弱点です。自分自身が通じるレベルの音が出せない教員がた
くさんいますし、そこそこ通じる音を出せる教員もその多くが英語の
音作り必要な知識を体系的にルール化して生徒に教えることができま
せん。例えば、根石さんが示しておられるような、音と音がぶつかり
合ったときの音の消失とかいうことも生徒に説明できるような知識と
しては持っていないのが現状です。
(Eliot 『音作りへの道』)
例えば、ここにある「音と音がぶつかり合ったときの音の消失」という問題は、単語単位で発音練習をしていたのでは決して解決しない。ここにひとつの法則
が導き出せるだろう。
<法則1> 英語の音を扱う場合は、いつも文全体で扱わなければならない。
文全体として「音」の問題を扱う時、次に必ず出てくる問題は、リズムとかイントネーションというものである。つまり、英語学習上での「音」というのは、
単語の発音のことではなくて、リズムやイントネーションを備えた文全体をどう扱うかという問題なのである。
単語単位で扱うだけでなく、記号や番号で正解を答えさせるような学校のテストや入試の記述式「発音問題」(!)はまったく問題外である。音韻学者を育て
ているわけではあるまいに、中学生に向けたテストで発音を字で処理させているのだ。ただただ愚劣なだけである。
(sb)音法を借りてきて個性としての音声記号を用いる際、「文」を単位とするのはたいへん有効な方法で、私が電話でレッスンを受けて一番役に立った点で
ある。なぜ「文」を単位とするのか?人間が言葉を使い、人間が存在しているからなのだろうか。
「文」を使うと概念(イメージ)が浮かびやすくなるからだろうか。。。
辞書の定義を借りたり、人の話を聞いたりして、個人の中に概念を新たに構築していく。
音法、文法などの法則を借りてきて、個人の中に「個としての記号」を構築していく。
概念を構築していくことと、法則を借りてくることは「一緒に」するのがよいのだろうか。
別々にやるのがよいのだろうか。
学校文法教育に限れば「文法」を借りてくる際、陳腐な余計なものを除いた骨だけの文が多い。
それでいいのだろうかという疑問はよくあがってくる。法則としての文法を個人の中に構築するためには内容を無視してよいのだろうか。無視した場合、効率よ
く法則を借りてくることができるのだろうか。それとも内容がよく頭に思い浮かぶような文がよいのだろうか。
そのことと、音を学ぶ際、文のほうがいいこととは関係があるのだろうか。
よく分からない点も多い。言語学の難しさかもしれない。
【8750】
【タイトル】根石様
【 日時 】04/04/27 20:15
【 発言者 】Nishiazabu
「茶の本」のレッスンにお誘いいただき、誠にありがとうございます。
大変恐縮ですが、少しの間検討させてください。
二つ質問させてください。
1)根石さんの空き時間はいつでしょうか?
2)音源無しで進めますか?
といいますのは私レベルで音源無しで進めると、
自習する際、効率が悪いような気がしますので。
【8752】
【タイトル】>音読している間は日本語に訳せない
【 日時 】04/04/27 23:21
【 発言者 】boysome228
>ある英語学校のHPです。
そこに「音読している間は日本語に訳せない」とありました。
この点、どう思われますか。
皆さん、お久しぶりです。お元気でしょうか?
面白い話題なのでつい出てきてしまいました。
確かに音読している間は日本語に訳せないでしょうね。しかし、だからと言って、英語で考えているかと言うとそうでもないと思います。以前にも言いました
が、音と意味の乖離という現象があります。発音に注意を払いすぎると意味が疎かになるからです。意味を英語で直解しながらの音読というのが理想です。
【8753】
【タイトル】「音を先にいかせる」
【 日時 】04/04/27 23:27
【 発言者 】小川
「意味の受け皿としての音を作る」
では皆さん、行ってきま〜す。
【8754】
【タイトル】記号と概念について雑感
【 日時 】04/04/29 7:03
【 発言者 】sb
記号の中に概念が入っているのではないだろうか。
概念の中に記号が入っていると考えるのは現在の私には難しい。
概念の中に記号が入っていると考えることも、可能かもしれない。
しかし、その場合、「通じない」ことにどうしてもいらいらしてしまう。
記号の中に概念が入っていると考えると「通じない」こともすんなり受け入れられる。
しかしこんな言い方は非常に「個人的」な言い方であるが。。。
それは通じないことへのあきらめではない。
ヒトは記号を通じてしか発信できないし、受信もできないということなのである。
定義をもとに個人として個性としての概念を組み立てていく作業(@)
法則をもとに個人として個性としての記号を個人の中に入れていく作業(A)
@とAがどのように結合して、発信され、受信されるのか。
@がAに取り込まれるのであって、Aが@に取り込まれるのではないと考えてみるのが現在の私には理解しやすい。しかし、逆であると考えるヒトもいるだろ
う。そちらが本当は正しいのかもしれない。
言語論はどれも正しいと考えるのが一番いいようにも思う。どちらにしても記号という形で発信受信がなされ、「通じた」「通じなかった」の問題が「形」のみ
で判断されてしまうのが「問題」なのだ。その中の「概念」をみようとしない。「発音」「文体」「字のうつくしさ」とは一体なんなのだろう。それらは「個
性」そのものではないのか。どれが「きれい」でどれが「きたない」のか。そんなものはない。どれが「いい音声」なのか。どれが「いい文体」なのか。どれが
「いい文字」なのか。そんなことは受け取る側が決めることだ。
【8755】
【タイトル】分かるとはどういう時なのか。
【 日時 】04/04/29 7:35
【 発言者 】sb
分かるのはどうしてなのか。
記号が同じだからなのか。概念が同じであるからなのか。
概念は個性的だ。記号も個性的だ。ただし記号はその個性的なるものの中に法則が「ある程度きちん」と含まれていなければならない。その法則が音法であり、
文法であり、ペンマンシップということだ。つまり「お手本」だ。
記号の規準「お手本」を、やっかいなことに個性的なヒトが作っている。これがどうしても通らなければならない道であると同じに「迷惑(やっかい)」という
言い方にもなる。私が発信している時(話している時、書いている時、意見や考えなどを述べている時)他人に迷惑をかけているのである。個性的な記号(音声
や文字や文章)を発信しているという意味で。その個性的な記号の内側にはさらに個性的な概念も含まれているという意味で。
「現象(言動)」が新たな「現象(言動)」の規準になる。しかし、それは「量的」には変わらない。いっきに「質的」に変わる。それらが規準になる。つまり
文法書であり、音法書であり、ペンマンシップなどといった規準になる。だからあくまでもこういった規準はいつか誰かが作ったものなので、そのことは念頭に
おいておくと言語の本質がつかみやすい。
つまり「現象(言動)」は不変ではない。人々の中で言語は少しずつ変わっていっている。しかし記号や概念の変化はある時いっきにやってくる。英語学習環境
の変化も一人ひとりの中では少しずつ変化している。しかし教育システムやルールなどはあるときコップから水があふれ出るように(よく言われる言い方だが)
いっきに変化する。この変化の瞬間が「分かる」ということなのかもしれない。
【8756】
【タイトル】あるHP(http://www.fitweb.or.jp/~kanagawa/otona.html)より
【 日時 】04/04/29 11:49
【 発言者 】sb
★表現力とコミュニケーション能力(communicative competence to express oneself)
小さい頃から英語を強制するのはアメリカに魂を売ることだ。日本人として日本語をしっかり学ばせなければならない。表現には音楽や絵画やバレエなどがある
が、中心は言葉である。日本語だ。
21世紀の子どもたちに必要なのは発想力とチーム力と失敗を克服する力であろう。どれも表現力がなければ実現できないことだ。
豊かな言葉は“生きる”ことの基本的な力だし、思考や生き方にも大きな影響を与える。自分を伝えることで相手の気持ちをくみ取ることができる。図鑑や絵
本だけの言葉では足りない。プリンを食べなければおいしさが分からないように「草いきれ」を教えるのに暑い夏の日に這いずり回ることが大切で、豊かな経験
が豊かな言葉を生み出す。
「美しい笑いは家の中の太陽である」とイギリスの小説家サッカレーも書いているが、言葉を育てるポイントは文字を教えることでなく、豊かな親子関係が基
盤である。要点は次の通り。
【8757】
【タイトル】sbさん<いくこさん
【 日時 】04/04/29 13:33
【 発言者 】いくこ
おひさしぶりです。
sbさんは、語学論なりについて、ここで吐き出せるだけ吐き出すのがいいと思っていました。
だから、どんどん書き込みをして、sbさんなりの考えを風にさらしてみるてほしいです。
そして、いずれは英語教育の指導的立場にいるものとして、生徒達が見えてくる書き込みがなされることを、期待しています。
【8760】
【タイトル】Nishiazabu さん
【 日時 】04/05/01 0:53
【 発言者 】根石吉久
> 二つ質問させてください。
> 1)根石さんの空き時間はいつでしょうか?
> 2)音源無しで進めますか?
空き時間は、ただいま流動的でまだ決まりません。月曜日9時から9時半を使っておられる方から、月曜日が具合が悪くなったので他の曜日に変えてもらえな
いかと申し出がありましたので、調整中です。私のただ今の空き枠は、土曜夜10時50分から11時20分ですが、5月から、金曜夜10時40分から11時
10分も空く予定です。月曜日を使っておられる方がこのどちらかに移られてから、空き枠が決定します。決定しましたら、掲示板上でお知らせします。
ネイティヴが吹き込んだ音源が手に入ればいいのですが、素読のレッスンは今のところ音源なしでやっています。もちろんいい音源が発売されたりすれば、導
入したいところです。私のレッスンで音源があるのは、「ゴースト」と「七年目の浮気」です。これらは、二つとも映画のシナリオなので、映画のビデオとか
DVDとかを音源としています。「茶の本」はこの二つを片づけた人が扱うものとして位置づけていますので、順番通りシナリオ二本を片づけた人は、音源なし
でもいけるだろうとにらんでいるわけです。
sbさんは、非常に発音の質がいい方なので、発音のレッスンの要素はほとんどなく、文の音読のこなれが意味の深化をもたらすことをねらっています。もの
ごとを非常に外在的にとらえる方なので、それを主体としています。もし Nishiazabu
さんが同じ「茶の本」で素読をなされる場合は、愛読書の一つでもあるようなので、言語をではなく岡倉天心そのものを読まれてありますから、sbさんとは入
り口が違います。日本語でしか言えないことと、英語でしか言えないことの間に立って、その双方を見るような位置に立っていただくようなことになると思いま
す。私のレッスンは最終的には、そのような位置に立っていただくのがねらいです。そのためには英語力をつけなくてはならないから、英語のレッスンをしてい
るわけです。
素読のレッスンを受けていただく場合は、今のところは、音の練習は、他のテキストを使って自習していただくことになります。Nishiazabu
さんも、以前のレッスンで、もういくらでもCDなどの複製音声を媒介にできるところまでに達していますから、音の方面は自習していただけると思っていま
す。
もっと音の方をやりたい場合は、「ゴースト」の中断された所から再開する手もありますが、どちらかと言えば素読のレッスンをお奨めしたいです。
【8762】
【タイトル】高橋様
【 日時 】04/05/01 1:07
【 発言者 】根石吉久
お返事が非常に遅くなり申しわけありません。庭先で店をやろうとしており、大工仕事、石工仕事などやっており、火曜、水曜、木曜の夜はくたびれ果てて、
夜はコンピュータの電源を入れないで寝てしまっております。事情お察し下さるようお願い致します。
初回は5月1日です。私のレッスンは、休日は関係なくやっております。お休みは盆と正月にそれぞれ一週間程度いただいております。これとは別に、年に4
回分ほどお休みをいただく場合があります。これは、レッスンが月に4回を基本としており、月に5回ある場合は、一回分をプールしておき、サラリーマンの有
給休暇のように使わせていただくものです。この休みをまとめてとることを考えており、来年の2月は一ヶ月まるごとお休みにしていただくかもしれません。庭
先でやる店が雑貨屋なので、一ヶ月まるごとのお休みを使って、タイ、ベトナムなどへ雑貨を探しに行こうかという計画です。
レッスンの予習については、未知の単語を調べることならどんどんしていただいて構いません。小川さんがおっしゃったのは、「音」に関してのことだと思い
ます。「イントネーションの自己決定力」と言っているものが確かなものになってきた方には、「音」に関しても予習をするように言っていますが、レッスンを
始めて間もない方には、「音」に関しては予習ではなく復習を厚くしてくださるようにお願いしています。
単語を調べておくことは、今後もやって下さるようお願いします。
お返事が遅れましたこと、重ねてお詫び申します。
【8763】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/01 1:15
【 発言者 】根石吉久
たくさん書かれているものを読んで、やはり語学の言語と生活の言語の区別ができていないと
思っています。
一度真剣に考えてみてもらえませんか。
同じく言語と呼ばれているものですが、水と油が違うくらいに違うのです。
sbさんは語学の言語にしてやられているように思います。
【8767】
【タイトル】語学の言語と生活の言語
【 日時 】04/05/01 11:11
【 発言者 】sb
>たくさん書かれているものを読んで、やはり語学の言語と生活の言語の区別ができていないと
思っています。
一度真剣に考えてみてもらえませんか。
同じく言語と呼ばれているものですが、水と油が違うくらいに違うのです。
sbさんは語学の言語にしてやられているように思います。
根石さんがそうおっしゃるということは、そうなのでしょう。
最近わたしが考えているのは、
語学の言語は@記号言語(外在的な部分つまり個性としての音声や文字や文章)、
生活の言語はA概念言語(内在的な部分つまり個性としての考え方や感じ方、生活の総体)
ということです。
コーチが扱えるのは@の部分であり、Aは一人ひとりが経験や辞書などから獲得していくものだと考えているのですが、いかがでしょうか。
【8768】
【タイトル】根石さんの過去ログを読んでみる
【 日時 】04/05/01 11:36
【 発言者 】sb
(過去ログ1601番より)(根石さん)すべての理解、センス、イメージの動きは、音に集約されて外在化されるので、音(声)こそが、語学という行為から
生活言語に血を通わせるときのへその緒みたいなものであり、同時に、もっとも主要なインターフェイスだと思います。「音(声)」とは、理解・情動・イメー
ジなどが瞬時に集約されるほどの集約点なので、語学の内側から「話す」という行為を見るならば、そこにあるのは私が言う意味での「通じる音」なのです。
「通じる音」という質が成立しているならば、語学の外からそれを眺めてもやはり「通じる音」だと言えないことはないと思います。しかし、練習者の立場を離
れて、それを呼ぶならば、「通じる英語」でもいいと思います。私はあくまでも練習者の立場からものを言い続けたいと考えているだけです。
(過去ログ1602番より)(根石さん)「イメージと同致する音を作れ」=「意識の動きを反映しうる音を作れ」=「通じる音を作れ」です。
良質の音というような音の質の概念をも、「通じる音」は含みます。しかし、あくまでも、それは「通じる音」の一部分です。「通じる」とは、音の質だけの
問題ではないことは自明のことではないでしょうか。
ここから上で根石さんがおっしゃっていることと、
ここから下で私が言っていることは同じことではないでしょうか。
語学の言語は@記号言語(外在的な部分つまり個性としての音声や文字や文章)、
生活の言語はA概念言語(内在的な部分つまり個性としての考え方や感じ方、生活の総体)
【8771】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/02 2:57
【 発言者 】根石吉久
>分かるのはどうしてなのか。
>記号が同じだからなのか。概念が同じであるからなのか。
相手の言っていることがわかるのは、記号が同じだからなんてことは絶対にないと思っています。sbさん、肘で軽くつつかれながら、「馬鹿」と女に言われ
ることと、この掲示板で「馬鹿」と書かれることとはまるで意味が違います。記号は同じですけど。
記号が同じだから同じものが伝わるなんてことは「まったく」信じておりません。
そんなことであっていいわけがないし、そんなふうに人は動いていません。
「概念」については、sbさんが「概念」と言われるときの概念がわかりません。
言いたいことはわかるような気がしますが、人になかなか通じないと思います。
私が「意味」とか「情動」とか、言い分けてきたものを、「概念」などと一括されるととても淋しい思いが致します。
世の中は「記号」と「概念」で出来ているのではありませんから。
【8772】
【タイトル】また一人
【 日時 】04/05/02 3:00
【 発言者 】根石吉久
レッスンを中断(あきらめる)人が。
俺のやっていることは駄目なのか。
【8773】
【タイトル】sbさんがひっかかったところに関して
【 日時 】04/05/02 3:36
【 発言者 】根石吉久
>>私はあまりCDなどを多用しない。自分の作ったわずか10〜20程度のポイントをひたすら守っているだけである。
>CDであろうが、生の音声であろうが、違いを意識して学ぶのは学習者本人のすることだと言う点がひっかかる。
ひっかかるところにひっかからせていただきますが、わずか10〜20のポイントをクリアする(実はこれが大変なことですが)だけで、日本人の「しゃべ
り」はまずほとんど通じるだろうと思っています。しかし、しゃべるというのは、相手のしゃべりを聞き取れて成り立つものですから、聞き取れなくては駄目で
す。それは、実際に磁場に交われば痛いほどにわかるものです。10〜20のポイント以上に「音」に磨きをかけたいと思えば、どんどんやればいい。聞き取り
に問題意識を移せば、「音」はいよいよ探求し磨きをかけるべきものになる。それだって、日本語と英語で音の組成が違うからだけの話です。10〜20のポイ
ントをクリアする以上のことをやるかやらないかは、各自にまかせられている。やりたくなったら、やるでしょう。やりたくなったら、どかどかやればいい。
「音」の問題一つでも、10〜20以上のポイントの何をどうやって生徒の口の動きとして実現できるのか、あなたにそれがおわかりなら私に教えて下さい。そ
れができるのなら、ネイティヴができないことを初めてあなたがやることになります。
音の細部や微細な違いを認識することをやりたくなるところまで生徒をひっぱってやるレッスンや授業であるかどうかが問題です。例えば、私のレッスンと
sbさんの授業を念頭に置いて考えてみて下さい。
理屈に整合性があれば、実際のレッスン(授業)で何をしているかが免罪されるというわけのものではないはずです。まして、図式的な理屈などを実際のご自
分の授業を外して描いているようでしたら、それは図式ではなくポンチ絵ではないでしょうか。
【8774】
【タイトル】記号が同じということはない!(記号は個性的)
【 日時 】04/05/02 12:01
【 発言者 】sb
>相手の言っていることがわかるのは、記号が同じだからなんてことは絶対にないと思っています。sbさん、肘で軽くつつかれながら、「馬鹿」と女に言われ
ることと、この掲示板で「馬鹿」と書かれることとはまるで意味が違います。記号は同じですけど。
記号が同じだから同じものが伝わるなんてことは「まったく」信じておりません。
そんなことであっていいわけがないし、そんなふうに人は動いていません。
ここの所は根石さんの誤解です。というか私の説明不足かもしれませんが。。。
おそらく根石さんとsbは同じことを言っていると思うのですが。。。
私も記号が同じだから同じものが伝わるなんてことは「まったく」信じておりません。
もう一度以前に書きこみしたものをコピーします。
(個性としての)記号を一番外側に「□(四角)」で書く。
>その内側に。。。
(個性としての)概念を「○(丸)」で書く。
>その内側に。。。
(辞書や百科事典で参考にして個人の中に入れていく)定義を「△(三角)」で書く。
>その内側に。。。
(音法や文法やペンマンシップなどを手本にする)法則(☆(星)」で書く。
□の中に☆が入っていることが「通じる分かる」条件。
○の中に△が入っていることが「分かる」条件。
□の中に○は必ず入っています。しかし○の中に△がきちんと収まっていないヒトもいる。
また、□の中に☆がある程度きちんと入っていないヒトもいる。だから通じないこともあるのです。□=記号とは個性的です。音声文字文章といった外に出る記
号は非常に個性的です。そのヒトがその時にしか出せない個性的なものです。しかしなぜ通じるのかというと、その記号の中に法則(音法文法ペンマンシップ)
がある程度きちんと含まれているからなのです。その中には根石さんの10〜20のポイントはある程度きちんと入っていないといけないでしょう。そうでな
かったら通じない。しかし少しぐらいポイントの数が少なくても概念(考え)が両者である程度了解されていれば通じるのです。逆にいうと概念(考え)がお互
いにぼんやりしているとその分記号がしっかりしていないと通じないということになります。
【8775】
【タイトル】異論ありません。
【 日時 】04/05/02 12:08
【 発言者 】sb
>ひっかかるところにひっかからせていただきますが、わずか10〜20のポイントをクリアする(実はこれが大変なことですが)だけで、日本人の「しゃべ
り」はまずほとんど通じるだろうと思っています。しかし、しゃべるというのは、相手のしゃべりを聞き取れて成り立つものですから、聞き取れなくては駄目で
す。それは、実際に磁場に交われば痛いほどにわかるものです。10〜20のポイント以上に「音」に磨きをかけたいと思えば、どんどんやればいい。聞き取り
に問題意識を移せば、「音」はいよいよ探求し磨きをかけるべきものになる。それだって、日本語と英語で音の組成が違うからだけの話です。10〜20のポイ
ントをクリアする以上のことをやるかやらないかは、各自にまかせられている。やりたくなったら、やるでしょう。やりたくなったら、どかどかやればいい。
「音」の問題一つでも、10〜20以上のポイントの何をどうやって生徒の口の動きとして実現できるのか、あなたにそれがおわかりなら私に教えて下さい。そ
れができるのなら、ネイティヴができないことを初めてあなたがやることになります。
音の細部や微細な違いを認識することをやりたくなるところまで生徒をひっぱってやるレッスンや授業であるかどうかが問題です。例えば、私のレッスンと
sbさんの授業を念頭に置いて考えてみて下さい。
理屈に整合性があれば、実際のレッスン(授業)で何をしているかが免罪されるというわけのものではないはずです。まして、図式的な理屈などを実際のご自
分の授業を外して描いているようでしたら、それは図式ではなくポンチ絵ではないでしょうか。
よく使われるものほど大切な規則でそれを根付かせることがどれほど大切なことかという根石さんの主張はには異論ありません。
【8777】
【タイトル】sbさん<いくこ
【 日時 】04/05/02 15:29
【 発言者 】いくこ
>よく使われるものほど大切な規則でそれを根付かせることがどれほど大切なことかという根石さんの主張はには異論ありません。
根石さんがsbさんに対して本当に言いたいことは、sbさんがとらえた上記のような「10〜20の基本の音が大切なのだ」ということでは、ないように思い
ます。
あなたの言っていることは、ちっともリアルでない、ということです。
あなたが、
あなたの生徒に対して何ができるか、
何をしようとしているのか、
どうすれば具体的に子供達の音を変えられるのか、
変えるためのクラスづくりを実際にどうしようと思っているのか。
現場が見えてこないのですよ。
100の空想(さもなくばポンチ絵)より、
子供達と対峙した1つの事実の方が、血が通った議論になるということではありませんか。
【8778】
【タイトル】異論ありません。
【 日時 】04/05/02 19:37
【 発言者 】sb
>現場が見えてこないのですよ。
おっしゃるとおりです。異論ありません。
【8779】
【タイトル】まずは10個だろう
【 日時 】04/05/03 0:11
【 発言者 】根石吉久
発音のポイントでクリアすべきものは、まずは10個程度にしておくのがいい。
このわずか10個が、日本全国津々浦々の学校の授業でクリアされていないのだから。
【8780】
【タイトル】わずか10個も生徒の口の動きとして
【 日時 】04/05/03 0:13
【 発言者 】根石吉久
クリアできないのであれば、それ以上の発音上のポイントに関してものを言ってもただの空回り
になる。
現時点では、私はこの10個を「必死に」守らなくてはならない。
ことは、個人の英語に関わることではない。
ことは、「生徒たち」の英語に関わることだ。
【8781】
【タイトル】再掲します
【 日時 】04/05/03 0:16
【 発言者 】根石吉久
2004.3.07
@ ar [a:r] 顎の下がる明るい音。診察室の「アーン」。
[a] 一瞬顎の下がる音
A 子音+a+子音 [ae] 口の両端を一瞬斜め上に引っ張り上げる。「一瞬般若」
B [逆さe:r] [逆さe][逆さv] 狭い音。日本人はひとまず唇の開きで狭さを作る。
ネイティヴは口はそれほど狭くないが、舌で口の中に狭い息
の通路を作る。ひとまずは唇の開きで作るのがコツ。
[逆さe]と[逆さv]の区別はアクセントの有無により、自然に
備わる。( [逆さe] は息から力が抜ける)
C th 舌の先を上の歯の歯先にあてる。舌が歯にこすれて出るかすれた音。
D f, v 上の歯を下唇の山の頂点より少し内側に押しあてて、離す瞬間に出す。
E t,d,l,n 舌を上の歯の歯茎の裏。それぞれ舌の押しつけ方は微妙に違う
が、技法グラウンド」「回転読み」の量で自然に解決する。
F r 多くは、舌を喉の方に引き込み、口蓋の天井に触らない。
舌が歯に近い方で、宙に浮く場合もあり。ポイントは口蓋の天井に触らない
こと。
D s, z 歯と歯茎の境目あたりに舌がわずかに触わるくらい。狭い隙
間に息を通す。
ES(long s) 「静かにして、シーーッ」のシに含まれる音。
F 単語の最後が t,d,l,n のどれか。次の単語の最初が t,d,l,n のどれか。
前の単語の最後の音は、舌の位置を確保するだけで黙音化。(一瞬の空の音)
この法則以外でも、単語の最後の t や d が舌の位置を確保するだけで、黙音
化することは多い。
G 単語の最後が t, d, l, n のどれか。次の単語の最初が th
前の単語の最後の t,d,l n は舌を th の位置で黙音化させてよい。
H 単語の最後が子音。次の単語の最初が母音。子音と母音は連続する。リエゾン。
I [s][z][d3] と th のぶつかりあいでは、[s][z][d3] が勝つ。
th の音は、[s][z][d3]の音と同化する。
【8782】
【タイトル】順番
【 日時 】04/05/03 0:19
【 発言者 】根石吉久
10のポイントの最初の三つが母音に関するものであるのは、理由があります。
この三つが、日本人にとっての最大のポイントだからです。
「音づくり」をやる場合にも、この三つから始めるのがいい。
「鮒釣りに始まり、鮒釣りに終わる」ように、この三つの母音に始まり、この三つの母音に終わる。
それが日本人にとっての英語の「音づくり」だと考えています。
【8783】
【タイトル】いくこへ
【 日時 】04/05/03 0:21
【 発言者 】根石吉久
あんたがはっきりものを言うようになったのが俺はうれしい。
それをやらないなら、英語なんかやる意味がないというくらいに俺は思っている。
【8784】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/03 0:24
【 発言者 】根石吉久
私はあなたの「個性的」という語に非常にひっかかりを感じます。
そんなものは「個性的」も糞もなく、ただ単に「個別的」なだけのことではないのでしょうか。
そして、それで何がいけないというのでしょうか。
何が「迷惑」なのでしょうか。
そのいいぐさだと、「インド英語」も「フィリピン英語」も「日本英語」も否定されるはずです
が。
【8785】
【タイトル】俺も律儀だからやってしまう
【 日時 】04/05/03 0:30
【 発言者 】根石吉久
>私も記号が同じだから同じものが伝わるなんてことは「まったく」信じておりません。
sbさんはそう書かれました。これは記録として残ります。
では、次の文はどういう意味になりますか?
