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素読舎塾長への表彰状

 素読舎塾長のあなたは、地元のカルチャーババア、PTAババア、成績主義者どもをこれまでさんざんにどやしつけてきました。

 よってここにそれを表彰いたします。




 しかし、あなたのその行いは、根石吉久とその妻子にとっては非常なる迷惑でした。そのためにどれほど素読舎が不評を買い、カルチャーババア、PTAババア、成績主義者どもが、どれほど素読舎の悪口をいいふらす側に回ったことか知れません。とにかく、あなたがやってきたことは、生活向きではありませんでした。

 例えば、塾生が学校で良い成績をあげること自体はなんら悪いことではありませんが、成績はよくて実力のない者に成り下がることをあなたは我慢できませんでした。

 何を言っとるか。そんなふうにテストで目眩ましをくらっていたら、お前の英語は駄目になる。そんなことばかりをあなたは言い続けました。テストの得点が実力よりも大事だと考える塾生は素読舎をやめていきました。

 あなたの親切な行いは、ほとんどの場合、裏目に出ております。

 テストの結果だけ見れば、素読舎のわずかな塾生がかわるがわる学年トップになったりもしました。塾生数が少ない塾であるにもかかわらず、少ない塾生から一流大学に続々と合格者が出たりもしました。それでも、素読舎の塾生数は減少を続けています。厳しい塾だから駄目な塾なのだそうです。戦後市民社会の住人どもからは、素読舎はきちんと嫌われ憎まれています。

 そこであなたは考えました。素読舎が更埴市とその近在の塾であることをやめればいいのだ、と。電話回線上で素読舎の「技法グラウンド」を行うならば、短時間に密度の濃い練習ができる、と。

 電話線を伝って更埴市を抜け出すことを考えついたあなたは偉い。

 よってここに再度、表彰いたします。




素読舎塾長・根石吉久殿


                      生活者・根石吉久



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