263. 読書により擬似磁場造成を・・・ 投稿者:浜谷  投稿日: 7月11日(水)22時29分51秒

根石さん、Tackchan様、
>「疑似磁場」と本物の「磁場」を結ぶものは、意外と「読書」かもしれません。読書によってできる磁場は、書き言葉に対応した想像力が作り出す「疑似磁 場」ではありますが、これによって人々の生活の感覚に直結する語感を養うことが不可能ではありません。書き言葉ですから、書き言葉であることをしっかり自 覚したうえで、名著の乱読などはお薦めしたいと思います。名著は(その作品自体の力によって)ありがたいことに安くて簡単に手に入ります。
 このあたりのことは、浜谷さんが詳しいです。

根石さんのTackchan様宛の書き込みの中でこの文節がありましたので、今日一日考えておりました。 その結果今たどり着いた考えを述べてみたいと思 います。私は主にペーパーバックの多読により、語彙と構文のインプットを図ったわけですが、現在でも毎週月曜日に私が近所で主宰する「英会話学習相談室」 の開催日が迫ってくるとそのミーティングで使用する読書の為に使用するペーパーバックを求めて読みあさりますが、副次的効用として擬似磁場の造成を行って いる感覚をもっています。 ネイティブの中学・高校生を対象としたPennguin Readers Level 3 等を使っていて読みやすいこともあ り、表紙の絵などにより面白そうなものを選んでる精もありますが、その内容に没頭できる場合は「擬似磁場」そのものを実感します。反対に面白くない場合、 辛抱して読んでる場合は「擬似磁場」が欠如していることを感じ、そういうものはミーティングに不向きなので除外します。私が自分の勉強の為ペーパーバック の乱読をしていた頃は、そのようなものでも会話の練習(相手の言っていることが分らない場合を想定して、分ろうと努力する練習)のために読みつづけたので すが今から考えれば「擬似磁場」が現われたり消えたりしていたんだろうと考えています。

http://www1.odn.ne.jp/~cet09590/



333. 音読・黙読 投稿者:根石吉久  投稿日: 7月16日(月)04時03分47秒

>私は主にペーパーバックの多読により、語彙と構文のインプッ
トを図ったわけですが、現在でも毎週月曜日に私が近所で主宰す
る「英会話学習相談室」の開催日が迫ってくるとそのミーティン
グで使用する読書の為に使用するペーパーバックを求めて読みあ
さりますが、副次的効用として擬似磁場の造成を行っている感覚
をもっています。
 一度、議論を交わしたことのある問題ですが、ここで蒸し返しておきたいと思います。

 英語の多読(読書)は、中級以上の方には是非おすすめしたいのですが、初心者向けではないと思います。

 浜谷さんの「多読」は、「黙読」でしょうか。

 読書は黙読になることが多いのですが、初心者のレベルの人が黙読をやると、それぞれの単語の読み(音)がわかっていないので、「音」をスポイルしたま ま、単語を文字の組み合わせ(視覚的情報)として見るか、適当に見当をつけた「音」(通じないものとして固定するおそれあり)を「内部音」として使用して しまうのではないかと思います。
 初心者はまた、イントネーションやリズムが身についていない人が多いので、黙読の読みのリズムが「盆踊り状態」であることも多々あると思います。ですか ら、黙読での読書は、語彙、構文等について、すでに相当のインプット量があり、イントネーション(リズム)に関しては「語学的な標準形」が自分で作れる人 に適するものだと思います。

 浜谷さんはご自分の主宰される教室の生徒さん向けに、テープに吹き込んだものを手渡してあげているとお聞きしていますが、これはどうしても必要だと思い ます。そちらの開催時間の長さや人数、会場の都合、収入の有無などで、すぐに実現可能なものかどうかはわからないのですが、本当は、「英語の音読教室」そ のものをやられるのが初心者には一番ありがたいことなのではないかと思っています。

 黙読をやるには、その前段階が必ず必要だと考えていますので、私は初心者にはすぐには読書(黙読)は奨めません。初心者に奨めるのは、あくまでも「音 読」です。私の「音読」は複合的で、これは同時に「音づくり」でもあります。「音づくり」をひとつずつ完成させていくことがそのまま「インプット」にもな ります。この複合性を次の言い方で言ってきました。

「音読(音づくり)によるインプット」

 初心者にとって大事な養分はこれでかなり間に合うと思っています。あるいは、これを外してしまうと、知識が知識にとどまり、センスや感覚が伴わない英語 ができてしまい、結局、「使えない英語」になってしまうと思っています。
 「音読=音づくり」ですが、この「音づくり」の場面で、私の仕事が生じます。塾にせよ、「電話でレッスン」にせよ、生徒に同じ文を繰り返し「音読」して もらって、その場で直すべきところを直し、再び同じ文を繰り返し「音読」してもらいます。
 初心者の練習では、経済的に余裕があるなら、絶対に先生につくのがいいと思っています。語学的なセンスが優れていて、自分で語学教材を使って、通じる音 の「音づくり」を成立させることのできる人には必要ありませんが、この場面で自己流に口を動かしてしまうために、通じない英語になってしまう例は非常に多 いはずです。

 「音読(自己流)によるインプット」

 これが日本の英語学習者の大多数だと思いますが、こういう人の場合でも、「電話でレッスン」を一年ほど受けられるとはっきりと音が変わります。多くの人 が、「こんなことは学校では教えてくれなかった」と言います。