>分かるのはどうしてなのか。
>記号が同じだからなのか。概念が同じであるからなのか。
記号が同じだから同じものが伝わるとは「まったく」信じていない人が、なんでこういう具合
に自問する必要があるのですか。
【8786】
【タイトル】「鬼」から転写
【 日時 】04/05/03 0:51
【 発言者 】根石吉久
Naima様 投稿者:高橋 投稿日: 4月27日(火)00時59分49秒
レッスンありがとうございました。発音についてじっくり指導を受けたのは、初めてであり、非常に勉強に
なりました。指導していただいた文を、帰宅途中のひとけのない道で回転読みをしたりしております。今後
ともよろしくお願いいたします。
【8787】
【タイトル】「鬼」から
【 日時 】04/05/03 0:52
【 発言者 】根石吉久
高橋様 投稿者:Naima 投稿日: 4月27日(火)11時12分42秒
こちらこそ勉強になりました。 ありがとうございました。 まずは「音を先に行かせる」事に専念して下
さい。 個々の音や単語単位の発音指導はどこでもやっていますが、まとまった文章の流れの中で音を作る
のが素読舎のやり方です。 日本語を介さずに英語を即座に理解する力もリスニング力や会話力も必ず向上
すると確信しています。
【8788】
【タイトル】「鬼」から
【 日時 】04/05/03 0:53
【 発言者 】根石吉久
tiny sand さん 投稿者:根石吉久 投稿日: 5月 3日(月)00時50分39秒
承知しました。
Naima さんの生徒を減らしたくないのですが、また私の手元に空き枠ができてしまいました。
回りに声をかけていただきたくお願いいたします。
特に、小学校高学年、中学生をお持ちの親に声をかけていただきたくお願い申し上げます。
【8789】
【タイトル】皆様
【 日時 】04/05/03 0:59
【 発言者 】根石吉久
私がやっているレッスンが何らかの重大な意味を含むものだと認識されておられる方だけで
結構ですが、どうぞ回りに声をかけていただきたく念じております。
素読舎は、娑婆の大勢に逆らって生きてきましたので、お金が得られません。
この道30年になりますが、月額で20万円ちょっとにしかならない日本の現実があります。
すかすかの授業をやっている先生でも、それっぽっちだということはない。しかし、塾の現実は
そうです。大学を出て30年近くになりますが、現実は20万円ちょっとにしかならない。
【8792】
【タイトル】記号(個別的な)>概念(個別的な)>定義(辞書など)>法則(音法、文法など)
【 日時 】04/05/03 12:32
【 発言者 】sb
>(sb)記号が同じだから同じものが伝わるなんてことは「まったく」信じておりません。
私が記号という言葉を使っているのは、根石さんの言葉を借りれば「個別的」なものです。
法則(音法、文法、ペンマンシップ)をある程度きちんと含んでいるそのヒトにしか出せない一瞬の「個別的」な「記号」という意味で使わせてもらっていま
す。
そもそも「記号」に同じものなんてない。同じヒトでも時が違えば「記号」は別。その「個別的」な記号の中にこれまた「個別的な」「概念」があります。
私が使っている「概念」という言葉はそのヒトに固有のものです。そのヒトのそれまでの考えや経験の総体です。なのでこれも一瞬のものです。抽象捨象を繰り
返しそのヒトだけがもっているまさに概念です。
それを他のヒトと共有しようとするために「記号」必要になるのです。しかしその記号にはルール=法則がなければ通じないし分かりません。ですから記号には
ある程度のきちんとした法則(ルール)が入っていなければならないと言っているのです。それらが音法や文法やペンマンシップということなのです。根石さん
の電話でレッスンはその音法の基礎基本を学習者が身に付けるための一つの最適な方法を提示しておられます。私が使っている「記号」には「音声文字文章」含
まれています。その「音声」の部分にある程度のきちんとした「音法」を含むのに最適なレッスンの一つだと考えています。
【8793】
【タイトル】いろんな英語があるほうが英語が発展する
【 日時 】04/05/03 12:37
【 発言者 】sb
>そのいいぐさだと、「インド英語」も「フィリピン英語」も「日本英語」も否定されるはずです
が。
私はそれらを全く否定しません。どんどん使っていくのがいいと思っています。英語を使った時点でその英語が法則に影響を与えるかもしれない。むしろ影響を
与えるくらいの英語を使うヒトが日本にも増えればそれだけ影響を与えることができるということになると思います。生活言語として使いつづけることで外野の
英語でも内野の英語になると思います。
【8794】
【タイトル】言語記号>個人概念>辞書定義>文法法則
【 日時 】04/05/04 11:33
【 発言者 】sb
語学としての英語と生活としての英語。その区別の曖昧さからなかなか抜けきれていないと思う。
語学としての英語にやられているのかもしれない。その違いはなかなか私には理解しがたい。
私が何度も繰り返して書きこみをしてきたこと、つまり「記号としての言語(言語記号)」は、「英語どんでん返しのやっつけ方」小学館文庫 根石吉久著)の
中の「空っぽの電池を作ること」という表現と同じことではないかと思う。これが根石さんの言われる語学としての言語。
一方、生活としての言語は、これに個人として意味概念が入っているだけでなく、五感(第6感?なるものも含めて?)を通して入ってくるものも含めたものを
根石さんは言われているのだと思います。國広正雄氏がその点に関して無意識的だということを根石さんは言っておられます。その通りだと思います。しかしそ
の点は本人が実際にその外国語が母国語の土地へどのくらいの期間行っているのか(根石さんの言葉では「磁場があるところ」)また行かないことを選ぶのかと
いう本人の問題であり、行った分だけ、そのヒトは母国語(日本語)を学ぶチャンスを自ら放棄しているとも言えるのではないでしょうか。
【8795】
【タイトル】生みの苦しみ
【 日時 】04/05/04 11:43
【 発言者 】sb
根石さんには「生みの苦しみ」なるものがある。
手塚治虫には藤子不二雄にとっての手塚のような意味での直接の先行者は、いない。
一人で道を切り開く先行者の孤独は、藤子不二雄の二人にはない。
(スラムダンクな友情論 齋藤 孝 文春文庫 より)
根石さんにも直接の先行者がいない点では「孤独」だと思う。
その孤独にあこがれる時もある。しかし世の中にすぐに引き戻される。私は弱い。弱い存在だ。
【8796】
【タイトル】(無題)
【 日時 】04/05/04 13:09
【 発言者 】boysome228
>根石さんにも直接の先行者がいない点では「孤独」だと思う。
その孤独にあこがれる時もある。しかし世の中にすぐに引き戻される。私は弱い。弱い存在だ。
sbさん。貴方はとても真摯な方だと思います。そのために他者との意見の相違が気になって仕方がないのでしょう。でも、それにあまり拘泥されるのは如何
なものでしょうか?貴方は貴方自身であって、他の何者でもないのですから、もっとご自分の意見に自信をもってください。私の見るところ、この掲示板では貴
方はベストスリーの一人です。他のお二人に一歩も引け目を感じる必要などないですよ。
私など、大変図々しいですから、他人の意見は5%しか聞かず、残りの95%はオレ流で通しています。つまり、95%は他人の意見との相違を当然のものと
して受け入れていますので、あまりストレスを感じません。でも、そのお陰で、逆に一人の先生の意見に振り回されず、多数の先人からいいとこ取りができるの
で、斎藤さんも含めて多くの人を許容できたりしてしまうから不思議なものです。
掲示板で他者の意見に振り回されないためには、ある点で他者との意見の相違があきらかになった時の引き際が大事です。あまり一つのポイントに拘ってス
レッドを続けても実りのない事が多いですから。そのポイントについて異なる意見が2つあるという事を皆に知らしめるだけで十分です。何もレスポンスがなく
ても、自分が信念を持っているものならば、分ってくれる人は必ずいるものです。いや、ひょっとして今は誰もわかってくれないかもしれません。実はその方が
良いのですよ。その方が人類によりユニークな貢献ができるというものです。
【8797】
【タイトル】boysome228
【 日時 】04/05/05 0:11
【 発言者 】sb
boysome228さんをうらやましいというコメントが今では多かったです。でも東大に入ったりする人達は自分のやり方を最後まで愚直にやり通した人が
多いと何かで読みました。たしかにboysome228さんに魅力を感じつつも私はboysome228さんのまねはできませんし、意味がないことです。
私は私のやり方で確信をもってやっていきたいとこれからも言語と付き合っていきたいと思っています。素読音読で根石さんからアドバイスいただいた中で特に
役に立っていることは「ゆっくりきちんと→きちんと速く」の指導順序に関すること、イメージや概念と記号音声などについて考える機会を得られたことなどで
す。また兄貴分としていろいろアドバイスをいただけるとありがたいです。これかもよろしくお願いします。
【8799】
【タイトル】学習者が立っている位置に立つ喜び
【 日時 】04/05/07 21:03
【 発言者 】sb
今日のレッスンで逆さe:(earth,bird,turnなどに出てくる音)をどうすれば学習者により早く伝えられるか、つまり学習者が自覚しやすい
か、というようなこと教えていただきました。
英語を母国語にする人達への英語発音レッスンと、日本語を母国語にする人達への英語発音レッスン(発音と音声の違いはこの際考えないものとします)はおの
ずと力点が変わってくるということを伺いました。
具体的には、「唇を狭める」という日本語での言い方が一番、学習者が早く飲み込むとのこと。
私はae(「あ」と「え」の中間音とよく説明されるもの)とur,ir,erの綴りの今、考えている音(この際、音と音声の違いは考えないものとします)
が苦手でした。学習者が気づくための方法として教えていただいた(私の音に対する「傲慢さ」のために根石さんがそのように指導することしか出来なかった、
つまり私の器の狭さのため、というのが本当のところでしょう)のですが、自分自身が「舌」より「唇を狭める」ことに気づきを得ました。
ありがとうございました。
【8800】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/08 2:26
【 発言者 】根石吉久
sbさんでも、「狭い音」は自信がなかったんですね。だけど、いつもきれいに出てます。
「狭い音」は、「逆さe」と「逆さv」で、これを「狭い音」だと端的にポイントを突いたのは、鵜田さんです。私は、鵜田さんの「30音」という30もの
ポイント設定には賛成できませんが、「狭い音」というポイントの指摘にはうなりました。
「逆さe」と「逆さv」の音価の違いは、ほとんどがアクセントの有無で自然に解決するので、この両者を区別しないという鵜田さんの見識にも脱帽しまし
た。
鵜田さんの功績はこの2点が最大のものだと思っております。
>具体的には、「唇を狭める」という日本語での言い方が一番、学習者が早く飲み込むとのこと。
これは、「10のポイント」をお読みいただけば、書いてありますが、要するに狭いところを息が通り、「こもる」ことによって「曖昧」な音が出ればいいの
です。ですが、日本人(日本語で育った人)の場合には、唇を狭めて出すのが一番てっとりばやいのです。ネイティヴや、複製音声をよく媒介にした人は、舌の
動きで口内で狭さを作れるのですが、日本人に対してコーチングをやる場合は、まずは唇で狭さを確保するのがいいというのが私の意見です。これで、「曖昧母
音」や「逆さv」を作れなかった私の生徒は一人もいません。
いきなり舌の動きで「狭さ」を作らせようとすると私は言葉を失います。舌が狭さを作ることを、私の言葉のレベルではどうにも描写できません。また、それ
を描写できた記述をこれまでに読んだことがありません。
まずは、唇の開きの狭さで、狭いところに音が通る(息が通る)感覚をつかんでもらうのが先決だと思っています。それが英語音として誤解が生じないものに
なれば、それ以後はCDなど複製音声を生徒は自分で媒介にできるようになると思っています。それで、それほどの努力も必要とせず、口内の狭さを作れるよう
になると思っています。
最初に「狭さ」を意識させないと、それ以後の発展のしっかりした「きっかけ」を作れないだろうと思います。
私は、一応舌の動きで口内を狭めることはできるのですが、いつも初心者のことを考え、唇で「狭さ」を確保することを忘れないようにしています。それが、
初心者にとっての最大の「きっかけ」だと信じていますので、初心者がもっともわかりやすい音として、唇で「狭さ」を確保しようと心がけています。初心者が
練習して、「狭い音」に入っていくために、もっとも参考になる位置に私の「音」がとどまっていなければならないのだという考え方です。「狭さ」が作る音価
の近似値さえ感覚でつかまえられるようになれば、それ以後は生徒はいくらでも複製音声を媒介にして発展させることができます。しかし、私はコーチングをや
る者ですから、生徒にとっての入り口にあたる音でいつも自分の音を作るのです。
これは、少し前に書いた「ネイティヴ音への一元化の拒否」という思想です。(私はこれは思想だと思っています。)この点が、私が小川さんとも柴田さんと
も違うところです。また、sbさんとも違ってきたところです。
>
私はae(「あ」と「え」の中間音とよく説明されるもの)とur,ir,erの綴りの今、考えている音(この際、音と音声の違いは考えないものとします)
が苦手でした。
sbさんでさえそうだったのですから、一般の非常に多くの英語学習者は、この両者を区別できていない人がほとんどです。
これらを区別する決定打は、「一瞬般若」という日本語と「狭い音」という日本語だと思います。
もしかして、と期待しているのですが、この両者をはっきりと区別できるようになったのは、私のレッスンを受けて以後のことでしょうか。
もしそうであれば、私は(音に関して)上級者である人に対しても、「音づくり」ができたことになります。そうであれば非常にうれしいです。
【8801】
【タイトル】sbさん、もう一点
【 日時 】04/05/08 2:46
【 発言者 】根石吉久
>私はae(「あ」と「え」の中間音とよく説明されるもの)とur,ir,erの綴りの今、考えている音(この際、音と音声の違いは考えないものとしま
す)が苦手でした。
これはあくまでも「音」の問題ですから、「音」と「声」の違いは考える必要はありません。
ur, ir, er の三つを「狭い音」とされているので、もう一点補足します。 or も「狭い音」です。
英語の授業で使えば抜群の効果があると信じているものに、私が考案した「あいうえおフォニックス」があります。
日本人の耳に「アー」と聞こえる音に関してですが、と生徒に前置きします。
生徒に「 a i u e o 」とそれぞれのローマ字の間を開けて、紙に書かせます。そのそれぞれに「r」を加えて、「
ar ir ur er or 」と書かせます。
「ar」だけを丸でくくれと指示します。
次に、「 ir ur er or 」を、長細い一つの丸でくくれと指示します。
これによって、「ar」 が他の4つから区別されます。
「ar」は「カラスのカー」または「診察室のアーン」です。
舌の先を下の歯の裏にくっつけたまま、顎を下げていくときに出せば出ます。
他の4つは全部「狭い音」です。「
ir ur er or 」の綴りを見て、生徒がいつも「狭さ」を作れるようになったら、実は「ear」も「狭い音」だぞと、狭い音の仲間を一つ増やしま
す。
最初は、日本人に馴染みの深い「あいうえお」で、「顎の下がる明るい音」と「狭くてこもった音」を区別させるのがミソです。
これをひっさげて、学校の教室に立たれることを期待しています。
【8802】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/08 3:07
【 発言者 】根石吉久
>私が何度も繰り返して書きこみをしてきたこと、つまり「記号としての言語(言語記号)」は、「英語どんでん返しのやっつけ方」小学館文庫 根石吉久著)
の中の「空っぽの電池を作ること」という表現と同じことではないかと思う。
多分、同じことを考えているのかもしれませんが、生徒(実践者)が実践する場合には、sbさんの言い方だと、誤解が多発するでしょう。
「記号としての言語」という言い方で私が真っ先に思い浮かべるのは、「活字」です。
あるいは、道路標識です。道路標識もほとんど全部、「活字」です。何が、「活字」かとも思う。あんなものは、全部「死字」じゃないかとも思う。
sbさん、手元に六法全書というような書物がありますか?
それを読んでみて下さい。そこにどんな「個性」を見つけられますか?
「記号」が「個性」であるなら、六法全書にも「個性」を見つけられるはずです。
多分、日本の近代化を真剣に考えた人の「個性」があるはずですが、六法全書に私はいまだ「個性」なんてものを見ることができていません。それを見る思想
があるのであれば、私に教えて下さい。
語学に関する思想こそ、日本の「近代化」を相対化するものではないかと思っています。
【8804】
【タイトル】中庸は反抗の逆ではない(カミュ)
【 日時 】04/05/08 6:53
【 発言者 】sb
>ネイティヴや、複製音声をよく媒介にした人は、舌の動きで口内で狭さを作れるのですが、日本人に対してコーチングをやる場合は、まずは唇で狭さを確保す
るのがいいというのが私の意見です。
こういうところが本当はずっと大切にしなければならないし、それが喜び(生徒さん達にとってもコーチする側にとっても)なんですね。
「中庸は反抗の逆ではない。反抗は中庸であり、歴史と歴史の混乱を通じて、中庸を命じ、擁護し、再創造する。反抗の価値の起源そのものが、中庸は分裂した
形でしか存在しえないことを保証する。反抗から生まれた中庸は、反抗によってしか生存することができない。」(A・カミュ 佐藤・白井訳「反抗的人間」
『新潮世界文学49カミュU』新潮社、1969)
日本語訳を読んでも、分かったような分からないようなイヤな感覚ですが、何か教えられます。
私の「反抗的人間」を許してくださる根石さん、boysome228さん、小川さんはじめ、みなさまに感謝します。
【8805】
【タイトル】よく考えて見ます
【 日時 】04/05/08 7:08
【 発言者 】sb
>初心者が練習して、「狭い音」に入っていくために、もっとも参考になる位置に私の「音」がとどまっていなければならないのだという考え方
やはり根石さんです。やはり最初をゆく方です。でも私には難しすぎると逃げたくもありません。考えて見ます。考えて見たいです。いや考えて見なければなら
ない大切なことです。また考えて見る価値は十分にあることです。日本人英語教師全員がぜひ考えて見なければならないことの一つであるとも思います。
私はネイティブ信仰なるものは捨てていますが、そのことと根石さんのこれとはまた全然違います。私はただ本名信行氏をなぞっただけです。根石さんは、視点
そのものが違うのです。根石さんの発想にはいつも「こども」がいます。「かわりゆくもの」があります。その上で絶対肯定しながら、厳しく、そして「定点観
察」をする。谷川俊太郎さんの世界も感じます。
【8806】
【タイトル】ありがとうございます。
【 日時 】04/05/08 7:13
【 発言者 】sb
>他の4つは全部「狭い音」です。「
ir ur er or 」の綴りを見て、生徒がいつも「狭さ」を作れるようになったら、実は「ear」も「狭い音」だぞと、狭い音の仲間を一つ増やしま
す。
無意識にorはその音から勘定していませんでした。しかしearを入れるのは中学ならheardがあるからですか?ear,hearが原型でheard,
beardは例外と教えてしまっていた感覚があるのですが。。。私は無頓着でした。
【8807】
【タイトル】やはり私は音声に興味があるようです。
【 日時 】04/05/08 7:20
【 発言者 】sb
改訂音声学入門(小泉保著、大学書林)という本をテープも一緒に手に入れました。日本語を十分視野に入れた各国語のIPAも学べる良書だと聞いています。
これを「媒介?」にして注意深く自分の音を探しに出かけたいと考えています。自分だけの音は一生かけて作っていくものなのかもしれません。
【8808】
【タイトル】驚きました
【 日時 】04/05/08 8:15
【 発言者 】パクパク
sbさんこんにちは。
小泉保さんという方がおられたのですね。
英語音だけではなく、日本語音も視野にいれて
いるのはすごいことだとおもいます。
というのは、日本語をベースにしながら
英語に近づくことができるからです。
たとえば英語のア系の音の創出に関しても
日本語ベースの説明をうけて、英語音の創出が
可能だからです。
日本語音を簡単な変換操作で英語音にすれば、
瞬時解決し、一生ものになるとおもいます。
個別音の変換はすでに解決していますが
文レベルでも多分、同じことだとおもわれます。
日本語の高低リズムを簡単な変換規則・操作で
英語強弱リズムへ移行できるとおもいます。
私たちは、「おはようございます」という和音を
比較的簡単に英語リズムで、外人のように強弱で
物まねできます。
しかし、good morningを英語リズムで言うとなると
とたんに難しくなります。
しかし、日本語を介在させればそんなにむつかしく
ありません。
これは、生徒に対する極めて具体的な教え方であり
生徒は理解しやすいとおもいます。
(日本語をすでに知っているから)
【8809】
【タイトル】パクパクさん
【 日時 】04/05/08 10:46
【 発言者 】sb
パクパクさん、こんにちは。書きこみありがとうございます。
先ほどの「改訂音声学入門」は「はじめての言語学」黒田龍之介著、講談社現代新書の中の読書相談室というコーナーに載っていたものです。少し引用してみま
す。
読書相談室 3
音はとにかく聴いてみなければはじまならない。
まずはいろいろな外国語の音に耳を傾けてみよう。
@千野栄一・監修 『世界ことばの旅 地球上80言語カタログ』 研究社 1993
ここには八十の言語が二枚のCDに収められている。各言語の録音時間は一分半。意味がわかるかどうかではなく、言語音を聴いてみるにはいちばんいい。付属
の解説書には、このCD(1979年のLP版を復刻)ができるまでの経緯や、収録されている八十の言語についての概説がある。例のコサ語もここで聴ける。
A小泉保『音声学入門』 大学書林 1996
これは決してやさしいものではない。しかしIPAを具体的な音とともに理解する教材はほかにない。音声学に深入りしたい人向けである。学生に貸したのもこ
のテープである。なお、2003年には改訂版が同社から出ている。
【8810】
【タイトル】わたしはこだわってしまいます
【 日時 】04/05/08 11:06
【 発言者 】sb
boysome228さんのお陰で、私は学ぶことができました。
言葉の多様性は、文化の多様性や、人間の多様性につながるのだということを考えています。
私はどちらかというと夜型ではないので、早朝書きこみのほうがいい書きながらでも良いアイデアが出るようです。以前のboysome228さんへの投稿で
は「さん」も付け忘れ、「誤字脱字オンパレード」でまことにお恥ずかしい限りです。もうしわけありませんでした。
>掲示板で他者の意見に振り回されないためには、ある点で他者との意見の相違があきらかになった時の引き際が大事です。あまり一つのポイントに拘ってス
レッドを続けても実りのない事が多いですから。そのポイントについて異なる意見が2つあるという事を皆に知らしめるだけで十分です。何もレスポンスがなく
ても、自分が信念を持っているものならば、分ってくれる人は必ずいるものです。いや、ひょっとして今は誰もわかってくれないかもしれません。実はその方が
良いのですよ。その方が人類によりユニークな貢献ができるというものです。
改めてこのアドバイスを読み返しています。この掲示板はそういった「ユニークな貢献」ができる方々の集まりだと思います。根石さんや村田さんのお陰でいろ
んな方々の出会いがあり感謝しています。今後ともよろしくお願いします。
【8811】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/09 1:14
【 発言者 】根石吉久
>>他の4つは全部「狭い音」です。「
ir ur er or 」の綴りを見て、生徒がいつも「狭さ」を作れるようになったら、実は「ear」も「狭い音」だぞと、狭い音の仲間を一つ増やしま
す。
>無意識にorはその音から勘定していませんでした。しかしearを入れるのは中学ならheardがあるからですか?ear,hearが原型で
heard,beardは例外と教えてしまっていた感覚があるのですが。。。
最初に、日本人の耳に「アー」と聞こえる場合に、という断りが必要です。
hear, ear, beard などは、「アー」とは聞こえませんから、「あいうえおフォニックス」の適用はできません。
中学の教科書でも、heard だけでなく、earth, early など ear
の「狭い音」をちらほらみかけます。「or」の狭い音は、私もちょいと思い浮かべられないので、手元のニューホライズン・中学一年用を開いてみます。
「ar」の「顎の下がる明るい音」(診察室のアーン)は、car, Mark, park, pardon, hard
などすぐにみつかるのですが、「or」の「狭い音」はなかなか見つかりません。
for
なんかどう考えるべきなんでしょうね。[f逆さe] が弱形であり、[f鏡文字c] が強形ですから、半分当たっているとも言えますが、音声学的にどうな
のかは私にはわかりません。これは or でも同じことが言えます。
ありました。 junior
です。しかし、これも、「単語の前半にアクセントがある場合、単語の最後の母音は曖昧母音化する」(おざなりに発音されるため)という説明で解決してしま
う例であり、純然たる「or」=「狭い音」の例としては好適ではありません。
ありました、ありました。 homework
です。これも、「単語の前半にアクセントがある場合、単語の最後の母音は曖昧母音化する」で説明できてしまうようにも見えますが、work
だけを取り出しても、「or」= 「狭い音」ですから、これは好適な例です。
やはり、他の「ir, ur, er」=
「狭い音」に較べると、ぶつかる確率はずいぶん低いですが、「or」が日本人の耳に「アー」と聞こえる場合は、「狭い音」だと言い切っていいと思います。
【8812】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/09 1:22
【 発言者 】根石吉久
work, world と、二つ思い浮かびました。worst なんかもそうですね。
【8813】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/05/09 1:42
【 発言者 】根石吉久
音声学に深入りしたいようですが、どうか教室という現場をお忘れにならないようにお願いして
おきます。生徒の口の動きを変えられないなら、どれほどの音声学の学識も語学教師(コーチ)
のお飾りに過ぎなくなってしまうことを忘れて欲しくありません。先生一人が音がよく、生徒の
口の動きを変えられないということは、一歩距離を置いて眺めると、実に悲惨で滑稽な光景なの
ですが、それが悲惨であり滑稽だとは誰も指摘しないのが大問題です。
ミッフィーさんが、今日のレッスンで、「5分間音づくり」のことを話して下さいました。近頃
ここに書かれないので、公立高校での「音づくり」としては画期的な実践例となるはずのものが
どうなっているのか気になっておりましたが、やっておられるとお聞きしてうれしく思いました。
話の初めの方で、生徒の音が変わらないというようなことを言われたので、実に不安になりまし
たが、これは上達に時間がかかっているということらしく、詳しく話をお聞きしているうちに、
「(手短にコツを言うと)瞬時に変わる」と言われ、ほっと胸をなでおろしました。そうなので
す。「音づくり」では、生徒の音は「瞬時に変わる」のですが、口の動きとして定着するのに時
間がかかるのです。次のレッスンがあるので、あまり長くお話できなかったのですが、そういう
理解でよろしいですか、ミッフィーさん。
それでよろしければ、ミッフィーさんは「音づくり」の現実の中に踏み込まれたということで
す。ねばり強くやってみて欲しいと願っています。私はとてもうれしく思っています。
日本語の「あ」への先祖帰りの傾向は、ものすごいものがありますので、時間はかかります。
絶えず、「一瞬般若」「顎の下がる明るい音(診察室のアーン)」「狭い音」は指摘しつづけなけれ
ればなりませんが、途中で「あいうえおフォニックス」を噛ませると、抜群の効果があります。そ
れでもなお、生徒が3つの「ア系列」を間違えなくなるまでに、2年や3年はかかります。柴田さ
んの実践例では、「5分間」どころかもっともっと「音づくり」に時間をさいていますが、その場
合でさえ、2年、3年かかると言われていたと覚えています。確か、「音作りへの道」にそういう
記述があったと覚えています。
「ア系列」の3つの区別に関しては、年中指摘しつづける先生でいて欲しいです。あの先生は、
「ア系列」に関してはとことんうるさい先生だったと後々生徒が覚えている先生になって下さい。
それが生徒にとってもっともありがたい先生になるはずです。必ず後に生徒から感謝されますから、
「ア系列」の3つはおろそかにしないで、指摘しつづけて下さるようお願いします。
sbさんに向けて書いていましたが、ミッフィーさんへの記事になってしまいました。sbさん、
ごめんなさい。
【8814】
【タイトル】2年、3年
【 日時 】04/05/09 1:50
【 発言者 】根石吉久
私の「電話でレッスン」でも、音に関してまったくの初心者の生徒さんを相手にした場合は、
3つの「ア系列」が区別できるだけでなく、踏み外さないようになるのに、2年から3年か
かっています。週一回、一回30分のレッスンで、生徒さんは、レッスンとレッスンの間の
一週間にかなり自習をされます。継続できている生徒さんは、例外なくかなりの自習をされ
ています。あらかじめいい音をお持ちの生徒さんは別として、音の初心者である生徒さんは、
かなりの自習の時間を含めた上で、2年から3年かかっています。
【8816】
【タイトル】ひとつの希望がかなう
【 日時 】04/05/09 2:06
【 発言者 】根石吉久
過去ログのどこかに書いてありますが、私の希望の一つに、アメリカ在住で英語で苦労されている日本人の方を相手に「電話でレッスン」をやりたいというも
のがありました。それはいつかやってみたいものだと思い続けてきましたが、これまでにその機会を得ることができませんでした。今日の高橋さんのレッスン
で、高橋さんが5月の末からアメリカに渡り、2年ほどの間、在米で仕事をなさるということ、レッスンはアメリカに渡って以後も継続したいということをお聞
きして、私は内心「やったあ」と叫んでおりました。私の希望の一つがかなうのです。以前、sbさんが、オーストラリアから2ヶ月ほど「電話でレッスン」を
受けてくださいましたので、「電話でレッスン」が海を渡るのは初めてではないのですが、2年という比較的長期に英語の磁場で暮らされる方を相手にレッスン
するのですから、今度は意味あいが違うと思って気をひきしめております。
高橋さんには、「机上の語学」と「生活の言語(実用言語)」をねばり強くこき混ぜてみていただきたいと願っています。この両者が区別できないような危機
を迎えると思いますが、この危機を乗り越えることで、言語スキルは時を迎えれば一挙に獲得されると思っています。時間がとれたらで結構ですので、「電話で
レッスン」が英語の「磁場」に切り込んでいく過程を報告していただきたい旨を高橋さんにお願いしました。それが実現すれば、貴重な記事になるはずだと確信
しています。
【8817】
【タイトル】「個」と「場」(ことば!?)
