自宅自作日録98年2月
980213
二階北壁、室内側、針葉樹合板のウケを作るため、ツーバイフォーの材木を切り、床、柱などに釘打ち。木工用ボンドを使い、すでに張ってある外壁側の合板との接着力をあてにするが、夜中にボンドが凍れば接着力はない。あともう少しで北壁の室内側からグラスウールの断熱材を入れられる。松谷さんが手伝ってくれるようになってから、現場がさぼれない。
松谷さんは、西の三角部屋と寝室の境の壁づくり。南壁の内側に断熱性能をあげるために棚をつくり、その分だけ部屋が狭くなることを松谷さんが忘れ、再度の打ち合わせに時間をとられる。
妻は南壁の合板のウケ作り。南壁の西よりに、パララムと土台をパイプでつなぎ、パイプと木材をピンで緊結する部分で、やけにピンのゆるいところがある。トーエネックの山中さんに電話しようかと思うが、ピンを動かしていると、中で金属がぶつかる音がする。パイプには通っているらしい。
「もくもく」の工場でパララムの加工を間違え、大工が建て前のときに現場で穴をあけたことを思い出した。あけた穴がでかすぎて、ピンがゆるゆるになっている。コンクリボンドを押し込んで固定するくらいしか今からでは対処する方法がない。
パララムとTJIの採用は正解だったと思うが、とにかく施工した大工の質が悪かった。特に、軒を形成する部分でやたらに叩きつけて無理に収めたところでは、金具がパララムから浮き上がったり、金具が外れかけているところがある。後からどうにも直しようがない。
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980217
午後、宮崎さん来る。今の借家の風呂釜が調子悪く、ノズルを調べてもらい交換することになる。その後、建築中の家の2階のトイレの配管、1階の風呂、便所、洗濯機の水道、下水の配管をどうするか相談する。現場へ。松谷さん、2階便所の壁作り。壁の通りをルーフライトに揃えるため、ルーフライトから下げ振りを降ろしているとき、ルーフライトのガラスと木の間のゴムのパッキンが変な風にはみ出しているのをみつける。また、トーエネックが雇った大工の馬鹿な仕事がみつかる。ガラスの隅に変なので近づいてみたら、ガラスが欠けている。とにかく建て前をやった大工の質は劣悪そのもの。無理に叩き込むようなことばかりしていたことを思い出すが、ルーフライトの中古をはめたわけでもあるまいに、新品のガラスの隅を割ってそのまましらばくれたのを、ようやく今日になって発見した。この時代の大工の「普通の」仕事というものはとことん駄目なものだ。妻にトーエネック・山中さんに電話させにやらせる。北壁上部のグラスウールを施工するが、終始気分が悪い。妻が帰ってきて、明後日以後に山中さんが来ると言う。
今のところ、雨漏りはないが、こんな劣悪な仕事をした大工のことだ、今後どんな問題がもちあがるか分かったものではない。破風をとりつけるときに、無理に金具をハンマーで叩きつけたために、金具がひしゃげたり、浮きあがっているところが3カ所ある。今は、軒天に隠れてしまっているが、風によって軒が壊れたる可能性を考えていない。こんな馬鹿な仕事がまかり通ってたまるか。北壁上部断熱材施工終わる。針葉樹合版を枠に釘打ちする。足場が悪く、半分終わらなかった。
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980218
ゆうべなかなか眠れず、朝になる。起きたのが午後3時。荒井さん来る。話していて、現場着4時。世の中の職人の仕事がほぼ終わる頃になって現場に着くことが多い。体に疲れがたまってきていて、足場の高いところに登るのを体が嫌がっているのがわかる。慎重にやる。
松谷さん、二階の便所の壁づくり。便器を買わないと実際の造作にならないので中断してもらい、3畳に満たない書斎の壁を作ってもらう。塾をやった日にストーブの余熱を2階寝室、書斎にもちこむ装置をどうつくるかで松谷さんと打ち合わせ。
自分では、北壁上部の室内側に針葉樹合版を釘打ちして壁を作る。ほぼ終わる。明日は屋根裏換気用のファンをメンテナンスするための小部屋の壁にとりかかれるだろう。ツーバイフォー、ツーバイシックスが終わりかける。明日、松谷さんに買っておいてもらうことにする。
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980219
起きて、飯を食わず「やじろべえ」へ。奥さんが浮かない顔をしていた。小山さんが骨を折って治りかけた脚でまた踏ん張ってしまったのだとわかる。骨がくっついていてくれと願うしかない。
現場へ。松谷さんが、4寸の間柱を使って、書斎の壁を作っているところだった。4寸の間柱は厚みが1寸しかないが横枠を入れるとガシッとする。書斎の東側の壁を張るのに屋根の断熱材(スタイロフォーム)の施工が終わっていないと駄目なので、松谷さんが壁を作る間、断熱材を施工する。峰の水平の造作とのとりあいが難しい。いくつかのやり方を試しにやってみて、ようやくやるべき方法を見つけるが、明日以後の水平の断熱材とのとりあいがまた難しい。
比較的気温が高く、ボンドが効きそうなので夜遅くまでやる。帰宅したら0時。炬燵にあたったら極楽。風呂に入って2度極楽。断熱材のかけらが口に入ったらしく、喉のところにひっかかってとれない。たぶんグラスウールだろう。
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980220
宮崎さん来て、風呂釜のノズルを交換してくれる。ついでに二階の便器を決める。20万円余り。毎日のことだから、二階から遠い便所へ行くことを考えると必要な経費か。それにしても高い。製品はダイワ化成のもの。
