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in & out 英会話用インプット専用教室機関誌(要・毎号請求)

      ゆいまある・素読舎月曜


第6号  1999年6月9日  発行人 根石吉久

携帯電話 090−3316−4180

素読舎月曜クラスの機関誌も兼ねます

 素読舎月曜クラスは、やじろべえの無料クラスが満員の時に、新しく参加希望の人が現れた場合の受け皿としてスタートしましたが、その後、ウドが仕事を手伝ってくれることになったのをきっかけに有料部門を設け、ウドの基本給(月額2万円)を確保するための教室になりました。現在、ウドの収入は2万円〜2万5千円の間、私の収入は月額0円〜2500円の間です。こういうのを雀の涙というのでしょうか。
 やじろべえでやっていたことと同様に、無料でも使えるようにしていましたが、無料で使う方と有料で使う方が混在していると、教室をやる側の仕事が非常にわずらわしいものとなりました。また、女房にも英語の練習をさせてやるつもりでしたが、無料で使われる方が混在すると、女房の練習がほとんどできませんでした。私一人が無料クラスをやってる分にはいいのですが、無料クラスのために女房の手まで使うのはちょっと無理がかかりすぎるなと考えました。それだけの余裕が私たちにはありません。女房の中にも、私は英語を打ち建てている途中なのです。

 素読舎月曜のクラスは、「ゆいまある」のクラスに準じて運営することにし、無料で使われる方は、申し訳ありませんが、再び「やじろべえ」のクラスに戻って練習していただくことにしました。無料で使われる方は、その旨申し出て下さい。その方を受け入れるため、「やじろべえ」の無料クラスの新しい方の受け入れをしばらくストップします。
 今後、無料のクラスは、「やじろべえ」のクラスだけとし、「やじろべえ」の定員が埋まっているときは、参加をお待ちいただくか、「ゆいまある」あるいは素読舎月曜クラスで有料で始めていただくことになります。素読舎月曜クラスの定員が埋まっている場合は、土・日の素読舎を受け皿とします。この点、よろしくお願いいたします。

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教材のこと
 
 「抽出」は、「話体」で使用している英文を抽出したものです。
 「話体」の教材作りに一日数時間使っていますが、現在、770番まで作成を終えています。

 皆さんに、なにはともあれ、千の文を体に入れていただきたいと何度もあちこちで書いています。まず目をつむってというか、だまされたと思ってでもいいんですが、千の文がはっきりとすらすら言えるようにしてしまって下さい。その作業が終わったあたりで、ようやくエーカイワというものも現実的なものになってきます。エーカイワがよちよち歩きを始めるようになります。
 これは、新しく練習を始める方にとっての基準です。すでにある程度しゃべれる人の場合は、この千の文で新たなレベルアップが実現します。

 人様に千の文をどんどん読み込んで、はっきりとすらすら言えるようにしてくれと要求を出していながら、実はその千の文がまだ素読舎にありません。千の文は、「話体」の教材番号が千に届いたときに揃います。現在、770番ですから、あと200枚ちょっと「話体」を作成しなければなりません。キーボードを打つ手の甲から腕にかけて、ときどきしびれのような痛みが走りますが、手を休めず作成中です。

 私の方としても、ひとまず「話体」の千枚を作ってしまわないと、教材をふくらませることができません。千を作ってしまったら、その分の「抽出」を作成し、その後テープ教材を完成させます。

 「抽出」は、「話体」に新しく出てくる文だけを集めたものですが、この教材をいずれは2本だてにしようと考えています。現在のものの他に、もう一つ、「話体」に出てくる英文をかたっぱしから網羅したものの作成を考えています。

 これは、教室に来られる方のレベルに応じるためです。現在の「抽出」では、48枚で、「話体」の500番までカバーしています。すでにある程度の力のある方には、これまでの「抽出」の方が都合がいいのですが、まるで元から基礎を作る必要のある方には、もっと教材の内部構造自体を反映しているものの方が適します。
 「話体」という教材の最大の特色はこの重複構造にあります。何度も何度も同じ文が登場します。この重複構造をうまく使うか使わないかで、力のつきかたは雲泥の差というものになります。

 「話体」から「抽出」を作る場合も、この重複構造をそのまま反映させて作ることができます。「抽出」の49枚目以後は、この重複構造を使って作成します。「話体」の500番までのものに関しても、「話体」の作成が1000番に達して以後、新たに重複構造のものを作成します。