【 日時 】04/05/09 9:32
【 発言者 】駄洒落不尽
ふと、思った。
まさか!
でも、これが「音声」?
軟口蓋の「こ」(より内)
と
両舌の「ば」(より外)
ゲームかもしれない。
でも楽しい。
これがレジャーというものか。
【8820】
【タイトル】質問なのですが
【 日時 】04/05/10 22:20
【 発言者 】I村
人名の、「Balistrari」を発音記号で表すとどうなるでしょうか。
よろしくお願いします。
【8821】
【タイトル】飛行機の中で
【 日時 】04/05/11 2:13
【 発言者 】小川
隣に座ってたのは人懐っこく饒舌なイギリス人でした。 日本のマンガが好きだって言って日本の事も良く予習して来ている人でした。 ところがこの人の英語
がさっぱりわかりmせん。 しばらく付合ってみて、th を f の様に発音する事に気がつきました。
thirteen って言ってるのか fourteen
って言ってるのか良く解らず、何度も聞き直したもので、すっかり英語力のないおばちゃんだと思われたらしく、(ま、実際そんなとこではありますが) ゆ〜
くり簡単な単語でしゃべってくれる様になりました。
トホホ体験でしたが、英語もいろいろですね。
【8822】
【タイトル】高校の英語
【 日時 】04/05/13 2:46
【 発言者 】小川
私の生徒の1人は公立高校の3年生です。
英語は教科書の他に、リーディングと長文読解を取っていますが、授業の進め方はどのクラスも全く同じだそうです。もちろん各クラス、違う先生が担当されま
す。 先生がテキストを読み逐語訳するのを、生徒が聞いてノートに書き留めるだけです。 リーディングでは薄いペーパーバックの1册でも読むのかと期待し
てたのですが、長文読解で使う問題集とさして変わらないくらいの短文(!)の逐語訳です。 1週間の授業で英語を一言も発しない事も多々あるとの事でし
た。
こんな授業、詐欺やないですか...
【8823】
【タイトル】I 村さん
【 日時 】04/05/16 0:10
【 発言者 】根石吉久
お返事が遅くなって申しわけありません。
レッスン時に少しお話させてもらいましたが、他の生徒さんのことも考え、ここにも書いておき
ます。
小型の辞書には出ていないと思われますが、私の所持する「リーダーズプラス英和」には、人名
としての Balistrari は出ていませんが、balistraria が載っています。「<塔などの>壁
の狭間」という語意だそうです。西洋建築に詳しくないと、よくわからないしろものですが、人
名の Balistrari はおそらくこの語から出たものかと思われます。
balistraria だと、ba のところの母音は「吊り上げ音(一瞬般若)、ra のところは、[e] ま
たは「吊り上げ音(一瞬般若)です。
発音記号表記ができないので、以上のような説明になってしまいますが、「電話でレッスン」の
生徒さんにはわかっていただけると思います。
掲示板をお読みになっている方で、balistraria と 人名の Balistrari の関係をご存知の方
がいらしたら教えていただけたらうれしく思います。
【8824】
【タイトル】小川さん
【 日時 】04/05/16 0:31
【 発言者 】根石吉久
>こんな授業、詐欺やないですか...
詐欺だと思います。私どもがここで吠えているだけでなく、生徒や父兄が「これは詐欺だ」と
言葉にするようにならないと駄目だと思います。
以前にも書きましたが、匿名で結構なので、中学生や高校生が学校名・学年・授業の名前くら
いまでを具体的に挙げて、こういう馬鹿げた訳読をやっている授業の一覧表ができてこないと駄
目だとも思います。しかし、この一覧表は実は作成不可能なものかもしれません。馬鹿げた訳読
の授業というものが、「贋の標準形」であったとしても「標準形」です。これが「標準形」とし
て通用してしまっている状況全体が馬鹿げたものです。そこらの中学、高校の授業の多くが「贋
の標準形」を踏襲しているだけのものですから、数が多すぎて一覧表に掲載しきれたものではな
いかもしれません。
しかし、それでもなお、一覧表作りなどの人に憎まれるような作業は必要だと思っています。
この馬鹿げた状況は誰かが切開しなければならない。こんな授業を受けている生徒は、間違いな
く学校英語の犠牲者になります。
勇気ある中学生、高校生諸君、「詐欺授業」を受けておられるようなら、学校名と学年、クラ
ス、授業名をここに記述して下さい。私が時間がとれれば、「詐欺授業・給料泥棒授業一覧」を
作成していきます。
なお「詐欺授業」をやめたいと考えているが、何をどうすればいいかわからないという先生が
おられた場合は、やはり匿名で結構ですから、この掲示板にご相談下さい。
【8825】
【タイトル】(無題)
【 日時 】04/05/16 2:21
【 発言者 】boysome228
>こんな授業、詐欺やないですか...
昔なら、漢文訓読の寺子屋が詐欺でなかったのと同様、文法を教え、英文和訳を教える英語の授業も詐欺ではなかったのです。今でも翻訳をする人や、書かれ
た技術や情報を一方的に吸収するために英文に接する人達には、このような授業でもそれなりに役に立っていると言えるでしょう。
でも、今は我が日本国も、二ヶ国語放送が巷に溢れ、外国に情報発信して国際貢献を求められていますので、そういう事をしたい人には、こういう授業は完全
にOut of
Dateです。また、ここまで求める人には、語学のための英語でも不十分で、英語でアウトプットができたり、考える事ができるレベルが求められることにな
ります。各自の目標により求められるレベルは変わってきます。現在の公教育に最上級のレベルまで面倒見させるのは酷ですが、せめて発音と、簡単なアウト
プット能力程度は教えて欲しいですね。
【8827】
【タイトル】音読たくさんの授業の効能(2)
【 日時 】04/05/16 4:45
【 発言者 】ミッフィー
授業の手順@前回の授業でやったパートの復習テストAその日やる英文をCDで聴かせるB英文を意味の固まりで区切って音読させる。その日の授業でターゲッ
トにしたい文法項目が入っている英文は2回、3回も読ませる。C内容読解:訳を言ったり、文法項目[今やっているのはwith
名詞 状態]を説明。また英文の内容の心情理解(?)。とこんな様子です。読みに力を入れるぞというのは、生徒も把握していて、音読の時は音楽の授業のよ
うに良く声を出します。で、当初は個別の5分間音作りを計画していましたが、どうも一斉に音読する方が良く声を出すので、一斉に読ませています。読ませな
がら、でも途中で「あ〜、その音だめ。一瞬般若のアで読もう。はいもう一度。」などコツを手渡せば、けっこう音が変わります。狭い逆さeについても同じで
す。でもいつも元に戻るので、いつも同じことを言っています。同じことをいつも言うと、指示しなくても一瞬般若で言う生徒が現れてくれます。これは収穫で
す。で、音読で時間を使うので訳や説明の時間が限られます。訳を渡そうかと、同じ学年を担当する先生達に提案しましたが、とりあえずなしでやってみること
にしました。で、文法説明についても時間短縮のため、予習プリントなる物を他のスタッフに作ってもらい手渡せるヒントはたくさん渡し、どうしても生徒の印
象に残したいところを説明しています。宿題はその日やった英文書写と復習。で、次回の授業の頭に復習テストをします。単語7題、並べ替え3題。7点未満は
追試で、追試は間違えたところを10回書かせたうえで、口頭試問です。単語、英文どちらも5回すらすら続けて言えるようになるまで合格できません。この追
試をやるにあたっては私の昼休みや放課後の時間を使っています。この時間を使わないとできません。けっこうしんどいです。でもどこまで伸びるかをこの1年
で見たいのでやっています。授業のやり方についてはたまたま今年一緒の学年を担当することになった先生達が私より若く(2人いて、いずれも25才とか27
才のハンサムな男性で大変嬉しい)その内の一人が新規採用、しかも私が新採指導教員なんぞになっていて(私はまだ32才だというのに…。普通こんなのはベ
テランの先生がすると相場が決まっているんだが)私の言うことをそのまま受け止めてくれています。もう一人の先生は教員に採用されて3年目、いずれの先生
も私のねらいを理解してくれて、チームとして教えるには絶好の環境です。若いって素晴らしいな、と思うのは、従来のやり方と違う授業手法を提案した時に、
あまりためらわず、(とまどいはあったみたいでしたが。でもそれも当然と思う)実践してくれるその勇気を持ってくれたことです。教員の世界はまだまだ年功
序列があるので、頭の固いおっちゃん先生やおばちゃま先生と組むよりも、経験は少なくとも、若い先生達と組む方が、私にとってはまだやりやすい気がしま
す。こんなことを偉そうに書き込みしていますが、7月の進研模試でどれくらいの偏差値がでるんだか。皆さんの参考になれば明らかにしたいと思います。たと
えどんなに悪くとも。題名がこんなですが、書いてみるとあんまり音読たくさんしてませんね。とほほ。
【8828】
【タイトル】補足
【 日時 】04/05/16 4:54
【 発言者 】ミッフィー
あ、あと単語も読ませてます。patientなんかはけっこう読めません。emergencyに至っては、カタカナでも「イマージェンシー」と言えたらま
しなほうです。でも「マー」のとこは狭く、と言ってはいますが。他の高校の先生方もよければ授業の様子を教えて下さい。
【8829】
【タイトル】boysome228 さん
【 日時 】04/05/16 11:09
【 発言者 】小川
>漢文訓読の寺子屋が詐欺でなかったのと同様、
私の投稿の内容を把握しておられません。
漢文訓読や昔の寺子屋の授業と、今の学校の英語の授業をくらべるなと出来ません。 今の学校の授業は「生徒が声を出す事が全くない」事を問題にしているの
です。 昔の寺子屋くらいの授業が、今の学校の英語の授業で出来たら、根石さんは晴耕雨読の安らかな生活に戻りはりますでしょう。
【8831】
【タイトル】けさの一句
【 日時 】04/05/17 15:19
【 発言者 】いくこ
教師呉れしは所詮知恵なり花茨 寺山修司
---------------
きょうしくれしは しょせんちえなり はないばら てらやましゅうじ
季語の花茨(はないばら)は、枝にトゲあがある。白い五弁の花を多数つける。
俳句では、句の主たる部分と季語にギャップがあるほど意外性があって面白い。
教師がくれた「知恵」はどこか理想主義的、
実際に社会にでてみたら、そんなものは役にもたたず、こっちは「茨」で傷だらけだよ、
と読むのは深読みのし過ぎか。
それでも、寺山には教師から知恵はもらったという感覚があるのかもしれない。
(あくまでも、「知恵は」であって、「知恵を」ではないよ。)
まれに、そういうひともいる。
だが、寺山の醍醐味は「実践のひと」というところにある。
だから、花茨をもってきたところが寺山らしくて秀逸だ。
今朝、この句を信濃毎日新聞に見つけて、
なんだか知らないが、小川さんとboysome228 さんの書き込みに通じるものがあるように思った。
いや、微妙に違うかもしれないが、そこは勘弁してください。
英語に関して言えば、「知恵をもらう」なんて悠長なことを言っていたら、
いつまでたっても、とっさに英語を発するようなレベルまでもっていけない。
英語という科目は、もっと「体育」のような科目として扱われるべきな気がしている。
もちろん、保健体育じゃないよ。
知識ばっかりじゃ、だめだからね。
なんて、思いました。
【8832】
【タイトル】礼拝行
【 日時 】04/05/17 23:09
【 発言者 】sb
>英語に関して言えば、「知恵をもらう」なんて悠長なことを言っていたら、
いつまでたっても、とっさに英語を発するようなレベルまでもっていけない。
英語という科目は、もっと「体育」のような科目として扱われるべきな気がしている。
「記号」を「体育」として。
「思考」を「教養」として。
「文化」を「技芸」として。
そのせめぎあいが大切。
現在は「体育」と認識している人は少ないと思います。
学習者もコーチも、そういう人を増やしていかないといけないと私は思います。
ところで。。。
「国語」は、
「日本語」は、
なぜ「体育」として扱われないのか。
「磁場」があるからなのか。
「こころ」があるからなのか。
「山月記」があるからなのか。
「舞姫」があるからなのか。
なぜ「英語」には「ジャック∩ベティ−」がないのか。
【8833】
【タイトル】いや、保健体育でもいいかも
【 日時 】04/05/18 3:30
【 発言者 】いくこ
なんだか、英語学習は、保健体育でもかまわない気もしてきた。
「実践」をやみくもにつむより、
教師が「良質な事例」を与えることで、生徒は反芻するようにイメージトレーニングをするかもしれない。
それで、「良質な電池」を沢山つくっておけば、きっと実践のときに、いい意味で役に立つかもね。
まあ、所詮は、大人側の老婆心ありありなんだろうけど。
英語教育だって、生徒に、良質な英語を効率よく体得してほしいという、
親心(教師ごころ)があった上で、行われるものじゃないか。
その上で、練られるべきなのが、教授法だと思う。
いきなり、「実践だ」の「生きた英語に触れる」だのばかり持ち出しても、
深みのある英語にダイレクトにアクセスする時のためにはネタが少なすぎる。
やっぱり、空の乾電池を、生徒にいっぱい持たせた上で、
実践の時にそれをどんどん充電するのが、いい気がした。
結局、保健体育で生徒たちがイメージを反芻するように、
英語も繰り返し読むという反芻が空の乾電池をつくことになるんだろう。
【8834】
【タイトル】sbさん<いくこ
【 日時 】04/05/18 14:40
【 発言者 】いくこ
sbさん>ところで。。。
>「国語」は、
>「日本語」は、
>
>なぜ「体育」として扱われないのか。
>「磁場」があるからなのか。
>「こころ」があるからなのか。
なぜなんでしょうね。
磁場の中にいるし、基本的な日本語は理解できるだろうということを前提にしてるのかもしれませんね。
学校では、小学校の低学年で音読をやって、
学年が上がるにつれて、次第に黙読に移行していくシステムになってるような気がします。
で思ったのですが、学生時代、私は英語より国語の好きな生徒でして、
主に古文でしたが、参考書の例文を素読して、べらべら口からでてくるようにしてたことを思い出しました。
そのころの私はなにをトチ狂ったのか理系にいたんですけど、
そんな私でも国語の成績がひどく悪いということはなかったような気がします。
古文はもはや外国語と同じという話も聞きますし、
成績で国語力の有り無しが測れるとも思えませんが、
国語においても、素読というのはかなり有効だなと身に染みて思っています。
第一、小気味よい良質な日本語のフレーズをすらすらと口ずさむ時、
ちょっとした至福を感じませんか?
(私だけか〜^^;)
小学校5年・6年の時なのですが、担任がもともと中学校の先生だった方でした。
その先生は、朝の学級活動の時、ポスター用紙に大きく書いた漢文を黒板に貼って、
私達児童に、毎日それこそ大きな声で素読(読み下し文でですが)させました。
今思えば、有名なあの「少年老い易く…」です。
クラス中の子が言えるようになると、次は高村光太郎の「道程」かなんかをやった気がします。
こんなことを、小学校を卒業するまで2年間、やっていました。
先生は、それらの文の意味と、その味わい深さを、簡単にだけ説明しました。
でも、これらはいつかまた君達が中学・高校で出会うだろう文で、
ああ、これは聞いたことがある、とそのときに思えればいいと言っていた気がします。
この体験を、私は本当によかったなと今でも思っています。
今、根石さんの素読舎(塾)で、英語を学ぶ生徒達に混じり、
小学生が「声に出して読みたい日本語」をテキストとして、
いろいろな日本語の文を素読しています。
日本語をやってる子供達も、素読舎方式で素読・回転読みをやっています。
あの子達が、将来中学・高校生、そして大人となって、
「ああ、この文知ってる」
と思う瞬間に出会うだろうことを考えると、なんだかワクワクします。
自分がそうだったから。
こんな日本語への接し方は、「体育」そのものかもしれませんね。
今は、意味は分からないかもしれないけれど、
かつて「逆上がり」ができるようになったように、
身体で覚えて、身に付けていけば、国語の体力がつく気がします。
国語も、中学生・高校生になれば、「体育」の部分は自分で家でやれということなんでしょう。
まだ、国語は自分で音を決められるし、ある程度意味もとれるので、自分で練習できますが、
英語に関しては、自主性だけでは乗り越えられない部分がありますよね。
【8835】
【タイトル】いくこさん
【 日時 】04/05/19 1:23
【 発言者 】Naima
高校卒業後、ほとんど自学自習で英語をそこそこ使える様になり、その後通訳養成所を卒業して、現在通訳のプロとして働いている私の友達が、「英語は体育会
系である」と言い切っていました。
これだけコメントするのが精一杯、電車の中で立ってても眠るくらい忙しい毎日ですのら...
お休みなさい
【8836】
【タイトル】根石さんの過去ログより
【 日時 】04/05/19 22:12
【 発言者 】sb
>(根石さん)「音づくり」を考えたら、黒板で説明しているような暇はない。。。
>(根石さん)「音づくり」が成立していない文に関して文法の説明をするのは、根底的に錯誤。。。
>(根石さん)英語の授業で、黒板は敵。。。次に現れる敵は。。。中間・期末のテスト。。。
「英語=体育会系」という言葉が「黒板=敵」とつながる。
「体育の授業では確かにほとんど黒板は不要」
でも「使うべき所では確かに教師は黒板をうまく使っている」(移動黒板など)
英語の教室でも移動黒板みたいなものだけ効果的に使うのもいいかも。。。
【8838】
【タイトル】Kさんからのメールへのお返事・転写
【 日時 】04/05/21 23:16
【 発言者 】根石吉久
メール拝読しました。
承知しました。
私は、このレッスンをなんとか広めたいものだと考えてきまし
たが、なかなか広まってくれず、最近は生徒の数が減り気味なの
で、俺のやっていることは駄目なのかもしれないと考え始めてい
たところでした。熱心にやっていただいてきたKさんの中断は私
にはきついものです。
日本在住のままという条件を考えると、このレッスンは本当は
継続して欲しいのですが、事情が事情ですので仕方がありません。
また再開できる時が来ましたら是非再開していただきたく願っ
ております。何度かレッスンの時にお話しましたように、塾の形
で、そちらの地元に私の方法を伝えてくれる場所を作っていただ
きたいと願っておりましたので、そのことも心にとどめておいて
いただきたくお願い致します。
あまり生徒さんが減っていくようであれば、「電話でレッスン」
自体の廃止を考えなければならないことにもなってしまいます。
お知り合いの方やそのお子さんに奨められる方がおられましたら、
今後ともレッスンのことをお話いただけることを願っております。
6月分をもうお支払いいただいてあるということでしょうか。
郵便局へ行って記帳することをこのところしていませんので、そ
れが確認できておりません。もし、すでに払い込まれてしまった
ようでしたら、再開時の1ヶ月分として使っていただけませんで
しょうか。無料お試しレッスンは、掲示板に広告してもこれまで
申し込みがあったことがありませんので、そう提案させていただ
きたいと思います。
今後再開なされる予定がないようでしたら、6月分のレッスン
代金はお返し致しますので、再開の予定の有無をお知らせいただ
きたくお願い致します。
根石吉久
【8841】
【タイトル】(無題)
【 日時 】04/05/22 1:48
【 発言者 】根石吉久
「贋の標準形」を叩きつぶさない限り、俺のやってることは、後退戦でしかない。
ピエロか。いくこの言葉を借りるなら、ドン・キホーテか。
相当馬鹿らしくなっている。
【8842】
【タイトル】自習。
【 日時 】04/05/22 8:50
【 発言者 】Jackie
自分で習う、練習する。自宅学習。
これって面倒。やったところで誰もほめてくれるわけでなし、
成果もすぐにあらわれるものではない。
それよりも塾で「中間期末のよくでるポイント」を教えてもらったり
問題を解くテクニックを教えてもらったほうが得点に結びつく。
結果が割と早く出る。
でもね、それは付け焼刃なのだよ。本当は。
ここのところをわかっていない父兄、本人が多いのではないか?
