1728黒板を使わない 投稿者:根石吉久  投稿日: 2月 9日(土)13時10分46秒

 白樺湖畔のホテルで深夜お聞きした Eliot さんのお話の中に、授業で黒板は使わないというものがあり、深く共鳴するところがあった。

 「音づくり」をまともに考えたら、黒板で説明しているような暇はないはずだ。
 絶対に黒板を使ってはならないということではないが、絶対に崩してはならないものごとの順序というものはある。
 「音づくり」と「文法理解」の順序で言えば、「音づくり」が絶対に先立つべきであり、生徒の体に「音づくり」が成立していない文に関して文法の説明をす るのは、根底的に錯誤である。
 あるいは、「音づくり」が徹底されれば、文法の項目でも自然にわかってしまうようなものすらある。そのレベルの「音づくり」をやれば、生徒の体は疑問だ らけになり、質問も飛び出す。 そういう時に、手短に文法の要点を言ってやればいい。ただちにその場で理解してくれることが多い。ST さんの言い方を借りれば、生徒の顔が「ほっこり」する。

 英語の授業において、黒板は敵なのだということを、日本の英語教師たちは知る必要がある。 黒板がどれほど、「音づくり」を崩してしまっていることか。これが認識になっても、次に現れる敵がある。中間・期末のテストという敵だ。本当はこれを倒さ なければ、日本の英語は救われることはないだろう。