 というわけで、教材作成の予定はたっているのですが、私の方も「話体」の千枚を作ってしまわないと、身動きがとれない状態です。なにはともあれ、早めに千枚を作ってしまおうと思っています。

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練習の激しさ

 私の方でも様々にやり方を工夫し続けますが、何よりも肝心なのは、生徒さんの方の「練習の激しさ」です。これが欠けてしまうと、私のいろんな工夫もむなしいものとなります。
 教室に頼らないで下さい。世の中の英会話学校とは違って、ひげもじゃ英語塾には実質を作る練習があります。それでも、基本的な姿勢としては、頼ることはしないでください。
 あくまでも肝心なのは自分で自分に対して行う練習です。ひげもじゃ英語塾は、生徒さんひとりひとりが、自分で練習するのに都合のいい教材や練習方法を用意します。また、週に一度の教室は、自分で行う練習の邪魔を取り除くためのものです。
 この週に一度の教室に通っていれば、それだけでいつかはなんとかなるというふうに思わないで下さい。自分で自分に対して行う練習を少しずつ激しいものにしていかないと、エーカイワがよちよち歩きを始めるのにさえ、200年も300年もかかってしまいます。

 週に一度の教室は、一人で自分で行う練習の邪魔を取り除くためのものです。それだけのことしか、週に一度の教室ではできません。

 せっかく邪魔を取り除いたのに、それを一週間ほったらかしにしたら、実にもったいない話です。邪魔を取り除いた文に関しては、「話体」を使って激しく読んだり書いたりして下さい。そして、もっとも肝心なことは、単語にせよ、熟語にせよ、文全体にせよ、強くイメージすることです。イメージの強度が獲得されれば、意識のエネルギーはイメージと英文の間だけを往還します。日本語が介在しなくなります。このレベルまで意識を使役して下さい。
 イメージと英文の間だけで意識のエネルギーが動くようになったレベルがヒアリングが可能になるレベルです。イメージがはっきりと成立していれば、イメージを圧縮し、一瞬のイディアの動きにまで煮詰めることができます。それを欠いて、英語が意識に立ち上がることはありません。
 イメージを英文に即応させ、日本語を介在させないこと、これが何よりも肝心です。

 「話体」に多用してある日本語は、文法的な説明以外は単なるヒント程度に考えてください。ひとつの英文全体で何を言っているのかをざっとひとつかみにするために、最初は日本語を読んでいいのですが、練習の途中で日本語を脱いでしまって下さい。日本語を脱いで、意識がイメージと英文だけで動くように、意識の動きを工夫します。

 そのためには、日本語の文を「絵」を見るように見て、全体をひとつかみにして下さい。つまり、読書する時のように「たどって読む」ということをしないで下さい。これが大事なコツの一つです。英文も、まるごとで一つとして扱い、まるごとでひとつとして言い続けて下さい。「音」が独立して、字が不要となるレベルに達したら、字を見ないで言い続けて下さい。


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千の文を体に入れると何が起こるか

 千の文は、からっぽの千の電池だと考えて下さい。
 語学で扱う文は、実はからっぽです。

 晴れ上がった天気のいい日に、「今日はひどい雨降りだ」という文を唱え続けることができるのが語学というものです。語学で扱う文は、ほとんどすべてが、架空のものであり、からっぽです。

 ですから、語学は実は目の前にある現実に対してはいつもトンチンカンです。トンチンカンであることが語学の本質です。

 このトンチンカンをあえて積極的に意識の運動として独立させてしまうこと。そして、最低ラインの千のからっぽの電池を持つこと。

 からっぽでかまいません。
 ウドとの練習は、からっぽの電池になるべく早く充電させるもくろみがありますが、本来はからっぽの電池でもかまわないのです。性能のいいからっぽの電池を千持つことができれば、あとから立て続けに短期間に充電することが可能です。まずやらなければならないことは、からっぽでもいいから千の文を体に入れることです。

 文がからっぽであることこそ、語学の本質に根付いたことがらです。いくら意味がわかり、全体が理解できていても、語学で扱う文というものはからっぽです。からっぽであり、架空であり、意識の上だけのお芝居でなければ、語学というものは成立しません。

 理解したものが、必ず「音」として体に残るような練習を続けて下さい。
 これを外すと、使えない英語ができてしまいます。






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