目先にとらわれすぎ。
Toeic講座、英検講座など、確かに傾向と対策テクニックを知るのはよいことだ。
でも多くの学校のそれらの講座はまさに付け焼刃的。
受験後に何も残らない。まあ合格証書,高得点がのこればよしか。
英検やTOEIC講座でもその問題を上手く利用しながら
総合的に力を伸ばすことも可能。
しかしこれまたちょっと時間がかかる。
「テクニックのみおしえてくれればいい」という生徒もかなりいる。
「総合力もつけばいい」けれど
総合力をつけるだけの労力はかけたくないと。
問題集を解くことは得意でも音読は面倒?
楽しく英会話は好きだが、その前の構文暗記(口答)などのインプットは面倒。
ふぅ。
【8843】
【タイトル】今後のこと
【 日時 】04/05/23 1:05
【 発言者 】根石吉久
酔っ払ったので、勢いで書いてしまうが、私のレッスンは月額で20万円ちょっとの収入しか得られない。この道、30年やってきたが、30年やってきて、
月額20万円ちょっとなのである。生徒さんが数人減れば、ただちに10万円代後半、さらに減ればすぐに10万円代前半になる。「音づくり=インプット」
は、それほどに娑婆から無視されている。
ジャッキーさんはありがたがらないのは承知のうえだが、はぁ、とか、ふぅ、というため息はまともの音づくりやインプットをやらせるレッスンをやる者たち
の共有物だと思う。
まあ、生徒が減っても、私は続けられる限りはレッスンは続けたいと思う。
しかし、この娑婆が「贋の標準形」を信仰しているかぎり、私の「音づくり=インプット」による収入は、生活費に足りるか足りないか程度のところをずっと
さまようわけである。完全に足りないとなったらやめるしかないが、さまよえる間はさまよっていたいと思う。
生活ができる最低ラインを確保したら、私のレッスンの枠はすべて埋まってしまう。それ以上の希望者がいたら、奈良の小川さんに預かっていただく。体力的
にもうそういうことしかできない。
生活が成り立つ最低ラインが、生徒数の上限だというのは切ない話であるが、素読舎はもともとそういう塾であった。女房の薬剤師免許がなかったら、とっく
につぶれていた塾である。
生徒さんにお願いしたい。私の方法がいいものだと思ったなら、是非回りに広めていただきたい。小川さんの生徒が増えてくれることが、私の収入を安定させ
てもらえることになるので、その一点がまずは現実問題であるが、私はその先を夢みている。私の方法が少しずつ広まって、「贋の標準形」をうち倒す力になる
ことを。
塾だの学校だの、その制度的な形は問わない。
学校にも生徒のことを真剣に考える先生はいるし、塾にも金もうけや腰掛け仕事だけを考えるものがいる。その逆もある。真にあてにできるものは、ひとりの
思想の力だけである。
相当に私はへばっている。
倒れるまで歩くのはいいとしても、ほとんどあきらめに近い気持ちが心を領するのが時に耐え難い。
【8846】
【タイトル】詐欺もりだくさん。
【 日時 】04/05/23 9:50
【 発言者 】Jackie
ミッフィーさん。
授業の実践報告楽しく拝読しています。
>私もかつては詐欺もりだくさんの授業をやっていました。
私もです。英会話学校で教えていたころの、英語での授業めちゃくちゃでした。
私の教える力もありませんでした。
研修はたったの3日で現場に「先生」としてほうりだされました。
即席先生の授業に50分5000円も払わされる生徒はかわいそうで
良心がいたみました。
基礎が欠けている生徒に「英語ではなそうごっこ」。
やっていることといえば中学1,2年生レベルです。
内容も好きな映画や食べ物などや旅行英会話。
しかし好きな映画について話したくても
生徒にはその文法力、英作文力も単語力もないのでした。
驚くべきことに、受験を通っているほとんどの大学生にもありませんでした。
ネイティブのレッスンでも似たり寄ったり。
しかし生徒は早く外国人のレッスンをうけたく思う。
大手英会話学校のブランドと誇大広告に惑わされ、
親も本人も大枚をはたいてしまう。
一回5000円5人までの英会話クラスに払うなら(ネイティブのクラスだとしても)
根石さんの電話でのプライベートレッスンに払ったほうがいい。
しかしなかなか理解が得られない。
なぜなら根石さんのレッスンは
自宅学習のおまけつき。
自分で回転読みをしなければならない。
「めんどくせー。それに音読なら自分一人でもできるじゃん。」
「発音ならネイティブのせんせいじゃないと。」
「あまり知られてない教室だ」
「受験に役にたつのかしら」
すぐに結果を求める人々にアピールするのはむずかしい。
しかし根石さんの素読舎は詐欺ではない。
学校内トップの生徒もだしているのですよ。
しっかり結果がでているのです。
みならうべきは英会話学校の営業力。
英会話学校の営業力はすごいです。
口が上手い。甘い夢をうる言葉が多い。
そしてほとんど押し売りに近い。
私はこれ、苦手。誇大広告はできません。
楽しくわかりやすい授業をするが、
しかし本人の地道に努力も必要だ。なんていっちゃうからだめですねー。
【8847】
【タイトル】楽しみ楽しみ。
【 日時 】04/05/23 10:03
【 発言者 】Jackie
ミッフィーさん、
>正しくすらすら読めないと、英語が体に染みこまない。文法は問題集の穴埋め問題をこなせばいいという机上の勉強で解決できるもんではない。
おっしゃる通りですね。
>Readingで「主語の固まりは何かな」とか語句整序の問題で「evenの位置はどこかな」とか生徒に問う。英語の意味の固まり("
チャンク"というものだっけ?)をつかめるようになるために一番手っ取り早い方法は音読だと痛感しました。というのも、実際に200題ほどセンターでの語
句整序の問>たとえどんなに信頼関係があっても、3年になるまでに「音読で英語はなんとかなる」というすり込みができていないと、その意味を理解してもら
えません。
納得。
実際に話すときに evenはどこだ?と思いながらでは話せませんよね。
体に英語を染み込ませる、からっぽの電池を卓さん作ることが大事ですね。
今年は一年生を担当とのこと
チームを組む先生も頭の柔らかい若い先生。
ミッフィーさんの取り組みがたのしみです。
今までの伝統的な授業とこれからの授業の違い。
どちらのほうがより総合力がつくか、
どちらのほうが本当の近道か、
どちらのほうが死なない英語か。
楽しみです。
改革を阻止しようとする抵抗勢力があったらそれも開示してくださると
ありがたいです。
生徒の反応も知りたい。
これからの投稿を心待ちにしています。
【8848】
【タイトル】素読舎杭瀬下分室、仮オープン
【 日時 】04/05/26 1:36
【 発言者 】いくこ
6月から、素読舎の分室として、自分の塾がはじまります。
塾の指導方法・テキストは、素読舎と同じです。
私の塾では、中学校の英語の教科書レベルまでをしっかりやり、
教科書に載っている文がベラベラ出てくるレベルまで、もっていくことをねらいとしています。
もちろん、しっかりやるのは、素読です。
生徒さんには、中学の教科書が終わった段階で、
根石さんの素読舎本部へ留学してもらうつもりです。
ですので、私の塾では、小学校高学年から中学生ぐらいまでの子供さんを中心に、
コーチしていきたいと思っています。
6月から来ることになっている生徒さんは、皆小学生です。
素読舎本部では、まっさらなところから英語からはじめるお子さんや、
それ以前の基礎づくりから始めるお子さんも、受け入れています。
これを、私はやろうと思っています。
まっさら英語から始めるお子さんは、ABCを覚えることから始めますが、
それ以前の段階のお子さんには、本に向かう、音に向かう力をつけるよう、
日本語の素読から始めます。
まったく英語をやったことのない子供達の英語の基礎づくりをお手伝いすることは、
実はとても英語の力量の必要なことです。
今も、素読舎本部でコーチングのレッスンを受けさせていただいているのですが、
この経験を生かしてやっていきたいし、英語力をもっともっと向上させていきたいです。
明日、ご挨拶ということで、生徒さんの親御さんがおみえになります。
今日、いつでも塾が始められるように、塾の部屋を整えました。
ちょっと緊張してます。
いかんな。
平常心、平常心。
【8849】
【タイトル】いくこさん、がんばってください!
【 日時 】04/05/26 17:12
【 発言者 】杉井
はじめまして。
杭瀬下ときいて、なつかしくなりました。
かつて昔、上田の諏訪形の浄水場に勤務していた頃(細菌検査を担当)、更埴は採水でまわりました。森のあんずなどもなつかしく思い出されます。もう。更埴
という名はなくなったんでよね。ちょっとさみしいです。
英語に関係のない、ローカルな話題で失礼しました。
【8850】
【タイトル】杉井さん<いくこ
【 日時 】04/05/27 3:21
【 発言者 】いくこ
こちらこそ、はじめまして(^^)ノ。
杭瀬下をご存知なんですね!
とってもびっくりです。すごすぎです。
ところで、更埴の水は、細菌だらけでしたか(^^;)?
エールありがとうございました<(_._)>。
塾の送り迎えが当たり前になっている昨今、
なんと生徒さんのお母さん方、総勢4人、みんな自転車でいらっしゃいました。
なんともいえず、嬉しかったです。
さて、生徒の方々なんですが、みなさん小学生。
当初5人だったのが、蓋を開けてみたら6人でした。
しかも、びっくりしたのは、6人の生徒さんうち、なんと5人までもが、
日本語の素読から始めたいと仰ってるでるんですよ。
国際人として英語のできる子に育てたくて、流暢な英語の獲得のためにはなんでもするのに、
日本語がぐたぐたになっても、平気って母親がいるそうで、なげかわしいなと思っていました。
それが、日本語の素読をやらせたいんだという親御さんの話を聞いて、
なんだか、日本も捨てたもんじゃないなあ、と思いました。
というわけで、来週から始動です。
なんか、ワクワクしてます(^^)ノ。
おやすみなさい。
【8854】
【タイトル】いくこへ
【 日時 】04/05/30 0:40
【 発言者 】根石吉久
猫アレルギーの2人を預けたら、総勢6人に増えたのか。よかった。
素読舎でも、この春初めて、日本語をやらせてほしいというお母さんが現れて、とてもうれしい
と思った。以前から、中学生に英語をやらせようとしたところで、おいおい、日本語がぼろぼろ
じゃねえかという子供がたくさんいるのに気付いていたので、塾の英語の練習の付録みたいにし
てなるべく日本語の素読をやらせてきたが、この部分には父兄はお金を払おうとしてくれなかっ
た。ようやく、子供の日本語を大事にしようという父兄が現れて、おおげさだが時代の空気の変
化を感じた。英語以前に日本語を大事にしようという考えは当然のものだと思うが、世の中馬鹿
なかあちゃんが多くて、幼児に英語なんかやらせている。幼児英語教育がまともに効果があれば、
世の中神経症だらけになることが見えないのだ。あれは効果がないから安全なのだ。
子供が日本語の「磁場」に生きていることを軽くみておるのだ、馬鹿かあちゃんというものど
もは。「磁場論」の払底がもたらした新たな病態だ。総じて、「語学論」が払底しているのだ、
この国には。
素読舎は、「声に出して読みたい日本語」がブームになるずっと前から、子供に音読(素読)を
やらせてきた。斎藤孝がブームになるよりおよそ30年も早くから素読舎がやってきたことは、
日本の音読法の精華・素読だった。そして、食えなかったね、この30年。もうかりゃせんかっ
た。体を痛めて、家を自作したのも、まるで収入が安定しなかったからだ。
まあ、子供たちをよろしく頼む。日本語の素読を望んでいる子供達を大事にしてほしい。
先日の自分の小学校時代の先生の話、面白かった。ああいうものごとの根本をちゃんと見ている
先生がいなくなると本当に困るのだ。
小学校で先生が自由に使える授業時間は、是非、日本語の素読(音読)にあててほしいものだ。
「音づくり」もできないような小学校の先生に、英語なんかいじってもらいたくない。
英語をいじりたいなら、自分で素読舎の「電話でレッスン」を受講しながらにして欲しいものだ。
【8855】
【タイトル】ミッフィーさん(1)
【 日時 】04/05/30 2:20
【 発言者 】根石吉久
教室に、まともな英語の音を出すことが何も変なことじゃないという空気が生まれてきているということをお聞きして、とてもうれしく思いました。これ一つ
が実に実に大変なことなのです。30年ほど塾で「音づくり」をやってきて、塾ではまともな音を出し、学校の教室では「浮き上がる」ことを警戒してカタカナ
発音で読むという生徒がいることを、私は重々承知しています。それがどれほど私の塾に苦戦を強いたか、これは一言で語ることができません。
塾(音づくりの場)と学校(贋の標準形の場)の間で、子供は分裂します。子供にそれぞれの場に適する音を出すような余計な分裂をさせてきたのが、これま
での英語教育の罪悪でした。その間で真剣にもがき苦しんだのが、私の娘でした。この娘は、今では英語は大嫌いです。妻も娘も、私が間違っていたのだと長い
こと言い続けてきました。そうじゃない。子供に余計な分裂をさせる英語教育の状況が必然的に子供の身に強いるものが、私の子供に強く現れたのだと思ってい
ます。
先生が絶えず英語のまともな音の方へ生徒を引っ張るのでなければ、先生がいくら上等な発音を持っていても、子供は分裂します。それが「学校という磁場」
です。
先生が自分の音を絶えず変革することは、「前提条件」に過ぎません。本当に必要なのは、生徒に英語の音を渡すときの「渡し方」です。それが、これまでの
日本の英語教育に払底していました。その状況を作ってきたのは、文部省という省庁ですが、なんとか子供にまともな音を渡そうとする先生の独創も欠如してい
ました。子供にまともな音を渡そうにも、自分自身の音に自信がなければ、独創も生まれようがなかったのです。英語教育は「自信のなさ」の再生産の場所でし
た。どれほど自信ありげな授業をやっていても、実は虚仮の皮一枚でやっているだけのものがあっただけです。今日話に出た古株の英語の先生も虚仮の皮のお方
です。日本近代の分裂においては、かさぶたくらいの方だとも思いました。そして、そんな方々ばっかりなのです、日本の英語教育の世界は。せめて、虚仮の一
念くらいはあるのか。ありはしない。虚仮の皮(ぶあついつらの皮)一枚があるだけです。
学校の教室は、英語のまともな音を出すことに何の遠慮も要らない場所になって欲しい。早くそうなってほしい。職員室が、英語の先生同士で発音を話題にす
ることに何のわだかまりもない場所になって欲しい。古株のカタカナ発音の先生を批判する生徒が現れていることはその芽です。それはまだ芽です。そして、こ
の芽は絶対に枯らしてはならないと思います。
【8856】
【タイトル】ミッフィーさん(2)
【 日時 】04/05/30 2:21
【 発言者 】根石吉久
さて、「あいうえおフォニックス」ですが、ミッフィーさんは、それどころじゃなくて、「一瞬般若」と「狭い音」を区別させるだけで悪戦苦闘しているのだ
とのことでした。そうお聞きして、ふうむと思いましたが、後で考え直したら、「あいうえおフォニックス」は、まさにその「音の区別」、英語の母音を他の母
音の音とまぎれないようにするためにこそあるのだと思いました。レッスンのときに、詳しい話をしたいのですが、後に他の生徒さんのレッスンが控えています
ので、いつも中途半端で電話を切るようなことになってしまいますが、考えなおしたところを書いてみたいと思います。
「一瞬般若」はなるほど独特ですが、これは「広い音」の一つにくくれます。子音と子音に挟まれて現れる a の音ですが、これに r
がくっついても、やはり「広い音」の ar
です。日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音で、「広い音」は、「一瞬般若」と「診察室のアー」です。
「狭い音」という捉え方は、鵜田さんという方の独創によります。「30音」の鵜田さんです。「狭い音」という捉え方が、私には最大のヒントになりまし
た。「狭い音」というからには、「広い音」もあるはずです。鵜田さんは、「広い音」という言い方をしていたかどうかわかりませんが、そう言うことは可能な
はずです。
「広い」とか「狭い」というのはひとまずは、口の開きの広い・狭いのことです。
さて、「広い音」という言い方が可能であれば、「一瞬般若」と「診察室のアー」が「広い音」としてまとめられます。それぞれ違う音であり、「一瞬般若」
の本質は口の両端が動くことですし、「診察室のアー」では、顎が下に動きます。音価も明らかに違いますが、「広い」ということでは両方とも口の動きを「広
く」使うことで共通します。
「あいうえおフォニックス」は、この「広い」と「狭い」をまず最初に生徒に意識させるのに非常に有効です。まずは、「広い」音と、「狭い」音を意識さ
せ、「広い」音の「もう一つ」として「一瞬般若」を位置づけるのが、私は有効だと考えています。
だから、理論的には、「広い」音として、最初に ar を意識させ、それと対立する「狭い」音の ir, ur, er, or,
ear を意識させ、「広い」音のもう一つとして「一瞬般若」を意識させるというパースペクティヴがありうると思います。
これは「理論」としてのそれぞれの音の位置づけですから、実際には最初に「一瞬般若」を扱うということでもまったく構わないのですが、「広い」「狭い」
というもっとも大雑把で大事な区別の後に、「一瞬般若」が登場するのでも構わない、いや、その方が生徒にわかりやすいだろうとも思います。「広い」「狭
い」の区別を生徒に意識させるのに、「あいうえおフォニックス」はとても効きます。再考をお願いしたいと思います。
子音の区別がしっかりできた段階では、「あいうえおフォニックス」は非常によく効きます。これはすでに実験済みです。
【8864】
【タイトル】京都新聞 2004年(平成16年)6月5日(土)朝刊9面 読者の欄「窓」より
【 日時 】04/06/05 19:15
【 発言者 】sb
「IT」の前に国語教育必要 京丹後市・Kさん(農林業・64)
佐世保市の小学六年生女児の同級生殺害事件には衝撃を受けた。親友を殺害するまでに親しみを増幅させたパソコンによるチャット(会話)の詳しい分析が待
たれる。
加害者の女児は自分のホームページ(HP)に「うぜー(うっとうしい)クラス」「高慢でジコマン(自己満足)」などの書き込みをしていたそうだ。友人同
士で普段にも使っているのだろうか。このような荒々しい感情表現を書き込んで会話が成立するのだろうか。
私はパソコンも携帯電話もまだ初心者で使い方がよく分からない。自分のHPの作り方も知らない。会社員時代の同僚とメール交換をした経験がある。心掛け
たことは、相手が何を言いたいのかを注意深く読んだことである。相手は日ごろ、手紙一本書いたことがないと分かっていたからだ。
しかし相手は私のメールを読んで正しく理解してくれなかった。それだけでなくメールの一部や結論だけで分かったつもりになり、他の者に私のことを話題に
したのである。どういうことが起こったか。メール相手が誤解した私の人物像が出来上がっていることが分かったのでメール交換をやめた。
小学生にIT(情報技術)教育が必要だろうか?小学生に必要なことは、パソコンの扱い方ではなく、文章を書き内容を正しく理解する能力を育てることだと
思う。数学者の藤原正彦さんは「一に国語、二に国語」と国語の大切さを大学教授の立場から主張している。「うぜー」などの言葉から会話が成立するとは思え
ない。
引用終わり
本当に悲しい事件だが、無駄にしてはいけない事件で印象に残ったので敢えて引用しました。
【8866】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/06/06 0:00
【 発言者 】根石吉久
投稿ありがとうございます。
私らにとって、まずは日本語が大事だと。幼児英会話をやらせて「すすんでる」つもりの馬鹿母
どもに、腐ればばあと言いたくなってきました。
私らが日々噛みしめなければいけないものは、絶望なのかもしれません。
しかし、生身の身の上ゆえに、ついつい希望など持ってしまいます。
切ないです。
【8868】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/06/06 0:07
【 発言者 】根石吉久
俺は「偉大」なんかってものとは縁がない。
俺は、嘘っぱちが嫌いなだけです。
【8869】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」について
【 日時 】04/06/06 0:13
【 発言者 】根石吉久
今日、ミッフィーさんのレッスンの後の生徒さんがお休みだったので、ミッフィーさんと「あいうえおフォニックス」について話す時間がとれた。
話しているうちに、ミッフィーさんも誤解されておられたことがわかったので、その点も含め、ここに再度整理する形で書いてみたいと思う。
「あいうえおフォニックス」は、ただ単に日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音を「広い音」と「狭い音」に分けるためだけのものである。ただそ
れだけの用途に使うだけだが、この区別は日本人の英語を一挙に「通じる音」に変える力を秘めているものである。
たとえば、 morning の or
は、日本人の耳に「あ」または「あー」とは聞こえないので、「あいうえおフォニックス」の対象外である。「あいうえおフォニックス」は、あくまでも日本人
の耳に「あ」または「あー」と聞こえるものだけを対象とする。(これは日本人の体を元にし、英語ネイティヴ音への一元化に抗すると同時に、日本人の英語音
を「通じる音」にすることを意味するはずである。)
「あいうえおフォニックス」は世界性を持たない。しかし、日本語の磁場で日本語を日常語としている人の英語にとっては特効薬になる。「あいうえお」という
母音の並べ方自体が日本語の音の整理法であり、日本語の磁場でしか通用しないからである。
アメリカ生まれのフォニックスは、綴りと音の対応関係の確率の高いものを指摘するものである。その意味で、「あいうえおフォニックス」もフォニックスで
あることには間違いない。アメリカ生まれのフォニックスが覚えることがたくさんあるのに対して、「あいうえおフォニックス」はまるでわずかな知識で済むの
が違うけれども。日本人にとっての最大のポイントだけに的を絞っているのが違うけれども。違うのだ。そこらの松香あたりのフォニックスとは。
「あいうえおフォニックス」で扱う区別は、「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」と「狭い音」の区別だけである。
ここで「狭い音」と言っているのは、発音記号での[逆さe + r] のことである。
「広い音」には、「一瞬般若」と「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」があり、「あいうえおフォニックス」における「広い音」は、「顎の下がる明るい
音(診察室のアー)」のことである。
いくつか例をあげる。
park に含まれる綴りの ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音。広い音。
girl に含まれる綴りの ir は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
surgery に含まれる綴りの ur は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
nervous に含まれる綴りの er は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
labor に含まれる綴りの or は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
法則性を取り出せば、綴りにおける ar が「あー」と聞こえる場合は、「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音。広い音。
綴りにおける ir, ur, er, or が「あー」と聞こえる場合は、全部「狭い音」。[逆さe + r] 」の音。
たったそれだけのことである。しかし、この法則がみつからなかったおかげでどれほど日本人が英語の「あ系列」の母音で苦労し、誤解を招いてきたことか。
一見、複雑そうに見えるがものすごく簡単なのである。
生徒にあいうえおをローマ字で書かせる。それぞれに r を付けさせる。それで、ar, ir, ur, er, or という綴りが得られる。ar
だけを○で囲ませる。その他の4つを大きな楕円で囲ませる。
ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音だよと言う。
ir, ur, er, or は、全部「狭い音」。[逆さe + r] 」の音だよと言う。
「あいうえおフォニックス」でやることはたったそれだけのことである。
【8871】
【タイトル】確率の高さ
【 日時 】04/06/06 0:47
【 発言者 】根石吉久
ミッフィーさんが、「あいうえおフォニックス」の確率について疑念をお持ちのようでしたので、
以下に、多くの生徒さんが使っておられるシナリオの「ゴースト」から、「あいうえおフォニッ
クス」でドンピシャになるものを拾って列挙してみます。
re there
ear year
ur our
or for
ur four
ur your
er yesterday
ur surgery
er surgery
er nervous
ir girl
ir first
今日、ミッフィーさんのレッスンの後の生徒さんがお休みだったので、ミッフィーさんと「あいうえおフォニックス」について話す時間がとれた。
話しているうちに、ミッフィーさんも誤解されておられたことがわかったので、その点も含め、ここに再度整理する形で書いてみたいと思う。
「あいうえおフォニックス」は、ただ単に日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音を「広い音」と「狭い音」に分けるためだけのものである。ただそ
れだけの用途に使うだけだが、この区別は日本人の英語を一挙に「通じる音」に変える力を秘めているものである。
たとえば、 morning の or
は、日本人の耳に「あ」または「あー」とは聞こえないので、「あいうえおフォニックス」の対象外である。「あいうえおフォニックス」は、あくまでも日本人
の耳に「あ」または「あー」と聞こえるものだけを対象とする。(これは日本人の体を元にし、英語ネイティヴ音への一元化に抗すると同時に、日本人の英語音
を「通じる音」にすることを意味するはずである。)
「あいうえおフォニックス」は世界性を持たない。しかし、日本語の磁場で日本語を日常語としている人の英語にとっては特効薬になる。「あいうえお」という
母音の並べ方自体が日本語の音の整理法であり、日本語の磁場でしか通用しないからである。
アメリカ生まれのフォニックスは、綴りと音の対応関係の確率の高いものを指摘するものである。その意味で、「あいうえおフォニックス」もフォニックスで
あることには間違いない。アメリカ生まれのフォニックスが覚えることがたくさんあるのに対して、「あいうえおフォニックス」はまるでわずかな知識で済むの
が違うけれども。日本人にとっての最大のポイントだけに的を絞っているのが違うけれども。違うのだ。そこらの松香あたりのフォニックスとは。
「あいうえおフォニックス」で扱う区別は、「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」と「狭い音」の区別だけである。
ここで「狭い音」と言っているのは、発音記号での[逆さe + r] のことである。
「広い音」には、「一瞬般若」と「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」があり、「あいうえおフォニックス」における「広い音」は、「顎の下がる明るい
音(診察室のアー)」のことである。
いくつか例をあげる。
park に含まれる綴りの ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音。広い音。
girl に含まれる綴りの ir は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
surgery に含まれる綴りの ur は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
nervous に含まれる綴りの er は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
labor に含まれる綴りの or は「狭い音[逆さe + r] 」の音。狭い音。
法則性を取り出せば、綴りにおける ar が「あー」と聞こえる場合は、「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音。広い音。
綴りにおける ir, ur, er, or が「あー」と聞こえる場合は、全部「狭い音」。[逆さe + r] 」の音。
たったそれだけのことである。しかし、この法則がみつからなかったおかげでどれほど日本人が英語の「あ系列」の母音で苦労し、誤解を招いてきたことか。
一見、複雑そうに見えるがものすごく簡単なのである。
生徒にあいうえおをローマ字で書かせる。それぞれに r を付けさせる。それで、ar, ir, ur, er, or という綴りが得られる。ar
だけを○で囲ませる。その他の4つを大きな楕円で囲ませる。
ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」の音だよと言う。
ir, ur, er, or は、全部「狭い音」。[逆さe + r] 」の音だよと言う。
「あいうえおフォニックス」でやることはたったそれだけのことである。
ear early
er transfer
ar Carl
ar far
重要なお知らせ er は狭い音ですが、e と r が逆になった re が「あ」または「あー」と聞こ
える場合も同じく「狭い音」です。
で、
re here
re there
re where
re scare
er better
er splatter
er over
or labor
ar hardly
or word
er her
er other
re figure
ええと、ここまでで、テキストの9ページ分から拾い出しただけです。
ここまでの間に例外は見つかっていません。
「あいうえおフォニックス」の音と綴りの対応関係は非常に確率が高いです。
【8873】
【タイトル】音と意味の問題は状況的である(1)
【 日時 】04/06/06 3:24
【 発言者 】根石吉久
この掲示板で論じてきた問題の最大のものは、「音と意味の同致(一致)」であるだろう。なぜこれが最大の問題となるのか。なぜそれが「文字と意味の同致
(一致)」ではなく、「音と意味の同致(一致)」なのか。
問題に入る前に、「同致」という語について書いておきたい。以前、この掲示板によく書いて下さった柴田さんの授業をsbさんが佐賀県までたずねて行き、
授業を参観させてもらい、柴田さんのお宅に一泊させてもらった際、柴田さんが「同致」という語を問題にされ、「そんな語は辞書にはない」と言われたと、
sbさんからお聞きしたことがあった。あるいはそれは、白樺湖でsbさん柴田さんにお会いした日、私が白樺湖に到着する前に柴田さんとsbさんの間で交わ
された話に出てきたことだったのかもしれない。その辺の記憶が定かではないが、それはどちらでも構わない。
「同致」が辞書になんかなくたって構わない、と私はsbさんに言ったと思う。人間は辞書の収録語の範囲で生きるわけではない。必要なら造語をするし、
「磁場」という物理学用語を語学論に転用することもする。人間は言葉に支配されながら、言葉を支配する。支配されるだけに留まらなければならない謂われは
ない。あるいは、既成の学問の厚みの内に留まらなければならないなどということはない。思えば、私はそんな「逸脱」ばかりをしてきたのだった。私は、「作
る」ことに興味があり、既成のものを利用するだけのことに興味がない。既成のものを組み合わせる柴田さんの力量は、私ははっきりと認める。しかし、私の造
語は私の必要によって存在しているのであって、既成の語では間に合わず、必要だから苦心して作ってきたのだ。柴田さんの「般若の面」を「一瞬般若」に作り
直したのも、私が書き言葉において、「人数」をまったく超えたいからである。自分の生徒だけに及ぶだけの言葉ではなく、誰が使っても使えるものに仕立て直
したいからだった。それがうまくいったかどうかは別問題として、である。うまくいっていれば、一人の死後にもそれは残るだろう。
語学論だってそうである。この国には語学論が払底しているのだ。だから、それを作りたいと思ってやってきた。そしてしかし、どこからも給料のもらえない
民間の仕事として、残った確かなものは疲労だけである。
「同致」の背後には、「同時」と「一致」があると、自分の語感を検証してみて思うが、「同時に一致させる」あるいは「同時に一致する」事態を一名詞とし
て使う必要があり、私は「同致」を造語した。必要があってのことである。
sbさんから聞いた柴田さんの言葉が私にもたらしたものは、あのように見事な授業を作った人がこの程度のことを言うのか、あるいは、この程度のことを言
う人があのような見事な授業を作るのかという驚きだった。日本の英語教育を打破する実質だと私の方からは見える柴田さんの授業は、実は音だけの領域に限定
されていて、「音と意味の同致」はまるで理論化の端緒にもついていないのではないか。
【8874】
【タイトル】音と意味の問題は状況的である(2)
【 日時 】04/06/06 3:25
【 発言者 】根石吉久
さて、問題に戻る。
なぜ、この掲示板で、私は「音と意味の同致」ばかりを問題にしてきたのか。
状況が強いるからだ。学校英語という状況がそれを強いるからだ。
私は「音づくり」という言い方をずっとしてきた。あるいは、学校英語には「音づくり」が欠如している(文部省の罪)という言い方をしてきた。私が言う意
味での「音づくり」は、いつも文単位である。単語単位で「音づくり」をしても、現実の言語にはまったく対応できないからだ。絶えず文単位で「音づくり」を
行い、言いにくかった文が、英語の音として通用するものとして、連続体としてなめらかに言えるようになり、さらに柔らかくてバネが備わった状態にまで持ち
込めれば、つまり、一つの文に関して「音づくり」が完成すれば、その文は覚えようとしなくても、結果として自然にインプットされてしまう。そのために「復
習範囲を手放さない」という原理がある。
「音づくり」の結果として、自然にもたらされるものが「インプット」である。これで、薄くゴム印を押した程度には、文のシンタックスがインプットされ
る。「音づくり=インプット」とはそういうことである。それを学校はやらない。日本在住のままでやれることの究極の形がそれであるのに、それをやらない。
文部省がねぼけつづけてきた。
英語の磁場に入ったときに、蘇生するものがまるで出来ない。
柴田さんの授業は、それだけは作っている。それは見事だ。
私が提示した「復習範囲を手放さない」は、いったんインプットされた文も放っておけば、英語の磁場を欠如する日本という場では(これは誰の罪でもな
い)、絶えず錆び付き消滅する方向に向かうから、どうしても必要な保存装置だということなのだ。
目に見えない錆び付きを陽の元に明示したいという思いも絶えずあった。英検一級合格だろうが、TOEIC
900点越えだろうが、日本語にびっしりと囲まれて生きる日本という場では、英語の練習をさぼれば、じきに二級レベルに落ちるし、800点レベル、700
点レベルに落ちるのである。日本における英語とはそういうものだ。私が英検も TOEIC
も一度も受験したことがないのは、それらの受験結果が世間向けには有効でも、自分の練習というものを、一切何からも固定されたくないからだ。
俺は、「音と意味の同致」のために練習するのであって、英検のためにも TOEIC
のためにも練習なんぞしたくない。そんなことは絶対にやりたくない。
俺は英検一級保持者としてなんか、この娑婆に立ちたくない。語学論という思想の深度によって立ちたいだけだ。場合によっては、英検の出題者や
TOEIC の出題者を足の裏でふんづけてやるだろう。英語周りの馬鹿どもに対する憤怒によってこの娑婆に立ちたいだけだ。
(いつまでたっても本論に入れない。「音と意味の同致」、後日にします。)
【8875】
【タイトル】方向性を睨む
【 日時 】04/06/06 14:41
【 発言者 】sb
音が意味に同致(≒同時に一致するというような意味)するのには、段階がある。
白色〜黒色にうつる際のグラデーションのようなものなのかもしれない。
徐々に音に意味が重なっていく。
それを「同致」という言葉で根石さんは表現されていると思う。
日本語訳先渡しという授業には賛否両論がある。
日本語を渡した段階で英語そのものの意味を考えなくなる危険性を考慮に入れてのことであろう。しかし「やく」と「いみ」は明らかに違う。
英語そのものの意味は、まず「音作り」がある程度しっかりしてから同致していくのがベターではないかと思う。
しかし学習者のタイプはいろいろである。
だから「音づくりがある程度しっかりしてから」という条件はそれほどこだわらなくてもよい。
私は最近そう思うようになった。
その根拠として次のようなことを考えてみたい。
現在日本で行われている英語教育学習事情はまさに百花繚乱である。
「読み方がきちんと分かっていないうちから、意味を取らせている(学習者の側から言えば意味を取っている)者も実際にいるという「現象」についても十分我
々は考えておく必要があるのではないかとも思う。
もちろん私は
@「ある程度しっかりきいて」から「ある程度しっかりよむ」
A「ある程度しっかりよんで」から「ある程度しっかりかく」
これらの手順は語学には「鉄則」であると思っている。
「きく」→(「やく」→)「よむ」→「かく」
この基本原則は破れないのではないかと思う。
もちろん語学習得方法は絶対的なものはない。
各人が一番よいと思ったものの中から選び抜けばよいのである。
私は柴田さんから十分「よめる」ようにしてから「かく」練習をすることと教わった。
このことは未だに私の中では疑問である。いつかお会いする機会があればぜひ教えていただきたいことの一つである。しかし柴田さんは現在たいへんお忙しいと
思う。教育実践の闘いの中におられるはずである。それも日本の英語教育をなんとかしたいという激し過ぎる情熱をもって。
柴田さんの学年が卒業されてしばらくたった段階でいかに「音作りが受験実用を超えたところから身につくものであるか」ということをきっと示して下さると期
待している。それが実現すれば大きく日本国内での英語学習環境が動くのではないか。そのためには広告媒体では限界があると思う。公共広告はもとより英語教
育雑誌関連をはじめ新聞やニュースなどのメディアを効果的に使う戦略も必要だと思う。「英語使えるための。。。」戦略とはまたさらにバージョンアップした
「この掲示板の議論の核心部分に大いに関連のある戦略」もきっと良い方向に向かうと確信している。
【8876】
【タイトル】言語知識
【 日時 】04/06/07 16:35
【 発言者 】All Black
初めて投稿します。「音作り」に興味を持ち始めた高校教師です。
以前(6825)で酒井国嘉氏の著作内での「言語知識」という用語について、
> 私が強い違和を持ったのは、「言語知識が生得的ならば」という記述である。
というような指摘がありました。(最近このログを見つけました...)
これはチョムスキーでは普通に使われる用語で、言語に関する知識が経験的に獲得されるという従来の見方に対してチョムスキーは生得的であると仮定したわけ
です。確かに「知識」が「生得的」というのは不自然にも聞こえますが、40年前からそのように表現されています。たとえば、チョムスキーには
Knowledge of
Languageという本もあります。したがって、酒井氏の用語法は、(生成文法に詳しい人以外には)誤解を与えかねないとしても、それほど変なものでは
ないと思います。また、
> もしもその物質がネイティヴ言語においてだけ作用し、語学では作用しない、
> あるいは作用しても爆発的な文の生成能力を作らないことがはっきりさせられるならば
> (つまり、年齢として何歳くらいでその物質が脳内から消えるかがはっきりするならば)、
> 英語回りのどうどうめぐりの馬鹿げた議論は終わりになるのだ。私はそれを歓迎したい。
についてですが、チョムスキーは何らかの物質が作用するとか消えるとかいう仮定はしていないと思います。子供が生得的に持っている言語獲得装置(おおざっ
ぱに言えば、これが言語知識であり、普遍文法でもあるはずですが)が後天的に個別言語の文法を生み出すという仮説ではないでしょうか。したがって、第2言
語の習得時には言語獲得装置が使えないため、母語と違って外国語の習得には時間がかかるということになるんだと理解しています。
以上、最近過去ログを見て気づいたことを申し上げました。
【8878】
【タイトル】All Black さん
【 日時 】04/06/08 2:01
【 発言者 】根石吉久
ご登場ありがとうございます。
「音づくり」に興味を持っていただいて、うれしく思います。
チョムスキーの理論の理解に関しては、All Black さんとの間にはあまり距離を感じません。
酒井なにがしだの、広島大学柳瀬なにがしだのとの間に巨大な距離を感じます。
連中は、ちゃんと理解していないのだと思います。
【8883】
【タイトル】日本語の音を英語の音に適用する
【 日時 】04/06/08 8:54
【 発言者 】小川
先日、私の通っている英語学校主催の発音セミナーがあり参加して来ました。 樋口久さん(Q先生と私達は呼んでいるのですが)と言う若い先生が講師でした
が、この方も日本語の音を英語の音に適用しておられました。 この先生も「英語として無理なく聞こえる発音でいい」との御考えの様です。 強弱のリズムさ
えきちんとついていれば、英語フリーク的「ネイティブ事大主義」オタク的、発音訓練などしなくて大丈夫みたいです。
さて「私の音読レッスンに使わせて頂いていいですか?」との私のメールに、今日お返事頂きました。 「ネタのパクリはご自由にどうぞ」との事ですので、こ
こにご紹介します。
さて、rの音ですが、これは日本語で「らららら、、、」と言っておいて最後の「ら」を言う時に舌を動かさないで発音すると「英語のRとして通じる音にな
る」そうです。
mは「さんま」の「ん」、nは「カンナ」の「ん」、ngは「まんが」の「ん」です。
再来週は「母音の部」です。 Q先生のお許しを得ましたので、また「ネタのパクり」に行って来ます。
【8894】
【タイトル】校正を兼ねて、Naima さんへのメールのお返事
【 日時 】04/06/10 2:37
【 発言者 】根石吉久
お忙しいところ、メールありがとうございました。
Naima> Tさんと杉井さんのレッスンは続いています。 ご安心下さい。
安心しました。
Naima> 何と、この3ヶ月間、無給、交通費持ち出しで働いています。 この夏に
Naima> 宣伝広告を大きく打って、生徒が増えなければ閉校します。 当然、その場合には私の
Naima> お給料も踏み倒して良いと言う前提で助っ人をしています。
女高倉健みたいなお人ですね。義理と人情を秤にかけりゃ、義理が重たい女の世界。
すごいと思いました。俺にはできない。
Naima> さて、私の通っている英会話学校で「発音セミナー」がありましたので、
Naima> 参加して見ましたが、Rの発音については根石さんのおっしゃった通りです。
Naima> 舌はどこにもくっつけない事を守って発音すれば、英語のRとして通じると
Naima> 言う事でした。
樋口久さんは面白い。大学の先生ですか。
ららららって、言って、舌を止めるっていうのが、卓抜です。
舌を止めるっていうのは、舌を上に付けないということと同じだと思います。
r は下の歯の裏にはつけても大丈夫です。
ar の「診察室」の音を出すときは、r は下の歯の裏についていたほうがきれいに出ます。
私もついさぼって、実行してないときもありますが。
要するに、rは「上の方に触らない」ってことだと思います。
概論としては、樋口さんの言い方がいいと思います。
Naima> 感心したのは、m, n, ng の発音を「さんま、カンナ、まんが」の3語で説明さ
Naima> れた事です。 これは使えると思うのですが、無断でつかってしまうのも気が
Naima> 引けるのですが、どうでしょうか? 樋口久氏のアイデアと明記して
Naima> おけば問題ないですよね。
是非、使わせていただきたい。発音のポイントに関する最新版に、掲載させていただき
たい。これにきわめて近いことを柴田さんもおっしゃっていたのですが、これほど簡潔・
簡明ではなかった。もっと説明的だったと思います。「さんま、カンナ、まんが」のそれ
ぞれの中の「ん」の音がそれぞれ別の音だと生徒に認識させ、それが英語の発音記号のこ
れこれと(ほとんど)同じだと認識させるのに、最適なものだと思います。
Naima> もうしばらく待って下さればとてもとても助かります。
私は急いではいませんから、待つことは全然構いません。
忘れないでいてくださればいいです。
根石吉久
【8895】
【タイトル】All Black さん
【 日時 】04/06/10 3:05
【 発言者 】根石吉久
少し酒が入っていますが、先日ほどでないので、コメントを書かせていただきます。
チョムスキーが Knowledge of Language と言うとき、knowledge
は日本語の「言語知識」と言うときの「知識」と同じものであるのだろうかというのが、私の疑問です。
「言語知識」などと訳したのでは、ほとんどの日本人がチョムスキーを理解するのに障碍になると思うのです。
私は、言語に関する「知識」が生得的なものであるとはとうてい信じることができないので、「言語獲得能力」と言ってきました。これが、チョムスキーの
「普遍文法」に相当するのだと思っています。All Black
さんが「言語獲得装置」と言っているものとも重なると思いますが、人間も生きているわけですから、「装置」よりは「能力」と言う方がいいかとも思います。
いずれにせよ、これが生得的なものであることに私は一切異議がありません。
>したがって、酒井氏の用語法は、(生成文法に詳しい人以外には)誤解を与えかねないとしても、それほど変なものではないと思います。
学者の間だけで、うんそうだよね、の了解をやっていてもらっては困るのです。
「誤解を与えかねない」どころか、まず間違いなく誤解を与えるので、きわめて変な日本語だと思います。
>> もしもその物質がネイティヴ言語においてだけ作用し、語学では作用しない、
>> あるいは作用しても爆発的な文の生成能力を作らないことがはっきりさせられるならば
>> (つまり、年齢として何歳くらいでその物質が脳内から消えるかがはっきりするなら
>>ば)、 英語回りのどうどうめぐりの馬鹿げた議論は終わりになるのだ。私はそれを歓迎したい。
>についてですが、チョムスキーは何らかの物質が作用するとか消えるとかいう仮定はしていないと思います。
上の私の文章ですが、これはチョムスキーのもの言いではなく、酒井のもの言いを前提にしています。あの新書で、酒井は明らかに、チョムスキーの理論の物
質的根拠をみつけようとしていると思いました。もしも、万が一でも見つかるものなら、そりゃ、語学屋にとっての僥倖である。ネイティヴ言語と語学の対象の
言語が、その根底からしてまったくの別物であることがはっきりする。そう思ったのでした。
>子供が生得的に持っている言語獲得装置(おおざっぱに言えば、これが言語知識であり、普遍文法でもあるはずですが)が後天的に個別言語の文法を生
み出すという仮説ではないでしょうか。したがって、第2言語の習得時には言語獲得装置が使えないため、母語と違って外国語の習得には時間がかかるというこ
とになるんだと理解しています。
ここに書かれたことは、私の考えと同じです。今でも「言語知識」という訳語に逆らいたいという点を除けば。
チョムスキーの理論は、ネイティヴ言語に関してだけのものであり、語学の言語に適用するのはまったくのとんちんかんなのですが、そのとんちんかんを広島
大学の柳瀬という男はやっています。中島なにがしという中学(だったと思う)の教師が、教室でチョムスキーの「普遍文法」に近いものを作り出したかのよう
に書いている文章があります。とんでもねえ馬鹿やろうだと思いました。
そんなものが学校の教室なんぞで作り出せるものなら、中島なにがしは神です。
広島大学柳瀬なにがし、あいつはまやかしを商売にしてけつかる野郎です。
【8896】
【タイトル】メールマガジン
【 日時 】04/06/10 3:36
【 発言者 】根石吉久
melma00024863「子どもの感性を育む会」
----------------------------------------------------
「頑張って」
この言葉、俺は好きですけどね。
もうこれ以上ないくらいに頑張っている人には、
「継続は力なり。引き続き『頑張って』ね。」
自分のペースを崩してしまっている人には、
「ペースなんてそのうち出来るさ、今は我武者羅に『頑張って』みようか。」
自分らしさを尊重するのは、大変素晴らしいコトです。
ですが、それが過ぎるあまり、努力をしなくなってしまうような…
そんな気が、するのです。
No.1にならなくていい、元々特別なonly one…
大流行しましたが、俺は正直、好きじゃないです。
他もある中で、自分が自分を磨く。
たとえ自分が弱かろうと、自分は自分なりに、自分を磨き続ける。
それ故、価値があろうがなかろうが、自分という存在は、ツヤを持つ。
努力もせずに「俺は俺だ」なんて言ってたら、それこそ井の中の蛙。
いや、妄想癖とでも言いましょうか。
人が人として輝けるのは――only oneになれるのは――、努力をしている時。
No.1が眩しくても、掴み取れそうになくても、自分を磨く努力は惜しまない。
「あぁ、これ以上やっても、どうせ順位は上がらないさ…」なんて考えは、愚
の骨頂。
「そんなのムリに決まってるじゃん!」なんてのも、また然り。
「やるだけやってみよう。結果ダメでも自分のためになるさ。」コレがベスト
ではないでしょうか。
やるからにはNo.1だ!なんて人も、世の中にはいますけどね。
俺的に、その人は、その心がけ自体がonly oneになりうる…と思う。
競争心は大事です。
悔しさで涙を飲むことは、人生の大きな糧になるでしょう。
そこでも、やはりこういう考え。
「どうせ俺には、元々ムリだったんだ…」コレは微妙ですよね。
「アイツがNo.1になれたんは、俺と切磋琢磨したお陰さ。」コレは個人的に好
きです。笑
「俺はよくやったさ。でも、もう少しこうしたら良かったかも。」とか。
「どうしてもっと出来なかったんだろう…今度から、もっと必死になろう。」
とか。
「次につなげるコトさえできれば、失敗なんて怖くないよ。
だから怖れず、自分を磨き続けようね。」
コレこそが、件のフレーズの真意ではないでしょうか。
では、別の歌詞を。笑
どうせダメなら やってみよう
数え切れぬ絶望を味わった 夢を追う旅人
この人生を 全うせよ
誰のモノでもないと 図に乗って しくじって
そんで今日も また神頼み (Mr.Children / 旅人)
まぁ、コレは行き過ぎかもしれませんが。
【8897】
【タイトル】メールマガジン(続き)
【 日時 】04/06/10 3:37
【 発言者 】根石吉久
プラス思考が裏目に出ちゃったら、歌でも歌って気晴らし。
悩んだ末に出た答えなら、15点だとしても正しい。
みんな憂いを胸に、長い孤独の果てに、安らぎのパーキングエリアを探してる。
どんな不幸からも、喜びを拾い上げ、笑って暮らす才能を誰もが持ってる。
……あぁ、ミスチル最高。(上四行、全部歌詞からの抜粋です。
そんなこんなで、オススメはミスチルのAnyって曲です。
是非、じっくり歌詞を噛み締め考えながら聞いてみて下さい。
そんなこんなで、頑張るのはイィコトです。
言い手の好意も、受け手の心がけ次第では、伝わらなくなってしまう。
言葉は、相手の気持ちも考え、柔軟に受け取りましょう。
言い手の一方的な放念なら、それは会話じゃないですから。
「これ以上何を頑張ればいいのか」?
これ以上なんて、望んでませんよ。
現在の頑張ってる貴方の背中を押したくて、言葉をそえてるんです。
「自分は何もしないのに」?
自分が自分を磨くのに、他人の力は必要でしょうか。
それでも、懸命な貴方の姿を見れば、応援したくなりますから。
「頑張れ」の意味を履き違えれば、そのようにも捕らえられますが…
それはもっと別のニュアンスでしょう。
「おいお前、もっと頑張れよ!」のような、強制的な。
優しい、人を思いやる心から、「頑張れ」が出てくる。
たとえばマラソンランナーを見た人の「頑張れーっ!」って声援。
これのどこに、嫌味があるでしょうか。
言われたランナーだって、「コレ以上どうしろってんだ…」なんて思ってない
ハズ。
声援の「頑張れ」は、ランナーの気合とか根性とかの材料になりうるハズです。
言葉は、記号じゃない。感情によって生まれるモノです。
カタチは同じでも中身がぜんぜん違うのは、人間も一緒ですよ。
【8898】
【タイトル】sbさん
【 日時 】04/06/10 3:41
【 発言者 】根石吉久
言葉は、記号じゃない。
言葉は言葉であり、記号は記号です。
「記号としての言葉」っていうのは、言葉を記号として扱った場合の対象ですから、すでに記号
です。記号が言葉でありうるわけでも、言葉が記号でありうるわけでもない。
記号を言葉として扱うこともできるし、言葉を記号として扱うこともできるだけのことです。
単に扱いの問題で、本質規定として、「記号としての言葉」という言葉を使い、「として」のと
ころでイコールを意味したら、とんでもなく間違うと思います。
【8900】
【タイトル】思考、記号、文化
【 日時 】04/06/10 18:43
【 発言者 】sb
言葉は「思考」「記号」「文化」の側面を持ち合わせていると何かで読みました。
「思考」としての側面を持ちながらもアウトプットする(話す、書く)時は「記号」としての側面がでてきます。そうでないとコミュニケーション第一主義に
なってしまう。
確かにコミュニケーションも大事です。しかし、言葉には交わされる直前に文語であれ、口語であれ、「記号」という側面もあることをしっかり認識しておかな
いと駄目だということです。
相手からアウトプットされる時は「内側に思考を含む外側としては記号」となって放出される。それをインプット(理解する)時は、「外側としては記号を内側
に含む自分の思考で包む」ことをしなければ理解することはできない。
だから「回転読み」「回転書き」が大いに必要なのだということになるのではないかと思うのです。
>言葉は、記号じゃない。
おっしゃる通りです。しかし言葉には、「思考」としての側面と「記号」としての側面と「文化」としての側面があるということです。
その土地の人が使っているうちに「記号」も変化してくる。それが「文化」としての側面です。成長するにつれて個人レベルで「思考(概念)」は当然変化成長
する。それが「文化」としての言葉に影響を与える。つまりこれも「変化」する。そして「文化」としての言葉が変化するとそれに伴い、「記号」としての言葉
も変化する、そういうことを言っているだけのことです。
つまり、次のような根石さんのおっしゃるとおりということになります。
>言葉は言葉であり、記号は記号です。
「記号としての言葉」っていうのは、言葉を記号として扱った場合の対象ですから、すでに記号
です。記号が言葉でありうるわけでも、言葉が記号でありうるわけでもない。
記号を言葉として扱うこともできるし、言葉を記号として扱うこともできるだけのことです。
単に扱いの問題で、本質規定として、「記号としての言葉」という言葉を使い、「として」のと
ころでイコールを意味したら、とんでもなく間違うと思います。
アドバイスありがとうございます。
【8902】
【タイトル】素読って実は近代的方法?
