386. tdln 投稿者:根石吉久  投稿日: 7月21日(土)05時27分00秒

 Eliot 様
 以前に教えていただいた th の前の t,d,l,n ですが、その後、自分の舌の位置を意識してみました。新しく生じた疑問がありますが、お暇なときにお教えいただければと思います。  私は以前から、t,d,l,n は「歯の裏」に舌をあてると言ってきました。「前歯の根元の歯茎」というよりは、「歯の裏か、歯茎との境目」だと言ってきました。 しかし、自分で今、 t, d, l, n だけを発音してみると、明らかにほとんどが歯茎に舌先が当たっており、感じとして4分の1か5分の1程度が歯の裏にも触れているという面積比になっている のに気づきます。だから、結果しているものは、明らかに Eliot さんが言われる通り、「前歯の根元の歯茎」が中心的な位置です。
 私が t, d, l, n について、「上の歯の裏」と言ってきたことには理由があります。歯の裏に舌の先を付けるという言い方で生徒さんに納得してもらって、その後口を動かす練習 をして、慣れて余計な力が抜ければ、自然に舌先が歯茎に大きく触っている状態になると思っているためです。 「前歯の根元の歯茎」というより、「上の歯の 裏」というほうが、生徒さんは簡単に位置が意識できるのが最大の利点です。説明がわかりやすくなるのが最大の利点ですが、説明のわかりやすさは、発音の正 しさにはそのまま結びつくわけではありません。しかし、わかりやすいと、コツがつかみやすく、ひとまずはすぐに通じる音が作れます。慣れて余計な力がとれ てくると、非常にわずかな「ずらし」で「歯茎主体」の位置と歯先(th)に簡単に移行できます。最初は、基本として「歯の裏」という言い方で納得してもら い、慣れてもらって、その位置から上にずれる場合と下(というか前方)にずれる場合というふうに派生形を考えています。歯の裏から上寄りにずれるか下寄り (前寄り?)にずれるかの違いだと思っているのです。  つまり、「歯の裏」を基本の位置としていいとすると、書物にある「本来の位置」の「前歯の根元の歯茎」は、派生形になってしまうのです。「前歯の根元の 歯茎」の位置は、少し力を抜いた(「さぼった、省力化した」)位置だということになります。 all right のように、「歯の裏」に触ろうと前方に向かった舌先が、実際には触るか触らないかの位置で、一挙に r の位置に行く場合も、「歯の裏に向かう」という舌の形が一つの派生形になっているのだと考えています。
 この考えでいくと、t,d,l,n に th が続く場合も、th の位置(歯先)が「歯の裏」の基本の位置からのずらし(派生形)であるということになって、t,d,l,n と th とが連絡がつくのです。
 「歯の裏」が基本の位置だとすると、「上の歯裏とその周囲」で作る音の規則が一挙にシンプルなものになります。
 これはまったく自己流の考えなのですが、どんなものでしょうか。