「音読(音づくり)によるインプット」をそのまま映画のシナリオに対して行い、ヒアリングに直結させていくのが、ある程度基礎力のある人に対する「電話で レッスン」になります。

 日本の英語の先生が、Eliot さんのような方ばかりであるなら、私は「音とイメージの同致」の方に専念してみたいものだとも思いますが、現状はそうではなく、絶対に必要であるにも関わ らず学校がやらないこと、「音読(音づくり)によるインプット」が仕事の多くを占めています。

 個人的には私も浜谷さんにならって、ペーパーバックスを読もうとしているのですが、なかなか時間がとれず思うように進みません。

 英語での読書では、私の場合は、新しい語彙や構文のインプットをやっているという自覚があまり生じません。むしろ、英語の構文や語彙に触れ続けることに よって、慣れやこなれを作っているという感じの方が強いです。補強、蒸し返し、保存の働きを余計に感じています。語彙に関しては、見当がつくものは見当を つけて読んでいて、ほぼ間違いないなというようなところまで持っていっても、なおも辞書を使いません。辞書を使うと読みのリズムが壊れるので、ペーパー バックスを読むときは辞書は使わないことにしています。



http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis



343. 英語の音読教室のこと 投稿者:浜谷  投稿日: 7月16日(月)23時10分55秒

根石さん
>浜谷さんの「多読」は、「黙読」でしょうか。

意識を集中出来る状態の時は「速読」を意識し「黙読」ですが、本屋での立ち読みや180円コーヒー喫茶店のカウンター式テーブルの片隅で、集中し難い時は なりふり構わず小声で「音読」しています。

>本当は、「英語の音読教室」そのものをやられるのが初心者には一番ありがたいことなのではないかと思っています。

私も根石さんの「電話でレッスン」方式で「ペーパーバックの音読教室」をやるつもりです。その試行段階として現在英会話サークル(学習相談室)の30分間 のリーディングセッションで進行中のペーパーバックの私の音読テープを初心者の方に渡しています。まだこのサークルがヒヨコの段階ですのでいきなり電話で レッスンの「商売」に入ることは機が熟していない感想を持っています。本日のミーティングで根石さんの「映画でリスニング」宣伝を中級者の方2、3人にし ておきました。本来は私がやってから奨めたらいいのですが、今やっているサークル(相談室)の運営に資金の持ち出し状態が続いており、私自身のレッスンは その状態が改善されてからとなりますのでもうしばらくお預けとなります。その際は前にお願いしましたように良しなにご手配くださるようお願いします。

>「電話でレッスン」にせよ、生徒に同じ文を繰り返し「音読」してもらって、その場で直すべきところを直し、再>び同じ文を繰り返し「音読」してもらいま す

全くその通りだと思います。ご親切なご指導のお言葉いたみいります。今度私流のペーパーバックによる「電話でレッスン」を始める際の指針としたいと思いま す。

>英語での読書では、私の場合は、新しい語彙や構文のインプットをやっているという自覚があまり生じません。む>しろ、英語の構文や語彙に触れ続けること によって、慣れやこなれを作っているという感じの方が強いです。補強>、蒸し返し、保存の働きを余計に感じています。

「新しい語彙や構文のインプットをやっているという自覚」は現在の私にもありません。それは以前多読をしていた際、つまりそういう意識を強制してやってい た期間にはありました。根石さんが「英語どんでんがえし・・・」で述べておられる「電圧装置」を働かしている状態の期間ともいえるんでしょうか?(2、3 日前に買ってきて読み始めましたが聞きなれない言葉の洪水に戸惑いながら読んでいます。)現在は私も「英語の構文や語彙に触れ続けることによって、慣れや こなれを作っているという感じ」を大事にし、ミーティングでスムースに取り出せる準備と考えてやっています。「補強、蒸し返し、保存の働き」を念頭におい てやっていますがそれがきっちり出来ているかどうか確信はありません。単に気休めでやってるだけかも知れません。

>語彙に関しては、見当がつくものは見当をつけて読んでいて、ほぼ間違いないなというようなところまで持っていっても、なおも辞書を使いません。辞書を使 うと読みのリズムが壊れるので、ペーパーバックスを読むときは辞書は使わないことにしています。

私も全く同じです。この方法は多読を始めたときから意識的にとってきました。前に申し上げたことの繰り返しにりますが、私がペーパーバックの多読を始めた のは会話の際相手が言ったことの大意を瞬時に掴む練習が主な目的でした。ですから少しぐらい語彙が分らなくても気にしないという態度が必要だったのです。 困ったことに今となって英会話以外の英語学習で細かなことに配慮する習慣が欠如してしまっているようなのです。つまり映画のスクリプトのようにスラングの 多い言い回しなどがあっても気に出来なくなってしまっています。面倒なことが出来なくなっているようなのです。だから将来根石さんの「映画でリスニング」 の「電話でレッスン」についていけるか心配です。

>英語の多読(読書)は、中級以上の方には是非おすすめしたいのですが、初心者向けではないと思います。

私が関心を持っている初級者は「英語に再挑戦する」社会人ですので、そのような方には多読がインプットに適切な方法であることを理解していただき、興味あ る内容を厳選しながらやっていけば出来ると考えています。今進行中の「Horse Whisperer」などは映画化されたものであることもあり、読み物 としてはベストの部類に入ると思います。

以上が私の根石さんの(私宛)書き込みに対するレスですが、根石さんとは議論が一致しているところ、していないところ、まだあるようですね? お返事お待 ちしています。

http://www1.odn.ne.jp/~cet09590/