【 日時 】04/06/11 2:24
【 発言者 】村田@酔っ払いモード
sbさんの記事を読んで、最近考えてたことをひとつ。
「素読って実は近代的な方法なんじゃなかろうか」
ということです。
sbさんの記事によると、言語には必ず文字がセットになって
いるという風に俺には読めたのですが、はたしてそうだろうか?
たとえばアイヌの言葉には固有の文字はないわけです。
「金のしずくふるふるまわりに 銀のしずくふるふるまわりに」
というアイヌの美しい神謡があるのですが、あれも原文は
ローマ字表記で起こしてあります。
前の世代から後の世代へ、口頭で伝えられていったものを
知里さんがローマ字であらわしたんですね。
これは一例なんですが、まあ文字を持たない人々ってのは
歴史上結構いたわけです。
文字はなくても言葉はあるわけで。
で、文字を持っている文化にしても、その黎明期には文字
というのはかなり高度なテクノロジーで、庶民レベルには関係
なかったんじゃないかなあ。歴史を記録するとか、そういう公的
なことにのみ使われていたんじゃないかなあ。もしも庶民レベル
で浸透させるとしても技術(印刷技術)も量産向けではなか
っただろうし。
素読・音読には文字は不可欠ですが、それが庶民レベル
で可能になるのはかなり時代が下ってからだと思いました。
つまり、グーテンベルク以降。中国ではもうちょっと早いらしい
ですが。
印刷という手段・媒体のおかげで私たちは素読・音読という
方法で外国語を習得できるんだなあと思ったのでした。
【8903】
【タイトル】言語知識(再)
【 日時 】04/06/11 17:34
【 発言者 】All Black
> チョムスキーが Knowledge of Language と言うとき、knowledge は
>日本語の「言語知識」と言うときの「知識」と同じものであるのだろうかというのが、
>私の疑問です。
たしかに「知識」よりもしっくりくる日本語があるかもしれませんが、英語で knowledge
と言っているものに別の訳語を当てはめるのは、必ずしもいいとはいえないのではないでしょうか。
もちろん英語と日本語が1対1対応しているなどと言うつもりは毛頭ありませんが、
knowledge に「能力」のような意味があるわけではないと思います。
> 私は、言語に関する「知識」が生得的なものであるとはとうてい信じることができないので、
>「言語獲得能力」と言ってきました。
これは
knowledge(=知識)という言葉の定義の問題ですよね。つまり、根石さんのおっしゃる「言語獲得能力」(チョムスキーもこの表現を使うこともあり
ますが)という意味でチョムスキーは knowledge という言葉を使っているということだと思います。
>All Black さんが「言語獲得装置」と言っているものとも重なると思いますが、
>人間も生きているわけですから、「装置」よりは「能力」と言う方がいいかとも思います。
チョムスキーの用語でいう Language Acquisition Device のつもりで「装置」といいました。
> いずれにせよ、これが生得的なものであることに私は一切異議がありません。
はい。よくわかりました。言葉の使い方に疑義があっても、理論上の行き違いはないようですね。
> 酒井は明らかに、チョムスキーの理論の物質的根拠をみつけようとしていると思いました。
はい、わたしもそう思いましたし、だからこそ酒井氏の本は面白かったです。科学というのは一種の信仰なので、チョムスキーの仮説を裏付ける事実が見つかれ
ば面白いです。もちろん、覆すような事実が見つかっちゃえば、新しい仮説、理論をたてて、それを信仰すればいいわけです。
> チョムスキーの理論は、ネイティヴ言語に関してだけのものであり、語学の言語に
>適用するのはまったくのとんちんかんなのですが、
たしかにそうですね。生成文法理論は第2言語の獲得には無力です。というよりは、無関係ですね。かといって、子供が母語を身につける環境や段階を模倣する
ような教授法を否定するわけではありませんよね。ただ、無関係なだけです。この方法でうまくいくかもしれませんが、たとえそうであっても、それはチョムス
キーの理論とは全く無関係ですね。
【8905】
【タイトル】All Black さん(1)
【 日時 】04/06/12 2:02
【 発言者 】根石吉久
これはかなりあてずっぽうなもの言いになるかも知れませんが、一応耳を傾けてみて欲しいと思って書きます。
英語の knowledge の(元になっている?)動詞は know です。で、私は昔、中学生の頃だったと思いますが、know
に「知る」という意味もあり、「知っている」という意味もあると知ったとき、怪訝な気持ちを抱いたことがありました。「知る」ということと、「知ってい
る」ということはまるで別のことではないか、とその時に思ったのです。know は、そのどっちにも使えるというのだから変だと思ったのです。
で、それから数十年後の今の私の考えを書くと、know
が「知る」という意味になるには、何か助動詞とか副詞(ある時点以後を示唆する語)を必要とし、「知っている」という意味になるには、そういう補助的な語
を必要としないのではないか、というものです。
You should know that. 「知る・べき」で、should が必要。
You know it tomorrow. 「あした・わかる(知る)」で、tomorrow が必要。あるいはさらに You will
know it tomorrow. とするなら、will が必要。
How would I know that if he wasn't here? 「どうして知ることができようか」で、 would が必要。
これに対して、「知っている」の know を手元の「ゴースト」のシナリオから拾ってみますが、
I know you're up there.
You know, I called you last night about your friend.
I know about the picture in Reno.
(about the picture で副詞(句)で、know を説明するが、「ある時点
以後」を示唆するような語ではない)
つまり、know
が「知る」という意味を表すためには、英語では「ある時点以後を示唆する語」を必要とすると考えているのです。もし、この私の考えが間違っていなければ、
その種の語を必要としない know の用法が表しているもの、つまり「知っている」という意味が、know
の本来の意味だということになります。他にどんな語も必要とせず、その語だけで表しうる意味は、「知る」ではなく「知っている」の方だと言ってもいいと思
います。
日本語の「知る」は、「(ある時点以後)知る」ということですし、「知っている」はいつ知ったかはともかく、「(すでに)知っている」ということです。
英語の know の訳語に「知る」があるのは、日本語への「翻訳の必要上生じた訳語」であって、元々は know
は「知る」ではなく、「知っている」という意味の語なのではないでしょうか。で、さらに、これがこのままそうであった場合に、英語の know
は「既得性」を最初から言い表しうる語なのだということになります。この「既得性」を最初から言い表しうる性質が、knowledge
にもあるのであれば、knowledge of language の knowledge にもその性質があるはずで、「生得的な」ものに対して
knowledge を使うことはまるで変ではありません。そして、これは日本語の「知識」とはまったく別物だろうと・・・。
私は日本語の「知識」という語を「生得的な」ものに関して使うことには、どこまでも逆らいたい。チョムスキーの knowledge of
language
に「言語知識」などという訳語をあてて安閑としている人たちには、あんたら、英語なんかやって日本語が駄目になってしまったのかと毒づきたい。
日本語の「知識」は、どう考えても生後「獲得」したものを言うように思います。坊さんのことを「知識」ということもありますが、誰も坊さんとして生まれ
てくるのではない。坊さんに「なる」のです。日本語の「知識」は獲得されて初めて「知識」ではないでしょうか。そこが、knowledge
とは違う、と。
【8906】
【タイトル】All Black さん(2)
【 日時 】04/06/12 2:03
【 発言者 】根石吉久
英語の know を日本語にするには「知っている」の「いる」が必要だということに着目していただきたいのです。英語の know
を日本語の「知る」の意味にするには補助的な他の語が必要であるように、know
の本来の語義を日本語で言うためには、「知っている」の「いる」が必要だという点です。英語で一語で言うものを、日本語では二語(知る・いる→知ってい
る)で表しているのです。
「普遍文法」を「言語知識」などというふうに、「知識」という語で言えると思うのは、翻訳の問題に限っても、あまりにも雑ぱくな思考だと思うのです。も
ちろん「能力」という語で置き換えられるなどとも思いませんが、私の「能力」という語は、チョムスキーの用語に代置するために考えたものではなく、私が自
分で考える途中で必要になって使用しているものです。チョムスキーを媒介にして、自分で日本語で考える時に、「言語獲得能力」という語が生まれたので、こ
れは私が考えるための私の用語法です。チョムスキーの用語の翻訳語ではありません。
私がチョムスキーに信を置くのは、「普遍文法」というときの「普遍」という考えに対してです。これは人口わずか数百人のアフリカの弱小言語の中に生まれ
てくる子供に対しても「普遍」的に言えるものです。人間の子供が「普遍文法」を持って生まれてくるからこそ、どんな弱小言語の「磁場」に生まれてくる子供
にも、個別言語の文法の爆発的な獲得がある。「普遍文法」というときの「普遍」という語が人間の根底を言い当てていると思うのです。この「普遍」があるか
らこそ、チョムスキーは「ブッシュのアメリカ」に対して極めて政治的に批判しながら、まったくたじろぐところがないのです。
どんな政治状況の中に生まれようと、どんな宗教事情の中に生まれようと、どんな言語の中に生まれようと、人間は「普遍文法」(私の言い方なら、言語獲得
能力という構造体)を持って生まれてくる。この「普遍」を備えている者を、ブッシュのように気楽に殺すようなことはあってはならない。それは、アングロ・
アメリカンの「無知=無恥」である、と。
「普遍文法」とチョムスキーが言うとき、その「普遍」という語が、「殺すな、それはアングロ・アメリカンと同じく人間である」と言っているのだと私は読
みます。彼の政治的発言と彼の言語理論は太いへその緒で結ばれ、そのへその緒に「人間の」血が通っています。肌の色や政治や宗教や言語によっては変わるこ
とのない、「人間の赤い血」がです。
酒井なにがしも、柳瀬なにがしも、その赤い色を見ない。私はそう思っています。
【8907】
【タイトル】村田君
【 日時 】04/06/12 2:56
【 発言者 】根石吉久
俺は素読っていうのは、まるで近代的だとは思わない。
というか、時間軸で考えるべきではなく、空間軸で考えるべきだと思う。
素読っていうのは、なるほど突然に江戸時代あたりで爆発的に普及した。
木版印刷のせいで。それが、物質的根拠だと思う。物質的根拠というか、
文明的根拠だ。
だけど、素読そのものでなく、素読的な方法は、ずっとずっと古いのだ
と思う。チベットに仏教が伝来した時に、すでに仏典は素読的方法によ
って、身体化されていったのではないのか。
新しい文を5回読んだら、すでにやった文を50回読むというように、
テキストに対して、複層化がなされた時点に、俺は素読的方法の成立を
見るのだが、それは近代なんぞとんでもない、もっとずっとずっと古く
から行われていたと思う。
あるいは、仏教成立以前からそれはあったと思う。
それが、民衆に普及したのが、江戸の文化の中でだった場合、これはま
ったく世界に先駆けていると思うが、そこんところを俺のずたずたの英
語ではうまく言えないので、誰か俺の言いたいところを汲んで英語にし
てみてくれねえかなあと思っている。岡倉天心が俺の弟子であったら、
おめえ、茶のことより先に素読のことをちゃんと書けと命じたところだ
が、生まれた順番が誰が何をどう間違えたか間違えたので、天心君にそ
う言えないところがつらいんだわ。
あああ、今日も気持ちよく酔った。
何はともあれ、村田君、女っていうものはいいものだ。
本題とはいつもながら何の関係もねえ。
ふうう。
【8908】
【タイトル】言語知識(再々)
【 日時 】04/06/12 8:46
【 発言者 】All Black
たしかに根石さんのおっしゃるとおり、know
は状態動詞ですから、「知っている」という状態を表すと思います。そして、他の状態動詞と同じく、時制などの環境によっては、状態の変化を表しうるという
ことだと思います。
そうすると、knowledge
というのは「知っているという状態、知っているということ、知っている内容」という意味になるわけですが、このうち「知っている内容」を「知識」という言
葉で表すことができないのではないかというのが、根石さんのご意見なわけですね。
たしかに一般的には「知識」は後天的に身につけたものという意味で使いますからね。
この点に関しては、学術用語の翻訳論になってしまうだけですので、これくらいにしたいと思います。つきあっていただいて、どうもありがとうございました。
また別の話題でも参加したいです。ではでは。
【8910】
【タイトル】(無題)
【 日時 】04/06/12 17:58
【 発言者 】sb
>sbさんの記事によると、言語には必ず文字がセットになって
いるという風に俺には読めたのですが、はたしてそうだろうか?
私がこの掲示板で最近「記号」という用語を使うようになったのことは誤解を招く原因にもなっていると思う。確かに「記号」という言葉を使うと何か「数学」
や「看板」のようなイメージをもたれてしまうのはしごく当然のことと思う。
「記号」「記号」といっているのは、ヒトが言葉として外に発した瞬間の「固まってしまった一瞬のもの」というイメージである。そのような外にでた瞬間の個
人のその時にしか出せない「音声」や「文字」をひっくるめて「記号としての言葉の側面」と言っているのである。
もちろん先日の書きこみの中で述べたように、そして根石さんに教えていただいたように、言葉には「思考(概念)」「記号(音声や文字もひっくるめた個人
の)」「文化(個人の思考を背負い、記号として外に放出され、それらのアイデアが共有され、有形無形のモノが創られる)」としてのそれぞれの側面というも
のがあると思う。
それらをひっくるめてコトバが存在していると思う。だからコトバの学習や教育においては、「思考」「記号」「文化」、それぞれの側面を十分考慮に入れて、
偏りのないようにバランス良く配置するのが一番いいと最近考えている。
それにしてもコトバは個人個人捉え方が違うものだ。そのヒトの信じる学習方法や教育方法が「一番良い学習方法であり、教育方法」であるのではないか。ずる
い言い方かもしれないが。。。
【8912】
【タイトル】おまんこの広さと太平洋の狭さ、
【 日時 】04/06/13 1:14
【 発言者 】根石吉久
高橋さんから連絡がいただけなかったので、ここへ連絡が欲しい旨を書いたところ、その後、直接にメールが届き、電話番号を教えていただくことができ、今
日レッスンすることができた。アメリカにおられる方に対してレッスンするのは初めてであり、長い電話番号を間違えないように電話のボタンを押した。市内電
話の3倍から4倍の数字を押した。折り返し高橋さんからこちらに電話がかかり、「電話でレッスン」が初めて太平洋を渡った。電話の状態は非常によく、クリ
アな音が確保できたのがまず最初にうれしかった。
高橋さんが日本におられた時のレッスンで、すでに「あいうえおフォニックス」は手渡してあるが、ar, ir, ur, er, or
における「狭い音」、つまり、ar 以外の ir, ur, er, or の仲間に、er をひっくり返した re
も加えてくれという指示をした。here の末尾の re を日本語の「あ」で発音されることに対する指示だった。early における ear
も同じく ir, ur, er, or の仲間で「狭い」のだということも伝えた。
明日の朝になれば、いや、アメリカはすでに朝だから、私の指示したものに高橋さんはすぐにぶつかる。この即時性が、日本にいる生徒さんには可能にならな
い。高橋さんには目の前の事実だ。それが、「電話でレッスン」の「電話で」が海を渡ることの意味だろう。
家庭の中以外では、おそらく高橋さんの体をびっしりと英語の音が取り囲んでいるだろう。私の用語で言えば、「磁場」の磁力のまっただ中に高橋さんはおら
れる。その磁力に圧倒されずに(いや、ひとまずは圧倒されたとしても)、まずは音としての英語に切り結び、それを「きっかけ」として、単なる言語的「磁
場」ではなく、異質文化総体がもつ「文化のシンタックス」に切り結び、対峙し、崩れ落ちながら立ち上がるものを、あるいは立ち上がりながら崩れるものを、
はっきりと見て欲しい。果実としての言語スキルを獲得されることはもちろんのことだが、それを通じた異質文化同士の相互理解を進められることを私は強く
願っている。日本在住のままの日本人、アメリカ在住のままのアメリカ人に決して見えないものが、そこに見えるはずだ。
おそらくは、身体は強引に意味に満たされるのだ。幸か不幸か、私は英語の磁場で長く生活したことがないが、強引に意味に満たされる高橋さんの身体は生な
ものとして私に想像できる。わずか1ヶ月余りの私のロンドン滞在を、私は今思い出す。まるで女のおまんこや、女が目を細く細くして、客観としての焦点をな
くすのを思い出すように。
「電話でレッスン」が、高橋さんが英語の「磁場」に合い渡り、現地の人との相互理解を可能にすることを応援できたら、このレッスンを始めた私のひとつの
願いがかなうのだ。どうか、お体を大切にしていただきたいと願う。
そう思いながらも、来週から復習範囲のテストが10+10から、10+10+5にレベルアップするので、これまでの練習レベルだと、復習範囲のテストだ
けでレッスン時間の30分が終わってしまい、新しい文を獲得するのが難しくなるとハッパをかけてしまった。もし、仕事があまりにも忙しいようなら、私が自
作した「文法解析」のテキストに切り替えたらどうかとアドバイスした。
まだ、アメリカに渡って2週間もたっていないので、アメリカでの生活のペースがつかめていない、どれだけの練習の時間が確保できるかもまだわからない、
来週は今週よりも落ち着いてやれるだろう、と高橋さんは言われた。これまで通りのレッスンを継続したいとの希望だった。
私は期待した。そして承知した。
そういえば、何州におられるのかも聞きそびれた。そういえば、私は高橋さんの年齢も知らないのだ。私よりはずっと若い方だということがわかるだけだ。若
い人は、繰り返し繰り返し自分を外に向けて開くことができる。若いということが持つこの力を私は信頼している。この信頼は、エネルギーのあらかたを日本在
住のままに吸い取られている私が、アメリカに渡っている若い人に託したいものだ。外に向けて開く無意識のパワーに関しては、老兵は去るのみだとして、それ
でもこの老兵は、コーチとしてプレーヤーを駆使したい。
高橋さんには、「駆使したい」という根石コーチの願いを汲んで、(言語的に)思い切り体を動かしてきて欲しい。はっきりと異質文化と切り結んだプレー
ヤーとして帰ってきて欲しい。そして、帰国したら、俺んちに遊びにきて欲しい。
高橋さん、くれぐれもお体を大切にしてくださるように。
私は大きく大きく期待しています。
【8914】
【タイトル】やばい
【 日時 】04/06/13 14:00
【 発言者 】根石吉久
目が覚めたら変なタイトルが書いてある。
皆さん、どしどし投稿して、変なタイトルを次のページに送り込んで下さい。
まじい。
それにしても、人は語学をエロスとして語らない。
まあ、語りにくいのも事実だが。
【8915】
【タイトル】まじい
【 日時 】04/06/14 2:49
【 発言者 】根石吉久
まだある。
もうすでに、おまんこ発言時と同等に酔っているが、なんで俺は酒を飲まなきゃ、語学のことを
しゃべれないのか。気が弱いってのはわかっているが、それだけのことなのか。
おそらくそうじゃない。語学論なんてものは、それで何ができるかってことを娑婆がわかろうと
いう気がないわけだ。だから、語学論てものは、それをやると、現在では、徒労の感覚と無益の
感覚しか得られないわけだ。酔わずにやってられるか。
【8916】
【タイトル】dollar 問題
【 日時 】04/06/14 3:10
【 発言者 】根石吉久
「あいうえおフォニックス」では、ar が「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」、それ以外
は、「狭い音」。それ以外というのは、ir, ur, er, or。
a i u e o に r をくっつけて、ar, ir, ur, er, or を作る。そのうち、ar だけを差別す
る。こいつは、邪魔のないところを通る明るい音。ir, ur, er, or は、邪魔にぶつかりながら、
狭いところを通り抜ける音。
er も re もそれが日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる時は、同じ音。
で、ですね。
dollar ですが、do の部分は、「一瞬顎の下がる音」です。発音記号では、[a]です。
英語の o は特にアメリカで、乱れに乱れてしまって、まったく法則性が取り出せませ
ん。これは辞書にあたる以外にない。で、dollar の do の o は、「一瞬顎の下がる音」
です。
さて、dollar の ar ですが、これは「狭い音」です。
おかしいじゃないか。根石吉久考案の「あいうえおフォニックス」では、ar は「顎の
下がる明るい音(診察室のアー)」だったはずじゃないか。「あいうえおフォニックス」
なんてでたらめじゃないか。そう思う方は沢山おられると思います。
私は、一つ「あいうえおフォニックス」の前提となることを申し忘れておりました。
「あいうえおフォニックス」がどんぴしゃと当たるのは、ar, ir, ur, er, or に
アクセントがある場合です。特に、ar の場合、そこにアクセントがあると、「顎のさ
がる明るい音」になるということです。 park, car, armond, armlet, cartoon。
dollar ではどうか。dollar の ar は可哀想だが、do のところにアクセントをと
られてしまっている。だから、この ar は ar であるにもかかわらず、明るくなれな
い。
英語では、アクセントのあるところの母音は、きわめて明瞭に本来の綴り通りに発
音され、アクセントがないところの母音は、片っ端から曖昧母音化していくという抜
きがたい癖があります。この癖は、「あいうえおフォニックス」よりずっと強い。
だから、「あいうえおフォニックス」は、前提を二つ必要とすることになりました。
1.日本人の耳に「あ」または「あー」と響く音に関してのものであること。
2.その綴りに、アクセントが来る場合に使える法則であること。
この二つの法則を踏まえると、まず100パーセントに近い的中率です。
【8918】
【タイトル】ミッフィーさん
【 日時 】04/06/14 3:22
【 発言者 】根石吉久
こないだのレッスンで、私が ear も狭い音だと言ったのかどうか。
ミッフィーさんは、「あいうえおフォニックス」が使えないという例証として、 heart をあげ
られました。 ir, ur, er, or の他、 ear や re も「狭い音」になりますが、heart の ear
は、[a:] または、[a:r] の音だからです。
私は学問的根拠を持ちませんが、ear は「狭い音」です。 early, earth
など。
heart と hearth を例外として扱えばいいのです。
学校のくだらない発音テスト問題で、heart が頻出するのは、それが例外
だからです。例外だから、「ひっかけ問題」になるのです。ところが、それ
が「ひっかけ」にすらなっていないのは、生徒も先生も、early, earth と
heart の ear を同じに発音してしまうようなていたらくが学校で頻出して
いるためです。heart が例外だと認識される日はいつ来るのか。
heart, hearth の方が例外なのです。それ以外の ear は「あいうえお
フォニックス」ですべてカバーできます。
【8924】
【タイトル】ところが、
【 日時 】04/06/14 3:35
【 発言者 】根石吉久
ar, ir, ur, er, or で、 ir, ur, er, or は、そこにアクセントがあってもなくても、
「狭い音」になります。そこにアクセントがある場合の法則だというのは、「あいうえお
フォニックス」の前提ですから、アクセントがある場合に、それが「狭い音」になるのは
法則通りです。
アクセントがない場合に「狭い音」になることの根拠は、アクセントのあるところの音だ
けが明瞭に発音され、アクセントのないところの母音はおざなりに扱われるという英語の
強い癖を根拠としてもいいし、「あいうえおフォニックス」の法則を根拠にしてもいい。
ir,ur,er,or にアクセントがなく、それが日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる
場合は、なにはともあれ、なにがどうであれ、「狭い音」です。
【8926】
【タイトル】根石さん
【 日時 】04/06/14 18:34
【 発言者 】村田
>だけど、素読そのものでなく、素読的な方法は、ずっとずっと古いのだ
>と思う。チベットに仏教が伝来した時に、すでに仏典は素読的方法によ
>って、身体化されていったのではないのか。
素読者(もの)の姿勢の出自はそこにありますね。密教とか。
それからイスラムの人がコーランを指でなぞりながらひたすら読んで
いる姿とか。
まあそこまでいくと、そのテキストも写経したものだったりするわけで、
まさに素読のために自分の手でテキストを作ってるようなものですね。
究極の素読者です。
うーん。
「素読は近代的な方法」って言ってしまうと、違いますね、やっぱり。
江戸時代〜今にいたるまで、
民衆レベルで広がる時に近代的な手段が基礎となっている、とい
うところが面白いなあと思ったんですが…。
【8935】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」再説
【 日時 】04/06/20 0:21
【 発言者 】根石吉久
今日、ミッフィーさんのレッスンで、「dollar
問題」以後考えてきたことを初めて図式として生徒さんに手渡した。そのとき、「あいうえおフォニックス」と似たようなことが、ミッフィーさんの学校の教科
書に出ているという話が出て、私はびっくりした。「あいうえおフォニックス」は私がみつけたものだとばかり思っていたが、すでにそういう説明の仕方がある
のであれば、根石吉久考案などという文字は今後「あいうえおフォニックス」の説明から削除しなければならないかもしれない。すでにこの説明の仕方が存在す
るのであれば、なぜ私はこれまで一度もそれを目にしたことがなかったのか。あるいは、これまでの学校の授業で、なぜこれほどまでに「広い音」と「狭い音」
の問題がおざなりにされてきたのか。そういう疑問は残るが。
ミッフィーさんにお手をわずらわせることになるが、その該当の教科書の該当個所をここに書き写していただけたらと願っている。私としては、是非私の「あ
いうえおフォニックス」と比較してみたいと思っている。また、ここをお読みの皆さんの参考にもなるはずだと思うので、是非お手をわずらわせることをお許し
いただき、転載していただくことをお願いしたいと思います。
さて、「dollar 問題」以後に考えてきたことをこれまでの図式を修正することで、新しい図式に反映させてみたい。
----------------------------------------------------
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
----------------------------------------------------
これまでの「あいうえおフォニックス」はそれだけのものだった。
しかしこれでは「dollar 問題」は解けない。そういえば、dollar の ar は「狭い音」だなあと思い、気を付けていたら、他にも ar
が狭い音になる例がたまにみつかる。法則性がないのかと思ってにらんでいたら、法則性は意外と簡単にみつかった。 ar
が「狭い音」になる場合は、その綴りのところにアクセントがないのである。アクセントがない(アクセントが前にとられる)場合は、ar
も「狭い音」になる。法則性はある。
であれば、図式を二つ書けばよい。その綴りにアクセントがある場合とアクセントがない場合の図式を二つ書けばよい。で、図式は以下のようになる。
----------------------------------------------------
<<日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別>>
-----------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがない場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべて大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
【8936】
【タイトル】「 あいうえおフォニックス」再説(2)
【 日時 】04/06/20 1:16
【 発言者 】根石吉久
これまでの「あいうえおフォニックス」は、そのそれぞれの綴りにアクセントが「ある」場合のものだということが私の中ではっきりした。それがはっきりし
てから、アクセントの「ない」場合も意識して、自分の音読の練習の中で英単語の綴りに気を付けていると、ほぼ100パーセントに近い確率で「あいうえお
フォニックス」が有効であることに気付いた。これは絶対に使える、という確信に近いものが生じているのである。
そろそろ酒が回ってきたので、中学の教科書を開いて、例を拾ってみたい。
時間がゆっくり流れ出したので、中学の教科書などを広げるのは今の気分に合っている。
ニューホライズンの2年生用あたりでいきますか。
birthday ir にアクセントあり 狭い音
member er にアクセントなし 狭い音
tournament ur にアクセントなし 狭い音
alarm ar にアクセントあり 広い音(診察室のアー)
here re にアクセントなし 狭い音 ( re = er )
are re にアクセントなし 狭い音 ( re = er )
they're re にアクセントなし 狭い音 ( re = er )
were re にアクセントなし 狭い音 ( re = er )
Mark ar にアクセントあり 広い音(診察室のアー)
where re にアクセントなし 狭い音 ( re = er )
forget or にアクセントあり 狭い音
our ur にアクセントなし 狭い音
start ar にアクセントあり 広い音(診察室のアー)
hour ur にアクセントなし 狭い音
少し飽きた。わずか4ページに当たっただけである。
これまでのところでは、昔の「あいうえおフォニックス」で全部解ける。
「dollar 問題」は登場していない。
ear も登場していない。
どかどかとページをめくって、「dollar 問題」や ear だけを探してみる。
learn ear にアクセントあり 狭い音
hear ar にアクセントなし 狭い音
lizard ar にアクセントなし 狭い音
ふう疲れた。教科書の半分はチェックした。しかし、「dollar
問題」はあまりみつからない。昔の「あいうえおフォニックス」でカバーできるものはいくらでもみつかる。ear も learn, earth,
early くらいでなかなかみつからない。だから法則を立てるのが難しかったのだ。
しかし、今度の図式は非常に有効なはずである。
日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関してだけなら、ほぼ100パーセントの確率でどんぴしゃと当たるはずだ。
これまでのところ例外が、ear に関しての heart, hearth
の他に私は思い当たらないので、これを除くと100パーセントになってしまうのが恐いくらいである。
で、生徒の I 村さんに、私が立てた法則からはみ出す例外があったら是非掲示板上で教えて欲しいと今日のレッスンでお願いした。
再び、ミッフィーさんに。
時間があるときで結構ですので、該当教科書の該当個所の転写をお願い致します。
【8937】
【タイトル】菊川怜と、狭い音
【 日時 】04/06/20 3:00
【 発言者 】いくこ
随分前になるが、NHKの「英語でしゃべらナイト」に菊川怜が出ていた。
見られた方もおられると思う。
その中で私が印象的に思ったのは、
米国で演劇学校の授業を受けた菊川怜が、
「アーリー」
の音を直されたシーンだ。
タレントの彼女は、東大出の才女だそうだ。
番組の中で、日常会話では困らない程度に英語を喋っていた。
彼女の英語は、日本で習得したものだろうと思う。
先に書いた、
「アーリー」
というのは、early のことである。
彼女は、ear を、「明るい音」で発音していた。
これは、私の知る限り、一般的に、日本の学校で教えられている音だ。
その演劇学校では、演劇指導の前に、英語ネイティブでない学生を対象に、
アメリカでも役がもらえる「きれいな英語」を身に付けさせるプログラムがあった。
その講座では、確か自己紹介をすようにと課題を出されていたように思う。
彼女はなんとか及第点をもらったようだったが、ただ一点、
「early」
だけは、かなり厳しく直されていた。
その時、確かに講師は ear を狭い音で発音していた。
これは面白いと思った。
その音は違うといわれて、
菊川怜は、何度か言い直していたが、「狭い音」は思いつかなかったようだった。
何度か講師が発音してみせて、
それをなんとかとらえて、彼女は、何度目かにOKをもらった。
「early」は、中学校でも比較的早く教わる単語ではないかと思う。
これほど日本の学生にとってポピュラーな単語が、
通じないという現実を目の当たりにした1時間だった。
【8938】
【タイトル】OR考
【 日時 】04/06/20 11:23
【 発言者 】パクパク
ORにアクセントがあると、狭い音ですが
ORにアクセントがくると、開く音になると
おもいます。
例)
orange
例外)
いじわるwがつくと 狭い音になる。 word
ついでながら、学校で教えないのは
分節法です。(syllabication)
orangeは、o-rangeか、or-angeのいずれでしょうか?