カインズへ。100ミリのグラスウール4980円を二束買う。クリークへ。塩ビのパイプ100ミリ径のもの2本、エルボー数個、金具を軽トラックに積む。塩ビのパイプを切る道具と接着剤を借りる。
現場に。山中さんが来ていた。畠山板金も一緒。畠山板金には妻が金を払った後。山中さんに、大工のした仕事について、大工に一筆入れさせることを言う。山中さんは、トーエネックの管理責任不行き届きとして一筆入れると言う。一筆とは、今後突風で屋根が動くようなことがあれば屋根工事をやりなおすということ。しかし、それをやればとてつもない大仕事になる。その後、俺と松谷さんがやってきた仕事まで全部やり直すことになる。でたらめな仕事をすれば、とりかえしがつかないことになることがわかっていない馬鹿大工が現にいる。どうののしっても腹の虫がおさまらない。俺が一段一段ていねいにブロックを積み、目地のすべてに鉄筋を入れ、コンクリをていねいに突いてやってきたことの全体を糞大工に馬鹿にされたという思いが消えない。必ず大工に責任をとらせる。しかし、どんな形で文書を作るべきか。 塩沢が妹と来る。缶コーヒーとパンを持ってきてくれる。
7時過ぎ、塾の仕事をやりにいったん家にもどる。9時、すぐに現場に戻る。12時過ぎまで断熱材が6寸勾配と水平にぶつかる部分を施工。他の部分の何倍も手間がかかるので、夜も時間があるかぎりやるしかない。妻が迎えに来て帰る。
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980225
断熱材が6寸勾配と峰の水平部分とがぶつかるところの施工中断。松谷さんの仕事の下準備をあちこちやる。書斎の天井を貼れるようにするために、スタイロフォームの断熱材が切れているところを埋める。スタイロフォームを切って施工するので、ここもやはり手間をくう。松谷さんが、屋根裏換気のファンをメンテナンスするための小部屋を北壁の上部に作る間、TJIの下端に南北に墨を打ち、6寸勾配の天井を貼るための受け材をボンドとネジで止めつける。南の端の列にスタイロフォームが入っていないので、スタイロフォームを入れていて、転び止めがやり残してあるのに気づき、急遽作る。夜、10時までやる。
髪の毛に木工用ボンドがつき、ボンドにグラスウールの粉や、スタイロフォームの屑がつき、髪に櫛が通らない状態になる。もっとも櫛なんか通したことはないが・・・。
帰宅して風呂に入るとボンドが湯気で柔らかくなる。ボンドはシャンプーすると溶けるが、コーキングしたあとはコーキング材がなかなかとれない。 ブロック積みをしていた頃は、ダイヤモンドのついた丸ノコでブロックを切り、もうもうとコンクリートの煙が立ち、それをさんざん吸い込んだ。コンクリートブロックの粉を吸い込むことはもうないが、今はスタイロフォームやグラスウールの粉を吸い込んでいる。グラスウールを施工しているとすぐに喉がいがらっぽくなり、咳が出てなかなかとまらない。要するにガラスの極小のかけらを吸い込んでいることになる。合版を丸ノコで切れば、木の粉だけでなく、合版を構成する接着剤も吸い込んでいることになる。どれもこれも毒になるものばかりだ。
しかし、今が俺の最高の時だと思うときがある。この家ができてしまったらどんなに寂しいことだろうと思うときがある。
松谷さんに手伝ってもらうようになって、自分のペースで作っていくということはできなくなったが、仕事が進むようになった。あれを終わらせないとこれができないという場所が出てくるので、松谷さんの手が止まらないようにあちこち作って準備する。そのおかげで、これまでなかったほど、毎日毎日現場をやるようになった。夜遅くまでやることも多くなった。
今年中にふた部屋くらいは使えるようになるのではないか。これでいいのだと思いもする。こういうペースでやらなければ、結局家はできないだろう。これでいいのだと自分に言いきかせている。
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980226
朝7時に目がさめて眠れない。いつもなら昼か午後まで寝るが、なんとなく体が寒くて眠れず、そのまま起きる。9時頃まで炬燵でぐずぐずし、やじろべえへ出かけコーヒーで眠気をとろうとした。カウンターでグラスウールの断熱材を施工しているといがらっぽくなることを話したら、宮川さんが絶対にマスクをしないと駄目だと言う。アスベストと同じで、グラスウールも体内に吸い込んだものは外に出ないとのこと。アスベストが危ないことは聞いていたが、グラスウールがそれほど危険だとは知らなかった。マスクもあまり簡単なやつではなくそれなりのものを使わないと駄目だと、カウンターのもう一人の人が言った。やじろべえから現場へ行く途中、デイツーに寄りマスクを買う。2000円のものが一つあるだけ。後は数百円の安物ばかり。2000円のやつと、臨時に400円のものを2つ買う。現場に着いて、松谷さんにやじろべえで聞いた話を伝え、マスクをしてくれと言うが、グラスウールが危ないのは知っているというきりで、マスクはしない。間もなく妻が来た。まともなマスクがデイツーにはひとつしかなかったので、カインズへ買いにやらせる。
書斎の天井にグラスウールを施工。針葉樹合版の天井板を2枚貼る。他には、書斎と2階便所の境の壁の上部をつくるのに必要な受け材をTJIに接着剤とネジで止めつける。松谷さんは、北壁上部のファンをメンテナンスする小部屋を作る。この小部屋はほぼできあがる。この後、ドアをつけ、外側の合版を貼れば終わる。
夜、中村来る。ナショナルのシーリング・ファン、受注注文のやつを取りやめ、三菱の直径1m40センチのものに変更する。他にピタハネとかいう換気扇を注文する。中村に配線の検査をしてもらう。漏電の検査だけだが合格だった。今のところ配線ミスはない。
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