147. 浜谷さんからのメール(1) 投稿者:根石吉久  投稿日: 7月 5日(木)03時14分34秒
 
 浜谷さんからいただいたメールを掲示板に転載することを許可していただいてあったのですが、転載する時間がとれませんでした。以前、浜谷さんに宛てたメールを転載したような覚えがあります。それと、ここに掲載するものの前後関係が自分でもつかめないほどに手元の仕事が混乱しています。議論の素材になればと思い、ひとまず掲載だけいたします。
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以下、浜谷さんから
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根石さん

「初心者の定義」についてとりあえずお返事させていただきましたが、あらためてレスさせて頂きたいと思います。

根石さん>そうです。一流大学を出ているとかいうようなこと
は英語の運用能力に関してはほ とんど意味はなく、私が定義
した「初心者」は日本中にいっぱいいます。英語の知識量は、
私なんぞをはるかに越える人がいると思いますが、それでいて
使えないという場合は多々あります。そして、「使えないので」
そのまま英語をやめてしまう人がど れほど多いことでしょうか。
私の「音読による音づくり」、あるいは「音づくりによ る音
読」、あるいは「音づくりによるインプット」、そしてまた、
「イントネーショ ン(リズム)」を備えることによる「理解の
瞬間化」という練習をやってくれれば、 息をふきかえしうる受
験英語の層はぶあついものがあると考えています。
 私も頑固者なので、何度でも言いますが、日本の英語の教育機
関はどんなものであ れ、「音読の場」というものを備えないと、
なさけない日本の英語は変わっていくことはないと思っていま
す。これまでのなさけない日本の英語の状況をさして、「日本
全土に英語の死屍累々」だと私は言ってきました。

浜谷>よく分ります。 私の「英会話学習相談室」もその方向でやっていくつもりです。

根石さん> 浜谷さんはあくまで「英会話の初心者」 を初心者
としておられますが、英語の磁場のない場所 (日本)では、「英
会話の初心者」は結構ハイレベルな読みの力を持っているような人
になると私は考えて います。日本という土地では、フリー・トー
キングな んぞはほとんど意味がない。フリー・トーキングが多少
なりとも意味を持つのは、下地を持っている人の場合だけです。
 日本では「英会話」をやりたいと思うなら、結局、 語学をやる
ことになります。あるいは、語学で下地を作り一定のレベルに達す
ることが必要になります。

浜谷>そのとおりだと思います。しかし、フリートーキングという遊びごころも必要だと考えます。私が多読で英語の語彙と構文のインプットを図ったのはなるべく勉強「ごころ」を避け、遊び「ごころ」で興味の持続をはかったことがあると考えています。勿論、根石さんの「音づくり」にも映画のスクリプトを利用するという「遊び心」を充分取り入れられているとみています。今私の相談室にはとにかく喋る場が欲しいという人が殆どで、いわば「日本人に
深く染み込んだ英会話という迷信」にとらわれた人々ですが、その「迷信」と思われるものの中には「正しい考え方」すなわち「恥かしがらずに喋る」という考え方が混在しているように思います。その考え方を肯定してあげると同時に、「音作り」の大切さも認識しなおすように指導したいと考えています。

http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis
 
 
 


148. 浜谷さんからのメール(2) 投稿者:根石吉久  投稿日: 7月 5日(木)03時16分03秒
 
>> 浜谷>結局根石さんと私の間では「初心者の定義」に
大きな差はないと考えますがどうでしょうか?

根石さん>  ううむ。
「学校を出ている」とかということは要件として必要ないと思いま
した。「学校を出ているにもかかわらずなお」というなら状況的に
は正確ですが、私は小学生だろうが、大学卒業生だろうが、おかま
いなしです。定義は言葉でなされるわけですから、「気持ちはわか
る」ということではないと思うのです。私の先日の定義も、音の問
題にしか触れておらず、不完全だとは思うものの、音の問題に関し
てなら、「こういう人が初心者」ということを確定できるのではな
いかと思い、提示させていただいたわけです。初級を細分して、初
級の「初・中・上」というものを作れば、初級の「上」あたりで、
「文法が知識ではなくセンスになっている」というようなものも確
定されるべきだとも考えています。この辺に関して、いろんな方に
討議に加わってもらえればと思っているのですが、これで英語に関
する掲示板なのかというくらいに皆さん黙ってしまわれます。日本
ですね。まあ、私がやたらにアクが強いのがいけないということも
あります。

