Eliot 様
「電話でレッスン」の途中で急いで書きます。乱文失礼します。
And they always said ...
というところをやるとき、and の d にわずかに母音がくっつくのを注意した後、
An(d) they
と d 音が「黙音化」する旨を言いました。その場合に、And の d を「言ったつもりで音を出さない」という指示の仕方をしました。
その「言ったつもり」の時の舌の位置ですが、次に続く they の th の位置(歯と歯の間)で、d 音の黙音化をやってしまってよいと言いました。
本来の位置ではないのですが、これで d 音の黙音化ができるので、他の生徒さんにもこのような指示をしてきました。
私は自分流に言葉を発明して「黙音化」と考えてきました。
Eliot さんは、ここのところは d 音の「脱落」ととらえられるのでしょうか。
また、舌の位置を th にして d 音の「黙音」を作るということはこれでいいでしょうか。お教え願えれば幸いです。
http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis
根石様まず結論から申します。
@/th/の直前の/t//d/さらに/l//n/はすべて舌先を本来の位置である前歯の根元の歯茎ではなく、上の前歯の裏側に当てて発音するのが普通です。
AAnd they always saidのandの発音はanでもandでも構いません。ただし、andと発音しても、/d/は根石さんが生徒さんに説明なさった通りになります。通常の速度の発話ではこの/d/は脱落させる方が普通だと思います。私が持っている本に次の記述があります。
In Spoken English, the alveolar consonant sounds /t/ and /d/ are usually made with the tip of the tongue touching the gum ridge directly BEHIND the upper front teeth. However, when one of the sounds is followed by /th/, either within a word or in the next word of a phrase, it becomes DENTALIZED and is made with the tip of the tongue touching the back of the upper front teeth.
In Good Speech, dentalization occurs ONLY when /t/, /d/, /n/ or /l/ is followed by /th/.さらに次のようにも書いてあります。実際は/and//an/の中のaの文字は本の中では逆eになっています。
"And" in its weak form should be spoken as /and/ when followed by a vowel or diphthong sound, and as /an/ when followed by a consonant sound
/and/ /an/
apples and oranges apples and pearsこの本は Speak With Distinction (Edith Skinner著 Applause Theatre Book Publishers刊)というもので、アメリカの俳優のための発音訓練用の指南書です。(こんな本を持っている日本人はめったにいないでしょうね)
著者のEdith Skinner女史はすでに故人ですが、この方面の第一人者だったようで、本の中で彼女がGood Speechと名づけた、アメリカ人の俳優が身につけるべきニュートラルな発音を詳しく解説しています。Good Speechは簡単に言えば、アメリカ英語とイギリス英語の中間のような発音で、テープでお聞きになった私の音読の発音に近いものです。Spread the tablecloth.
Get the ball.
Ten thieves came.
Kill those cows.
これらの文中のd,t,n,lは舌先を上の前歯の裏につけて発音すればよいのです。
根石様「舌先を上の前歯の裏につける」は「舌先を前歯の間にはさむ」と同じことです。/th/の出し方をいずれの説明でするかの違いに過ぎません。