oralは、o-ralか、or-alのいずれでしょうか?
この分節法は、多分簡単な規則からなっているのですが
この規則を公開してしまうと、アクセント問題が
誰でもわかるようになり、テストがつくれなくなるとおもいます。
【8939】
【タイトル】「cartoon」
【 日時 】04/06/20 15:59
【 発言者 】I村
arにアクセントはありませんが、広い音です。
アクセントがなくても、アクセントが後ろにとられるarは
広い音という事でしょうか。
【8940】
【タイトル】一つの習得段階
【 日時 】04/06/21 5:17
【 発言者 】sb
@音声を聞き込む段階
A素読(授業では実際には「音読」させるが本人にとっては「素読」ということになる)する段階
B視写(テキストの書き写し)する段階
C<日本語訳をみながら時々顔を上げて>音読する段階
D<日本語訳をみながら時々顔を上げて>筆写する段階
E暗誦(イメージ)する段階
F暗写(イデア化)する段階
@ABは人の記号(音声や文字)を扱っている感覚で「ただ受け入れている」段階
CDは自分の記号(音声や文字)を扱っている感覚で「自分の記号になりかかっている」段階
EFは自分の記号(音声や文字)に自分の思考(イメージ)を「混ぜている」段階
とくに、Fは自分の思考に自分の記号を「混ぜなおしている」段階→これが第三項の日本英語
こんな段階を想像してみました。
みなさん、いかがでしょうか?
【8941】
【タイトル】分節法ルール
【 日時 】04/06/21 19:53
【 発言者 】パクパク
なぜ、誰も言わなかったか不思議なくらいです。
アーに限らずに汎用性の高いものです。
いま、UDAさんに意見をうかがっているところです。
公開はそれからになるとおもいます。
【8942】
【タイトル】例外なのか?
【 日時 】04/06/21 19:55
【 発言者 】パクパク
アーときこえるが、erとスペルして、開く音があります。
sergeant
軍曹
【8945】
【タイトル】××××問題、とか。
【 日時 】04/06/22 2:34
【 発言者 】村田
××××な話は実はウけてしまいまいした。まあそのまま書くとさしさわるようなので引用
はしませんが、縄文までつらなる、ってところは感動さえ覚えてしまいまいしたよ。
(まあなんだかんだいっても過去ログには収録してしまいますが)
「女陰型言語」と根石さんが書いてるんで、なんとなく中村雄二郎先生の「術語集」を
ぱらぱらとめくっていると、こんなことが書いてありましたよ。
『…また「芸道」といわれるものも、仏教の修行から影響を受けて成立したものである。
たとえば能の稽古では、自分の身体を一定の「形」にはめこんでいく訓練を行い、その
積み重ねによって芸が「身につく」、つまり身体で覚えこむのである。稽古を通じて心の
動きと身体の働きとを一致させていくことは、自己の主体と客体の分裂を実践的に克
服し、いわば身体を主体化していくことにほかならない。』
(「術語集」20 身体 歴史的身体/社会的身体/精神としての身体 より)
素読という方法にあてはまると思いませんか?
身体を一定の型にはめることは、戦後的な価値観においては「受動的」であり、マイナス
のイメージを伴うと思われるのですが、果たして「受動的」なことはよくないことなのか?
語学に限っていえば、外国語は自分に対しての異物であります。自分にとっての異物を
いったんは取り込み、取り込んだあとで批評すればいい。
「積極的に受動的」になるということです。
以前、根石さんと語学について話をしていたとき、このようなことを頭に描いて話していま
した。
なんでも受け入れてしまうこと、なんでも飲みこんでしまうこと、と言ったらもう俺たち(えっと
根石さん、こういうことに限っては俺たちって言ってしまっていいですよね?)にとっては、
「××××」しか思い浮かべるものはないわけで、グレート・マザーとか玄牝とか女性原
理とかなんとかえらそに言っても、やっぱり「××××」の方がピンと来るのです。
というわけで、俺は「私たちは巨大な××××にならなければならないのですね!」とい
うマニュフェスト(!)を提案したのでした。
「女陰的言語」について語っているときの私の気分は、上のようなものだったのですが、
根石さんは日本語を語る意識自体に、なんでも飲みこむ「場」の設定があると言ってい
たと思います。「お前」も「俺」も「やつら」もすべていったんは飲みこむ「場」。それを「女陰」
と言っていたと思います。
対して「男根的言語」(ほんとはファルス的言語とか言ってた?)は自己が外部を操作
する志向性(嗜好性?)をもつものであるというような話になったような気がします。
今日はもう電池切れなんで、ここでおしまい。
【8946】
【タイトル】パクパクさん
【 日時 】04/06/22 3:51
【 発言者 】いくこ
>アーときこえるが、erとスペルして、開く音があります。
>sergeant
>軍曹
今辞書を引いてみました。
たしかに、このerは「a:」と発音するようですね。
ただ、er(あるいはear) の多くは狭い音で発音されます。
例外として、先の例のほかにも、
「heart の、ear は 明るい a:」 のようなものもあります。
例外があって法則性は成立しないとパクパクさんは、おっしゃりたいのかわかりませんが、
これまで英語に触れてきて思うのは、
ある程度の法則性は確かにあり、例外の方がむしろ少ないのではないかという点です。
あいうえおフォニックスの法則性は基本として踏まえ、
例外はそのつど覚えていく方が、効率がいいように思えますが、いかがですか?
【8947】
【タイトル】パクパクさん
【 日時 】04/06/22 4:24
【 発言者 】根石吉久
> アーときこえるが、erとスペルして、開く音があります。
> sergeant
> 軍曹
ありがとうございます。こういう例外をなるべく多くはっきりさせたいので、非常に助かります。
台風が去って、今日も暑そうなので、暑さで頭をやられないうちに、整理しておきたいと思います。
----------------------------------------------------
<<<「あいうえおフォニックス」の前提>>>
・アクセントのあるところの母音は、(比較的綴り通りに)はっきりとくっきりと発音されるが、それ以後の母音はぼける。ぼけて、曖昧母音化する傾向が強
い。(この曖昧母音が無視されてなくなることもある。)
----------------------------------------------------
<<日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別>>
----------------------------------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合・あるいはそれぞれの綴りがアクセントの前にある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りがアクセントの後ろにくる場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべてを大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
(以上の図式は「 a i u e o
」に「r」をつけたものだけのものだが、図式が単に図式としてでなく、生徒が英語を音読していく場合に自然に使えるように感覚化された(反射神経ができ
た)あたりで、ear, re を追加する)
・ear も「狭い音」
・re は er と同じく「狭い音」(母音の後で re が現れる・図式の er の下に括弧に入れて (re) と生徒に書かせる)
・あるいは、「ar, ir, ur, er, or」だけを扱う段階で、最初から
「er」の下に、括弧に入れて(=re)として、扱うのもいい。「er = re」が現れる確率は、「ear」が現れる確率よりはるかに高いからである。
----------------------------------------------------
<例外>
・earに関して heart, hearth (ともに 顎の下がる明るい音になる)
・er に関して sergeant (顎の下がる明るい音になる)
----------------------------------------------------
【8950】
【タイトル】規則と例外
【 日時 】04/06/23 2:09
【 発言者 】小川
フォrニックスでもそうなんですが、発音と綴りの関係を教えても100パーセントあてはまる事はありません。 sergeant
が例外なのか否か、私にはわかりませんが、「例外はあるが、あらかたこうだ」と前置きしておけばじゅうぶんだと思います。
先日Q先生の発音セミナー「母音編」に参加して来ました。 アメリカ各地、各人種、メキシコ、イギリス各地、アイルランド、スコットランド、オ−ストラリ
ア、シンガポ−ル、ホンコンなまりの英語を同一文で聞き比べた後、母音の発音指導が始まりました。 1クラス6名で、それぞれ発音のチェックを受けました
が、先生は許容範囲を大きくとっておられました。 「英語として聞こえる最低限」の発音で良しとされている様でした。 「あなたの発音は香港のキャリア
ウーマンの英語みたいでかっこいいですね。 それで十分立派に通用します」と言う様な調子です。
基本をしっかりと出来ていれば、例外については自分で見い出して矯正していく事でいいのではないでしょうか? 狭いあ音と明るい「あ〜」を出す事が出来て
おれば、sergent
は「あかるい方だ」と気付く事も出来るし、自分で矯正する事も出来ます。 言葉は四角四面に規則で縛ってしまう事が出来ないし時と共に変化して行く「ナマ
物」ですから、重箱の隅から隅までつっつき回す必要はないと思います。
フランス語やラテン語やドイツ語も日常英語に沢山入り込んでるのですから、そんなものまでいちいちカバーしなければならないとすれば、コーチも生徒もお手
上げです。とにかくエッセンスだけは押さえておきたいわけですから、それが出来た上での事です。
【8953】
【タイトル】(無題)
【 日時 】04/06/24 22:02
【 発言者 】sb
>語学の言語と生活の言語の区別ができていない
これは自虐論者か道具論者という議論なのでしょうか?
何かの新書でこの2つを見たときこれは語学の言語と生活言語の区別と関係があるかもしれないと思いました。
自虐論者は音声や文字、修辞などにより美的なものを求めるあまり自虐的になってしまう。
逆に道具論者は、とにかくツールなのでなんでもありと開き直る。
語学の言語として言語を習得する場合はどちらかというと自虐論者に陥る傾向になる。
周りでどうしてもその言語を使う必要がない場合もこちらに含まれる可能性が高い。
趣味として語学をやる場合もこちらに入るかもしれません。
生活言語として言語を獲得する場合はどちらかというと道具論者に陥る傾向になる。
どうしてもその言語を獲得しなければ生活にかかるという場合です。
生活言語だと最初は意識的に学んでも、無意識的に使うことになるのではないかと思うのですが。。。
【8955】
【タイトル】根石さん、近況報告です。
【 日時 】04/06/24 22:36
【 発言者 】T <0150419501@jcom.home.ne.jp>
Tです。活発に難しい議論されているところ失礼します。
電話でレッスンも3月半過ぎようとしています、相変わらず仕事にかまけて回転読みに満足な時間を割けず、通勤電車でブツブツ、帰宅の夜道でブツブツ、トイ
レでブツブツと細切れ読み状態ですが、何とか小川さんにお付き合い頂いております。そんな中、先日小川さんにメールした内容を根石さんへも報告するよう勧
められ、ここに転写します。
>・・・はこの週末にします。
>ちょっと近況報告。
>先週末出張先での接待後、会社の同僚とカラオケに行き
>バラード調のゆっくりした英語の曲を歌ってみました。
>自分でも心なしか以前とは違い、口が回り(?)、ちゃんと
>曲に追いまくられずに歌えてるなー、でも酔ってるから
>気のせいかな?と思いながら歌いました。
>でも、歌い終わったとき、同僚に
>「凄く発音が上手で決まってるね!」
>と誉られました。
>その同僚達の発音はいい加減ですので、鵜呑みにはしま
>せんが、私の中で何かが起こっていることは確かですし
>今後の励みになりました。
>
お恥ずかしいですが、取り急ぎご報告まで。
【8957】
【タイトル】匿名のメール転載
【 日時 】04/06/25 19:20
【 発言者 】根石吉久
私は、信学会に去年入社したものです。
根石さまの記事を拝見させていただき、どうしてもメールを送りたい気持ちで一杯に
なりました。
私は、信学会においては異端のような存在です。というのも、私は信学会にうんざり
しているのです。「子供のため」とは名ばかりの拝金主義の経営方針。上の決定に対
し、逆らうことを知らないそんな場所で。そして、一度短期大学での不祥事があった
というのに、まったく懲りていないというのがまる分かり。私は信学会の塾(ゼミ
ナール中込校)に通い、その後佐久長聖高校へ進学しました。塾の先生はいい人でし
た。高校の先生にも私は幸運なことに恵まれていました。現場の先生方は生徒のため
に粉骨砕身されている片がたくさんいます。しかし、一方でその本部たる、信学会事
務局は腐りきっています。そう、事務が腐っているんです。
その一つが、「出る杭は引っこ抜く」体質ということです。
私は、去年職場でいじめにあい、精神のバランスを崩し仕事を休んだことがありまし
た。それに対し、彼らが下した決定は「リストラ」でした。直接言われたわけではあ
りません。ただ、事務局長のゴミ箱に無造作に捨てられていただけです。たまたま、
ゴミを片付けていた私は偶然にもそれを目にしてしまいました。確かに休みがちでし
たが、仕事に支障をきたしたことはなかったのです。まして、その欠勤理由は上司に
は話してありました。にも関わらずリストラ。そこにきて、一気に信学会に対する不
信感がこみ上げてきました。
信学会は確かに外部と内部を切り離して考えています。その結果をダブルスタンダー
ドで出していることも事実です。特に指示はないのでしょうが、外からの受験者に対
してははっきりと対応が違います。学力テストにしても結局は金儲けの手段なので
す。
彼らは「県内でもっとも歴史ある」塾・テストだと、自分たちのことを評価していま
す。ですが、私に言わせれば過去の栄光の上に胡坐をかき、まったくの経営努力をし
ていない塾です。受験事情は刻一刻と変化を遂げているというのに、それに気がつか
ないカワイそうな塾なのです。
指摘できる人間は内部にもいるでしょう。
ですが、出来ないのです。
それは信学会が「出る杭は引っこ抜く」体質だからなのです。
意見することは、首になることを意味します。私自身、リストラの件で上司に「民
法」・「労働基準法」を掲げ噛み付いたところ、リストラは撤回されましたが、佐久
長聖高校の寮に左遷されました。
さて、話題はかわりますが、この佐久長聖高校もまた腐っています。まあ、同じ信学
会なんでしかたないことなんですが。その一つが、謎の寮の存在です。現在高校には
男子寮・女子寮・野球部のクラブハウスと、公には3つの寮があるとしています。と
ころが、実際はもう一つあるのです。その存在は事務局ですらマル秘扱いで、その実
態は職員すら知らされていません。現在、私はこの寮について調査しています。
生徒には申し訳ないことですが、私はこの学園の信用を地に貶めたいのです。
件の短大不祥事で引責辞任した人間が、今再び理事長に舞い戻るような学校です。
PTAにこの事実を教えてあげたいのです。
最後に、根石様のご意見は本当によかったです。
私は間違っていないと確信できました。
ありがとうございます。
【8959】
【タイトル】問題の記事について
【 日時 】04/06/25 19:26
【 発言者 】根石吉久
最近まったく更新をしていない私のホームページを今でも読んでいてくれる方がおられるらしく、
ずいぶん前に書いた信学会批判記事についてメールをいただいた。しかも、信学会内部の方から
のメールである。
村田君にお願いしておきたい。
問題の記事のURLをここに書いてもらって、皆さんが簡単に読めるようにしてもらいたいとい
うことです。
【8960】
【タイトル】Tさん
【 日時 】04/06/25 19:34
【 発言者 】根石吉久
「電話でレッスン」の近況報告をありがとうございました。
多分、連続音の処理が上手になったことで歌が歌いやすくなっているのだと思います。
これは、今後の英語学習のさまざまな方面に波及しますので、なるべく時間をみつけて、
激しい練習に突入して下さることを期待しています。
「電話でレッスン」は、確実に「なにごとかが起こる」レッスンです。
学校英語、受験英語からずっぽり抜け落ちているものが、このレッスンのボディですから。
今後も時々、報告をいただけるとうれしく思います。
頑張って練習して下さい。
【8962】
【タイトル】問題の記事関連アドレス
【 日時 】04/06/25 21:44
【 発言者 】村田
信学会本部への公開質問状
「信学会さん、これではまるで、二枚舌ではありませんか?」
http://f44.aaacafe.ne.jp/~sodoku/kenka/2maijita.htm
「信学会の記事へのクレームとそれへのお返事」
http://f44.aaacafe.ne.jp/~sodoku/kenka/kuroiwa.htm
「BLACK E-MAIL from a junior high school student」
http://f44.aaacafe.ne.jp/~sodoku/gogaku/blackem.htm
>件の短大不祥事で引責辞任した人間が、今再び理事長に舞い戻るような学校です。
そういえばなんか不祥事ありましたね。
でもどんな事件だったか忘れてしまったので、検索してみました。
http://camp.ff.tku.ac.jp/YAMADA-KEN/Y-KEN/fulltext/RandamAccess/RA96.html#961009
↑は東京経済大学の先生のサイトですが、他にはずばり書
いてあるところはなかったなあ。
【8966】
【タイトル】引用
【 日時 】04/06/27 2:18
【 発言者 】根石吉久
村田君が探してくれた信学会の助成金だましどり事件の輪郭がよりはっきりする記事を以下に
引用します。素読舎には、助成金のジョの字もないが、信学会には、助成金が出ているらしい。
助成金といえば、女性器とは違って、正体は税金だ。どでかい広告で生徒をかき集めて、塾商
売でもうけた上に、税金から助成金をとる。ただとるだけでなく、だましとる。
以下引用です。
s短大は、信学会短大と読み替えるべきなのか。正式の名前を知らないので断定できませんが、
いずれにせよ信学会の経営する短大です。
----------------------------------------------------
1996/10/ 9
S短大の事件
先日、大きく報道された佐久市のS短大の事件には、私学人の一人として、考えさせられることが多かった。S短大には個人的な知
り合いも関わっていたので、事件は身近に感じられた。渦中の人物となった事務局長氏にも、会議でお会いする機会があり、面識があ
った。人当たりのよい、有能なやり手といった印象だった。
今回の事件では、二つの重大なルール違反が公になった。一つは、S短大が、文部省が認めた入学者定員をはるかに超えて学生
を入学させていた点である。大学には、設置基準が定められており、これに照らして充分な施設や教員等の要件を整えれば、「定員○
○名」といった形で学部学科の設置が認められる。定員を越えて多数の学生を受け入れていれば、学生一人一人が受けるサービス
の水準は低下し、教育にも支障をきたしかねない。(短期)大学を名乗りながら、それに値しない水準の教育をしたとすれば、それは羊
頭狗肉である。
もう一つのルール違反は、実際に入学していた人数とはかけ離れた数を文部省に報告していたという点である。この虚偽の報告によ
って、S短大は、本来なら定員大幅超過を理由に受け取れないはずの私学助成金を、不正に受け取っていたのである。
私学の学費は、決して小さい額ではない。それでも学生(父母)が負担する授業料だけでは、私学の経営は成り立たない。税金から
まかなわれる私学助成金は、私学にとって重要な収入源の一つである。つまり、国公立大学の学生ばかりでなく、私学に学ぶ学生
も、自分の父母の負担に加え、納税者一般の、言い換えれば社会全体の負担があって、はじめて勉強できる仕組みになっているので
ある。
私たち私学に身を置く大学人は、教育の機会平等を旗印に、学生(父母)の負担増を避けるために、私学助成の拡大を求める運動
に取り組んでいる。残念ながら日本の現状は、「高等教育の漸進的無償化」を目指す国際人権規約(A規約第十三条第二項・日本は
この条項を「保留」している)の精神からはもちろん、一九七五年の私立学校振興助成法成立時に参議院が付帯決議した「教育研究
経常費の二分の一助成の早期実現」の精神からもほど遠い。教育研究にかかる経常費に対する助成額の比率は、一時期の三割弱
という水準からも大幅に後退して、一割強という水準に低迷している。こうした厳しい状況の中で運動に取り組んでいる立場からすれ
ば、S短大のような不正受給行為には、憤りを感じざるを得ない。
S短大と同種の事件は過去にもあり、福岡県のD大学や山梨県のT短大などは、悪質な事例だった。同様の不祥事が、先人の築い
た輝かしい伝統を誇る長野県の教育界の一隅で起きたことは、痛恨の極みである。
【8967】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」最新版再掲
【 日時 】04/06/27 2:21
【 発言者 】根石吉久
<<<「あいうえおフォニックス」の前提>>>
・アクセントのあるところの母音は、(比較的綴り通りに)はっきりとくっきりと発音されるが、それ以後の母音はぼける。ぼけて、曖昧母音化する傾向が強
い。(この曖昧母音が無視されてなくなることもある。)
----------------------------------------------------
<<日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別>>
----------------------------------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合・あるいはそれぞれの綴りがアクセントの前にある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りがアクセントの後ろにくる場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべてを大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
(以上の図式は「 a i u e o
」に「r」をつけたものだけのものだが、図式が単に図式としてでなく、生徒が英語を音読していく場合に自然に使えるように感覚化された(反射神経ができ
た)あたりで、ear, re を追加する)
・ear も「狭い音」
・re は er と同じく「狭い音」(母音の後で re が現れる・図式の er の下に括弧に入れて (re) と生徒に書かせる)
・あるいは、「ar, ir, ur, er, or」だけを扱う段階で、最初から
「er」の下に、括弧に入れて(=re)として、扱うのもいい。「er = re」が現れる確率は、「ear」が現れる確率よりはるかに高いからである。
----------------------------------------------------
<例外>
・earに関して heart, hearth (ともに 顎の下がる明るい音になる)
・er に関して sergeant (顎の下がる明るい音になる)
----------------------------------------------------
【8968】
【タイトル】その後例外は見つからず
【 日時 】04/06/27 3:17
【 発言者 】根石吉久
今日、I 村さんのレッスンをした。I
村さんには、「あいうえおフォニックス」の例外を探すことにご協力をお願いしてあるので、その後、例外がみつかったかどうかお尋ねした。シナリオ「ゴース
ト」に関しては、その後も例外はみつかっていないとのことだった。
「cartoon 問題」に関しては、アクセントの「後」で、母音が急激にぼける(曖昧化)するという私の説明で納得してもらえたことも確認できた。
「cartoon 問題」も、「dollar 問題」も、本質は一つであり、cartoon の ar が「ぼけない」のも、dollar の ar
が「ぼける(曖昧化する)」のも、「アクセントの<後で>ぼける」、ということをひとつおさえればいいのである。この観点で見れば、cartoon の
ar も dollar の ar も、「あいうえおフォニックス」の例外にはならない。
「あいうえおフォニックス」の最新版を書いてから、その目で英単語を見ていると、なじみのある英単語が今までと違って見えるくらいに発見がある。今日は
ミッフィーさんのレッスンもあったが、例えば、ミッフィーさんのレッスンでは、before とか、where とか here とかの最後にある
re
の音に関して、[j]音が混じることをこれまで指摘しないできた。「あいうえおフォニックス」の最新版以後、そういう細かいところまで指摘することが可能
になった。
最新版以後、私自身の音読の練習の音に変化があるのである。
今日、アメリカ在住の高橋さんのレッスンもした。直した音は全部、母音がらみのものばかりだった。その場ですぐに直らないものもあり、この一週間の間に
一人で行う練習の中でこなしておいて欲しいと要望した。それをきちんとやっていただくなら、今後、高橋さんが修得した英語音で、英語の磁場に切り込んでい
くのに大いに役立つことを確信している。
例えば、hear の ar と here の re
が同じ音でいいということは、「あいうえおフォニックス」で完全にカバーできる。この二つの英単語を同じ音で発音していい根拠が「あいうえおフォニック
ス」で言えてしまう。
アメリカから来たフォニックスは、規則の数がやたら多いことに加えて、例外が多いという欠点がある。また、英語音を「既に獲得した後」のネイティヴ話者
(主に学校の生徒)が、自分がすでに持っている音と字の綴りの対応関係を知るためのものであり、英語音を「これから獲得」する日本人の生徒のためのもので