浜谷>確かに学校を出てる出てないの問題ではないのですが、学校を出ていて、喋れない人が多すぎる、ということを問題にしたいと思ったのです。そして、そういう人が、今実際に海外旅行から帰ってきて勉強しなおしたいと思っている。そういう人々のうち、いわゆる「下地づくり」が必要なひとを「初心者」と考えています。仰るように「初心者」のなかにもレベルがあり、そのレベルに合わせた指導方法を練り上げたいと根石さんはお考えなのですね? 
私は現状の学校英語改善に失望していますので、(改善されるのはこの何十年先と思われ、恐らく私が生きているうちは無理でしょう。)根石さんの地道な地ならし(学生に学校外で地道に「音作り」を指導するという)作業はその何十年先の学校英語改善に先鞭をつけるものと尊敬の念を禁じえません。「なおいろんな方に討議に加わってもらえればと思っているのですが、これで英語に関する掲示板なのかというくらいに皆さん黙ってしまわれます。日本です
ね。」と仰っているのは全く同感です。私もその後古川さんの掲示板にいってみているのですが、全くの音なしにはがっかりしています。もっとも私が早く根石さんへのレスを掲示板にしていないということに責任は感じています。
2−3日見ていないので今から確認のために見に行って、近日中には何らかの書き込みをしたいと思っています。

http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis
 
 
 


149. 浜谷さんからのメール(3) 投稿者:根石吉久  投稿日: 7月 5日(木)03時18分29秒
 
根石さん>  浜谷さんのお気持ちは私は推察できると思っています。
 しかし、これまでになかった語学論をぶち立てるためには、原理、
法則とでもいうべきものを踏みしめなければならないとも思っていま
す。それを提示しないと、学校英語のていたらくはどうにもならない
し、受験英語のインポテンツもどうにもならないし、それらのていた
らくやインポテンツを食い物にする英会話学校のハイエナどももどう
にもできない。これらのハイエナ学校に通う人の受講料を、たとえ失
業者に対してでも、日本の国家の税金が負担するなどということは、
「ていたらく、インポテンツ、ハイエナ」の三拍子が揃っている現状
ではまったくの犯罪だと考えています。なんで、ハイエナに人々の税
金を渡すのか。この税金の使い方は馬鹿が考えたものとしか思ってい
ません。
 なんで、「音読(音づくり)」の可能性を探求するところは、生き
延びることにこれだけ苦労してこなければならなかったのか。私はこ
の国の英語の扱いに対しては許し難いものを持っています。いつでも
言葉にできるだけのものが、今でも胸に煮えたぎっています。

浜谷> 上に書いたとおりです。私は学校英語の改善は何十年先とみていますが、根石さんの掲示板に出てきた現役教師による批判および、ご自分ができる範囲での勇気ある改善努力、こういう輪が根石さんが投じられた水面への一石から広がっていって改善までの期間が少しでも短くなればいいなと祈念しています。

根石さん> 英語の駆使能力については、浜谷さんはただちに私の先生
になっていただける人 だと思うのですが、生徒に(初心者に)英語を
持たせる方法に関してなら、私が何か言わせていただけることもあると
思い、先日、ぶしつけなことを申しました。浜谷さんのご都合がついた
時には、私のレッスン枠が埋まっている場合でも、なんとか工面して
(女房に仕事を押しつけるなどして)浜谷さんのレッスンはお受けした
いと思っています。

浜谷>ご配慮重ね重ねあり難いことと感謝しています。先日のメールの通り、私の「相談室」が曲りなりに軌道にのったらぜひお願いしたいと思っていますので、その節はよろしくお願いします。

なお、昨日申し上げましたが一連のメールやりとりの根石さんのHPへの掲載は全く異存ありません。 念のために付け加えさせて頂きます。昨日で「相談室」今週の例会が終わり、今メールを書き終わりこれから、古川さん、根石さんの掲示板へいってみようと思っています。
                          浜谷俊雄

http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis