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以前の生徒さんか
ら、「イメージ核受肉教材」の記述についてメールで意見がありました
ので、ひとまずその意見を転写いたします。その後、私がさしあげたメールを転写いたします。以下、引用です。
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根石さん
横浜のYです。 突然のメールですみません。
家内から質問がありまして、私の方で考えをまとめたものを送らせてください。
お時間のある時で結構ですので、一読願いますでしょうか。
Well, I think she hit her head harder than we think.
Well, she was talking to nobody that wasn't there before she even hit
her
head.
Well, I know she is, but you know sister can do that.
・・・
この会話に出てくる nobody that wasn't there のイメージが難しいと
家内に言われました。 学校で、否定の否定(二重否定)は「肯定だ」と習ったと
いうのです。
この二重否定の理解が難しいというのですね。
nobody を否定しているので、somebody になるのではないか、、と言うのが質問でし
た。
出勤前でしたので、私は家内に「口語では、二重否定は肯定ではなく、
否定を強調するケースが多いから、、この文章は、nobody (誰もいなかった)とい
う否定を、強調したにすぎない」そのように伝えて家をでました。
・・・
帰宅すると、スクリーンプレイの日本語を読んで、それでもわからないので、根石さ
んのテキストの文法解析を読んだが、それでもわからないと言われました。
スクリーンプレイの日本語訳は次です。
She was talking to nobody that wasn't there before she even hit her
head.
頭をぶつける前は存在しない人と話しなんかしなかったもの。
(以前は頭は正常だった、、と、言いたいのだと思います)
根石さんのテキストに出てくるイメージは次です。
彼女はそこにいない誰にも話しかけていなかった。/ 彼女が彼女の頭を打つ前でさ
え
「そこにいない誰にも○○してなかった」
う〜〜ん、、この日本語のイメージが難しかったのです。
しかも、、最後に「〜でさえ」がつくので、ちょっと違和感を感じます。
ロジックと言いましょうか、、つじつまが合わなくなる日本語に感じますが、
どうでしょう?
・・・
私のイメージは次のようなものです。
家内には、nobody that wasn't there を、ghost に置き換えて読むように伝えまし
た。
日本語にするなら「独り言」がハマルと思いました。
She was talking to nobody that wasn't there before she even hit her
head.
↓
She was talking to a ghost before she even hit her head.
↓
She was talking 独り言 before she even hit her head.
目に見えない(存在しない)誰かとは話をしていたわよ、頭を打つ以前から、、(頭
を打つ前でさえ)
(頭を打つ以前だって、誰かと(ゴーストと)話をしていたわよ)
(独り言は、頭を打つ以前からよ、、、)
これが私の中のイメージです。 肯定文だと思います。
それをハッキリさせるのが、even のイメージです。
・・・・
スクリーンプレイの対訳和文
思ったよりひどく頭をぶつけたみたいね。
頭をぶつける前は存在しない人と話なんてしなかったもの。(← evenのイメージが
抜けた日本語)
話をしてたわ、だって霊媒師でしょ。
・・・・
スクリーンプレイのこの場面の対訳は、英語のロジックを優先しないで、
日本語での面白さを優先させたものだと思います。
英語のイメージの動きは違うと(私は)感じています。
私の中のイメージの動きを整理して日本語をスッキリさせてみました。
・・・・
思ったより強く頭をぶつけたみたいね。
でも、頭をぶつける以前だって、彼女は独り言を言ってたわよ。
独り言は知ってるわ、、でもシスターがゴーストと話せるってあんた知ってた?
・・・・・
教科書どおりの訳ではないですが、次のイメージの動きを見てください。
思ったより強く頭をぶつけたみたいね。
でも、独り言は以前もしてたから、頭がおかしいのは今に始まったことではないで
しょ。
前の彼女の独り言は知ってるわ、、、でも本当に頭がおかしくなっちゃったみたい
よ。
・・・・
ここの解釈をするために、レンタルビデオ屋で映画をはじめて借りてきました。
場面のイメージを見て、イントネーションも確認すれば、僕の解釈を確信できると
思ったからです。
この場面の最後のセリフですが、、
そこには薄い疑問のようなイントネーションが加わっていると感じました。
Well, I know she is, but you know sister can do that.
↓
Well, I know she is, but you know sister can do that?
↓
Well, I know she is, but did you know sister can do that?
・・・・
私の言いたいポイント:
nobody の入っているこの文章は、
「○○でなかったことはなかった」というイメージの動きではないと(私は)思うの
です。
nobody だと「否定」のイメージですが、この文章全体の核は、
あくまでも「話していた」という肯定だと私は思うのです。
否定プラス否定が必ず肯定になるわけではない。
否定プラス否定は、否定の強調されてるケースが多い。
後半にでてくる even の単語のイメージが重要。
evenが書いてなければ、スクリーンプレイや、根石さんの解釈もありえると思います
が、
even があるために、、「今に始まったことではない」という事が強調されていると
思います。
どうでしょう? |
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