はないという本来の目的の違いもある。柴田さんのような優秀な先生以外の人が使っても、ほとんど使い物にならないということは欠点である。なぜなら、先生
がまともな音を持っていないのに、フォニックスも糞もないからである。対応させるべき音がない場所で、「音と綴りの対応関係」も糞もないからである。
「既に獲得した後」の英語音というものを持たないだけでなく、組成のまるで違う日本語音を「すでに獲得した後」の日本人の生徒を相手にするのであるな
ら、日本には日本人向けの独自のフォニックスがなければならないはずだ。
おそらく、「あいうえおフォニックス」にはまだ不備はあるだろうが、日本人による日本人向けのフォニックスの端緒を示してはいるはずである。アメリカか
ら来たフォニックスの短所はすでに克服されている。
「あいうえおフォニックス」は、日本人の最大の難関である「ア系列」の母音に焦点を合わせてある。「あいうえおフォニックス」の作成以前に作成した「発
音10のポイント」というものがあるが、この「発音10のポイント」は、「あいうえおフォニックス」の下位に位置づけたいと考えるようになった。あるい
は、これまで「あいうえおフォニックス」と呼んできたものと、「発音10のポイント」とを併せて、「あいうえおフォニックス」と総称しようかとも考える。
例外が非常に少ないこと。日本人向けに特化されていること。この二つだけでも、学校の教室その他で、実践の場ですぐに使えるものである。事実の記載だけ
でできているのではなく、「生徒に・・・と書かせる」など、あくまでも「生徒」のために作られていること、先生がどうすればいいのかがすぐわかることなど
も、これまでのフォニックスとは違うところだろう。ただし、「狭い音」というときの、狭さの「感覚」を備えていない先生には使えないが・・・。
なるべく多くの学校の先生が興味をもってくれることを願っている。
実際に体得していただくには、発音の上手な先生よりも発音の下手な先生の方がいいという逆説は何度か書いたが、それは実際にそうなのである。「電話で
レッスン」を受けていただく必要はあるが、それによって、実際に自分の音が変わっていく過程を体感していただけば、生徒の音を変えるためのポイントは初め
から発音の上手な先生よりもはっきりとつかんで下さるはずだ。
【8972】
【タイトル】最大の難関
【 日時 】04/06/27 3:32
【 発言者 】根石吉久
最初の「最大の難関」は「ア系列」の区別
最後の「最大の難関」は、「弱形」
そう思った。
【8975】
【タイトル】また例外
【 日時 】04/06/29 3:43
【 発言者 】根石吉久
今日、小川さんのレッスンをした。「あいうえおフォニックス」の的中率が抜群だという話をして、あまりにも例外がないので自分でびっくりしているのだと
いった話をしているうちに、小川さんが、forward の ar はどうかと言った。そうか、と思って頭が一瞬混乱したので、辞書をひいた。
例外である。
もうひとつ例外が見つかった。
heart, hearth, sergeant, forward がいまのところ見つかっている例外である。
皆様も、「あいうえおフォニックス」の例外探しに是非ご協力下さい。
英単語がいくつあるのか知らないが、例外が見つかれば見つかるほど、「あいうえおフォニックス」が100パーセントに「近い」ほどの的中率を示している
ことがはっきりしていくだろう。
小説を読む人は hearth を知っているかも知れないが、化学論文を読む人はまず知らないだろう。heart、sergeant,
forward は、何を読む人にとっても例外だろう。
sergeant についてパクパクさんに、forward について小川さんに感謝したい。
どこかの出版社が、「あいうえおフォニックス」に食いついてくれねえもんかと思っている。大手だろうが、小出版だろうが、最初にくいついてくれたところ
を優先したい。
どこも食いつかなければ、しょせん日本の英語の状況はこの程度と私が見てきたところが変わりはせんのだと考えて、自分の印刷機で刷るだけのことだ。
「あいうえおフォニックス」は、実に食いつきが悪い。
鈍いんじゃなかろうか、英語回りの方々は。
【8976】
【タイトル】すみません
【 日時 】04/06/29 3:50
【 発言者 】根石吉久
酔っているので、間違えました。
>heart, hearth, sergeant, forward がいまのところ見つかっている例外である。
以下のように訂正します。
heart, hearth, sergeant, toward がいまのところ見つかっている例外である。
forward は for の or にアクセントがあるので、ar が「狭い音」になることは例外にならない。
toward は to の o にアクセントがあるので、例外になる。
酔っ払いは学問には向かないようだが、まだ訂正する程度の正気は残っている。
ううっ。変な酔いの回り方が。やべえ、酒飲んで、英語の音なんかまじめに考えてはならない。
吐きたくなってきた。
【8977】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」の追補
【 日時 】04/06/29 3:53
【 発言者 】根石吉久
綴りにおける u が日本人の耳に「あ」と聞こえる場合は、ことごとく「狭い音」。
【8978】
【タイトル】どこぞの
【 日時 】04/06/29 3:56
【 発言者 】根石吉久
出版社が食いついてくれた場合のことを考え、タイトル案をひとまず考えました。
(メインタイトル)英語の「広い音」「狭い音」
(サブタイトル) 現場ですぐに使える「あいうえおフォニックス」
いくこの意見を求めます。
いくこはコピーライターの才能がありますゆえ。
【8979】
【タイトル】「狭さ」と「弱さ」
【 日時 】04/06/29 4:14
【 発言者 】根石吉久
私がいつも「狭い音」と言っている「ア系列」の音は、発音記号では、[逆さe] と [逆さv]
になる音です。この二つは厳密な音価は違いますが、あえて区別しません。アクセントの有無により、息の勢いが違ってくるので、音価の違いは自然に備わると
考えているからです。この認識には、鵜田さんという方からヒントをいただきました。鵜田さんは、[逆さe] と [逆さv]
を区別しないとだけ言っておられます。
単独の[逆さe] にはアクセントが来ません。[逆さe + r] にはアクセントが来る場合がしばしばありますが、単独の[逆さe]
にはアクセントが来ません。
単独の[逆さ v] という言い方は変で、[逆さ v] はまずほとんど単独です。
「まずほとんど」と言っているのは、例外がある「かもしれない」という猶予をもうけているだけで、私の中では、[逆さ v]
が単独であるのは、今のところ100パーセントそうです。
で、「狭い音」の中で、「弱い音」とも言っていい音は、アクセント以後の「狭い音」です。つまり、アクセント以後の「狭い音・弱い音」はいわゆる「弱
形」になるわけです。
この「弱形」こそ、日本人にとっての英語音の最後の難物です。
「弱形」を体でわかるようにするための入り口は、「狭い音」だということになります。
「狭い音」のうち、アクセント以後の音が「弱形」になります。
で、「狭い音」の「狭さ」の感覚をつかんだ後、それを弱く言えるようにさせられれば、「弱形」への導入ができます。
で、次のように言えます。
「弱形」獲得への導入は「狭い音」にあり。
初心者の難題は、「狭い音」です。
上級者でも、「弱形」は難題であることが多いです。
初心者の難題の「狭い音」を解決できれば、その初心者が上級者になったときに、「弱形」を体得するのは容易になるだろう。
【8980】
【タイトル】コーチにおける「狭い音」
【 日時 】04/06/29 4:26
【 発言者 】根石吉久
「音づくり」のコーチをやろうとする人は、唇で作る狭さをキープし続けて欲しいと考えています。
ネイティヴは、口の中で舌を持ち上げて、息の通り道を狭くすることができますから、外から口の開きを見ても、狭い感じがあまりありません。
口の中で舌を持ち上げて息の通り道を狭くすることは、すでに日本語音を持っている(日本語音を自然化している)生徒(初心者)には難しい。
それで、ひとまずは唇の開きを狭くして、「狭い音」の狭さの感覚をつかませるのがいい。これなら簡単にできる。その後に、CDなどの複製音声を媒介にし
ていけば、ネイティヴが口の「中」で狭さを作っていることは、感覚的に割とつかみやすいし、ネイティヴと同じように口の「中」で狭さを作ることができるよ
うになる。
で。
コーチをやる人は、是非、唇の開き加減で作る「狭さ」をキープしていて欲しい。それこそが、生徒が「狭さ」の感覚をつかむためのきっかけですから。
生徒が口の「中」で、「狭さ」の感覚をつかむためには是非必要な口の形ですから。
内側で感覚できるようにするためには、外側をよく耕すこと。
すけべな話ですが、そうなのです。
【8983】
【タイトル】arの例外
【 日時 】04/06/29 19:34
【 発言者 】村田
particular
【8985】
【タイトル】あいうえおフォニックス:orの盲点
【 日時 】04/06/29 21:58
【 発言者 】いくこ
あいうえおフォニックスは、非常に使えるものだと思っている いくこ です。
ただ、以前から思っていたのですが、
or が狭い音になるという点が、実は気になっていました。
というのも、or とつづるものには、
発音が 逆C: となるものが、かなり多いように思われるからです。
つまり、
日本語の「あー」の狭い音でなく、
日本語の「おー」の音を代用すればなんとか通じる、音です。
この実例を挙げていこうと思いますが、
とりいそぎ、問題提起まで。
【8987】
【タイトル】いくこへ
【 日時 】04/07/03 2:06
【 発言者 】根石吉久
書き込みありがとう。
>ただ、以前から思っていたのですが、
or が狭い音になるという点が、実は気になっていました。
>というのも、or とつづるものには、
発音が 逆C: となるものが、かなり多いように思われるからです。
そうそう。そこんところを誰か突いてくれねえかなあと首を長くして待ってた。
確率的には、or が「鏡文字 C 」になる方が、「狭い音・逆さe」になる確率より大きいと思う。
>つまり、
日本語の「あー」の狭い音でなく、
日本語の「おー」の音を代用すればなんとか通じる、音です。
この点については、俺も気が付いており、「あいうえおフォニックス」の前提として断った断り書きで解決しています。「あいうえおフォニックス」には大前
提と小前提の二つがあり、いくこが指摘した問題に触れているのは小前提の方です。以下に再度掲載します。「大前提」という文字と「小前提」という文字を加
えておきます。
こうして、「あいうえおフォニックス」が成長していくのがうれしい。再度感謝します。
次の記事で、改訂した「あいうえおフォニックス」を載せます。
【8988】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」改訂版
【 日時 】04/07/03 2:10
【 発言者 】根石吉久
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の大前提・・・
・アクセントのあるところの母音は、(比較的綴り通りに)はっきりとくっきりと発音されるが、それ以後の母音はぼける。ぼけて、曖昧母音化する(粗末にさ
れる)傾向が強い。(この曖昧母音が無視されてなくなることもある。)
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の小前提・・・
・日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別であること
----------------------------------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合・あるいはそれぞれの綴りがアクセントの前にある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りがアクセントの後ろにくる場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべてを大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
(以上の図式は「 a i u e o
」に「r」をつけたものだけのものだが、図式が単に図式としてでなく、生徒が英語を音読していく場合に自然に使えるように感覚化された(反射神経ができ
た)あたりで、ear, re を追加する)
・ear も「狭い音」
・re は er と同じく「狭い音」(母音の後で re が現れる・図式の er の下に括弧に入れて (re) と生徒に書かせる)
・あるいは、「ar, ir, ur, er, or」だけを扱う段階で、最初から
「er」の下に、括弧に入れて(=re)として、扱うのもいい。「er = re」が現れる確率は、「ear」が現れる確率よりはるかに高いからである。
----------------------------------------------------
<例外>
・earに関して heart, hearth (ともに 顎の下がる明るい音になる)
・er に関して sergeant (顎の下がる明るい音になる)
----------------------------------------------------
【8989】
【タイトル】実例
【 日時 】04/07/03 2:13
【 発言者 】根石吉久
いくらでもありますが、or が「鏡文字c:r」または「鏡文字c:」となる例として、
important の or
order の or
などがあります。これらは、日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音ではあ
りません。
従って、これらは「あいうえおフォニックス」の対象外です。
【8990】
【タイトル】村田君
【 日時 】04/07/03 2:19
【 発言者 】根石吉久
ありがとう。
またみつかった。何が。例外が。
これ、ランボウのもじりだってことは多分わからないと思いますが、ダジャレー夫人の恋人さん
には絶対にわかるとも思います。
ともあれ、本題に戻ります。
particular
純然たる例外ですね。
ところで、私も今日みつけました。
war です。
ar にアクセントがあるのに、ar は「顎のさがる明るいア(歯医者のアーン)」ではなく、「鏡
文字c:」です。これは、ar の前に w があることで、小川さんがみつけてくれた toward と
共通します。
さらに例外探しにご協力下さい。
【8991】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」例外追加
【 日時 】04/07/03 2:23
【 発言者 】根石吉久
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の大前提・・・
・アクセントのあるところの母音は、(比較的綴り通りに)はっきりとくっきりと発音されるが、それ以後の母音はぼける。ぼけて、曖昧母音化する(粗末にさ
れる)傾向が強い。(この曖昧母音が無視されてなくなることもある。)
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の小前提・・・
・日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別であること
----------------------------------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合・あるいはそれぞれの綴りがアクセントの前にある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りがアクセントの後ろにくる場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべてを大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
(以上の図式は「 a i u e o
」に「r」をつけたものだけのものだが、図式が単に図式としてでなく、生徒が英語を音読していく場合に自然に使えるように感覚化された(反射神経ができ
た)あたりで、ear, re を追加する)
・ear も「狭い音」
・re は er と同じく「狭い音」(母音の後で re が現れる・図式の er の下に括弧に入れて (re) と生徒に書かせる)
・あるいは、「ar, ir, ur, er, or」だけを扱う段階で、最初から
「er」の下に、括弧に入れて(=re)として、扱うのもいい。「er = re」が現れる確率は、「ear」が現れる確率よりはるかに高いからである。
----------------------------------------------------
<例外>
・earに関して heart, hearth (ともに 顎の下がる明るい音になる)
・er に関して sergeant (顎の下がる明るい音になる)
・ar に関して particular (どちらの ar も「狭い音」)
・ar に関して war, toward ( ar が「鏡文字c:」になる
----------------------------------------------------
【8996】
【タイトル】例外
【 日時 】04/07/03 23:51
【 発言者 】Naima
ward, warm, warning, thwart など Wがらみの単語に例外が多いですね。 例外って言うよりすでに規則なのかも
【8997】
【タイトル】例外から削除
【 日時 】04/07/04 0:08
【 発言者 】根石吉久
せっかく Naima さんから ward, warm, warning,
thwar などの「例外」を報告してもらったばかりですが、先日みつけていただいた toward と 私がみつけた war
などとともに例外とは認めないことにしなければならないと今日気が付きました。
「あいうえおフォニックス」の前提が二つあり、そのうちの一つが、
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の小前提・・・
・日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別であること
----------------------------------------------------
というものです。「あいうえおフォニックス」は日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる英語の音に関してだけのものです。音全般からすれば、ごくわ
ずかな範囲しか扱うことができませんが、しかし、ここのところが日本人の英語音の最大の盲点であり、音を攻める時の本丸であることには間違いないと思って
います。
で、翻って考えてみれば、war や warning の ar
は日本人の耳に最初から「おー」と聞こえていて、「あ」や「あー」とは聞こえていないので、「あいうえおフォニックス」にとっては対象外です。この問題
は、or
に関してかなり前に、パクパクさんとやりとりしたことで私の中では方がついていたはずですが、なにぶんにも実際にぐてぐてに酔っ払って掲示板を経営してお
りますので、自分で間違えてしまいました。
次に、war, toward を例外から排除したものを掲載します。
いずれにせよ、お手数をおかけしたこと、Naima さんに感謝いたします。
【8998】
【タイトル】「あいうえおフォニックス」改訂最新版
【 日時 】04/07/04 0:10
【 発言者 】根石吉久
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の大前提・・・
・アクセントのあるところの母音は、(比較的綴り通りに)はっきりとくっきりと発音されるが、それ以後の母音はぼける。ぼけて、曖昧母音化する(粗末にさ
れる)傾向が強い。(この曖昧母音が無視されてなくなることもある。)
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の小前提・・・
・日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別であること
----------------------------------------------------
<それぞれの綴りにアクセントがある場合・あるいはそれぞれの綴りがアクセントの前にある場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or の ar だけを○で囲ませる
・残った ir ur er or を大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・これで、ar と他の4つ ir ur er or が別のグループとしてはっきり区別される
・ar は「顎の下がる明るい音(診察室のアー)」
・他の4つ(ir ur er or)は、「狭い音」
------------------------
<それぞれの綴りがアクセントの後ろにくる場合>
・生徒にローマ字で「あいうえお」を書かせる
・それぞれに r をつけさせる
・得られた ar ir ur er or のすべてを大きな一つの楕円でひとくくりに囲ませる
・全部「狭い音」になる
----------------------------------------------------
(以上の図式は「 a i u e o
」に「r」をつけたものだけのものだが、図式が単に図式としてでなく、生徒が英語を音読していく場合に自然に使えるように感覚化された(反射神経ができ
た)あたりで、ear, re を追加する)
・ear も「狭い音」
・re は er と同じく「狭い音」(母音の後で re が現れる・図式の er の下に括弧に入れて (re) と生徒に書かせる)
・あるいは、「ar, ir, ur, er, or」だけを扱う段階で、最初から
「er」の下に、括弧に入れて(=re)として、扱うのもいい。「er = re」が現れる確率は、「ear」が現れる確率よりはるかに高いからである。
----------------------------------------------------
<例外>
・earに関して heart, hearth (ともに 顎の下がる明るい音になる)
・er に関して sergeant (顎の下がる明るい音になる)
・ar に関して particular (どちらの ar も「狭い音」)
----------------------------------------------------
【8999】
【タイトル】Naima さん
【 日時 】04/07/04 0:19
【 発言者 】根石吉久
>ward, warm, warning, thwart など Wがらみの単語に例外が多いですね。 例外って言う
よりすでに規則なのかも
「あいうえおフォニックス」の例外からは削除しましたが、これは規則と言っていいのではな
いでしょうか。これだけ出てくれば、規則化していいと思います。
私の音の扱いのどこに記述すればいいのか迷うところですが、
war と綴るときの ar は「鏡文字c:」
という規則を取り出すことができると思うので、どこかに入れようと思います。
追補として、
・ u が「日本人の耳に」「あ」と聞こえる場合、ことごとく「狭い音」(逆さv)
・ war という綴りの中の ar は「鏡文字c:」
今のところ、この二つです。
【9000】
【タイトル】そろそろ酔いが回ったので
【 日時 】04/07/04 0:41
【 発言者 】根石吉久
やります。
今日、いくこと大喧嘩しました。
ミッフィーさんのレッスンがお休みになったので、空き時間に階下の塾に顔を出したら、女房とキリピーといくこがいた。先日いくこが書いた or
問題について俺が話し出し、いくこが「あいうえおフォニックス」の前提をちゃんと読んでいないということを指摘し出してから、ことが紛糾した。話している
うちに、いくこが「フォニックス」というものを、単に文字の綴りから音を割り出す方法だと考えていることがわかったので、それはそうじゃないことを指摘し
た。「フォニックス」というのが(多分)アメリカで誕生した経緯には、「子供がすでに持っている音」を綴りに対応させるということが契機としてあったはず
だというのが俺の考えなので、あくまでも音から文字へのベクトルなのだと言うのだが、いくこの思いこみは根強いものがあり、何度音から文字へのベクトルな
のだと言っても、何度でも文字から音へのベクトルを扱うものだというところに話を戻してしまう。
この強情さにはほとほとまいった。
女が理論を扱うときの下手さ加減というのがよくわかった。
この下手さ加減によって、(女房という女から)どれほどの無駄なエネルギーを消耗させられたかわからないが、女房ではなく、今日は他人からほとほとまい
らさられた。
いい加減いやになったので、声が荒くなった。俺はわけのわからんことを言い続けるやつには声を荒くすることはかまわんと考えているので、どんどん声は荒
くなった。
そのおかげで、前提を少し精密にすることができた。
----------------------------------------------------
・・・「あいうえおフォニックス」の小前提・・・
・日本人の耳に「あ」または「あー」と聞こえる音に関する「広い・狭い」の区別を綴りから割り出すためのものであること
----------------------------------------------------
この前提のもっと雑な形のものは、いくこが or問題を持ち出す以前にすでに書いてある。
たんにいくこが「ちゃんと読まない」から生じた紛糾であるが、「あいうえおフォニックス」自体をみくびるような調子でものを言いやがったので、そこで俺
は「ちゃんと」腹が立った。とぼけんじゃねえ、おめえごときにみくびられるような出来のものじゃねえ、おめえがまともに読めていねえくせに、紛糾の元は、
てめえの「軽んじ」なくせに、でけえ口こいて、ゴリッパな理論じみたことをこくな、あほたれが。
ただ強情なだけじゃねえか。
その強情がどれほど人に迷惑か。
で、今日、破門した。